出世3部作の最終章。色彩豊かな歌曲群からなる本作は、 彼らの中でアメリカン・メロディアスHR的な完結型とみなされてもおかしくない。 妙に明るくなった感じで拍子抜けする部分もあるが、聴きやすさでは格段の 向上を果たし、チャート的にも成功をおさめた名作。 Any Way You Want It、Line On Fireは、キャッチーなメロディアスHR曲として、 お薦めしたい曲。
出世3部作の第一章。vo.にSteve Perryが新加入して、歌曲が飛躍的に向上した作品。 '78作。プロデュースは、Queenで手腕を発揮したRoy Thomas Baykerで、 シンプルな曲にディストレーションぎみの重厚なバッキングで音に深み与えている。 この系統の音、私は好きで、Anytime、Wheel In The Skyなどで聴かれる。 ハイライトは、前述の2曲に、Lightsか。いずれもシングルカットされ、小ヒットした。 これらに私は、透明感あるプログレバラードPaitientlyを 一聴することをお薦めしたい。
KANSASとの出会いは、VINYL CONFESSIONのPlay The Game Tonightです。哀愁を帯びたviolineとkeyboard、guiterのアレンジの素晴らしさに惹かれたのを憶えています。KANSASの魅力のひとつは、前述の複数のリード楽器を巧みに操る部分にあるのではないかと思う。更に、K.Livgren、S.Walshのソングライティングの質の高さも魅力のひとつであろう。そしてまた、彼らは素晴らしいライヴ・バンドでもあった。彼らの最も脚光を浴びた時期は、まさに聴衆に対する要求と彼らの方向性が見事にはまった産物にほかならない。'80以降の彼らは、苦渋の道を歩んできた感じがあるが、彼らの魅力は、いまも何ら色あせていないと思う。私はKANSASからSOMEWHERE TO ELSEWHEREまで、どのKANSASにもそれぞれの思い入れを抱いています。ひとつに固執してるかもしれませんが、いまも彼らを聴くことを薦めることをためらわずにしています。少しでも彼らの魅力を知っていただけば、ファンとしても至上の喜びではないでしょうか。一聴をお薦めします。
JOURNEY。彼らは'70後半~'80中盤までの音楽シーンでは不可欠なバンドのひとつだったと思います。彼らに求められた要素の多くは、ストレートなHR、劇的な展開の歌曲、S.Perryの詠唱入りバラード、そしてライヴ・パフォーマンスにあったのではないでしょうか。それを見事に昇華させた'81~'84頃は、彼らの中でも傑作と謳われることが多いESCAPE、FRONTIERSの発表期になる。この二枚で彼らは、前人未到の領域へと足を踏み入れた気がする。良くも悪しきにも捉えられる産業ロックというジャンルにおいて、偉大な足跡、形態を築いた業績は大きいといえよう。再結成以降のスタイルには、この時期の模倣が多くあるのも、彼ら自身も認知していることなのだろう。もちろん、それ前後における彼らも、またそれなりの魅力を放っている。INFINITY~DEPARTUREに至る3部作には、S.Perryのハイトーンvo.を駆使した正統なアメリカン・ロックが具現化されていると思う。また、当時の音楽業界に対するアンチテーゼ的な姿勢で望んだRAISED ON RADIOは、率直にいい曲はいつになってもイイという彼らのレクイエムにもなっている。私は、そんな彼らをメロディアスHRの最高峰グループと賞賛したい。分派したBAD ENGLISH、THE STORMを生んだという点でも、メロディアスHRの貢献度の高いバンドであったと思う。
このアルバム、メロディアスHR好きな方は、聴いて損しないアルバムと思います。 バンド名はあまり好きでないが、人脈的にみて内容が既に保証されているように、 ストレートなロック・ナンバー、極上のバラードありと 豊富で、高質な楽曲の揃った名盤ではないでしょうか。 私は、Best of What I Got、Posession、Forget Me Not、When I See You Smile、 Price Of Loveが特にいいと思う。 産業ロック必聴盤。
'71年発表。YESの出世作で、初の全英トップ10にランクされた名作。 Eddie Offordとの共同プロデュース、Steve Howeの参加も本作から。 2ndで既に卓越したアレンジと演奏を聴かせた彼らが、 本作では更なる楽曲の充実度を企てており、全盛期のYESの原型の完成がみられる。 Starship Trooper、I've Seen All Good Peopleのような組曲は、その一例。 タイトルの意図するところも、彼らの自信のほどがうかがえる。 本作は、美しく繊細なvo.ナンバーであるA Vetureを除き、 全てライヴのスタンダードとなった。 私は、特にYours Is No Disgrace、Clap、Perpetual Changeが好きです。 Howeのアコギ、Tony Keyeのハモンドの多用で、次作以降で聴かれる 仰々しい装飾音は目立たないが、前作同様にbass、drumの重厚なバッキングと vo.ハーモニーを駆使した起承転結のあるサウンドは、一聴に値すると思う。 YESのアルバムでも早い内に、聴いてもらいたい一枚である。
YESの2nd。オリジナルメンバーのラストである。 Peter Banksのギターは、なぜかオケにかぶせられおり目立たない。 カバー2曲、Warriors時代のを2曲、他はオリジナルの構成である。 曲のアレンジが素晴らしく、随所にひきつける部分が散聴され、 私は本作が好きです。特に、1、2、4、7がお気に入り。 Eddie Offordがエンジニアとして参加した記念作でもある。