そのような点もあって、どうしてもハマりきれないところもありますが、 この時代に、これだけ混じり気のない正統派HRを演っている作品は貴重ですね。 やはり⑤"Can't Believe"・⑥"Portrait"・⑦"Living In A Fantasy"あたりが最高です。 曲数をもうちょっと絞ってくれたらなお良かったかな。
①"Soldier Of Fortune"・⑤"Red Light Shooter"・⑩"Demon Disease"などが、パワフルでカッコいい! そして③"Danger Of Love"・④"25 Days From Home"は、凝っててとても面白い味を持っていると思う。 楽曲のタイプも幅広いし、全体的にとてもクオリティが高いアルバムだと思います。
この作品が持つ濃い世界観に浸かりきったまま、気がつけば70分超。 常に漂う緊張感に魅了され、時間を忘れて聴き入ってしまいます。 そして、最後の⑪"Made Again"を聴き終ると、優しい感動に包まれ、 まるで一つの素晴らしい物語を読んだ後のように、余韻にどっぷりと浸りたくなります。 このような芸術作品こそ、時間をかけて集中して鑑賞するに値すると感じます。 …と、いたずらにハードルを高くしている気もしますが、決して複雑な曲構成なわけでもないので、 プログレ系が苦手な人でも、そんなに構えて聴かなくても大丈夫だと思いますよ。 個人的には、まずは、③"Runaway"や⑦"Alone Again In The Lap Of Luxury"のような、 比較的分かりやすい抒情的な曲を聴いてみて気に入ったのなら、ぜひとも勧めたいです。
メロディアスで分かりやすいので、この曲はアルバムで最初に気に入りました。 ヴォーカルメロディ、ギターメロディ、ともにとても素直なメロディをもっています。 サビの「Alone again in the lap of luxury♪」は非常に切なくて印象的で、 強く頭に残り、気付いたらここの部分をついつい一人で歌い出しています。
5つ(6つ?)のパートで構成された大作。見事な起承転結を魅せるドラマティックナンバーです。 静かに始まり、"Wave"にて曲に動きが「起」き、ハードに跳ねるようなリズムで進み、 "Mad"に入った途端、急にテンポを落として雰囲気が変わりますが、 美しいリードギターを皮切りに再び元のリズムを継「承」し、 "The Opium Den"及び"The Slide"では、一「転」して静かに、女声による日本語も含むつぶやきが響き、 それから、ベースリフが始まって、段々と時間をかけて盛り上がっていってからまた静かに、 そして音が止まり"Standing In The Swing"に入ると、ピアノとヴォーカルで厳かに進み、 最後にバンド一体となった一番の盛り上がりを見せて「結」末へと雪崩れ込む。 …こんな感じでしょうか。12分越えという長さを感じさせない、素晴らしい曲です。
『NIGHTMARE-THE ACOUSTIC M.S.G.』でも採り上げた6曲を中心に、 UFO時代からの4曲も含む、全13曲のアンプラグドでのライヴを収録したアルバム。 これがなかなか良いです。必ずしもアコースティックが活きているわけではないですが、面白いですね。 全編アコギなので、ソロパートでもサステインが効いてないのが、時に歯がゆく思えたりもしますが。 頼もしいサイドギタリストのおかげで、マイケルは思う存分メロディを弾いていますが、 それと同じくらい、アコギでのリフの元気な刻み、その二人の絡み具合が魅力的ですね。 UFOの"Natural Thing"・"Lights Out"・"Only You Can Rock Me"なんかは、特に良いです。
MCAULEY SCHENKER GROUPとしては3枚目であり、かつラストオリジナルアルバム。'92年作。 全体を通してさらっとした感じでインパクトは薄いものの、これも良いアルバムだと思います。 名バラードの③"When I'm Gone"・⑪"Never Ending Nightmare"を筆頭に、 ①"Eve"、⑤"We Believe In Love"、⑧"What Happens To Me"、 ⑩"This Night Is Gonna Last Forever"などなど、意外と良曲が揃ってるんですよね。 なかなか味わいのあるアルバムですね。
アルバムの始まりを告げる①"Save Yourself"は、 マイケルの素晴らしいギタープレイが前面にフィーチュアされてる疾走HRで、ホント名曲ですね。 ③"Anytime"は切ないバラードで、ツインリードのソロも美しい・・・。 ⑪"Destiny"はキャッチーでメロディアスな良曲。 他にも、ノリノリR&Rの②"Bad Boys"、インスト小曲の⑧"There Has To Be Another Way"、 哀愁漂う⑨"This Is My Heart"、ラストを爽やかに飾る⑪"Take Me Back"も良い曲ですね。 他の曲はちょっとつまらなく感じてしまいますけど。 それでも、このアルバムは十分良作だと思います。