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MK-OVERDRIVEさんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 101-200

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原由子 - MOTHER - あじさいのうた ★★★ (2024-09-06 02:01:18)

1987年8月リリース、母親となって復帰後初のソロ6thシングル。当時は映画、TV番組、CMに引っ張りだこの人気ぶりでしたよ。ソロデビュー当初から自作曲はアルバム収録曲そしてシングルでも前作"誕生日の夜"がありましたが、広く知られるヒットになったのはこれが初めて。4年後、3rdアルバムその名も"MOTHER"に収録されます。楽曲の醸し出す郷愁に合わせてか、PVは会津若松の小学校がロケに使われています。内容は恐らく片想いの歌なんでしょうが季節感が溢れてほっこりしますね、このまったりテンポがいいんですよ。


原由子 - Miss YOKOHAMADULT - 恋は、ご多忙申し上げます ★★★ (2024-09-05 02:30:19)

1983年8月リリース、原坊ソロ4thシングルにして初のそして最大のヒットとなりました。前年から旦那になった人の作詞作曲でアイドルっぽいポップな曲に仕上がり、発売直後に資生堂・秋のキャンペーンソングに起用されたのもラッキーでしたね。CMのコピーがまた"公私ご多忙用~"と奮ってます。終わった夏の恋をSUPREMESみたいなめっちゃ明るく軽快なR&Bに乗せて歌い始め、最後は"公私共に life is busy"となるので新たな進展に向けて進行中ということでしょう。ハッピーエンドを目指す人にとっては励みになる曲と思います。


原由子 - はらゆうこが語るひととき - I Love You はひとりごと ★★★ (2024-09-04 01:38:37)

1981年4月リリース、今となっては原坊の"知られざる"ソロデビュー曲です。その理由はぶっちゃけAランクの放送禁止曲だから。なぜ? お聴きいただけばわかります。舞台は渋谷区円山町ということで察してください。途中で入るオカマもといニューハーフ-この曲の大阪版を歌ったベティ又は桑田?-の台詞も一因でしょう。私は"あっ!なにすんのよゆうこちゃん!あんたってそんな人じゃないでしょ、やめてよ"で吹きましたが。民放連がこういうギャグをわからないから桑田たちが女装して抗議デモを起こすに至ったったんですね…見たかったなと思ってたら記録動画があるらしいです。


サザンオールスターズ - すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61 SONGS - ごめんねチャーリー ★★★ (2024-09-03 01:58:25)

"シャ・ラ・ラ"と両A面シングル。チャーリーとは御大RAY CHARLESのことでブルージーなR&Bテューンでありレイに敬意を表した日本人によるブラックミュージックです。それも得意のエロい表現とモンタさん、竜童さんまで登場させてリスペクトを表すという念の入れよう。関西弁で"女が恋しいねん~"などと言ったかと思えばハマ言葉で"真っ赤に燃えてんじゃん~"、最後は再び"いきり立つものもなえちゃう"ってもうカオス状態。昭和歌謡的でもあるしこれは個人的にはSTORIESの"Brother Louie"などを連想するメロディです。RAY CHARLESとムード歌謡をコラボさせるアーティストなんて唯一無二の存在ですね。


サザンオールスターズ - バラッド '77〜'82 - シャ・ラ・ラ ★★★ (2024-09-02 01:37:06)

1980年11月に"ごめんねチャーリー"と"初の"両A面・11thシングルとして発売。"FIVE ROCK SHOW"の後も時々見られるオリジナルアルバム未収録シングルです。制作中に原坊のパートが段々増えていって結局"初の"デュエットになったとは有名な話。クリスマスソングでもあります。そうそうこのサビも十分に聞き覚えありますワ、耳に残るサビですよね。"Let me try to be back to this place anyday"って完全に浮気性の台詞ですな。当時のオリコン最高位は両A面合わせて29位ながら、2年半後"ふぞろいの林檎たち"の挿入歌として使われ再評価を得ます。サザンでは五指に入る名曲と言う人がいるのも納得。


サザンオールスターズ - バラッド '77〜'82 - わすれじのレイド・バック ★★★ (2024-09-01 02:00:12)

1980年7月リリースの10thシングルにして"FIVE ROCK SHOW"のラスト。地味な印象なのはlaid-back:'70年代ロックの一面を形容した言葉の通りで、サザンロックのみならずEAGLES、DOOBIE BROTHERSやERIC CLAPTONなどにも一時期みられた傾向。この曲はまさにその活動を休止していたクラプトンに捧げたのだという説もあります。または'76年に解散したTHE BANDとも。曲調は爽やか&郷愁カントリーロックなのに歌詞はもろアノ場面を描写してますね。オリコン最高位は41位。


サザンオールスターズ - すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61 SONGS - ジャズマン (JAZZ MAN) ★★★ (2024-08-31 01:47:18)

1980年6月リリース、"FIVE ROCK SHOW"の4枚目、モロにスウィング・ジャズです。歌詞は例の如くエロエロでして"女のアンタに何言われたってOK!"はOKじゃなくて○茎なのは有名な話。かと思えば間奏でLOUIS ARMSTRONG風のスキャットにサビはフランス語と何でもアリな様相です。実際ポップすぎてどこがジャズ? 大学時代ジャズ好きが先輩と同輩-互いに面識なし-2人いてそれぞれの下宿先でジャズをBGMに飲んだら必ず深酒になって二日酔いしてたり、その後出会った嫌な奴がこれまたジャズ好きだったりトラウマなんですが、サザンのこの曲は全然気になりませんね。しかしこれほどの力作にも係わらずオリコン32位、マニアックに走ったから当然の結果ですな。


SOUTHERN ALL STARS - タイニイ・バブルス - 働けロック・バンド (Workin' for T.V.) ★★★ (2024-08-29 01:52:35)

↑↑いやいや、TV番組での扱いを自虐的に嘆いてみせるなんてのはサザンでなきゃできなかったですよ。TV出演に忙殺されていた際の嘆きや怒りを歌っているサザン版"A Hard Day's Night"であり"Goodbye Yellow Brick Road"=サヨナラ成金街道です。ブルジョワになったのは事実ですが肝心なのはスピリット。TV番組ひいてはマスメディア決別宣言、アルバムを生命線として自分らしい音楽を追求する骨太ロックバンドになろうとの決意。"その気もないのに笑うことばかりじゃ愛されるならいいね"…たとえ作り笑顔でもそれで大衆に愛されるんだったらいいね:楽しくもないのに作り笑いが難なくできる人形のような芸能人を皮肉ったのも、私の周りに生意気だと言う人がいたような桑田ならでは。表面だけ見ていてはいけません、転換期だからこそ出来た傑作だと思います。


SOUTHERN ALL STARS - タイニイ・バブルス - Tiny Bubbles (type-B) ★★ (2024-08-28 01:49:39)

今にして思うとKUWATA BANDの先駆けになったのではと思える、単独曲としてはサザンで初めて全編英語の歌詞となった曲です。と言っても1.から"type-A"だけ取り出して"Once I had a little girl~"のくだりが加わっただけですが。曲調はどうやら桑田がヴォーカリストとして最も尊敬するLEON RUSSELに寄せたブルージーなバラードにしたようです。ただ歌詞がね…vocabulary豊富な桑田も当時は英語についてはまだまだ? silly、idiot、stupidなど色々ありますよ…。


SOUTHERN ALL STARS - タイニイ・バブルス - 松田の子守唄 ★★★ (2024-08-27 01:46:50)

ドラマー松田弘がリードヴォーカルを執るバラード。これまた桑田が歌っちゃいけません、松田の声を最大限に生かせるよう作られていますし彼の説得力ある歌い方が素晴らしいです。"すべからく恋はいいもの""誰かと恋に落ちながらあまり言葉もなく""思い出すのはあの人だけ"、本当に刺さるワードのオンパレードですね。実際に卒業式で歌う学校もあったとか。


SOUTHERN ALL STARS - タイニイ・バブルス - 恋するマンスリーデイ ★★★ (2024-08-27 01:17:16)

ユウコさんという名前の女性が登場する、本アルバムと同時発売の今となってはコンプラ的にヤバい歌詞のレゲエ調7thシングルで最高位は23位。前年の半年休業宣言そして最後のライヴ後、LAへ飛ぶ途中ハワイの税関で原坊がいきなり腹痛を訴えた時に女性職員が発したこのワードが切っ掛けだそう。あとはスムーズに詞ができたと言いますからね、そもそもこういうテーマですんなり曲を作ってしまうのがさっすが~!桑田ですよ。しかも原坊自身がこの曲に込められた桑田の優しさに感動したと言います。但し御注意、同じことを素人の私達が女の子に言ったら…まぁ普通ドン引きされるか最悪訴えられますわな。


サザンオールスターズ - タイニイ・バブルス - TO YOU ★★★ (2024-08-25 01:40:22)

MONKEES辺りで聞いたようなイントロからしてめちゃポップ、"愛の花咲くとき"を連想させるメロディ、意外にロックしているギター、と聴き直せば良い所だらけのアルバムB面1曲目でした。"思い出をGive it to you. 心にamuse"と自身の所属事務所をさり気に登場させたり、"恋はからだごとがいい""とどのつまりはto you""恋は異なものすべからく"って、もうね、こんな歌詞がスラスラ出てくるあなたの方が異なものですよ桑田さん。


サザンオールスターズ - タイニイ・バブルス - 涙のアベニュー ★★★ (2024-08-24 01:43:12)

(日本で言う)AORな6thシングルながら16位とTOP10入りを逃すどころか以後この曲を含め8枚連続でTOP10外という。レコーディングに専念する代わりにTV出演を控えたためですが、その結果としてビックヒットは2年後の"チャコ海"まで待たねばなりませんでした。しかしヒットしなくなったというだけで曲のクオリティは逆に上がっていきます。この曲も原坊の出身地・横浜のご当地ソングに留まらず、'89年に"エリー"をカバーすることになるRAY CHARLESをオマージュしたゴスペル色の強いソウルバラードで、前2作に比べれば聴き取り易くなった桑田の歌唱と原坊のピアノが実にブルージーな雰囲気を醸し出す隠れ名曲ですね。


サザンオールスターズ - タイニイ・バブルス - 私はピアノ ★★★ (2024-08-23 01:31:15)

お馴染み、本アルバム4曲目にして原坊のメインヴォーカリストデビュー曲。↑最初から原坊に歌わせるつもりで作った曲だから桑田が歌っちゃいけないんですよ。スタジオ版ではヴォーカルが2回歌った音源を重ねた二重録音の斉唱になっています。サザンとしてはシングル化されず同'80年7月にリリースの高田みづえによるカバーが彼女最大のヒットに。歌い出しの歌詞で勝負は決まった感じですね。LARRY CARLTONやBILLY JOELは原坊が敬愛するアーティストです。途中の関西弁風な掛け合いは当然サザン版のみで高田みづえ版にはありません。という訳で、とっくにコメントしてたと思ったら今回がまさかの初コメントになりました。


SOUTHERN ALL STARS - タイニイ・バブルス - Hey! Ryudo!(ヘイ!リュード!) ★★★ (2024-08-22 02:01:57)

↑そうです。そしてアルバム/シングル別バージョンのこの曲は当時ソングライター専業状態の宇崎竜童に対して"唄いなさい"と言う照れ隠し混じりのリスペクトソングですと。曲調は完全にビッグバンドによるスイングジャズですね。その他全体には誰かに対して-多分原坊-難解な女心をユーモラスに歌っているようで、歌詞の"あいすいません"もJOHN LENNONの"Aisumasen (I'm Sorry)"-こちらはオノ・ヨーコ-からかな?とか、雰囲気が翌年のSTARDUST REVUE"シュガーはお年頃"に通じてるかな?とか、聞き直したら色々想像が膨らんでそりゃ大変です。


SOUTHERN ALL STARS - タイニイ・バブルス - タバコ・ロードにセクシーばあちゃん ★★★ (2024-08-21 01:36:35)

見事なブルーズロックでありR&Bですね。タイトルはJOHNNY/EDGAR WINTERなどの"Tobacco Road"から、曲調はSTORIESの"Brother Louie"に倣ったとのことで、どちらもバリバリ・アメリカン-細かいことを言うと後者は英ファンクのカバーだが内容がね…-それもディープサウス。桑田氏自身が"セクシーばあちゃんは老女の恋が真の恋だと思っているが気持ちがあっても身体がついていかない"と語っていて、She's gonna move"ってそういう意味かと即座に納得。一方で伴侶が既にいない状況とも取れるし、そこは多様な解釈があっていいでしょう。


サザンオールスターズ - タイニイ・バブルス - ふたりだけのパーティ〜Tiny Bubbles (type-A) ★★ (2024-08-20 01:23:51)

桑田氏のスライドギターで始まり"ナビスコチップスター"のCMソングになった3分半の"ふたりだけのパーティ"と1分半の"Tiny Bubbles (type-A)"をメドレーにしたつもりが纏まりきってませんね。"ふたりだけの~"の方は歌詞にdoo-wopと出てくる通りサザン流R&Bの様相で、MAXINE NIGHTINGALEの"Right Back Where We Started From (愛とは強いもの)"に似たメロディも登場しますがナイスOPテューン。ところが"Tiny~"は何と言うかそのディスりソングですか…後年のバブルを予言してた訳でもなかろうに。平均すると普通の評価になっちゃいます。


10CC - Bloody Tourists - Tokyo ★★ (2024-08-17 01:47:22)

10CCが分裂して2作目となる"ブラディ・ツーリスト"を"トロピカル・ラヴ"から聴き進めてB面に行くと3曲目に気になるタイトルが。ERIC STEWARTの単独作で曲調こそ全然日本的ではないものの、歌詞は日本てんこ盛りで微笑ましいと言うか典型的なガイジンさんの日本に対するイメージの羅列ですね。また大人しい中にもどことなくエリックが来日時に感じたであろう東京のパワーみたいなものが聴き取れます。シングルとしてはB面にすらカットされずアルバム収録曲に留まりました。"こういうのもありますよ"程度に考えて頂けば。


10CC - Ten out of 10 (us Version) - Run Away ★★★ (2024-08-16 02:06:46)

8thアルバム"ミステリー・ホテル"はまず1981年に英国でのみリリース、翌'82年に4曲も差し替えて米国でリリースされました。その差し替え曲のうちANDREW GOLDと共作した"The Power of Love"、この曲、"We've Heard It All Before"の3曲がシングルです。折しも10CCデビュー10周年、当初の偏屈ポップバンドと言われた作風はすっかり影を潜め(日本で言う)AORに変貌を遂ましたが、結果は全英でも50位止まり。時代にそぐわなかったからという評もありますがそんな筈はなく当時はAOR全盛、むしろAOR路線を行く10CCなんて"らしくない"からというのが多分的確な原因でしょう。イントロで"I'm Not in Love"を彷彿させるコーラスも入り、バンド名を伏せて聴いてみれば極上のラヴソングですよ。そして当時は英米両ヴァージョンが存在した本アルバム、2006年にUK盤をベースとして差し替え4曲を含む7曲をボートラで加えた17曲入りへ一本化して再発されています。


10CC - How Dare You! - I'm Mandy Fly Me ★★★ (2024-08-15 01:57:31)

1976年3月リリースの12thシングルでERIC、GRAHAM、KEVIN・3人の共作です。いきなり2nd"Sheet Music"収録の"Clockwork Creep"がイントロ代わりに流れるところからして一筋縄ではいかない予感。案の定飛行機に乗ってからは完全に空想の世界が展開します。どうやらERICが実際飛行機に乗る時に見た"Cyndi Fly Me"というポスターがヒントになってこんなにドラマティックな曲が出来たとか。さて本作を最後にKEVINはLOLと共にバンドを去るため4人体制では最後のヒット曲となります。まぁヒットと言っても複雑な曲はアメリカ受けが悪いのか全英6位に対し全米では60位止まりでした。


10CC - How Dare You! - Art for Arts Sake ★★★ (2024-08-14 01:19:21)

4人体制で最後となる1976年1月の4thアルバム"びっくり電話"に先立つシングルとして'75年11月にリリースされた"芸術こそ我が命"です。"I'm Not in Love"と同じくERIC STEWARTとGRAHAM GOULDMANの共作ですが、全体にプログレ色が一層濃厚でミステリアスなイントロからハードポップ、更にドラマティックな展開に至る構成はまさに芸術。対して歌詞はカネと女の亡者が主人公という現実的な生々しいものとなっています。全英5位、全米では83位という結果も納得ですね。


10CC - Bloody Tourists - Dreadlock Holiday ★★★ (2024-08-13 00:44:39)

そうそうカリビアン調のゴキゲンなこの曲も聞き覚えありました。1978年7月リリースの10CC流レゲエナンバー"トロピカル・ラヴ"です。歌詞は"嫌よ嫌よも好きのうち"みたいなもんでしょうか。反動形成ってやつですね、どこまで捻くれりゃ気が済むんでしょう。正式メンバー2人だけになりながらサポートメンバーでやり繰りしていたERICとGRAHAMの共作。結果は全英1位、全米44位と事実上10CC最後の大ヒットでした。相変わらずの酷暑に見舞われる中、思い出してしまった以上ゆく夏を惜しむBGMはコレで決まりですね。


10CC - Deceptive Bends - The Things We Do for Love ★★★ (2024-08-12 01:43:07)

恐らく私の中では初めてそして唯一リアルタイムで記憶にある10CCの曲がコレ。適度にポップなのがお気に入りで10CC一番の名曲と思います。1977年5月リリースの5thアルバム"愛ゆえに"に先行して'76年12月にリリースされ全英6位、全米5位まで上がる大ヒットを記録した13thシングル"愛ゆえに"と邦題に関してはジョークと言うより適当。本作から正式メンバーはかの"I'm Not in Love"を作曲したERIC STEWARTとGRAHAM GOULDMANの2人だけになり、人気は維持しながらもヒットという点では失速へ向かう中で最後の快挙でした。アルバムの原題は"トリッキーに曲がった人を欺く道"とでも言いましょうか、その先行シングルもどこか引っ掛かりと一捻りある内容となっています。好きな人、好きな物事のためには無駄なことまでしてそれでも満足、実際あるあるですね。


10CC - 10cc - Donna ★★★ (2024-08-11 01:55:09)

1972年9月リリースの10CC・1stシングルです。いきなり"Oh! Darling"をファルセットで始めたかのようなジョーク炸裂。パクリじゃなくてパロディ、ここが重要ですから間違えないで。ファルセットからしてテープを早回ししただけのフェイクですと。じゃぁこのスタジオライヴ風PVは何なんじゃ? 4人全員が"優れた"ソングライターである10CCのこと、この曲もギター・LOL CREMEとドラムス・KEVIN GODLEYの共作で全英では2位まで上がる大ヒットとなりました。


サザンオールスターズ - 10ナンバーズ・からっと - ブルースへようこそ ★★★ (2024-08-09 01:23:42)

シングル"思い過ごしも恋のうち"のB面曲かつ即刻放送禁止案件です。歌詞カードや公式では公開されていない、それもその筈ゲイを示唆するてかズバリそのものの歌詞ですから公開できませんて。聴いたら当分味噌が食べられなくなるのがミソ? 曲調はERIC CLAPTONのブルーズに倣っていると専ら評されています。確かに前半こそ個人的に"たどりついたらいつも雨ふり"や"知らず知らずのうちに""夕陽を追いかけて"を連想、突然"Auld Lang Syne"まで登場し驚きましたがエンディングの展開はかなり本格的。この闇鍋感に意識混濁しながらラストの名バラードに繋がる曲順が絶妙です。


サザンオールスターズ - 10ナンバーズ・からっと - Let It Boogie ★★★ (2024-08-08 01:26:55)

"女呼んでブギ"の続編? "そんな淫らな女それが好きなのあたしゃ"まで聞いた所であたしゃこれだよこれと喜び勇んだ典型的な桑田ワールド、まさに"言いたい放題やり放題"な曲。ロックンロールでありブギ・ウギであり歌詞に出てくる通りひたすらアカるいジルバでもあります。歌詞を変えて"ザクトライオン"のCMに使われたり1984年にはオカマタレントのKINYAがカバーしたりと密かに人気を誇るニッチな曲。そして次曲が更に凄いという流れがもう堪りませんなぁ。


サザンオールスターズ - 10ナンバーズ・からっと - アブダ・カ・ダブラ(TYPE.2) ★★ (2024-08-07 02:22:27)

当時で言うLPのB面1曲目。レコードをひっくり返して針を落とすと今度は飛行機の効果音から始まりTYPE.1と異なる歌詞で短くまとまっています。その歌詞には、ほら出てきました"なつかしいこんなシュールなディキシーランド"とあります。急造アルバムゆえかタイトルの"10ナンバーズ"にネタが足りず二分割になったというのが有力な説です。そのためこちらは付け足し感が否めません。さて更にこの曲、1~3に加えて"日清焼そばU.F.O."のCMにも使われ実質計4ヴァージョンがあるとのことなので、ここまで来たら全部聴いてみたいですね。


サザンオールスターズ - 10ナンバーズ・からっと - アブダ・カ・ダブラ(TYPE.1) ★★★ (2024-08-06 02:17:01)

シングル"いとしのエリー"のB面として最初に発表されたTYPE.3を含めTYPE.1~3が存在するうちのTYPE.1。当時のアナログLP盤で言うとA面ラストの5曲目に収録、エンディングでBEATLESの"Back in the U.S.S.R."に倣ったと思われる飛行機の効果音が入ります。ジャンルとしてはその方面の第一人者をゲストに招いてブラスを多用したディキシーランドジャズとのこと。昔出会った嫌な奴らが聴いてたジャズとクラシックを普段は避けている私でも、サザンが演るならまぁいいかと思って聴き直してみたら楽しいことこの上なし、これぞ桑田マジックの呪文の効果というものでしょう。なおTYPE.3は歌詞が同じで飛行機の音は無しというヴァージョンです。


サザンオールスターズ - 10ナンバーズ・からっと - ラチエン通りのシスター ★★★ (2024-08-03 02:06:42)

"栞のテーマ"と同様三連符シャッフルの名バラードですね。よくわからんタイトルのせいで皆さん減点してるとしたら残念なので補足しましょう。茅ヶ崎市に実在する、菱沼海岸から烏帽子岩が正面に見える道路で、かつて在住したドイツ人のルドルフ・ラチエンさんに因んだ愛称が付いたそうです。シスターとはそこに住んでいた桑田氏の初恋の人-小中学校の同級生-で結婚まで考えていたとのこと。もしもこの女性と結婚していたら果たしてサザンは存在しただろか、歴史にもしもはタブーということで一件落着。


サザンオールスターズ - 10ナンバーズ・からっと - 奥歯を食いしばれ ★★★ (2024-08-02 01:42:47)

2ndアルバム2曲目。前曲と同様印象的なピアノのイントロで始まりますが本編は打って変わって何と本格的な桑田流ブルーズロック! ジャズっぽくもありR&Bでもありレゲエ要素もありでしっかりサザンの曲に昇華している点が流石です。当時はアルバム制作が慌ただしく歌詞カードが間に合わず記号で埋め尽くされていたとのこと。その歌詞もタイトルに関連したワードは"奥歯食いしばる程~"1回だけ、全体にお得意の失恋ソングとなっています。ここはやっぱり"夜が耐えられない"から"人それぞれやる酒"で一杯やりながら聴きましょう。


サザンオールスターズ - 10ナンバーズ・からっと - お願いD.J. ★★★ (2024-08-01 01:11:08)

1979年4月リリースの2ndアルバム・オープニングテューン。イントロのピアノが期待感を掻き立て、WOLFMAN JACK風の小林克也の語りをリスペクトしつつ真似た桑田氏のD.J.などもう桑田氏と同じラジオ少年だった身には堪らない演出です。"Don't let me down"はお馴染みBEATLESまんま、"いっさいがっさいあなたに見とれて"はBEACH BOYSの"Surfin' U.S.A"中~inside outside U.S.Aをパロった歌詞ですね。"今宵5時まで~"の通り心地よいメロディは本当に早朝5時まで聴き続けられそうです。


10CC - The Original Soundtrack - I'm Not in Love ★★★ (2024-07-31 01:57:18)

1975年5月リリース、本国全英1位、全米でも2位を記録した10thシングル。パッと聞き爽やかな印象あれどよくよく聴き進めれば624人分に増幅されたというコーラスの合間に語りと言うか呟きが入るなどかなり不気味な曲です。そっちの効果で涼しくなれるという意味では夏向きですかね? ヒネクレか反語もしくは反動形成とも取れるタイトルや歌詞は、変人と言われることもあるらしい作曲者のERIC STEWARTが自分の妻に"愛してると繰り返し言ったって何の意味もない"と言ったことが発端だとか。洋楽でもブリティッシュは後回しだった私のこと、リアルタイムで聞いたかもしれませんが認識したのはかなり後でした。


サザンオールスターズ - 熱い胸さわぎ - 今宵あなたに ★★★ (2024-07-28 01:47:59)

夏バンドSAS衝撃の1stアルバムですがエンディングは冬の歌です。↑原坊の実家のことですね。桑田自身天ぷらが嫌いなのに原坊と結婚したら天ぷら屋へ婿入りしきゃならないと心配した一言だとか。そのため"原由子讃歌"と言われるそうです。他にも"素肌負けないで"は1976年資生堂のCMコピーだったり、思ったこと耳にした言葉をすぐ歌にできる才能。何よりこの時点で確立されている若さゆえの咆哮みたいなシャウト、これこそ桑田流ブルーズロックと言えるでしょう。


サザンオールスターズ - 熱い胸さわぎ - いとしのフィート ★★★ (2024-07-27 01:22:46)

USルーツロックバンド・LITTLE FEATの曲、特にリズムパターンをふんだんに流用して、年末から年始にかけてを歌った歌詞を乗せた曲だそうです。そのため年越しライヴなど冬にしか演らなかったとのことですが近年は夏も解禁ですと。取り敢えずラーメン好きには共感できる歌詞ですね。1channelとはNHKだからこれはパス。"雨風しのげりゃこれからの女は胸が~"のくだりは一番イミフだし個人的に反対だけどそれでも名曲決定!


サザンオールスターズ - 熱い胸さわぎ - レゲエに首ったけ ★★ (2024-07-26 02:00:50)

夏そして南の国の音楽と言えばレゲエですね。それをERIC CLAPTON流に解釈したのがかの"461 Ocean Boulevard"だとすればこの曲は桑田流解釈と言えるでしょう。最初だけあって試行錯誤的の超スローテンポで気怠げなレゲエ。レゲエ愛を語る言葉数は多いけどまだまだこなれてないかな、"時々むなしい気がするの"。


SOUTHERN ALL STARS - 熱い胸さわぎ - 瞳の中にレインボウ ★★ (2024-07-25 03:10:01)

LEON RUSSELLと1976年当時の妻MARYによるハッピーソング"Rainbow in Your Eyes"を和訳したタイトルです。R&B的な要素もあったこのUSシンガー&ソングライターに対するリスペクトが表れたブルージー、またはジャジーな曲調で構成されていますが、歌詞までオリジナルに反してややネガティヴになってしまってます。確かに好きな人は好きでしょうね。


サザンオールスターズ - 熱い胸さわぎ - 茅ヶ崎に背を向けて ★★★ (2024-07-24 02:05:16)

いやいや、桑田にしてみれば自分を育ててくれた茅ヶ崎を讃えている曲ですよ。今やネット、ウェブに常識、敬意、親切、感謝を期待するなというのが"常識"らしいですが、せめて音楽の評価ぐらい公正、正当にいきましょうや。ん? 当時のサザンの音楽自体が常識外れ? 事実ですがそれを言っちゃぁおしめぇよ。2ndシングル"気分しだいで責めないで"のB面になりました。イントロ、リフがNILSSONの"Everybody's Talkin'"またはGLEN CAMPBELLの"Gentle on My Mind"ですねぇ。


SOUTHERN ALL STARS - 熱い胸さわぎ - 恋はお熱く ★★★ (2024-07-23 01:00:14)

このスローシャッフルは"栞のテーマ"の原型ですね。サビの終わりがあおい輝彦の"二人の世界"だったりしますが、桑田のルーツは昭和歌謡。デビュー曲のタイトルからしてそうでしょ? あれに比べりゃ可愛いもんです。イントロの波の音は葉山ですね、ニッチですね~。


SOUTHERN ALL STARS - 熱い胸さわぎ - 当って砕けろ ★★★ (2024-07-22 00:55:18)

1stアルバム3曲目にしてシングル"勝手にシンドバッド"のB面曲です。曲調はのちの"思い過ごしも恋のうち"に通じる所がありますがこちらは弾むようなモータウンR&B風のリズムが特徴。"おてもやん"の一節が出てくる歌詞もポジティヴでハッピーエンドへ向かう…かな? 余談:"あたる"は"当る""当たる"どちらもOK。但し公用文では後者を使います。


SOUTHERN ALL STARS - 熱い胸さわぎ - 別れ話は最後に ★★★ (2024-07-21 00:55:18)

1978年8月リリースの1stアルバム、衝撃のデビュー曲に続く2曲目はシングルの候補になったと言われるボサノヴァ風のシティポップですね。そもそも元来引き出しの多い桑田のこと、ぶっ飛びコミックソングだけじゃなく当時からこういう曲も当たり前にありました。Aメロは雰囲気満点まったり溜めに溜めてサビは短くサラッと、それがまさにタイトル通り突然の別れってとこでしょうか。


浜田麻里 - TOMORROW - Precious Summer ★★★ (2024-07-20 00:59:31)

1991年10月リリースの12thアルバム収録曲。浜田麻里作詞・織田哲郎作曲、ギターはMICHAEL LANDAUですが本アルバムはゲストにSTEVE LUKATHERが参加していて彼の可能性もあります。他は既出コメントの通り…ってまた手抜きコメント失礼しました。1991年ですねぇ、世界的に状勢が大きく激変した年でした。振り返れば私自身もまぁ色々…おっとっと。


浜田麻里 - Heart and Soul “The Singles” - Heart and Soul ★★★ (2024-07-19 01:59:36)

浜田麻里作詞・大槻啓之作曲により1988年9月"急遽"リリース、それでもオリコン最高7位と初のTOP10入り。という訳であとは既出コメントの通りです。今度のパリからすれば何年前? 怖がらずサバ読む気もなく計算できますよね。1988年かぁ、いい時代でしたねぇ。落合信彦がネタにしたり大らかで自由な雰囲気がありました。


BADFINGER - No Dice ★★★ (2024-07-18 01:19:11)

時は1990年代前半、CDの登場からまだ10年程で新品/中古問わずCDショップ巡りが盛んだった頃、ふと(B)-BADFINGERの所で目にした鎖帷子みたいな素材のビキニを着てこちらを指差す妖しい女性のジャケット。それまでも見覚えはあったが当時の私はJ-POPの方が楽しく洋楽から離れていまして、BADFINGERにしても"Come And Get It""Day after Day""Know One Knows"、アルバムはピート亡き後トムとジョーイで再始動の"Airwaves"しか認識していなかったため見事にスルー。その後いつの間にか買って手許にある当時の輸入盤を聴きながらのレビューです。1970年11月リリース、BADFINGERに改名してからは2nd、IVEYSから通算すれば3rdとなる本作の売れ行きはと言うと、USチャートで最高28位となるも本国UKではランキング外。折しもBEATLES解散騒動最中のこと、どうやらアップルレーベルに居続けたことが彼らの命運を分けたらしく、当初MAL EVANSプロデュースでレコーディングしながら並行してRINGO STARRのシングルやGEORGE HARRISONのアルバム制作セッションに参加させるハードスケジュールを見かねてGEOFF EMERICKに交代したために発売が半年も遅れたとか。上手くいかないのはアルバム制作だけでなくシングルリリースも同様で本作からのシングルは5.とUK盤におけるそのB面8.のみ。6.は他アーティストにカバーされてヒットし有名になっただけで、彼ら自身によるオリジナルのシングルは出ていません。No Dice…振ったサイコロが台から飛び出してノーカウント、無効になって"駄目"だという意味ですから、まだ悪徳マネージャーに捕まる前のこの時点でもうアップルを離れるべきだった、そんな状況を暗示するタイトルな気がします。最後はどうでもいい話、女性の上半身が写るジャケットは開いた状態で下半身も現れるようになっているため、綴じ目が左になるように収めるとタイトルや女性の頭が右へ横向きに倒れてしまうんですね。という訳で買って見て聴いてください。


BADFINGER - No Dice - I'll Be the One ★★★ (2024-07-17 02:00:32)

"No Dice"1992年版CDのボートラ5曲目、トラック#17にしてエンディングテューンは新加入のジョーイを含む4人の共作となるカントリーロックまたはソフトロックです。シンプルなメロディの繰り返しは突き詰める余地がありますが、仄々としたコーラス、ハーモニーはバッドフィンガーならではのもの。聴いているこちらからビートルズの後継はYou'll be the oneだ!とエールを送りたくなる、1970年当時未収録だったのが惜しまれるナンバーです。


BADFINGER - No Dice - Loving You ★★ (2024-07-16 00:35:25)

'92年版CDのボートラ4曲目即ちトラック#16はドラマーのMIKE GIBBINS作、BADFINGERらしいパワーバラードです。もちろんMINNIE RIPERTONにより'75年にヒットした"Lovin' You"とは類似名の異曲であり無関係。JOEYが書いた前2曲に比べればメロディアスでギターが前面に出ているにも係わらず何かピントがぼやけた感じですね。マイクもいい曲書きますがこれは惜しくも敢闘賞といったところですかな。


BADFINGER - No Dice - Mean Mean Jemima ★★ (2024-07-13 01:23:42)

"No Dice"1992年版CDのボートラ3曲目であるトラック#15も前曲に続いてジョーイの曲です。IVEYS時代からBADFINGER本来の音楽は基本的にポップスでしたが、ジョーイ加入によってだいぶロック寄りに舵が切られました。そういった功績は大きいものの彼の作品が全て優秀かというと否でして、この曲も焦点が定まらず可もなく不可もなくといったところ。ギターオリエントなのは当然と言うことで辛口評価です。


BADFINGER - No Dice - Friends Are Hard to Find ★★ (2024-07-12 00:50:23)

ボーナストラック2曲目であるトラック#14はJOEY MOLLAND単独の作品です。ジョーイがBADFINGER加入前に作ってあった曲を持ち込んだものかもしれません。ギタリストらしくギターが踊ってますが他は悪くはないという程度ですね。ピート、トム、マイクという友を得たからにはもう必要ないという訳で当時は外されたのでしょう、多分。


BADFINGER - No Dice - Get down ★★★ (2024-07-11 02:05:24)

BADFINGER名義での2ndである本作が発表されたのが1970年。時代は下って1992年再発版CDにはボートラが5曲プラスされました。そのトップを切るトラック#13はメンバー4人の共作によるワイルドなロックンロールです。イメージとしてはBADFINGERらしさからちょいと外れて兄貴分のBEATLESよりもROLLING STONESという気がしますが、たまにはこういうのもアリですね。前作がほとんど映画音楽と前々作からのキャリーオーバーなのに対しようやく本領発揮し始めたBADFINGER、"大人しく"してなんかいられませんわな。


DEF LEPPARD - Yeah! - No Matter What ★★★ (2024-07-10 01:11:29)

パワーポップの元祖とされるこの曲をカバーしたHM/HRアーティストをつい最近2例聴いてきましたが、いずれも米国のバンドでした。もうちょい捜索範囲を広げたら…ありましたよ、やっと本命登場、やはり英国のバッドフィンガーですもの英国のバンドがカバーしてこそ生きるような気がします。本作自体カバー曲ばかり、しかもオリジナルは、大体アメリカンが好きでブリティッシュに疎い私はよくわからんですがほとんど英国のアーティストばかりですね。これだけ徹底されると思わずユニオンジャック万歳!と叫びたくなります。


LILLIAN AXE - Poetic Justice - No Matter What ★★★ (2024-07-09 00:50:05)

オリジナルは英国パワーポップバンドBADFINGER・1970年のヒット曲ですね。先日2002年のGREAT WHITEによるカバーを聴いたばかりなのに今度はその10年前、やはりUSハードロックバンドがカバーしていたのを発掘しました。LILLIAN AXEにとってデビュー5年目の3rdアルバム収録曲に過ぎないのですが、いやいやこれはなかなかいいですよ! まだまだ若いしバリバリのグラムメタルサウンドです。パワーポップと言うからにはパワフルにカバーされた方が不遇の末路に至ったBADFINGERにしてみれば本望でしょう。その意味でこちらの方が名カバーと判定させてもらいます。


BADFINGER - No Dice - We're for the Dark ★★★ (2024-07-08 00:36:51)

リリース当時の"No Dice"最後を締めくくるのはやはりピート作の壮大なバラードです。イントロから全体にアコースティクな曲調、これは…"Eight Days A Week"? いや違いますね、あの曲よりは落ち着いた"お互い足りない所を補完し合おう"みたいなラヴソングとなっています。ストリングスが加わり静かでいながらドラマティックに。だが最終的に向かう所はタイトルの通りで何かバンドの行く末を予感させますね。それも今だから言えることなのであって、ここはまず曲自体をそしてピートの才能をじっくり再評価しましょう。


BADFINGER - No Dice - Believe Me ★★★ (2024-07-07 00:47:51)

TOM EVANSが単独で作った美しいバラードです。Aメロの一瞬だけ兄貴分バンドの"Oh! Darling"なのはご愛嬌、それ以外は安定のBADFINGERらしい雰囲気ムンムン、聴いている方も安心感を覚えます。歌詞はちょっと捻ったラヴソングかな? 何せ本作の2年前あの"Maybe Tomorrow"を作った人ですからね、熱いボーカルも切なく甘いヴォーカルも自由自在。PETE HAMと並びBADFINGERの双璧を成し、PETE亡き後もJOEYとバンド継続を試みたこの人のポテンシャルは相当高いのですよ。


BADFINGER - No Dice - Watford John ★★★ (2024-07-06 02:47:18)

本作時点での新メンバー・ジョーイを含む4人の合作名義になっている、シャッフル調のロックンロールないしブギ―です。ひたすら明るく楽しい曲調ですが、歌詞はわかりやすいけど英国特有のヒネリが感じられます。そりゃまタイトルからして歌詞には入っていないけど英国の地名ですから。見方によってはBADFINGERの代表曲とまでは言わずとも注目すべき重要な曲かと。私的にはエルヴィスの"Don't Be Cruel"に影響されイーグルスの"Heartache Tonight"に影響を与えた? どうでしょうね。


BADFINGER - No Dice - It Had to Be ★★★ (2024-07-05 01:42:33)

BADFINGER名義での2ndアルバム、リリース当時で言うとB面3曲目でドラムスのMIKE GIBBINSがいい仕事をしています。失礼とは思っていてもドラマーには豪快で大雑把というイメージを抱いてしまいますが、ここでは短めながらもしみじみとしたアダルトなバラードを作ってくれていて意外な発見でした。バッキングの盤石なサウンドと相まってちゃんといつものイメージ通りバッドフィンガーの曲として成立し、且つ他の3人と異なったマイクの独自性が良いアクセントになっていますね。もうちょっと引き伸ばしてほしかった気もしますがひとまず高評価をポチッと。


BADFINGER - No Dice - Blodwyn ★★ (2024-07-04 01:31:40)

本作リリース当時のB面1曲目はピート作のカントリー風で、音像だけ聞くとのんびりしてネアカな佳曲です。R&Bからカントリーまで貪欲に吸収するUKアーティスト全般に見られる引き出しの多さを実感できます。ただ歌詞がですね、"My life may not be long"はズバリ重大な出来事の予言みたいだし、"Say You'll take from me what I will give to you"なんてまるで搾取してくださいと言ってるようなもの。尤も当然ピート自身当時はそんなつもりではなく過ぎたから言えることでしょう、それにしても…。


DARYL HALL & JOHN OATES - Our Kind of Soul - Without You ★★★ (2024-07-03 01:38:58)

1981年の"Private Eyes"を筆頭にあの頃あれほど聴きまくったホール&オーツも'80年代半ば以降はとんとご無沙汰。私はそんなスタンスでしたが彼らの活動は続き2004年、カバー曲主体の本作でこの曲を採り上げていました。いや、もう素晴らしいの一言に尽きます。オリジナルは寂しげなUKパワーポップバラード、大ヒットしたのはUSアーティストによるスケールアップしたカバーヴァージョン、それも'70年代と'90年代の2回も。さてこのホール&オーツのヴァージョンもシングルで出たようですがヒットはしていません。しかし彼らも完全に自分達のレパートリーへとアレンジして見事な"ブルー・アイド・ソウル"と化しています。名曲はこうやって時には形を変えながらも歌い継がれ聴き継がれ後世に伝えられていくんですね。


MARIAH CAREY - Music Box - Without You ★★★ (2024-07-02 01:36:22)

本サイト内でいくら検索しても見付からなかったのは、非HM/HRで且つ誰もコメントしていなかったためなんですね。バッドフィンガーがオリジナルでニルソンによるカバーの大ヒットにより知られるようになったこの曲を、マライアは1993年8月リリースの本作でカバー。そして翌1994年1月ニルソンの他界直後"Hero"に続く13thシングルとしてリリースされ、全米チャートで3位止まりの一方全英では初の1位を4週連続キープする快挙。当然マライアもニルソンヴァージョンに準じたアレンジながら、そこは優れたシンガーのこと完全に自分のモノにして歌っていますね。ニルソンへの追悼シングルに留まらない名カバーであり好カバーであります。


HEART - Magazine - Without You ★★★ (2024-07-01 01:05:25)

BADFINGERが1970年にアルバム収録曲として発表、翌'71年HARRY NILSSONによるカバーが大ヒット。HEARTのヴァージョンは本作が'77年にリリースされた初発版から収録、翌'78年の再録版と同時期にシングルカットされたようです。HEARTは、と言うかこの後カバーするアーティストはほぼ皆NILSSONヴァージョンに忠実なカバーをしており、やはり皆曲後半のアレンジで勝負しています。HEARTのは最後フェイドアウトでなくキッチリした終わり方ですが余韻が残りますね。


GREAT WHITE - Recover - No Matter What ★★★ (2024-06-30 01:23:36)

BEATLESの弟分としてデビューしたBADFINGERが1970年10月にリリース、USチャートでTOP10内に入るヒットとなり"パワーポップの草分け"と言われる"嵐の恋"をこのUSハードロックバンドがカバーしていました。GREAT WHITEはヴォーカルもギターも上手いから当然上手いカバーになりますが、あくまで個人的な主観として"SUBSTITUTE"や"GIMME SOME LOVIN'"はオリジナル以上の出来だったけどLED ZEPPELINやこのBADFINGERのカバーは"上手いカバーだが名カバーではないな"という感想になります。それでも名曲を後世に蘇らせた功績は評価せざるを得ません。ジャックのいたGREAT WHITEは素直に"いいバンド"と言える存在でした。


BADFINGER - No Dice - Midnight Caller ★★★ (2024-06-29 01:11:27)

実は案外好きな人が多そうな隠れ名曲? 私も最近BADFINGERに再注目するようになって知った、甘いメロディが素晴らしいピート作の美しいバラードです。不安げに揺れるピアノのイントロに続く歌メロがストレートながらも胸を打ちます。どうやらピートがドラマーのマイクから聞いた不幸な実話を基に作った曲らしく、特に最後のNobody's gonna help you nowなんて歌詞がもう絶望的ですね。既出の通りBOB DYLANと並び称せられる早世のフォークシンガーTIM HARDINが2年後にカバーしています。Without YouをHARRY NILSSONがカバーした件といい、BADFINGERの曲はシンガー&ソングライターさえもオリジナルそっちのけでカバーしたくなるほど魅力的だということでしょう。


BADFINGER - No Dice - Love Me Do ★★ (2024-06-28 01:18:19)

お聞きの通りBEATLESのとは同名異曲です。もしかして弟分が兄貴分のデビュー曲を騙ったタイトル詐欺じゃない?と思ったらジョーイの単独犯だったので、曲が出来たタイミングが加入前なら偶然、加入後ならば完全に狙ってただろうからより悪質? いやそんなに物騒な話に持っていかなくとも彼なりのジョークということで。曲自体はキャッチーで悪くないので、見方によってはイケメンなジョーイはプレーボーイだなと適当にあしらって納得しましょう。


BADFINGER - No Dice - I Don't Mind ★★★ (2024-06-27 02:10:03)

新加入のジョーイが早速オリジナルメンバーのトムと合作したバラード曲です。始まりは静かですがサビに向かって盛り上がり、ピアノ主体の伴奏がヴォーカルを引き立てています。そのヴォーカルも歌詞に同調して全体に気怠い雰囲気ですが、サビの瞬間に聴かせる高揚感にハッとします。坦々としているようでドラマティックという不思議な空気感が何とも言えませんね。


BADFINGER - No Dice - I Can't Take It ★★★ (2024-06-26 01:23:28)

IVEYSから通算3rd、BADFINGERとしては2ndアルバムのオープニングはピート作の明朗快活なロックンロールテューンです。ピートのヴォーカルがBEATLESのポールっぽくもありますが、本作から加入したジョーイのギターと全体に厚みのある音像で聴き応え充分。この1曲だけでリスナーに"受け入れ"られる要素が存分に伝わってきますね。


BADFINGER - Head First - I Can't Believe In ★★★ (2024-06-25 00:55:10)

デモ音源盤の終わり近くに収められたPETEの作品です。いつの時点で書かれた曲か定かではありませんが"降って湧いたような噂"とあるので遅蒔きながらようやくあの男の悪事に気付いた頃でしょう。ややもするとTOMからズバリ真実を教えられた直後かもしれません、もしもそうならまさにPETEの辞世の句と言えます。confessorやらdepressorやらネガティヴなワードからも絶望感が滲み出ています。改めて…合掌。


BADFINGER - Head First - Keep Your Country Tidy ★★★ (2024-06-22 01:48:28)

デモ音源盤に収録されたピートの作品です。これまたギターの伴奏のみでフォーク調の短い曲ですが、即興でひょいひょいサラッと作りました的な雰囲気なのにこうですよこう! さすが才人ピート。もしも当時"きちんと"作り上げてすんなり問題なくリリースされていたらと思うと、その後のピートの件も含めて恨めしい限りです。


BADFINGER - Head First - Old Fashioned Notions ★★★ (2024-06-22 01:30:06)

デモとボートラが11曲収録されたdisc2の中で最も長いトラックがマイク作のこの曲です。disc1のエンディングRockin' Machine同様本職のドラム抜き、こちらはピアノの伴奏のみでこれほどの出来。4分余りの間で曲調がかなり変化に富んでいて最後は寂しげに終わります。その変化も含めて試作的な意味が大きかったと考えられますが、パワーポップにアレンジすれば一層ドラマティックになっただろうと思うと何とも惜しいですね。


BADFINGER - Head First - Rockin' Machine ★★ (2024-06-21 02:15:02)

本来はアルバム4曲目に入っていたがCDではdisc1ラストに追い遣られたマイク・ギビンズ作の小曲です。カントリー風の曲調で好ましいのですが"ロッキン・マシンからは一生逃れられないよ"と歌うならもちょっと引き伸ばしても良かったのでは? マイクも実は優れたソングライターなだけにdisc2のデモ音源から持ってきたような雰囲気が残念です。


BADFINGER - Head First - Turn Around ★★★ (2024-06-20 01:00:07)

本作のみ参加のBOB JACKSON単独作品となるブルージーでちょいヘヴィなナンバーです。当然ながらBEATLESの弟分バッドフィンガーがそれまで築いてきた音楽とは似ても似つかず、でも違和感を感じるより先にむしろ却って新鮮な感覚になりました。"抱いていた夢は全て忘れよう""いつになったら振り返ることができるんだ"と歌詞もヘヴィで"When will we ever learn?"なんて私がちょっと前に紹介した"花はどこへ行った"そのもの。色んな意味で名曲としておきます。


BADFINGER - Head First - Back Again ★★★ (2024-06-19 01:45:36)

お蔵入りから25年以上後に日の目を見た本作ではJOEYの抜けた穴を他のメンバーが見事に埋めています。ドラムスのMIKE GIBBINS作となっているこの曲も、弾き語り風の哀愁味が滲み出るフォーク調の隠れ名曲。マイクはIVEYS時代既にThink About the Good Timesという曲を書いていますが、今回は"お前が目覚めた時に俺がいなくてもまた帰ってくるからな"と、まるで一旦辞めたPETEがすぐに戻ったのを描いたみたいで歌声ともども生々しいですね。あわよくばJOEYもと期待を込めて? ともあれこれほどの才能が集結したバンドだったんだと改めて認識できます。


BADFINGER - Head First - Moonshine ★★★ (2024-06-18 01:37:01)

ピート作の超短いインストに続くのはピート以外の3人:トム、マイク、ボブの共作になるバッドフィンガーらしい美しいバラードです。"何もかもお見通し""今は離れ離れだけど絆は繋がっているさ"とmoonshineを何かに、或は誰かに例えていますね。ジョーイ? アップル? どうとでも想像できますがそんな過去のしがらみ抜きにしても隠れ名曲決定でしょう。


BADFINGER - Head First - Saville Row ★★ (2024-06-18 01:15:44)

Apple Corpsとそのスタジオがあったロンドンの通りの名・Savile Rowを捩ったと思われるピート作のインストナンバーです。名残惜しさみたいな複雑な感情が表れてはいますが、本当に惜しくもこの短さでは次曲のイントロ的な存在ですね。


BADFINGER - Head First - Rock 'n' Roll Contract ★★★ (2024-06-15 02:00:06)

7年後の復活第二弾Say No Moreに疾走ヴァージョンが収録される、音楽業界に対するプロテストソングのオリジナルです。リメイク版の方が軽く感じてしまうほど怒りを込めた迫力があり、本サイトユーザー諸兄にはこっちをお勧めします。もちろんトム・エヴァンズの作品。


BADFINGER - Head First - Passed Fast ★★ (2024-06-14 02:11:22)

TOM EVANSと、JOEYに代わって本作のみ参加した元INDIAN SUMMER、ROSSのBOB JACKSONとの共作になるダークなバラードです。確かにギターフレーズを含め全体にメロディアスで、メジャー調になるサビのコーラスはBADFINGERならではと言えますが、やはり"栄光の日々は過ぎ去った"みたいな内容が当時の状況と被ってしまいます。いかにも最早醒め切ったトムが係わった曲という印象ですね。


BADFINGER - Head First - Keep Believing ★★★ (2024-06-13 02:12:08)

蔵出しアルバム3曲目は再びPETE HAMの作品です。TOM EVANSによる前曲がプロテストソングなのとは真逆に、悪徳マネージャーのせいでバンドがガタガタになってもなおまだ"誰かのせいにしたけりゃ全部俺のせいにすればいい、信じ続けていたらわかるさ"なんて人が良すぎますよピートさん。しかもこれがバンドを去ったジョーイを労う言葉だとは。スライドギターを使ったサザンロック風の音像も相まって包容力とスケール感が半端ない曲に仕上がりました。本当に…思い止まれなかったものですかね。


BADFINGER - Head First - Hey Mr Manager ★★ (2024-06-12 01:59:57)

当時の状況を熟知していたTOM EVANSが諸悪の根源たるマネージャーを皮肉った、いやモロに批判した内容のある意味プロテストソング? BOB DYLAN風の気怠そうな歌い方が却って痛快ですね。最後で"こんな争いを望んでたと思うの?"なんて言ってるけどもう遅い、こんな曲があったらそりゃ訴訟が無かったとしても発売差し止めになりますって。曲調がポップな分そんなイタさが残念な"頭で考えた"曲と言えましょう。


BADFINGER - Head First - Lay Me Down ★★★ (2024-06-11 01:23:51)

前作Wish You Were Here完成後ジョーイが脱退したまま1974年12月にレコーディングされていたがワーナーからの訴訟によりお蔵入り、約四半世紀後の2000年11月正式にリリースされた真にピート存命中最後のアルバムです。そんな本作のオープニングを飾るピート作のご機嫌なポップロックテューンは、かようなバンドの実態と裏腹に元気一杯なピートのヴォーカルに全盛期そのままのブリティッシュ・パワーポップな音像が光る傑作です。ただこのタイトルからするとピート、本音はひと休みしたかったのでしょうか、そう思うとカラ元気にも聞こえてしまいます。


THE GRASS ROOTS - Let's Live for Today - Where Were You When I Needed You ★★★ (2024-06-08 02:46:26)

1966年にリリースされたグラス・ルーツの2ndシングル、この曲をレビューするのはこれで3回目。しつこい!なんて言わないで聞いてやってください。前2回は覆面バンド時代のP. F. SLOANとWILLIE FULTONがヴォーカルで、今回はこの後ほぼ恒久的なメンバーとなるROB GROLLによるお馴染みのvoice of GRASS ROOTSヴァージョンです。バッキングのアレンジはフォークロック調で共通だからぶっちゃけどのヴァージョンでもいいじゃん、ってなります。"俺が必要としてた時にお前はどこにいたんだ?"人生においてやむを得ず引き離されることもあり、意図的に距離を置くこともあり、いろんなシチュエーションが頭をよぎりますね。それでも引き摺ってしまう遣る瀬無さかな。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - Where Were You When I Needed You (single version) ★★★ (2024-06-07 03:00:17)

私が一生聴き続けるであろうと勝手に決めている超名曲"冷たい太陽"には1969年再発まで含めると4ヴァージョン存在するとか。P. F. SLOANとWILLIE FULTONヴォーカルにROB GRILLヴォーカルが2ヴァージョンということですね。しかし改めて聴いてみると思い切り残念な別れの歌ですな。"今更戻ってくると言われてももう手遅れさ"なんて、嗚呼悲しい…。なお歌詞に冷たい太陽は出てきません。恐らくTHE WALKER BROTHERSの"太陽はもう輝かない"(The Sun Ain't Gonna Shine Anymore)に引っ張られた邦題かと。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You ★★ (2024-06-07 02:24:41)

1966年10月にリリースされたグラス・ルーツの1stアルバム。ソングライター兼プロデューサーのP.F. SLOANとSTEVE BARRIを中心に覆面バンドとしてのデビューであり、ヴォーカルはこの2人の他本作限りのWILLIE FULTON、キーボードにLARRY KNECHTEL、ドラムスはTHE TURTLESと掛け持ちの2人、他の楽器は恐らくレーベルDUNHILLのスタジオミュージシャンというクレジットです。当初の収録曲は1.~12.のみで1994年のCD化時に13.・15.~19.をボートラで追加、2005年には14.・20.追加版と更に曲順を変えたリイシュー盤が出ています。後の全盛期を支えるROB GRILLやWARREN ENTNERはまだおらず次作から現れます。楽曲も基本はSLOAN & BARRIのオリジナルですがカバー曲も多く、フォークロックのみならず17.ではBEATLESの"悲しみはぶっとばせ"まで登場するなど、全盛期のGRASS ROOTSから見るとかなり異質な内容となっています。それでも最新版では超名曲であるタイトルトラックがROBヴォーカルを含む3ヴァージョン収録、全20曲に及ぶボリュームで聴き応え充分。私も含め多くの本サイトユーザーがリアタイでは共有できなかったと思われる、1960年代半ばをちょっと過ぎたあの時代に思いを馳せるのも一興でしょう。


THE MAMAS & THE PAPAS - If You Can Believe Your Eyes and Ears - You Baby ★★★ (2024-06-06 03:50:09)

タートルズのヴァージョンがシングルヒットになったこの曲をママス&パパスもカバーしていました。デビュー当時からメンバーオリジナル曲が主体だった彼らが敢えてこの曲を?と思いますが、あの時代いい曲はみんなで分かち合って演りましょうみたいな自由な雰囲気があったのでしょうね。作曲者STEVE BARRIとP. F. SLOANが在籍したレーベルメイトのグラス・ルーツによるヴァージョンより更にソフトな仕上がりとなった名カバーです。


THE TURTLES - You Baby - You Baby ★★★ (2024-06-06 03:06:58)

前作Let Me Beと同じP.F. SLOANにSTEVE BARRIも加わり作曲、まずVOGUESがレコーディングしたもののお蔵入りとなりTURTLESに回ってきた曲です。彼らにとっては3rdシングルとなり全米20位まで上がるヒットに。フォークロックバンドとしてデビューしたタートルズですが早くもポップロック化していますね。デビュー時からパワフルなヴォーカルが売りだったHOWARD KAYLANもこの曲ではリラックス。しかしここまで順調にヒットを重ねてきた彼らはその後低迷し次のブレイクはHappy Togetherまで待たねばなりませんでした。そんな成長過程の一コマとして捉えて頂ければ。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - You Baby ★★★ (2024-06-06 02:34:56)

グラス・ルーツのデビュー作に嬉しいカバー曲がまだありました。P.F. SLOANとSTEVE BARRIの作品で'66年2月にタートルズの3rdシングルとして全米チャート20位のヒットになったポップでコンパクトなナンバーです。ヴォーカルまでこの2人が取っていますからセルフカバーと言えますね。ソフトなヴォーカルでほっこりできます。


THE ROLLING STONES - Big Hits (High Tide and Green Grass) - Tell Me ★★★ (2024-06-01 01:10:01)

何故か本国では外した反面USチャートでは24位まで上昇するヒットとなった1964年6月リリースの6thシングルです。それまでのシングルはチャック・ベリーなどのカバーばかり-この曲と同時リリースのCarol、It's All Over Nowもカバー曲-でしたがようやく初の自作オリジナル曲が出ました。当時主流だったビシバシのマージ―ビートではなく、ちょっと一息ついたポップさ加減で安心できますね。まさに折に触れて"coming back"したくなる一曲です。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - Tell Me ★★★ (2024-06-01 00:40:02)

オリジナルは超有名・あのストーンズが1964年6月にリリースした初のJAGGER/RICHARDS作曲シングルですね。WILLIE FULTONのヴォーカルが、恐らく同世代であろうミックに寄せたみたいに聞こえるのは気のせいでしょうか。基本フォークロックの本作中この曲だけUKマージ―ビートの世界に入れる名カバーです。


The Lovin' Spoonful - Daydream - You Didn't Have to Be So Nice ★★★ (2024-05-31 02:37:13)

1965年11月リリース、全米チャート10位まで上がった2ndシングル"うれしいあの娘"です。とにかくイントロ・コーラス・アウトロに共通のリフが"嬉しい"ほど好きですね。歌詞の解釈はTHE GRASS ROOTSによるカバーの方でグダグダ述べていますのでそちらを。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - You Didn't Have to Be So Nice ★★★ (2024-05-31 02:22:23)

グラス・ルーツの1stアルバムに嬉しいカバー曲を発見! "魔法を信じるかい"でデビューしたTHE LOVIN' SPOONFULが1965年11月にリリースし翌年初めに全米チャート10位まで上がった2ndシングル"うれしいあの娘"です。オリジナルから1年経たずしてカバーしたG.ルーツのヴァージョンは、単なるアルバム収録曲の域を超えて曲の良さで高評価が付きますね。とにかく特徴あるリフが"嬉しい"1曲です。歌詞は彼女が素敵過ぎて嬉しいと言うよりも個人的にはそんな自分には勿体ない高嶺の花に片想いの段階と解釈していますが、さて真実は如何に? 単純に"素顔のままで"いて欲しいだけという説もあり…。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - Tip of My Tongue ★★ (2024-05-30 01:59:27)

1966年後半、グラス・ルーツの4thシングルです。当時は本アルバム収録曲ではなくシングル単体でのリリース、1994年のCD化時にボートラで追加とありがちなパターン。作曲・ヴォーカル共P.F. SLOANとSTEVE BARRIの筈ですが何かパッとしない曲ですね。喉まで出かかってるゴメンという煮え切らない歌詞にやや単調なメロディのため不発に終わりますが、次のシングルでブレイクしますから乞うご期待といったところでしょうか。なお"冷たい太陽"同様ROBヴォーカルで再録ヴァージョンが2ndアルバムに収録されます。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - I Am a Rock ★★ (2024-05-29 01:51:06)

最初はPAUL SIMONのソロで1965年にレコーディング、翌'66年SIMON & GARFUNKELとして再録し7thシングルとしてリリースした有名曲。グラス・ルーツが同年の1stアルバムで早くもカバーしました。パッと気付くのはイントロのギターにかなりアレンジを加えていること。でもそれ以降はS&Gヴァージョンのオリジナルにサイケ調のギターが心地よい音像に仕上がっています。音楽は色々な試みができるということで敢闘賞。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - Only When You're Lonely ★★★ (2024-05-29 01:33:01)

ソングライターP.F.スローンとスティーヴ・バリを中心とした覆面バンドとしてデビューしたグラス・ルーツ。1966年10月にリリースされた1stアルバムのオープニングを飾るのが、3rdシングルとなったこの曲です。チャートでは最高96位とイマイチでしたが、いかにも当時らしいソフトロック・バラードで個人的にはツボですね。歌詞は自分を都合の良い男だと考えている節がある彼女をたしなめる内容のようです。そう考えると時代柄これもプロテストソングなのかな? まぁ普通に平和なラヴソングと解釈しておきましょう。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - Mr.Jones (Ballad of a Thin Man) ★★ (2024-05-28 01:23:45)

1965年暮にリリースされたグラス・ルーツのデビュー曲"ミスター・ジョーンズ"です。同時期デビューのBYRDSやTURTLESと同様彼らも1stシングルでBOB DYLANの曲をカバー。ディランのオリジナル"やせっぽちのバラッド"は7コーラスありますがその内4コーラスのみ歌っています。ヴォーカルのWILLIE FULTONも当時の中心人物P.F. SLOANもまだ若かったはずなのに、こんなレコード会社の上役かマネージメントのジョーンズ氏と対立して批判する内容の歌を演っていいの?と引っ掛かりますが、それを言ったら作者のディランでもこの時まだ24ですからねぇ。何にしても後年バブルガム化するグラス・ルーツですが最初はフォークロックだったことがこの1曲だけでしっかりわかりますね。


THE SCREAMING JETS - World Gone Crazy - Eve of Destruction ★★★ (2024-05-25 01:20:35)

1991年にデビューし現在も活動中という豪州HRバンド、スクリーミング・ジェッツが1997年の4thで"明日なき世界"をカバーしています。本サイトで聴ける恐らく唯一のHRカバーなのに加え、嬉しいことにオージーバンドゆえの強み?"Red China"に忖度することなくフルコーラスカバーですね。多くを語る歌詞ですがフルに聴いてこそ趣旨が伝わると思われます。オリジナルは1965年まで遡るプロテストソング、32年後のこのカバーから更に27年経った現在の情勢も照らし合わせながら賞味したいものです。


JOHNNY THUNDERS - Hurt Me - Eve of Destruction ★★ (2024-05-24 02:22:21)

NEW YORK DOLLS、THE HEARTBREAKERSを経て1978年からソロ活動に入ったパンクロッカーがアコギ弾き語りのソロ4thに収録した"明日なき世界"のカバーです。ヒットチャートとは無縁のアンダーグラウンドアーティストは未知の領域で今回この曲を検索した結果初めて採り上げることになりました。のち'88年来日の際RCサクセションによる同曲カバーに参加、その3年後に38歳で他界しています。彼のヴァージョンはその生き急いだ人生の如く短いですね、もうちょっと腰を据えて演ってくれたら良かったのに。ここにUPしたライヴでも1番・"Red China"の4番を短縮・再び1番のみで終わっています。


RCサクセション - COVERS - 明日なき世界 EVE OF DESTRUCTION ★★★ (2024-05-23 01:36:39)

ソウル五輪の年に発売中止騒動を経て終戦記念日にリリースとなった"素晴らしすぎる"ほど過激なカバーアルバムのオープニングを飾る"明日なき世界"です。1969年に高石ともやが日本語詞を付けてカバーしたものをベースにして更に過激な清志郎節に仕上がりました。この年RCのライヴに帯同する金子マリと1984年にこの曲をカバーしたJOHNNY THUNDERSがゲスト参加しています。日本語詞は中国コミュ…のくだりなど少し端折った所もありますが概ねオリジナル通りの趣旨が伝わってきますね。こりゃ絶対現代じゃ流せないかもですが、同時にこんなご時世だからこそみんな聴かなきゃいけない名カバーですよ。


THE GRASS ROOTS - Where Were You When I Needed You - Eve of Destruction ★★★ (2024-05-22 01:33:17)

GRASS ROOTSは1965年BOB DYLANの"Mr. Jones (Ballad of a Thin Man)"でデビューし翌'66年この1stアルバムをリリースしていますが、当時この"明日なき世界"は外され遥か後'94年のCD化に当たりボートラとして初収録されたものです。本作にはこの曲を書いたP. F. SLOANやプロデュースしたSTEVE BARRIがヴォーカルを取る曲もありますが、この曲を始め多くは初代ヴォーカリストWILLIE FULTONが歌っています。若々しくも曲の趣旨に相応しく力強いヴォーカルにフォークロックのアレンジが冴える名カバーですね。


THE TURTLES - It Ain't Me Babe - Eve of Destruction ★★★ (2024-05-21 01:30:04)

オリジナルは1945年生まれのP. F. SLOANが作曲し1935年生まれのBARRY MCGUIREが歌って1965年にリリースされ全米No.1ヒットを記録したプロテストソング"明日なき世界"。当初打診したTHE BYRDSに断られTURTLESに回ってきたとのことで、TURTLESヴァージョンは同年中リリースの1stアルバム収録曲として現れ、のち1970年にシングル化されチャート100位まで上がっています。ヴォーカルのHOWARD KAYLANはなかなかの貫禄ですが1947年生まれなので当時弱冠18歳だったというから驚き。TURTLESのレパートリーはAメロを静かに歌いサビで爆発する歌い方をする曲が多く、この曲も例外ではありません。


OLIVIA NEWTON JOHN - Indigo: Women of Song - Where Have All the Flowers Gone ★★★ (2024-05-18 02:50:07)

全曲女性シンガーの楽曲をカバーした2004年リリースの19thアルバムに収録。ややスローテンポで変調あり最後の方では歌メロも少し変えてドラマティックに演出してますね。何よりもカントリーの妖精から世界の歌姫に成長した彼女の歌声によって聴き易い点が高ポイントです。歌詞はちょっと変わって"Where have all the soldiers gone ~"の節がカットかと思いきや最後"~ flowers ~"に戻った後に1文だけ挿入という構成。この曲はヴァージョンによって"Where have all the graveyards gone ~"の節で終わったり、このオリビアのようにhusbandsがyoung menだったり様々なので聴き比べてみると面白いですよ。


イエロー・マジック・オーケストラ (YMO) - YMO Go Home! - WHERE HAVE ALL THE FLOWERS GONE? (ACOUSTIC VERSION) ★★★ (2024-05-17 02:26:57)

一見反戦ソングとは縁の無さそうなY.M.O.がこの曲をカバーしてたとは驚きです。結成20周年ベストアルバムに収録されたのは1980年にスタジオで録音されライヴ演奏と称して披露された音源とのこと。"ポストパンク的なシンプルさや攻撃性とは無縁"な筈の彼らも根底には反骨精神とどんな音楽でも加工してしまう柔軟さを持ち合わせていたのでしょう。一番訴えようとしたのであろう所で歌い方を激しく変えている点に注目したい、名カバーと呼びたい一つのカタチです。


EARTH WIND & FIRE - Last Days and Time - Where Have All the Flowers Gone ★★ (2024-05-16 01:42:28)

'70年代半ばから'80年代初めにかけて人気を博したクロスオーバーファンクバンド。1st・2ndをWARNERからリリース、翌1972年COLUMBIA-日本ではCBS SONY-に移籍後初の3rdで超有名な反戦フォークソングをカバーしています。メロディからして聴き慣れた他のバージョンとは大きく違って歌詞以外すっかり別の曲に変わっています。兵士への鎮魂歌という側面もありますからゴスペル調にアレンジするのはアリでしょうが、ここまで原曲の面影が無くなると残念ながらセンスの鈍い私には付いていけません。弄って弄られて絶えず変化していくのが音楽だってのは理解できますけどね。


THE SEARCHERS - Meet the Searchers - Where Have All the Flowers Gone ★★★ (2024-05-15 01:23:26)

"花はどこへ行った"…オリジナルはアメリカ人PETE SEEGERが1955年にリリースした超有名な反戦ソング。'60年代初頭にTHE KINGSTON TRIOやPETER, PAUL AND MARYがカバーして広く知られるようになりましたが、当サイトにはそれらの登録が無いので他のカバーを早い順に紹介していきます。まずはLove Potion No. 9などのヒットがある英国マージビートバンド、1963年の本国デビュー作でカバー。至って素直なカバーで好感が持てますね。本作には他にもアメリカの主にR&Bのカバーが収録されていますから注目ですよ。


ROD STEWART - Atlantic Crossing - Three Time Loser ★★★ (2024-05-14 01:22:57)

ざっと検索しただけで同名異曲が4つもあって先日はBADFINGERのを紹介しましたが、こちらは1975年8月リリースのソロ6thからオープニングテューン。大西洋を渡りアメリカ進出したばかりの戸惑いと言うか早速やらかしてるみたいな歌詞が面白いですね。CAのMONTEREY、EAST VIRGINIAときて3度目はどこにいるのでしょう。因みに本作で有名なSailingなど案外カバーや他者との共作が多いRODですがこれは完全に彼単独の自作曲。まさに掴みはバッチリですよ。