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Wyrm of Melancholy (Usher-to-the-ETHER)
Dethroned Of Imposter (Usher-to-the-ETHER)


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Wyrm of Melancholy

2012年発表の3rd。

前作「Dethroned of Impostor」がチープな音色も味に感じるような、センスの良いアトモスフェリック/シンフォニック・ブラックだった事もあって、相当な期待を持って聴いたのですが…最初聴いた時は頭を抱えてしまいました。なんか望まぬ方向に音楽性が変化してて、リアルで苦悶の呻きを発してしまいましたよ…(苦笑)。

ノイズ質を引き摺ることで情景にある種の彩りを与えたり、繊細なメロディをノイジーに紡ぎ上げたりするギターワークは、前作のトレモロ中心のそれとは最早別物。ミディアムテンポ中心の展開、SEも取り入れたアンビエントな楽曲の挿入などもあって、最早ポストブラック寄りのドゥームみたいな感じになってるんですが…。同名異バンドの作品を買ったのかと思ったほど。

まあ、邪悪さが殆ど無くなり、叙情方向に大きく舵を切ったとは言え、繊細なドラマ性を湛えたメロディはそれはそれで良いと思うし、全く駄目な作品だとは全然思わないんですが…正直前作を気に入っていた人間からすると、ちょっとこの変化は頂けないですね…。

Usher-to-the-ETHER (2014-05-01 18:22:51)


Dethroned Of Imposter

2010年発表の2nd。

スタイルとしては、粗いバンドサウンドをアトモスフェリックなキーが包む、初期EMPERORや初期LIMBONIC ARTに近い路線ですね。音色のパターンの少ないキーボード、厚みの無いバンドサウンド、打ち込み故の豪速さが暴虐さではなく、逆にちょこまかした印象を与えるリズム、エフェクトに頼り気味なヴォーカル…と、はっきり言って音作りはチープもいいところ。しかし、私はこれ名盤だと思う。

その理由は何と言ってもメロディのセンスですね。大仰、荘厳、高貴…そういったシンフォ系の特性をしっかり持っていながら、人を寄せ付けない邪悪さ、畏怖の感情を呼び起こすような神秘性も備えている感じ。個人的には、EMPERORの2ndを聴いた時と同じような畏れを呼び起こされるメロディなんですよね。キーの音色のパターンが少ないのも、華美になりすぎて残忍さを壊す事がなくて、プラスに働いているように思います。

また、曲に邪悪なうねりを与えるようなリフ、痩せた音ながら焼け付くような感覚を与えるリード、時折メロウなフレーズを弾き、曲を更にメロディックにするベースなど、キーの陰に隠れたバンドサウンドも何気に良い仕事をしていると思う。時折SEと交じり合ってカオスなことになってますが、その混沌とした感じが邪悪でミステリアスで、凄く魅力的に聴こえます。

演奏時間は40分と、シンフォニックブラックとしてはやや短めで、うっとりと聴き入ってしまうようなムードの濃さもあって、あっという間に終わってしまう感じ。アトモスフェリック系のシンフォブラックが行ける方には大推薦。素晴らしいです。でも個人的にはロシアっぽくない音だと思います。なんかカナダとかスペインっぽい印象を勝手に持ってるんですよね。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-02-11 07:45:01)