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FORFALL (Usher-to-the-ETHER)


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FORFALL

2011年発表の2nd。

鬱ブラックの中では、結構個性的な音を出してるバンドですね。
他の同系統のバンドと比べるとトレモロリフの使用頻度はかなり低めで、代わりに妙に温かくて太い音色のベースラインと、アコギやアルペジオを多用したギターワークを絡めて浮遊感を演出し、そこにノイジーなギターが更にレイヤーを重ね、閉塞感のあるムードを醸し出している感じですね。

トレモロリフと陰鬱なメロディで攻める、一般的な鬱ブラックは抑鬱された心情が伝わってくるようなものが多いんですが、このバンドはこの音作りに加えてシューゲイザー系にも通じる、温かみのあるメロディを交えてくる事も相俟って、壊れゆく精神を覗いているような感覚に陥りますね…。ヴォーカルがデス声というよりも、発狂した男が閉じ込められた独房から聞こえてくる怒声のような生々しい叫びなのもその感覚を助長してます。

鬱ブラック特有の物悲しさや精神に来る感覚を、他のバンドとは少し違う切り口で表現した作品だと思います。MORTUALIAやTHROUGH THE PAIN辺りの、このジャンルでも代表格より一歩踏み込んだバンドが好きな方にお勧め。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2012-07-08 22:24:42)