SPECER DAVIS GROUPから独立したSTEVE WINWOOD率いるTRAFFICが1967年5月にリリースしたデビュー曲"ペイパー・サン"です。幻想、いや更にはドラッグによる幻覚を紙細工の太陽に象徴させた歌詞だと言われます。音の面ではシタールが使われてグルーヴィかつサイケデリックに仕上がり、全英チャートで5位、何故かカナダでも4位まで上がるヒットになりました。全米では一応100位内の94位でしたからUKの新人バンドとしては健闘した方でしょう。ワタクシはというと、後追いで知った当時はアメリカ好きな上にこのウネウネした陰鬱な音像に馴染めずいつしか忘れ去っていましたが、ネット時代にふと再会し聴き返してみたら結構クセになるもんですね。やはりドラッグ体験の曲だからでしょうか。
TREATって一般に北欧メタルのバンドだと言われているが、実際はメタルと認めない向きも多いようだ。このデビュー作を聴いてその理由が解った。出で立ちこそLAメタル風だが、音はメロハーの奔り、いや下手すると普通のメロディックロックである。例えばREO.SPEEDWAGONをもっさりしたVo.に代えたみたいな。でもそれが悪いということではなく、We Are One のようにスケールを感じさせる曲をこの時点で作っている。ブレイク前の原石として聴く分には十分鑑賞に堪えるだろう。しっかし裏ジャケは何なんだー?