HM/HR、プログレの枠を超えた名曲だ。展開を覚えるまでが大変だが、そうでなくとも「すごい曲だな」というのが分かるテクニカルな面はもちろん、メロディ、ドラマチックさなど、無駄がなく4ピースでできるものの限界に挑んでいる。 DTはフルオーケストラを入れた曲がないが。下手に入れても安っぽくなるだけだ。しかし、もし入れたらXの「Art of life」に匹敵する、いや、それ以上の作品になるであろう。
「I&W」のみがDTと思っている人や、プログレな展開ばかりがDTだと思っている人には少々辛い作品だ。 「DTは基本的に何でもあり」 という大前提に立ち、前3作や後2作とも別物と思ってこだわりを捨てて音楽だけを聞き込んでいけば、この作品の良さが分かると思う。 推薦は「PERUVIAN SKIES」「LINES IN THE SAND」「HOLLOW YEARS」だが、DTは聞き込むにつれて良さがわかってくるので3ヵ月後のお気に入り曲が予測がつかない。いずれにせよ外れではないし、20回聞けば全体像が分かるのではないか。
「STREAM OF CONSCIOUSNESS」が壁画とするならば、「ANOTHER DAY」はキャンバスに描いた絵でありましょう。いずれにせよ、「ANOTHER DAY」「LIFTING SHADOW OFF A DREAMS」「TRIAL OF TEARS」「STREAM OF CONSCIOUSNESS」……プログレメタルが到達した最高点の美がここにあるのではと思います。といいつつ彼らは平然とそれを超えてきますから彼らからは目が離せません。ちなみに「METROPOLIS PART1」は別格です!!
一見さんお断りなセットは、DT初心者にはキツイかもしれませんが、音質の良さといい、楽曲演奏等、過去のライブ作品を大きく引き離しています。時折ミスもありますが、それが気にならないほどのスーパーテンションです。 聞き所はありすぎて書ききれませんが、「Beyond This Life」での壮絶ジャム(これはDVDで見た方がいいです)「Hollow Years」の美しすぎるまでの叙情、金縛り必死のインストメドレー、DREAM THEATERが美の世界の極限まで上り詰めた「Stream Of Consciousness」これをナマで聞けた感動は忘れられません。あのギターソロは、聞きながら陶酔していた。それに続くジョーダンのKeyのフレーズには目を赤くしました。蒼い涙なんて生っちょろいものじゃないです(爆)血涙ものの感動でした。 もうプログレとかメタルとかそんなのを超えた、「宇宙」と呼び、「自由」と表現してもおかしくない、「音楽」の全てがここに在ります。 恐れ入りました。
ケヴィン・ムーアのKeyの聞ける唯一のライブ盤です。このライブを聞くと、ケヴィンの存在がいかに大きかったかが分かりますね。ちょっとした音の作りにもの凄いセンスを感じます。 ジェイムズ・ラブリエの声も非常にいいコンディションで、特に1stからの曲が生き返っているのが印象的です。野心に満ちたバンドの「勢い」が感じられる1枚ではないでしょうか。 曲数が少ないのは不満ですが、DTのライブ盤は良くも悪くも体力を消費するので初心者が「Once In A Livetime」や「Live Scenes From New York」、「Live At Budokan」を聞くと多分バーンアウトしてしまうでしょう(笑)
最初に聞いた時は、曲を掴むのに大変でした。DREAM THEATERは、曲の構造を把握するまでにある程度の時間を要します。押しと引きの美学が見えますし、それまでのヘヴィ路線からメロディアスに色合いを変えて、テクニカルに、かつドラマチックに展開していますね。 特に、圧巻はペトルーシのソロワークです。全体的に、ペトルーシが主導権を握っている「TRAIN OF THOUGHT」ですが、ここでは、ルーデスが非常にきれいなメロディを奏でています。聞き込むにつれてじわじわと感動がこみ上げてきて、また聞きたくなります。
米国産でありながら欧州テイスト満載なこのバンド、一聴してマイナーメタルと分かる、独特の哀愁メロディー、ジェフ・テイトをイモ臭くしたようなハイトーンヴォーカル、泣きまくるツインリードなど、「これだよこれ」と予想通りに展開してくれる楽曲に思わずニヤリとしてしまいます。 「Metal Sport」、「Caught In The Crossfire」のような疾走系や、静かなイントロから激しくなりながらもキャッチーな「Will You Be There」、ミディアムテンポの「Breakout」など、「もう少しひねったら化けるのに」と思わせながらもちょっと煮え切らないあたりが当時のB級メタルの「ありがちな型」を象徴しています。 でも、この手のメタルって、実は大好きだったりします。
グレン・ヒューズというと「HUGHES/THRALL」のイメージになってしまう僕はかなり変なのかも知れません。(普通DEEP PURPLEですよね/笑) HUGHES/THRALLの後にBLACK SABBATH、DEEP PURPLEと追いかけて、高校時代は彼の「PHENOMINA」などを追い、ジョン・ノーラムの「FACE THE TRUTH」、ソロ復活作の「FROM NOW ON…」で悶絶し、「彼の声が聞ければ有り難い」という状態でした。 全曲、グレン・ヒューズの歌が生き生きとしています。酒とクスリにおぼれて情緒不安定だったのに「どうして?」と思うくらい彼の歌は魅力的でした。 「I Got Your Number」、「The Look In Your Eye」のようなキラーチューン、トラピーズ時代の「Coast To Coast」のアレンジ、キャッチーでファンキーなグレン好きにはたまらない「First Step Of Love」など、思いっきりハマりました。 グレンの歌は文句なしに素晴らしいですが、パット・スロールのギターがかゆい所に手が届くいい仕事をしているからです。 「I Got Your Number」でのバッキング、「Who Will You Run To」のシンプルかつ味のあるギターワークなど、とにかく歌い手を生かす巧さが素晴らしいです。ある意味、歌い手にとって理想的なギタリストといえるでしょう。様式美系のようにギターとヴォーカルが大バトルする作品も好きですが、こうした良質なコンビネーションもまた、大好きです。 「HUGHES/THRALL」はグレンのキャリアの中ではかなりポップな部類になるのかもしれません。 でも、この作品は再評価されてしかるべきだと思います。それは、グレンの声とパット・スロールのセンスの良さがもの凄いケミストリーを生み出し、非常に良質な「歌モノ」を作り上げているからです。
「ACES HIGH」「BE QUICK OR BE DEAD」「CAGHT SOMEWHERE IN TIME」「THE EVIL THAT MEN DO」のような疾走系と、「AFRAID TO SHOOT STRANGERS」「FEAR OF THE DARK」「HALLOWED BE THY NAME」のドラマチック系、この対極がMAIDENの魅力だ。ジャーマン・メタルやメロスピ系が彼らから多くの影響を受けているが、本家の素晴らしさは群を抜いている。しかし、なぜかDREAM THEATERやJUDAS PRIESTのような強烈な思い入れが持てないのも事実だ。元々このバンドは「捨て曲ゼロ」ではない。(「MAIDENの捨て曲」は他のバンドに持っていけば「超名作」だ)「1作の中に何曲名曲があるか」であるのが一番の弱点なのかもしれない。ファンだから言う。愛しているからこそ言う。もっと唸らせてほしい。面子はメタル界でも最強だし楽曲も最高水準、スティーブ・ハリスの男気に惚れこんでいるからこそ徹底的に私をKOしてほしい。頑張れ、MAIDEN!
>C3さん、YOSIさん JPって不思議なバンドですよね。普通、あれだけの状況に追い込まれたらとっくの昔に解散してますよ。でも、彼らを支えているのは「本物の」ファンなんです。いろいろなバンドには流動的なファンがつきます。僕が高校生の頃WHITESNAKEのブームでしたが、あの頃、「WSっていいよね」と騒ぐファンはいても、「FOOL FOR YOUR LOVING」「DON'T BREAK MY HEART AGAIN」「AIN'T NO LOVE IN THE HEART OF CITY」といったWS本来の名曲に耳を傾けていたファンは私一人でした。バンドのルーツや本来持ってた方向性、進化するサウンドなどに突っ込みたがるファンなんてなかなかいません。 今だけ楽しければいいんですよ。流行音楽だけを追っている人にはね。 その頃JPは「TURBO」でボロカスに叩かれていましたが「TURBO」しか知らない人THRASH好きな人でJPを叩いていた人が偶然「DEFENDERS~」を聞いたら「うわあ、これすげえ、スラッシュメタルじゃん」と驚いてましたし、POP専門の奴が聞いたら「過激だけどものすごくかっこいいしめちゃくちゃ曲がいい」と驚きました。私が「洗脳」したJPファンはこの二人だけでしたが、こうした口コミでJPを知った人が、JPのいろいろな要素を知って「信念」を叩きこまれ、現在過去未来に連続する真に音楽を愛するファンになっていくのがJPファンなのかなって思いました。 当時の友達に聞いてみると「今になって『TURBO』はすごいと思った」と20年経って認める人が結構いるんです。 まあ、浮気者は放っておけばいいんです。彼らは「口コミ」でこれからもファンを獲得するでしょう。メタルは死にませんよ。