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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2013-03-24 12:41:18)

2011年発表の2nd。
これはなかなかの良盤ではないでしょうか。

タイプとしてはトレモロリフに練り込んだ叙情性の強いメロディを武器に聴かせる、メロディックなブラックメタルという感じですが、フレーズの反復による陶酔感の演出と、緩急付けたドラマティックな構成の折衷を見事にこなしている感じで、バンドの持つ哲学を伝えるような濃密なムードと、聴き手を引き込むドラマ性を兼ね備えた作風に仕上がってるように思います。

疾走パートの苛烈さや地声交じりの、感情の入ったヴォーカルが醸し出す狂気的な部分は勿論ですが、個人的にはテンポを落として聴かせる箇所にこそより魅力を感じたり。深遠な空気は保ちつつも、トレモロのメロディに分かりやすい物悲しさや鬱感情が含まれているので、入っていきやすいんですよね。スローパートだけで言えば鬱ブラック的とも言えそう。

DISSECTIONの初期作がメロディアスなブラックメタルのスタイルを確立したとして、それをマッシブなどす黒さを強めるとWATAINに、ミニマルで儀式的な要素を強めるとこのバンドの音楽性になりそうな気がします。こだわりは感じさせつつ、小難しさはそれ程感じない、カルトなバンドの中では割と取っ付きやすい音ではないかと。



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