この曲を聴け!
最近の発言
MyPage

FOG - 最近の発言
モバイル向きページ 
解説 - 最近の発言
新しいコメント・評価 (タイトルをクリックすると当該項目に移動します)


Through the Eyes of Night...Winged They Come

2001年発表の1st。
ジャケ裏には7曲しか書かれていませんが、短いイントロとやけに長いアウトロを含むので、実際のトラック数は9。

…関連バンドのHORDES OF LUNAR EQLIPSEが割と良かったので、こちらも購入しましたが…予想以上に素晴らしいアルバムでびっくり。スタイルとしては、寒々しいトレモロや猛然とした疾走を交えつつ、緩急付けて展開する、オーソドックスなブラックメタルで、楽曲がやや長尺なことを除けば、特に衒いのある音ではないんですが…これが非常にかっこいい。

まずオーバープロダクションでもなく、ラフ過ぎて聴きづらいわけでもない、適度に湿り気と生々しさのある音作りが素晴らしく、その音でのブラストがホント気持ち良い。安心して音の渦に切り刻まれる感じ。圧倒的なのに、変に耳に痛くない音圧が最高です。加えて、ごくたまに現われる、正統派メタルにありそうなフレーズも良いフックになってると思う。

また、メロディのセンスそれ自体も素晴らしく、特に4曲目や5曲目などで聴けるトレモロリフなんて、ブラックメタルの代表曲と言われる曲のそれと比べても、全く差し支えないんじゃないかと思えるくらいにツボを突いてる。実に寒々しくて邪悪でかっこよすぎです。…この作品、あと少しジャンルの初見リスナーにも優しい分かりやすさがあったら、普通に「初心者が聴くべきアルバムn選」みたいな企画で選ばれてもおかしくないと思う。

このプリミティブにもオールドスクールにも寄りすぎていず、かつ両方の魅力をある程度備えているような音、本当に素晴らしいと思う。SATYRICONの「Nemesis Divina」アルバムに通じるドラマティックさですが、こちらの方がもっとラフでカオスな感じ。バンドは2ndアルバムの制作に着手していたものの、メンバーが抜けて解散してしまったようですが…ホント惜しすぎる…。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-09-19 10:47:19)