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The Strange Inconvenience (Usher-to-the-ETHER)
La Fascination Du Pire (Usher-to-the-ETHER)


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The Strange Inconvenience

2013年発表の2nd。

前作では基本的にプリミティブブラックの形式を取りつつも、サイケデリックなアプローチを見せていましたが、今作ではスラッジ/ドゥーム方面に大きく接近、更にサイケで暗黒な路線へと舵を切ってきましたね…。暗黒なエナジーで塗り潰すような引き摺り系のリフと、やたら真に迫ったがなりヴォーカルが、純度の高い闇を生み出していくようなサウンドで、作風を変えつつも更に暗黒度を高めてきたという印象。

スローテンポが中心で、最早スラッジ要素がブラック要素より色濃いくらいの音ですが、ギターリフには元フレンチプリブラらしい色気のようなものがあるのが良いですね。神経が引き攣るようなフレーズ、どす黒い靄で包み込むようなフレーズなど、ノイジーな引き摺り系リフをベースにしつつしっかり変化を付けられている感じ。所々で聴ける、強烈なサイケデリックさを発散する、幻惑的なアルペジオも聴き所。

正直この作品はNAHEMAHメンバー関連バンドというイメージからプリブラを期待すると肩透かしもいいところですが、純粋に暗黒メタルとしてはかなり良い出来だと思います。所属レーベルのAvantgarde MusicはNORTT、ASOFY、THAWなど、ドゥーミーで暗黒な優れたブラックメタル作品を多数リリースしてますが、そのカタログにまたレーベルのネームバリューを高めるような、良質な一枚が加わったと言えるでしょう。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-09-01 03:30:19)


La Fascination Du Pire

2009年発表の1st。

プリミティブブラックとしては厚めの、ノイジーなギターリフが、どこか洞窟に閉じ込められたような鬱屈したムードを感じさせるブラックメタル。幽霊コーラスや葬送曲的ギターソロが聴ける5曲目、機器が故障したかと思う奇妙なリフが聴ける6曲目など、プリブラとしてはかなり曲ごとのフックが強い印象。また太いがなり・うめきスタイルのヴォーカルも、曲の閉塞感を更に高めてますね。

トレモロリフやアルペジオによる、フレンチブラックらしい毒の効いたメロディも入ってきますが、迷い人を更に深淵に導く鬼火だったり、鉱毒を誘発する汚水がゆるゆる流れる様子だったり、やはりメロディから受けるのも洞窟的なイメージ。ただメロディから情景が浮かぶほどメロディアスではあるし、プリブラ聴いてる人はこういう「毒」は好物であるはずなので、然程聴きづらい音ではないと思う。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2011-10-26 23:19:18)