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Aux portes de l'agonie
(Usher-to-the-ETHER)
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Aux portes de l'agonie
2007年発表の1st。
流石ケベック産、かなりマニアな路線を貫いてますね…
ジャンルとしては寂寥感のあるメロディ、スロー~ミドルを重視したミニマルな展開、泣き叫ぶようなヴォーカルと典型的な鬱ブラックで、BURZUMに影響されている感じなんですが…このジャンルの中でも気が滅入りそうな無気力さが強いのが特徴。BURZUMも初期は直接的な殺気があったし、アンビエント志向を強めてからも神秘性を演出するような、ある意味で芸術性の高さがあった訳ですが…この作品はそういった殺る気や何かを演出する気力とかが一切ないような、ひたすら灰色で倦怠に満ちた世界観があると思う。
特にアルバム冒頭、初っ端からメンバーが帰りたがってるようなローテンションな演奏が続いた後、約2分間に渡ってギター一本でメロディを爪弾くパートがあるんですが、そこのやるせない感覚なんてホント半端ないです。ただ、誰が聴いても覇気を奪われそうなムードを演出できてる辺り、センスは良いのかもしれません。録音状態も小さめで弱々しい印象で、いつメンバーが溜息付いて楽器を放り出してもおかしくないような感じ。
最早鬱系の音に共感できない人には、最初から自分達の音楽を聴かせるつもりはなさそうな程、徹底して暗い音。鬱系好きでもその手のバンドが持つ、メロディの哀愁の濃さだったり、発狂寸前の追い詰められた感じだったり、そういうある意味でキャッチーな部分に良さを見出してる人には辛いかも。本当にディプレッシブ・ブラックが好きな人向けかと。
Usher-to-the-ETHER
★★
(2012-02-08 22:51:07)
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