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月影ニ鳴ク虚像ノ恋詩 (Usher-to-the-ETHER)


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月影ニ鳴ク虚像ノ恋詩

2011年発表の1st。
まずBeingプレゼンツのシアトリカル・ゴシックというのが衝撃ですよね…。

路線としては、初期JANNE DA ARCやラルク、MALICE MIZER等に通じる、キャッチーな歌モノをベースに、シンフォ・ゴシック的なキーボードとメタリックなリフ・リズムでアレンジした感じで、曲によってはエレクトロ・ゴス的なアプローチも。Being発、しかもエンターテイメント的なコンセプトを持ったプロジェクトという事で、色眼鏡で見てる人はまずこのリフの音色とフレーズがしっかりメタルしてることに驚くと思う。

しかしやはりBeingが関わっているだけあって、どの曲も明確な方向性と分かりやすい歌メロがあり、聴き手を意識した音になっているんですよね。プロデュース能力ははっきりいって殆どのセルフでやってるジャパメタよりも上だと思う。クラシカルなキーボード、泣きメロを弾くギターソロ、プログレッシブなリズム変化など、メタラーの耳に引っかかる箇所を多数設けてるのも好印象。ただ、2曲目のメロディ、思いっきりJANNEの「ICE」なんですけど…これはいいんでしょうか(笑)。

またライナーノーツではアニメの声優に準えられているヴォーカルですが…確かにメタルよりはポップス向きの歌い方ですが、媚び系の声質ではなく、情念や妖艶さ、サディスティックさが必要な場面ではしっかりとそれが表現できていて悪くないかと。曲によっては老婆のような声や、人形をイメージしたような無気力な声で歌ったりしてて表現力豊か。この表現の引き出しの多さは、確かにある意味でアニメの声優っぽいのかも。

ただ個人的に惜しいと思ったのは、エレクトロ・ゴシック路線の曲を演るのはいいんだけど、そういう曲だと一気にメタル度が減少すること。ああいうリズムにヘヴィなリフを絡めたら、聴いていて凄く気持ち良いものが出来そうなんですが…。あとメロスピ系の曲では、もっとドラムの音を生々しいものにして欲しいですね。この辺りが改善されれば、更にメタラーにも聴き応えのあるものが出来そう。

大手レコード会社の、プロフェッショナルなプロデュース能力で演出されたゴシック。メタラーの中には、作り手と演じ手が同一でないと受け付けない人もいるかもしれませんが、その辺り気にならない人は聴いてみては如何でしょう。エンターテイメントとして非常に完成度が高い作品ですよ。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-11-25 22:56:03)