91年発表の5th。これを最後にEUROPEは長い間、活動停止状態に入ります。 前作同様にハードポップ路線の作品ですが、音質が格段に向上し、 力強いリズム隊の音が支えていて、骨太な印象がありますね。 ①"All Or Nothing"・②"Halfway To Heaven"・③"I'll Cry For You"・④"Little Bit Of Lovin'と、 頭から明るくさわやかな良い曲を連発し、⑦"Prisoners In Paradise"や⑨"Homeland"などの バラードも素晴らしいし、締めの⑫"Girl From Lebanon"も良いですね。 何曲か中途半端な曲もあるものの、このように印象的な曲も多いので、前作よりも聴くことが多いです。 ただ、やはり中弛み感もあるので、曲数を絞ったらもっと良かったかなと思います。
1994年にリリースされたミニアルバムです。 "No Justice"・"Mandy"・"Hard To Love"のライヴヴァージョン、 "Honestly"と"Jealousy"のアコースティックヴァージョン、 "If There Was A Time"と"Something To Say"のエディットヴァージョンの全7曲収録。 ライヴは少々音がこもり気味だけど、やはりイイですね。特にピートのギタープレイが素晴らしい。 アコースティックアレンジも凄くマッチしてます。HAREM SCAREMの曲はアコギも良く似合う。 エディットヴァージョンはただギターソロを省略しているだけなので、オリジナルを知っている人には価値なし。 この2曲の代わりに、ライヴとアコースティックを1曲ずつ入れてくれたら、さらに良かったのにと思います。
こういうミニアルバムって、気軽に何度も聴けるし、なんだかとてもお得感があって好きです。 これと『LIVE IN JAPAN』とのカップリングで『LIVE ONES』としても売られているので、手にしてみて下さい。
また,久々にメンバー揃ってのアルバム製作という事で,初期への回顧を意識している面も多々感じられます。 例えば、大胆なリズムチェンジをみせる①"End Of The Beginning"・②"God Is Dead?"や、 ジャジーでアコースティカルな④"Zeitgeist"、ブルージーでジャミング的な⑦"Damaged Soul"などは、 70年代のSABBATHの名作に含まれていた魅力的な要素を、顕著なかたちで表わしているように感じました。
5つ(6つ?)のパートで構成された大作。見事な起承転結を魅せるドラマティックナンバーです。 静かに始まり、"Wave"にて曲に動きが「起」き、ハードに跳ねるようなリズムで進み、 "Mad"に入った途端、急にテンポを落として雰囲気が変わりますが、 美しいリードギターを皮切りに再び元のリズムを継「承」し、 "The Opium Den"及び"The Slide"では、一「転」して静かに、女声による日本語も含むつぶやきが響き、 それから、ベースリフが始まって、段々と時間をかけて盛り上がっていってからまた静かに、 そして音が止まり"Standing In The Swing"に入ると、ピアノとヴォーカルで厳かに進み、 最後にバンド一体となった一番の盛り上がりを見せて「結」末へと雪崩れ込む。 …こんな感じでしょうか。12分越えという長さを感じさせない、素晴らしい曲です。
81年に行なわれたライヴを収録した、グレッグ・レイクのライヴアルバム。 グレッグがリズムギターとヴォーカルを務め、ゲイリー・ムーアをリードギタリストに、 さらに、トミー・アイアー(Key)やテッド・マッケンナ(dr)も含んだ、豪華なメンバーでのライヴです。 同年に発表されたソロアルバムからの曲がメインですが、それらの曲はどうももうひとつなので、 それより,ELPの"Fanfare For The Common Man"や"Lucky Man",ゲイリーの"Parisienne Walkways", KING CRIMSONの"21st Century Schizoid Man"・"In The Court Of The Crimson King"が聴き所。 グレッグのソロアルバムながらも、完全にゲイリーのギタープレイが主役ですね。 時にキーボードとユニゾンしながらも、ゲイリー節満開で弾きまくっています。
この作品が持つ濃い世界観に浸かりきったまま、気がつけば70分超。 常に漂う緊張感に魅了され、時間を忘れて聴き入ってしまいます。 そして、最後の⑪"Made Again"を聴き終ると、優しい感動に包まれ、 まるで一つの素晴らしい物語を読んだ後のように、余韻にどっぷりと浸りたくなります。 このような芸術作品こそ、時間をかけて集中して鑑賞するに値すると感じます。 …と、いたずらにハードルを高くしている気もしますが、決して複雑な曲構成なわけでもないので、 プログレ系が苦手な人でも、そんなに構えて聴かなくても大丈夫だと思いますよ。 個人的には、まずは、③"Runaway"や⑦"Alone Again In The Lap Of Luxury"のような、 比較的分かりやすい抒情的な曲を聴いてみて気に入ったのなら、ぜひとも勧めたいです。
メロディアスで分かりやすいので、この曲はアルバムで最初に気に入りました。 ヴォーカルメロディ、ギターメロディ、ともにとても素直なメロディをもっています。 サビの「Alone again in the lap of luxury♪」は非常に切なくて印象的で、 強く頭に残り、気付いたらここの部分をついつい一人で歌い出しています。
1979年発表。1stから⑤"Alaska",⑥"Time To Kill",⑦"Presto Vivace",⑧"In The Dead Of Night"、 2ndから②"Rendezvous 6:02",③"Nothing To Lose",⑨"Caesar`s Palace Blues"、 新曲の①"Night After Night",④"As Long As You Want Me Here"を含む全9曲のライヴアルバム。 音がきれいに整えられていて、やたら綺麗なバッキングヴォーカルも入ってたりするので、 良くも悪くも、あまりライヴアルバムという雰囲気はしないですね。 まぁ、3人ともが安定感のある素晴らしいプレイをしているからこそともいえるでしょう。
1983年に発表された3rdで、大ヒットを記録したアルバム。 次作以降と比べると、まだ洗練度は高くないかもしれませんが、その代わりに、 ①"Rock!Rock!(Till You Drop)"・②"Photograph"に顕著なように、若さあふれる元気さ、 ③"Stagefright"のような、アグレッシヴで伝統的なHR/HMの要素が多いのではと思います。 他にも、④"Too Late For Love"や⑥"Foolin'"も非常に良いですね。 個人的には、良い曲とそれ以外の曲の差があるように感じられるので、 全体的な完成度では次作に劣るものの、LEPPSの魅力満載のアルバムだと思います。
ショッキングなジャケもまたインパクトがあって、アルバムの格を高めていると思います。 前述の89年発表のライヴアルバム『LIVE WITHOUT SENSE』にも収録された、 ②"Release From Agony"・③"Dissatisfied Existence"・⑤"Unconscious Ruins"は特に素晴らしく、 それに比べると後半が少々弱いので、尻つぼみ感もあるかもしれませんが、大好きなアルバムです。