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Wetterkreuz (Usher-to-the-ETHER)


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Wetterkreuz

2012年発表の3rd。

ショップでの推され具合やレビューサイトのコメント等から察するに、2012年のブラックの中でもかなり評判の良いアルバムの様ですが…これは評価が高いのも納得の、非常に良質なコールド・ブラック。ノルウェーのISKALDや同郷のSCHRATを思わせる、寒々しいトレモロリフで凍てついた空気を演出しつつ、時折アトモスフェリックなキーボードも取り入れ、長尺の曲をドラマティックに聴かせる、メロディックな作風。

但し、いわゆるメロブラと言われるバンドの中では、ちょっと辛口な路線で、特に厚みを伴いつつもノイジーな、ザリザリしたリフの音色は苦手な人には少しキツいかも。しかしこのノイジーさこそが、暴虐パートでの土石流もしくは雪崩的な迫力を、アトモスフェリックなパートでの日常離れした神秘性を掻き立て、カルトな魅力を放っている事もまた事実なんですよね。

と言っても、ブラック初心者が聴いてもしっかり冷気を感じ取れるであろう、演出力や楽曲構成力、メロディセンスの高さは備えており、決してマニア向けな間口の狭さにはなっていないところが良いですね。ブラックをある程度聴きこんで、このジャンルのノイジーな音質に慣れた方であれば楽しめるかと思います。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-02-11 09:20:20)