Big Onesから5年後、94年リリースのベスト盤である。新曲は一切無い代わりに2nd・Get Luckyから実に7曲、加えてFootlooseのサントラ曲9.も収録され全16曲。個人的に好みでないデビュー曲1.で始まるのはこの手のアルバムとしてはお約束だから耳を塞ぐとして、5th・Wildsideから8.の1曲だけなのは寂しいところ。Classicsと言うだけあって初期作品偏重の傾向はあるけど、80sのLOVERBOYをダイジェストする分には全く問題無し。Big Onesと併用して聴けば完璧だろう。
1981年10月リリースの2nd。実際ヒットしたのは問答無用の代表曲1.ともども年末から翌年にかけてだったと思う。本国カナダで8位、USチャートでも次作と同じく7位まで上がった出世作であり最大のヒット作でもある。 自分もリアルタイムではこの時初めてこのバンドを知り、何やらチャラいポップロックバンドだなと思っていたが、聴き直してみれば上の方も仰るように立派なハードポップではないか! 声質は異なるけどバンダナ兄ちゃんMIKE RENOの歌い方はDANGER DAGERのT.POLEYも真似している節があったりする。 しかし同時に、Queen of the Broken Hearts(次作収録)のレビューで指摘されてる通りLOVERBOYがアルバムアーティストとしては落第であることもハッキリ分かる。決して退屈なバンドではないとは思うが。赤い革パンにラッキーサインの本作に関しては正味の☆2つ。
Be My Babyのレビューで奇跡のユニットなどと言ったが、実際は2人の利害が一致した上での結成だったのだ。だからバブルと歩調を合わせるかの如く崩壊してしまった。 しかしそんな一時的なユニットとはいえ、2年の活動期間にリリースしたアルバム、シングルそれぞれ2枚が全て1位獲得したのだから大ブームだったよ。ただ、やはりBOØWYの時みたいなケミストリーは求めるべくもない。伝説にはなれなかったね。
G.とB.が交代し、奇しくもJOURNEYのアノ作品と同じ86年5月にリリースされた2nd。まさにそのJOURNEYを意識したかのような作風になり、全曲ではないにしろD.G.EISLEYの唱法もどことなくS.PERRY風。結果はバンドのレビューで述べた通り、アルバムチャートでも60位止まり…これでも健闘した方だとは思うが。 楽曲の平均点は確かに高いものの、Call to the Heartみたいにこのバンドならではの突出した名曲が見当たらないのが残念。オリジナル盤のA面がSilk Side、B面がSteel Sideだがそう明確に分かれてる訳でもない。自分としては再発盤のボートラがベストトラック、しかし本作以前の作品だから実質は切り離して考えるべき。 ついでに言うとまずいジャケ絵、タイトルの表記揺れ(&? +? ◇?)でもイメージ的に損してる。内容が良いだけに、これがラストアルバムとなってしまったことが惜しまれる。
1st、2ndがAORハード路線の傑作だったけどセールス的には振るわずCAPITOLからも契約を切られ、やむなくROCKER RECORDSなるマイナーレーベルからリリースされた3rd。この時点でオリジナルメンバーは現在も残るCARMINE APPICE(は当然として)とDAVID MICHAEL PHILLIPSの2人だけとなった。内容については何方か仰るように大したこと無い…と言ってしまえば実も蓋も無いが、メロハー路線からごく普通のアメリカンHRにシフトしている点で捨て難いものがある。99年のThe Lost Yearsに1.3.5.7.9.が収録、更に12年のLegends Never Dieは事実上再発だから、本作単体(特にジャケット?)に拘らない方はどうぞそちらを。
米盤The Heart of Chicago 1967-1997(15曲入り、89年のThe Heart of Chicagoとは別物)の片割れ。日本ではテイチク盤~1967-1981とワーナー盤~1982-1997に分かれ、しかも各々が15曲入りに増量されてリリースとなったもの。シングルバージョンばかりなので、例えば自分みたいにAlong Comes A Womanはアルバムバージョンの方が好きだという向きには物足りないかも知れないが、産業ロックと言われながらも輝いていたあの時代のCHICAGOを手っ取り早く未聴の人に紹介するにはもってこいのベスト盤だ。
同年デビューしたFAIR WARNINGの陰に隠れてしまった感のある2nd。とは言えMICHAEL VOSS自身が言うところのPOP感覚と適度なハードさが絶妙にブレンドされた好作だ。当時28歳のVOSSの声はJBJほどハスキーではなく、むしろハイトーン抜きのJACK RUSSELみたいに良い意味で青臭い。楽曲はどれも平均以上の出来であり、惜しむらくは曲順といったところか。One of These Daysは一般洋楽ファンにも訴えるカントリータッチの曲だから、次作Some Like it Differentへの繋がりという意味でもエンディングに持ってきて欲しかった。どうにもラスト3曲が尻すぼみの雰囲気濃厚な気がしてならない。☆2.5個。