"White Knuckles"は,"Dirty Fingers"や"End Of The World","Murder In The Skies"のイントロのような, 無伴奏の弾きまくりのソロでゲイリーらしさ溢れる強烈なプレイ。 そして超元気な"Rockin' And Rollin'"へ繋がる、と。 ハードに弾き倒してますね!う~ん、実にカッコいい!
さて、どうしてこうも成長したかというと、歌唱法及び声質自体の変化もありますが、 その声を活かすようなメロディにしてるのも大きい気がします。 以前は、無理にハイトーンを出して間が抜けたような声になる印象もありましたが、 最近は中低音域をメインに据え、高音も一枚膜が張っているような抑え方ですね。 ソロアルバムにおいても、TENの7thの前年にリリースした『ONCE AND FUTURE KING - PART I』では、 既に"Dragon Island Cathedral"で、ハイトーンがかなり苦しそうですが、 8thの翌年の『VERITAS』では、最上質の声になっていますね。 "Veritas"・"In My Head"・"Wide Awake In Dreamland"等での声にはどっぷり聴き入ってしまいます。
2ndソロアルバム。後年、メキメキと実力をつけていくが、これもなかなか、まずまずでしょう。 何曲かファンキーな曲があって、それらがつまらないんだけど、佳曲多し。 そして、特筆すべき、本当に素晴らしい1曲。バラード、"I Won't Break Your Heart"。 この曲が収録されている。これだけでお勧めするに足る、十分な理由となり得ます。 この1曲が余りに抜きん出ているので、他の佳曲がオマケに感じてしまいそうになるほど。 TENで"The Loneliest Place In The World"・"Through The Fire"・"The Elysian Fields"など、 数々の名バラードを産み出してきたゲイリー・ヒューズだけど、この曲は1,2を争うほどの曲だと思う。
98年発表の3rdソロアルバム『PRECIOUS ONES』の1曲目、"In Your Eyes"をタイトルナンバーにしたEP。 3曲の新曲も収録していて、どれもソロアルバムで聴かせてくれたような、穏やかで素敵なラヴソングです。 3分弱のアカペラ"All Fall Down"はソロならではの試みですね。 "The Miracle Is You"と"Be My Fantasy Tonight"は6分越えの曲で、上質なロマンティックナンバー。 アルバムが気に入った方は、ぜひともこのEPもゲットしちゃってください!
②"See Love Through My Eyes"・⑤"Wide Awake In Dreamland"は本当に大好きですし、 他も良い曲を揃えてます。メロディメイカーの面目躍如たる内容ですね。 やはり、ゲイリーには何を差し置いてもTENでの活動をメインに据えてほしいけど、 ソロ活動にもそれなりの良さ、面白さがありますね。
その日本ツアーのセットリストは、ブルースチューンで固められていたようですが、 はたしてどんな感じだったんでしょうね。盛り上がったのかなぁ? 近年の『LIVE AT MONSTERS OF ROCK』とか聴いても、生であのトーンを聴いたら ホント泣きそうになるくらい大感動しそうだな~。いつの日か行けたら行ってみたい。
ところで、最近、昔のSKID ROWやTHE GARY MOORE BAND時代のアルバムも手に入れて、 それらを聴いて改めて思ったんですが、ゲイリーってほんと方向性が一定してないというか、 幅が広いというか。近年は安定してブルース・ロックを演っているようですが。 まとめると、SKID ROW・THE GARY MOORE BANDではプログレッシヴ・ロック、 COLOSSEUM Ⅱではジャズ・ロック、THIN LIZZY・G-FORCE・ソロでハード・ロックを演り、 90年代に入って『STILL GOT THE BLUES』を機にブルース・ロックに方向転換、 『DARK DAYS IN PARADISE』・『A DIFFERENT BEAT』 ではなぜかデジタル・ポップ路線へ、 そして『BACK TO THE BLUES』でブルース・ロックに回帰し今に至るといったところでしょうか。 結局何が言いたいかっていうと,つまりはどれもゲイリー・ムーアなのであり,良いということです!
1978年に発表した、ゲイリー・ムーアの1stアルバム。全8曲で41分の作品。 ①"Back on the Streets"・③"Fanatical Fascists"のようなストレートなHRもあれば、 ④"Flight of the Snow Moose"・⑤"Hurricane"・⑦"What Would You Rather Bee or a Wasp"の3曲は、 COLOSSEUM Ⅱ時代を思わせるようなフュージョン的なインストチューンで、 更には、THIN LIZZYの曲を大幅にアレンジしてカヴァーした②"Don't Believe a Word"に、 バラードタイプの⑥"Song for Donna"・⑧"Parisienne Walkways"も収録。 …とまぁ、非常にバラエティに富んでいて、ごった煮のような印象もありますが、 どれも良い曲なので、それも良い個性として、とても楽しんで聴くことができますね。 ゲイリー・ムーアの魅力を感じることのできるアルバムです。