GRIM REAPERの何が好きかって、シンプルでキャッチーな楽曲を無駄なく並べていて、 それでいて決して変にポップな要素など存在せず、ピュアなHMを貫いている点です。 今作でも、唯一のバラードナンバー⑦"The Show Must Go On"以外は、 どれもテンポの良い、リフオリエンテッドな楽曲でまとめられています。 ロックスピリットに溢れた正統派HMを愛する人は是非とも聴いてほしい1作です。
そのような点もあって、どうしてもハマりきれないところもありますが、 この時代に、これだけ混じり気のない正統派HRを演っている作品は貴重ですね。 やはり⑤"Can't Believe"・⑥"Portrait"・⑦"Living In A Fantasy"あたりが最高です。 曲数をもうちょっと絞ってくれたらなお良かったかな。
1991年にリリースされた企画アルバム。全13曲で48分の作品。 "Keep It In The Family"・"Belly Of The Beast"・"Madhouse"(日本盤のみ)のライヴテイク、 S.O.D.から"Milk"・"Chromatic Death"の半セルフカヴァーの他にも、 PUBLIC ENEMYやKISS等のカヴァー、そしておふざけっぽい新曲も収録した、ごった煮的なアルバムです。 一言でいえば、面白い。名作といえる類ではないものの、企画アルバムとしては上出来でしょう。
1995年にリリースされたEP。『OUT OF MY TREE』からシングルカットされたタイトルチューン他、 "Jelly Roll"・"She Knows"・"Standing At The Crossroads"のライヴトラックを収録。 タイトル曲はやたら明るくキャッチーな良曲ですがアルバム版と同じなので、注目はライヴトラック。 "Jelly Roll"は、BLUE MURDERでもJOHN SYKES名義でもライヴアルバムに収録されているので、 新鮮味はないものの、どれもちょっとずつアレンジが違いますし、やはり名曲ですね。 BLUE MURDERの2nd『Nothin' But Trouble』収録のアコースティックナンバー"She Knows"と、 SYKESの1st『OUT OF MY TREE』からのパワフルチューン"Standing At The Crossroads"は貴重。 音質・プレイ共に良好ですし、ファンなら買って損なしのミニアルバムでしょう。
1999年にリリースされた2ndアルバム。全25曲で39分の作品。 間に『LIVE AT BUDOKAN』を挟み、1st『SPEAK ENGLISH OR DIE』から14年ぶりとなるオリジナル作品。 個人的には、前作はスラッシュメタル史に残る名盤だと思っていて、 今作にも同じような音を期待して聴いたので、初めはガッカリしてしまいました。 何故なら、ハードコア色がだいぶ強くなって、前作でフィーチュアされていたような、 心地好い疾走感とザックザクギターのような要素が大きく減退していたからです。 ビリー・ミラノのヴォーカルも、よりハードコアっぽく、野太い咆哮タイプになっていて、 音質にしてもそうですが、確かに前作よりも向上しているとは言えますが、 オールドスタイルのスラッシュメタルを愛する身としては、どうも違和感があったのです。