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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-04-23 17:43:23)

2006年発表の4th。
いまひとつ話題に上らない彼らですが、素晴らしいですよ、これ。

路線としては、キーボードを巧みに使い、丁寧に情景を描いていくタイプのエピック要素の強いシンフォニック・ブラックという感じですが…キーの音色の選び方が、DIMMU BORGIRの「Abrahadabra」のオーケストレーションの凝り具合を引き合いに出して語りたくなるほどに上手い。ピアノやブラス、ホラー的な空間的な音など、曲の展開によって最も合った音を選んでいるのが、聴いていて伝わる感じ。

他のシンフォブラック勢と比べると、メロディはクラシカルな煌びやかさだけでなく、ゴシックメタルの焼け付くような哀感や、ホラー的な耽美な怖さも感じられるのが特徴で、曲構成の巧みさとも相俟って、まるで幽霊船に乗っているかのような臨場感を覚えます。ブラックの絶叫だけでなく、OPETH的なまろやかなクリーンや、幽霊船長の呟きのような声、スラッシュ風のアジり声まで使いこなすヴォーカルもかなりレベル高いです。どのパフォーマンスを聴いても一級品で、しかもその全てが上滑りせず曲にしっかりフィットしているのが素晴らしい。

そういう訳で、シンフォニック・ブラックの中でも音像の煌びやかさだけでなく、丁寧に曲を構成し、エピックに展開していくタイプが好きならば必聴のアルバム。このバンドはもう少し評価が高くてもいいんじゃないかな…と思ったり。



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