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THE LEGACY

日本よりも海外のカルトマニアに支持されている可能性の高い国産メタルバンドのコンピ作。チャーチオブミザリーの三上氏が在籍していたバンドとしての認知度も高く、マニアック度に拍車を掛けているのだが、この作品内容が濃いのである。とくに『Back to the Front』というタイトルで世に出たデモであり、のちにドイツのレーベルが『SALEM』というタイトルでリリースした冒頭の3曲など現在では入手不可能なレア物アイテムだけに興奮必死です。
ダークでミステリアス、そして古臭いNOWBHM直系の暴走感、なんたって単なるフォロワーバンドではない個性、名も無き村の奥深く、納屋で集まり繰り広げられる土着的な信仰とも言える、不気味でサタニカルなマイナーダークサイドサウンドは雰囲気タップリ、ドイツのカルトレーベルが、デモを聴いてリリースしたいと思った気持ちに激しく共感できます。時折クラウス・マイネを彷彿とさせるシンガーの声質と歌メロの良さ、自己主張を怠らない動き回るベースと、阿吽の呼吸から繰り出されるドラムが聴き手を幻惑、どこか妖しげなサウンドメイクに一役も二役も買っています。
メロディアスなギターは邪悪で荘厳なるSALEMサウンドをダイナミック描き上げ、そのメロディラインは美しくもあり攻撃的でもある、そういう最強説の高い笠松氏が唄う時代も良いが、前任者である山田さんが唄う1988年にリリースされたデモ2からも3曲収録されており、マニア度もアップ、個人的には全曲聴いてみたいのだが、彼等がハウリングブルからリリースされたのはこういう攻撃的な面をフォローしていたからでもあるのだろうが、今作を聴き彼等がスラッシュとしての枠組みで語るのは適切ではなかったとも言える、そんなジャンル不問のダイハードなHM/HRサウンドであることは間違いない。こちらが本来のヴァージョンなんだと恨み節も聴こえてきそうなデモ音源集、貴重なテイクの多さに興味が持って行かれがちですが、ある意味、ハウリングブルヴァージョンよりもらしいと言うのか、カッコイイと思える瞬間が多々あり、コチラの作品の価値は相当なポテンシャルを秘めていると思いますよ。
このバンドの音楽性を何と紹介すればよいのだろうか?エピックメタルに通ずるような濃度もあった、パワフルでスラッシーな曲もある、しかし正統性の強い叙情派ギタリストをそんな枠組みに放り込めるだろうか?場面展開の多いスリルと疾走感、でも冒頭の3曲が本質的には一番な気がしていますね。

失恋船長 ★★★ (2021-09-23 13:48:31)


REASON FOR EXISTENCE

かの有名なKERRANG!誌においても高い評価を受けた国産プログレスラッシャーが1993年にリリースした1st。唄の弱さは否めませんが、日本人ならではのキメの細かいフレージングと拘りのプレイ、アタッキーなリフワークは勿論、技巧的なバッキングプレイが耳を惹くギター、「Church of Misery」の三上氏が弾き出すベースのグルーブと手数の多いドラミングのシャープなキレはテクニカルな要素を格段にアピールしていのも彼らの音楽性を支えるキーポイント。過度の派手さや激烈な要素を前面に出さなくとも、十分に感じさせる激しく揺さぶる感情の機微、そこが重要だし濃密に描かれている。また壮大なイメージを抱かせつつもパワー満載のプログレッシブな要素も強い音楽性を1stの時点で見事に確立していますね。1994年に惜しまれつつ解散したのですが、今なをカルト的な人気を誇るバンドと語り継がれる所以たる魅力を体感出来ますね。

失恋船長 ★★★ (2016-01-19 15:05:58)


THE LEGACY

後にCHURCH OF MISERYを結成する、三上タツ(B)が嘗て在籍していた事で知られる、東京出身の4人組プログレ・パワーメタル・バンドが、
レコード・デビュー以前の'88年~'93年に発表した3本のデモ・テープ『DEMO 2』『BACK TO THE FRONT』『PROMO DEMO』に
リマスターを施しCD化した、後追いファン(俺です)には非常に有り難い初期音源集。
荒々しくもしっかりと「歌う」Vo、時にリード楽器の役割も果たすメロディアスなB、手数の多いダイナミックなリズムを
叩き出すDs、そして、エモーショナルなメロディを紡ぎ出すGとが、テクニカル且つスリリングに絡み合って生み出される、
カテゴライズ無用の個性的なサウンドは、これらデモ音源の時点で既に完成済み。
個人的に、特に興味深く聴かせて貰ったのが、初代Vo.山田哲也時代のナンバー⑧⑨⑩で、IRON MAIDENからの濃厚な影響と、
よりダークでスラッシーな攻撃性が宿った楽曲の数々を聴くにつけ、なぜ彼らがこのサイトにおいて「スラッシュ・メタル」の
カテゴリーに登録されているのか、ようやっと理解できた次第。いやぁ、カッコイイ。
一部楽曲は、'91年にHOWLING BULL RECORDSから1000枚限定でリリースされたデビューEP『LIFE WITH NO HOPE』や、
1stフル『REASON FOR EXISTENCE』('93年)と重複しているものの、両作とも現在では廃盤のため入手は困難だし、
何より本作収録バージョンの方が、より生々しくハードなアレンジが施されていて、単純にカッコイイ仕上がりだしね。
SALEM未体験者には、入門編としての機能も果たす、かなり重宝な1枚。出来れば、1stとEPも再発して欲しいなぁ。

火薬バカ一代 ★★ (2008-09-18 22:28:00)


LIFE WITH NO HOPE

2ndデモがKERRANG!誌で高く評価され、'93年にはUKツアーも行っている4人組HMバンドSALEMが、
1stフル『REASON FOR EXISTENCE』に先行する形で'93年発表した4曲入りEP。
HOWLING BULLレーベルからのリリースだったので、てっきりバキバキにスラッシーな内容を想像して購入したら、
そうした要素は(あるにはあるけど)最小限に留められ、もっとずっとモダンでプログレッシブ・ロック寄りの
サウンドを聴かせるバンドだったので、意外に思った記憶がある。
ちゃんと歌っているVo、テクニカルだが独り善がりではない、メロディアスなフレーズを紡ぎ出すG、
アクティブに動き回って要所を締めるB、多彩なリズムを叩き出すグルーヴィなDsと、メンバーの技量も確かで、
「グッとヘヴィ・メタル寄りになったATHEISTやFORCED ENTRY」といった印象も無きにしも非ず、か?
キャッチーとは言い難い音楽性ゆえ、個人的には苦手なタイプのバンドの筈なのに、彼らの場合は
(やや表現力に欠けるものの)取っ付き易い歌メロを乗っけてくれるVoと、繊細な表現力に長けたGの存在のお陰で、
最後までダレることなく聴き通せる。特に、強烈に泣くGと、憂いを帯びた歌メロを兼ね備えた、
SALEM流の美意識の結晶である④(1st『REASON~』にも再録)は名曲です。

火薬バカ一代 ★★ (2007-07-25 23:01:00)


MISERY / REASON FOR EXISTENCE
好きな曲。
リアルクイーンのような長いアウトロは終息に向かうときが一番おいしい。陽が下がる感覚に似ている。

中曽根栄作 ★★ (2005-11-29 23:52:31)


REASON FOR EXISTENCE

あ、わざわざ私のノミネートアルバムまで見ていただいてありがとうございます。
「イチ押し!」が似ているということはヴぃZさんが沢山書き込んでくれると
私の世界も広がるっ?!
暇を見つけてまた書き込みお願いします。
今、「『MISERY』の風」感じてきました。
ギターとドラムのフレーズによって
まさに映像が目の前に浮かぶ演奏でした。
学生時代に少しドラムをやっていたこともあるので
Drの複雑なリズムキープをしつつ、多様なフィルインを混ぜ込むプレイスタイルには
本当に頭が下がります。
スネア、バスドラの音もかなりキレのある素晴らしいものです。

ドゴスギア ★★ (2005-07-06 15:47:00)


REASON FOR EXISTENCE

ベースも超絶に素晴らしかったですけど、
(一曲目冒頭からグイグイと「聴かせて」くれますよね!)
ドラムもまた、本当に素晴らしかったように思います。
……
あの「MISERY」中盤以降の、「風」を感じさせてくれる美しいドラムワーク…
何度聴きなおしても飽きません。
ドラマーはポリスのS・コープランド命だったそうですが、
メタルのヘビィネスに、ニューウェイヴ系の軽妙さを併せ持った感触は、
素晴らしくオリジナリティ溢れていたと思います。
ところで、
ドゴスギアさんのノミネートアルバム、
ほぼ半数以上が「自分もイチ押し!」でしたので、とても嬉しかったですよ。
「サンダースティール一曲目だけ何度も」&「ブックオフに置いてあると…」に爆笑…
自分も、です。(w

ヴぃZ ★★ (2005-07-06 02:42:00)


IN BELIEF THAT RIGHT / REASON FOR EXISTENCE
とりあえずメンバーが全員テクニシャンなので彼らのやりたいことは全て完全に昇華できるバンドSALEM。
アルバム6曲目のこの曲と8曲目のAT THE MOUNTAIN OF MADNESSがハイライトでしょう。
偉大なるフレーズの繰り返しによって徐々にテンション・感情を高められちゃいます。
泣けるスラッシュはSALEMのみ!!

ドゴスギア ★★★ (2005-07-05 00:26:26)


REASON FOR EXISTENCE

そんなに経ちますか・・・。
私も今でも結構聴きますね、このアルバムは。
メガデスのrust in peaceよりも断然聴きます。
ベースのテクニカルなフレーズは聴いていて楽しくなっちゃいますよ!

ドゴスギア ★★ (2005-07-05 00:18:00)


REASON FOR EXISTENCE

もう12年も前になるんですね。
解散ギグ行って、CD購入して… いまだに聴き続けてますよ。
自分の聴いたメタル系アルバムの中では、ずっと「一位独走」のまま、です。

ヴぃZ ★★ (2005-07-04 17:42:00)


REASON FOR EXISTENCE

テクニカルなスラッシュをやっているセイレム。
ドラマーのライドシンバルの使い方がとてもよく印象に残っている。
フルレンスアルバムとしては確か一枚目だったが
ミニアルバムをコレよりも前に発表しており
何曲かは重複している曲もあり。
特徴的なGリフ、ヘヴィな曲調、練りこまれた楽曲が光るアルバム。

キタ・千里 ★★ (2005-06-30 01:46:00)