HARD ROCK SUMITを契機に往年のメンバーにより再始動を果たした京都のベテランバンドが2002年にリリースしたEP。ギターのアックンこと後藤明博は抜けたが、代わりに新メンバーの鍋嶋圭一が加わり事無きを得る。福村ババちゃん高志、河内 倫子さんによるリズム隊は安定感抜群、小気味よく刻まれるノンちゃんのベースに、派手に叩くババちゃんのドラムは心地よく鳴り響き、ラジャス健在ぶりをアピール。昔よりも腕の上がったギターワークも耳を惹くし、森川邦子の唄い回しも説得力が増している。何より特筆すべきは、メジャーデビュー以前の楽曲を収録したこと、とくにオズマこと臼井孝文のペンによる楽曲が収録、元々バンドのブレインだった臼井がX-RAYに参加する事で、中心人物を失った形となったRAJASだが、ここでは、そんな過去の恩讐を見事に乗り越え収録した事が大きい。一本筋が通っているが豊かな音楽性、○○風の曲もあったりするのだが、オズマさんの書く曲は、唄を大切にしたアレンジが強く、このバンドのイメージにピッタリとあっているのが印象的だった。 X-RAY時代は、どうしても湯浅晋の代わりにポップでキャッチーな曲を用意していたイメージが強かったが、ここでは、疑いようのないソングライティング力を発揮している。こういう曲を発表出来るチャンスを見つけて欲しいですね。 収まる形で適切に世に出た初期RAJASの音源、マニアならずとも十分に楽しめるでしょう。ギターソロも昔よりずっと男前になりましたね。