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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-12-16 20:36:14)

2011年発表の6曲入りデモ。

GEBのDesolate氏による、シンセレスのブラックメタルプロジェクトという事で、ABYSS INFERNOとはどう差別化していくのか楽しみでしたが…緩急つけた展開と、リードギターも用いある程度メタリックさが強めだったABYSS INFERNOと比べると、こちらは本家GEBがシンセで神秘性を出すところを、リフの歪みとメロディで演っているような、よりアトモスフェリック・ブラックの価値観に近い音を出している感じですね。

ただし、多くのアトモスフェリック・ブラックのように情景描写に徹し過ぎることはせず、このプロジェクトでも緩急やメロディの濃淡によってドラマ性が演出されていて、マニア以外が聴いてもストレートにかっこよさが伝わる音に仕上がっていると思う。ABYSS~で気になった作り物っぽいヴォーカルエフェクトも、大分改善されている感じで魔王のような低音咆哮が曲のムードを更に邪悪なものにしていますね。

そして他のプロジェクトでも散々証明済みではあるんですが、やはり特筆したいのはDesolate氏のメロディセンスですね…。単に寒々しいというだけでなく、不吉さだとかメロウさだとかを含んでいて、時にはDISSECTIONの2ndに肉薄すると思わせるところも。贔屓目かもしれないけど、北欧の「メロウなプリブラ」のメロディよりも、国産らしい即効性がある気がします。

そういう訳で今までのDesolate氏の作品を追っている方なら間違いなく買いの一枚。そうでなくてもメロブラ好きならば買って損をすることはまずないと思われます。デモということでお値段も手頃ですし。



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