トリオ編成としては最後の作品となった、1973年発表の3rdアルバム。 60年代終わり頃のようなサイケやブルーズ,ロックがミックスというか,ごった煮されたような内容で, まだ独自の音としては消化しきれてなく,4人編成期以降のようなバンドの特徴は確立されてない印象です。 しかし、フィルの独特のヴォーカルスタイルは既に完成していて素晴らしいですし、 エリック・ベルは多彩な楽曲に対応した、センス溢れるギタープレイを聴かせてくれています。 中期以降とは違う、初期Lizzyの渋さを味わえる、聴いていて面白いアルバムですね。 尚,オリジナルは全8曲ですが,再発盤は"Whiskey In The Jar"を含む4曲を追加収録したverもあります。
DISC 1 ①Go②Lay Down Your Arms③Rock And Roll Dream④Love Under Fire⑤Little Rich Boy ⑥Aqua (Part 1)⑦The Heat Goes On⑧Don't Cry⑨Someday⑩Steve Howe acoustic guitar solo DISC 2 ①Wildest Dreams②Back In Town③Open Your Eyes④Who Will Stop The Rain? ⑤Only Time Will Tell⑥Sole Survivor⑦Heat Of The Moment
ドラマティックな哀愁HR③"No Way Out",ガッツィーな疾走曲④"Hot On Your Heels", インギーらしい小インスト⑤"Abduction",ノリのいい⑥"On The Rox",メランコリックな⑨"Serenade"が良い! それ以外は、いかにもな、ルースでラフなR&Rを基調にしたLAメタル的な曲で、つまらないけど。 といっても、これだけ好きな曲があれば十分なので、結構気に入ってるアルバムなのです。
前作・前々作のようなビッグプロダクションや強いポップ性から脱却し、 代わりに渋さや泥臭さが染み込んだ哀愁を身に纏い、バンドの生の姿に迫っているような感があります。 プラミングも使用してはいますが、それでも生々しい。身近に感じます。 それはリックがアコースティックドラムを叩いているからということもあるでしょうが、 ジョーが情感あふれるヴォーカルスタイルを身につけたことも大きいと思います。 ④"All I Want Is Everything"・⑥"Breathe A Sigh"・⑨"Blood Runs Cold"のような、 バラード系の曲での、エモーショナルな歌唱にはどっぷり聴き入ってしまうし、 ⑤"Work It Out"や⑦"Deliver Me"で、ロウトーンで渋く歌い上げるのもとっても素晴らしい。
上記のような楽曲を中心に、聴き応えのある曲が並んでいます。 ただ、3曲目のタイトルトラックまでが、変なノリが目立ってしまい、 そのせいで全体の印象が悪くなってしまっているところがあるんじゃないかなと思います。 4曲目以降は、⑧"Gift Of Flesh"を除いて、全て良い曲だと思いますよ、自分は。