当時で実に芸能生活20周年という彼らにとってディスコ時代の幕開けとなった1975年6月リリースの13thアルバムから翌'76年1月"Jive Talkin'""Nights on Broadway"に続く本作からは3枚目のシングルです。タイトルはFunnyではなくて人名のFanny、思い切りマジなラブソングになっていますね。BEE GEES本来のメロディアスなバラードに、R&B/ファンク、ブルーアイドソウル路線への転換を象徴するファルセットが乗った哀愁感満載の傑作ですよ。
DAVID CROSBYプロデュースのリユニオンかつラストアルバムのオープニングテューン、そして最初にシングルカットされたGENE CLARKの曲で、彼は復帰する前1972年既にこの曲を書いています。奇しくも"歴史は繰り返す""元の鞘に収まった"みたいな内容が現実のものとなりました。ただ当アルバムは肝心要のROGER MCGUINNが1曲しか書いていないなどやる気のなさが目立ち、3rdシングル"Cowgirl in the Sand"もNEIL YOUNGの曲だったりと寄せ集め感が強い中で独り気を吐いていたようなカントリーソングです。そんなGENEも飛行機恐怖症による?1966年早々のBYRDS脱退を始めとして、後に実質BYRDS再結成となったMCGUINN, CLARK & HILLMANも2年で離脱、1991年には心臓疾患のため46歳でこの世を去っています。悲喜交々ですね。
ROGER MCGUINN作のややアップテンポでコンパクトなポップチューンです。1966年9月にアルバム"霧の5次元"からシングルカットされました。UFOを目撃して宇宙人に呼びかける内容の歌詞が丁度同年に実行開始したアポロ計画にシンクロしていてタイムリーではありましたが、USチャートではTOP40には入ったものの最高36位と思ったより伸びず。あと3年待ってたら少しは違ったかも…その心は?
THE BEEFEATERS名義で1964年10月にリリースしたデビューシングル"Please Let Me Love You"のB面曲"Don't Be Long"を改題して2ndアルバムに収録、1966年1月に"Set You Free This Time"のこれまたB面としてシングルカットされUSチャートではA面曲を上回る63位まで上がりました。ROGER MCGUINNとHARVEY GERSTの共作で当時としては独特のコード進行や"Let me love you~"の節における微妙なリズムチェンジが特徴で聴き応えがあります。わざわざ焼き直して再リリースした背景にはきっと拘りやそうした試みを注いだ自信があったのでしょう。
1965年10月リリース、BYRDS名義としては3rdシングルです。歌詞が旧約聖書に基づくこの曲は元々"If I Had a Hammer(天使のハンマー)"や"Where Have All the Flowers Gone?(花はどこへ行った)"の作者PETE SEEGERが1962年に作曲したもの。BYRDS得意の12弦エレキを使用したポップなカバーで見事バンド2曲目のNo.1ヒットになりました。万物流転、諸行無常、戦争と平和などを歌いつつ、上記のフリーダムソングや反戦ソングを作ってきたPETE SEEGARが結局言いたいのは最後のフレーズ"A time for peace, I swear it's not too late!"なんでしょうね。こういう歌はいつの時代にも必要であり、将来に亘って語り継ぎたいものです。
1967年1月、アルバム"昨日より若く"から全米29位まで上がった8thシングル"ロックン・ロール・スター"です。これまたコンパクトなR.MCGUINNとC.HILLMAN作の恐らくBYRDSのオリジナルでは最もキャッチーな部類の曲。"Eight Miles High"がブリティッシュ・インヴェイジョンをモチーフにしたのに対し、"要するにお前はロックンロールスターになりたいんだろ?"で始まるこの曲はデビューしたばかりのMONKEESに触発されたと言われます。尤もMONKEESとて主要メンバーは英国人だったりしますが。スターのなり方と言うか作り方みたいな歌詞ですね、まずは形から入れみたいな。なおTOM PETTYや日本のL⇔Rがライヴでカバーしています。