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SIX STORIES WITHOUT KEYS
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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-02-03 21:16:36)

2011年発表の4th。

「FOLK~」なんてバンド名を名乗ってますが、実際にはフォーク/トラッド色はリフのメロディやアコギパート等に感じられる程度で、タイプとしてはトレモロリフを多用した、儚いメロディとドラマティックな展開で聴かせるメロディック・ブラックですね。キーボードの使用はほんの味付けくらいですが、リフにしろアコギにしろギターパートはかなり哀愁のあるメロディを弾いていて、かなり聴きやすい作品。

特にトレモロリフを伴う疾走パートは、メロディの儚さも相俟ってシューゲイザー系ブラックにも通じるカタルシスかあるように思います。シューゲイザー系のバンドと比べると、メロディが抽象性よりもキャッチーさを感じるもので、パートによっては刻みリフも用いてメタリックな質感を出してたりするので、より実体的な印象が強い感じ。アコギパートの、積もった雪を割ってふきのとうが芽吹くような繊細さも素晴らしい。

ただ、音質は悪くはないですが…マニア以外にも推薦できるドラマティックな作風の割には、いまひとつメジャーになりきれない感じの音作りはちょっと勿体無いかも。ただ、前述の疾走パートのカタルシスはタイトな音質にしすぎると薄れる気もするし、6曲目ではサブタイトルの「The Sound of thunder」を意識したようなプリミティブ寄りの音作りがされてたりするし、この音質は意図的にやってる可能性が高いですが。

ちなみにメンバーはネットが発達し、音源や歌詞テキストが単なるデータのやりとりになり、CDを買う事が聴き手を新しい世界に誘うことが少なくなったのに心を痛めているらしく、今作には敢えてテキストを載せず、代わりに曲に関連するイラストを載せることにしたとか。私はデータよりもCDが欲しい派ですね…店の棚を眺めて、ジャケや店コメント、関連バンドやレーベルから吟味してCD買うのは楽しいし、何よりネット上での支払いとかお金を使ってる実感が沸かなそうで怖いので(笑)。



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