「Subconscious」(無意識)というタイトルの単語、「As times extinguishes us, so we became it」というブックレット裏表紙の文章などから、 死に際して自らの意識が時の流れと集合的無意識の中に消えてゆき、その一部となる、 みたいな状況が描かれているのではと思った(人々の意識は皆繋がっているみたいな話もありますしね)。 ③の14:30からの引き摺る様なフレーズから、人間の認識できる意味を失い、何者であるか曖昧で抽象的な存在を表したような約5分のインスト④への展開が顕著にそれを表しているかと。 以上、心理学を知らぬ者が音と字面による推測だけで書く戯言的蛇足でした。
これを聴く以前、自分は5th『At The Heart Of Winter』しか聴いておらず、 ブラックとメロデスに近い要素を取り入れたリフの質は高いものの、冗長な部分が多い印象を持っていた。 一方で、こちらは1曲最長5分半とコンパクトであり、かつ迸る寒気はその比で無い純然たるブリザードブラックであった。 DissectionやThe Legion等に比べるとストレートな寒さは劣るが、 このアルバムの場合は、恐怖により精神全体を暗黒に叩き音とすような邪悪さを加味しており、全体的な精神の侵食度は何ら遜色は無い。
間違いなくKralliceを代表する名曲。 最初からクライマックスレヴェルの極上リフの嵐でどのパートも凄まじいが、ドラムが消えてトレモロだけが虚しくしかしこの上なく美しく響き、天上へ向かうような旋律へと繋ぐ14:55からが格別。 2ndの神曲『Monolith Of Possession』レヴェルと迄はいかないが、Kralliceの醍醐味を存分に味わえる。
ドラムを同じくする、これまたエスニックなブラックバンドCult Of Fireの2ndも素晴らしい作品だったが、 こちらもエクストリームメタルとプログレ・エスニックさを上手く融合させたアルバムだと思う。 あまり売っている所は見かけないが(自分はネットでレーベルから直接購入)、エスニックなメタル好きは是非。