More Than a Feeling…曲レビューでも述べたが、同じ1976年でもEAGLESのHotel Californiaより早い夏頃にリリースされ、当時スネっかじりだったガキんちょのハートを鷲掴みにした曲である。もっとも自分の場合は最初この曲しか知らず、英単語の記憶力では敵わなかった同級生から"アルバム全部いい曲だよ!"と言われてようやく聴き通した。 奴は正しかった。基本は70sアメリカンロックであり初期EAGLESのようなカントリーテイストまで混じっているけど音が違うよ音が。そしてどこまでもクリーンなDELPの歌声。ホテカルといいDEBBIE BOONEのYou Light Up My Lifeといい比較的ネクラな曲が目立った76~77年にあって、1.ひいては本作こそが一縷の光明だったと言っても過言ではなかろう。 当時盤のライナーノーツにある通り、エレクトロニクスを駆使しての奥行き深いサウンド作りという新しい要素をもって登場したBOSTON。以来40余年、本作は売れに売れて今やダイヤモンドディスク認定だとか。もう十分元は取ったよねSCHOLZさん。
当時同好の士がしきりにイチ押ししていて、個人的には82年の春を呼んだ1枚だね。おかげでHeat of the Momentのレビューでも言った通り、自分の他に若干1名、プログレやHRなんぞ縁もゆかりもない奴までどっぷりハマってた。 で、よ~く聴き込んでみるとシングル1.2.3.はあくまでも挨拶代わりであって、彼らがプログレ職人の本領を発揮するのは非シングル曲、特にアナログ時代のB面つまり6.以降だということがわかる。手法はやや異なるが日本のTULIPも初期にはシングル曲とアルバム曲を分けていたことを思い出した。 基本はプログレでありながらも本作は人間臭く親しみやすい。覚束なさの中にも深み暖かみのあるJ.WETTONの歌唱、テクは確かなんだろうけど曲によっては段々テンポアップしてしまうC.Palmerのドラミング、ツボを押さえたG.にキラキラKey.と全てが聴き所だ。コレでヒットしない訳がないよ~。 改めてJOHN WETTONにR.I.P.、そして本作と共にあれから35年後の春を迎えるとしようかな。