IN FLAMESはかれこれ20数年間聴き続けてきたバンドで、確固たる個性を保ちながらも「メロディック・デスメタル」という枠に囚われず常に冒険や実験を繰り返して変化を恐れない姿勢に心酔しています。特にそれが8thアルバムで究極ともいえる形で結実した時には、震えるほど感動しました。 それ以後も色々と模索しつつ様々なファン層を切り拓いてきていますが、あまりにも毎回良い曲が多すぎて感覚が麻痺し、名盤なのかいつも通りなのかわからなくなってしまいます。他のバンドであれば大傑作だと太鼓判を押す水準のアルバムでも、彼らだからともっとハイレベルなものを要求してしまうという身勝手さ。 さて、このアルバム。 いつもながら曲は素晴らしい。余裕で90点はいきます。 で、タイトルがなんか面白いぞ。印象度プラス1点。 ジャケのアートワークがなんかかわいいなぁ。印象度プラス2点。 あれれ、発売1周年で『I, The Mask (Arcade Version)』なんておかしなものが配信されているぞ。え? 8bitミュージック・ヴァージョン? ジャケも音楽もファミコン(昔のゲーセン)じゃん!? センスさいこーダヨコレ。プラス10点。 結論。実は合わせ技100点超えの超名盤でした・・・
・・・まあ冗談はさておき、8bitのレトロ・コンピューター・ミュージックにアレンジしても心揺さぶられるくらいに曲自体が良いんですよ。 (2)「I, the mask」を筆頭に、キラー・チューンと言えるものが次々と繰り出され、哀愁と盛り上がりのバランスも良くて、非常に楽しめます。 私の場合メロデスへの未練はもうなくて、「オルタナティヴ」的なものは'90年代からずっと好物なので、初期ファンとは音楽的好みが違うとは思いますが、本当に良いアルバムだと断言します。
1stと比べて、ずいぶんとメタル色は薄れましたが、その分、自由な音楽的広がりを得たような作品です。これは幅広い人におすすめできる作品ですね。 ALSという病にかかりながら、これだけ温もりを感じさせる音楽をつくった心の在り方には感動を覚えます。悲壮感より、音を楽しむポジティヴな気持ちが伝わります。 皆さん挙げてますが、(4)「END OF THE BEGINNING」は本当に美しい。私はちょっと前作収録の「AIR」にはそれほど感動できなかったのですが、この曲は好きです。 なんとなく、この人が病に冒されずにいて、YOSHIKIあたりと組んで作曲したら、面白いものが聴けたかもな~なんて思いました。 1曲1曲、楽器やメロディの使い方がガラッと変わるので、ジェイソンの引き出しの多さに驚かされます。クラシカルなのはもちろん、エスニックだったり和風だったり、ブルージーだったりと。 場合によっては散漫にも聴こえるかもしれませんが、飽きが来なくて聴くたびに新しい発見のある、味わい深い作品です。その日の気分しだいで、お気に入りの曲が変わる感じで、全曲好き。