68年の第2作目。エアーズが抜け、ヒュー・ホッパーが参加。 まずお洒落なイントロダクション的に語りが入り「Hibou, Anemone And Bear」が始まった瞬間「あっ!」と思うだろう。そう、この曲がマシーンのその後を決定付けていると言っても良い。明らかにホッパー節が炸裂しており、彼のマシーンへの貢献度が一発で分かる代物だ。 1stに比べると曲もバラエティに富み聴き応えあり。陳腐な表現で申し訳ないが、おもちゃ箱をひっくり返したようなアルバムである。英国アルファべットが出てきたり、スペイン語が出てきたり。歌詞をじっくり読んでみても面白いのではないだろうか。 中でも「As Long As He Lies Perfectly Still」は素晴らしい曲。マシーンの曲の中でこんなに甘美で、且つなんとか口ずさむことの出来る歌メロは希有だ。 全17曲、一気に聴くべし。 カンタベリーの真髄はこの作品なのだから。
20分近くの大作が4曲。一般的に彼等の最高傑作と言われています。僕もそう思います。 メンバーはマイク・ラトリッジ(organ)、ヒュー・ホッパー(ba)、ロバート・ワイアット(dr)、エルトン・ディーン(sax)。最強の布陣である。 いかにも英国人解釈のジャズ・ロックであり、攻撃的でアバンギャルド。混沌とした雰囲気の向こうから、うっすらと主題的なテーマが聞こえて来、それに呼応するように全楽器が爆走し始めます。テンションの緩慢、それでいて一貫して保たれている緊張感。この絶妙のギリギリ具合がこのバンドの最大の魅力でしょう。 全曲素晴らしいのですが、特に「6月の月」はヴォーカル入りなので聴き易いです。ワイアットの作品ですが、まだここではそんなに音楽的確執が見られず、マシーンの音としてちゃんと機能していると思います。1曲目の「Facelift」は部分的に70年のフェアフィールドでのライヴ音源を使用しています(繋ぎ目も一目瞭然)が、こんなに凄い演奏を当時ライヴでやってたのかと思うと溜息が出ます。因みにこの元ネタのライヴ全編は後のライヴ盤『NOISETTE』で聴けます。2曲目の「Slightly All The Time」の後半でCARAVANの「狩りへ行こう」にも使用された「Backwards」が聴けます。4曲目「Out- Bloody--Rageous」も必聴。この曲こそ彼等の魅力が全て詰まった一曲ではないでしょうか。 カンタベリー独特のあのくぐもった感じと当時のイギリス音楽の革新的な勢いが見事に融合した奇跡的な作品。文句の付けようもない。