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1. Usher-to-the-ETHER ★★ (2012-02-18 23:06:18)

2004年発表の3rd。

このバンドはアヴァンギャルド・ブラックとして認知されているらしいですが、実際聴いた感じだとインダストリアルな質感も強い音ですね。まず音質が結構インパクト強いです。ギターのノイズ成分が、まるでフレーズから分離したかのように音像の真ん中に居座っている、独特の音作り。音の中でケサランパセランが蠢いているような、そんな奇妙な感触を覚える音。

そしてギターのフレーズ自体も、叙情的なトレモロはある程度弾きつつも、どこか捻くれた感触がある感じ。そのせいかストレートに叙情的というよりは、どこか現実離れした無機質さを感じられるんですよね。ドラムの打ち込みっぽい音(特にファストパートは味があって好き)や、時折挿入されるクラシカルなキーボードメロとのアンバランスさも相俟って、一種異様な空間を作り上げていると思う。

ANAAL NATHRAKHが音数の多さで聴き手を圧殺するような感じだとしたら、こっちはノイジーさを逆手に取った演出でトリップさせる感じでしょうか。かなり癖のある音なのでノイジー音質が嫌いな方にはお勧めできませんが、個性的であることは間違いないと思います。



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