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Exitivm
オランダ産オールドスクールデス2021年作
前作「Hadeon」(2018年作)で、Pestilenceの復活の兆しを見たので、今作は結構期待していた。彼らの作品でボクが認めるのは初期の神盤2作品
CONSUMING IMPULSE (1989年)、TESTIMONY OF THE ANCIENTS (1991年)である。前作はその当時のサウンドに回帰した上、新たな挑戦を感じる
ギターワークに感銘を受けた。但し、前作はまだ完成形とも思えず、良い頃の作品に匹敵するとまでは言えない、と思っている。
今作品、とりあえず1曲目を聴いた瞬間、前作1曲目に酷似しているリフの感じで、全く前作と同じ音楽性かと猜疑心が沸いてしまう。
ところが、決してそうではなかった。没入感と楽曲の作り込み度合いは、こちらの方が素晴らしい。かなり内容の濃い作品に仕上がっている。
Pestilenceのギターリフの特徴として、敢えてスッキリと帰結しない、2度間隔の移動を駆使して調性のわからないリフを刻む独特のクセがある。
また、前作から前面に出してきたギターソロ部分の摩訶不思議な旋律という、この2つの固有の手法を元に、複雑に曲を構成している。
Patrick Mameliの手癖も含めて、オンリーワンな個性である。調性不明な不安定さを綿密に計算、複雑怪奇に組み立てている頭脳派な楽曲だ。
ドラムの手数が多く、ヴォーカルの攻撃性が増していることもあり、疲労感が半端ナイのはマイナスだが、やっと本領発揮の渾身作が聴けたと感じる。
まあ、神盤2作品を超えるのは厳しいにしても、ボクは相当気に入っている。難点はまあいくつかあるが、当時と比較して最も差を感じるのは
ヴォーカルスタイルだ。当時は、やるせない嘆きのようなデスヴォイスにマゾっ気があって、疫病に感染しちゃった感が素晴らしかったのだが
現在は無駄に攻撃力があってサディスティックなところに違和感を感じる。コレ、当時のマゾヴォイスだったら、相当素晴らしい盤になったのでは?
と思うんだけどねぇ。

kamiko! ★★★ (2021-08-22 19:40:53)


Hadeon

オランダ産オールドスクールデスメタル2018年作
オリジナルメンバーはPatrick Mameliのみで、それ以外は全員ルーマニア人になっている。
とはいえ、この人がヴォーカル兼リードギター、作曲の大半を行っているので、他メンバーが入れ替わってもあまり問題ない。
しかし、あまりにメンバーチェンジが多いので、ワリとこの人が中心のワンマンバンドなんだろうと感じる。
おまけに、最近は髪の毛を辮髪にしているようだ。
Consuming Impulse(1989年)、Testimony of the Ancients(1991年)と神盤を連発して当時のデスメタルでは
コレを超える作品はナイと個人的にナンバーワンだったが、次作Spheres(1993年)で大々的にシンセを取り入れ若干空振るも
新たな音楽性に向かってチャレンジする独特な音楽性にかなり期待したものだ。が、解散してしまった。
2009年に奇跡的に復活するが、良い頃の持ち味を掻き消すかのようなモダンヘヴィ的なサウンドに何も良さを見出せず
その後2作品もコレジャナイ感が満載なボクとしては残念な作品となり、もう追いかけるのは終了、と思っていたところ、
忘れた頃に突如この作品をリリースですよ。全く期待せずに当時はゲットしたんですが、コレは!!素晴らしい。
本当のところは、神盤2作品の路線を再現して欲しかったんですが、コレはSpheresで新要素を予感させた、その次の作品という
イメージに近い内容だ。もはやバンド名(ペスト・疫病)のイメージとは全く異なるサイバーデスメタル的な作品だ。
とはいえ、決してインダストリアルに音処理がされているのではなく、3rdの頃のギターの音で、楽曲構成でサイバーを思わせる内容だ。
当時の神盤を超えたとまでは言えない内容だが、Patrick Mameliの新たな挑戦を感じさせる音楽性で、特にギターソロがスゴイ。
決して速弾きがスゴイというのではなく、このサイバー世界観を感じさせる摩訶不思議な旋律のギターソロがスゴイのだ。
最初ジャケ裏に書いてある曲名の字体で、コレはもうダメかな、と半ば諦め気分が濃厚だったが、良い意味で予想を裏切られた。
良かった頃のギターの感触が帰ってきた上、新たなサイバー感覚が加わるという、ワクワク感が蘇る作品だった。
Pestilenceが、オールドスクールデスのボク的順位格付けにおいて、大きく再浮上した会心の作品だ。

kamiko! ★★★ (2020-05-31 22:39:41)