人名の入ったバンド名ということで漁っていたら見つけました。PROPHET の RUSSELL ARCARA が自らのファミリーネームをプロジェクト名として1996年にリリースした1st。キーボードを使っているのはラストのボーナストラック1曲だけで、メロディアスハードと雖もギター中心の正統HRサウンドが堪能できます。また疾走曲は1つもありません、そこはゆったりアメリカンバンドである所以かな。90年代半ばにこういう作品がリリースされていたというだけで大発見モノです。
当時同好の士がしきりにイチ押ししていて、個人的には82年の春を呼んだ1枚だね。おかげでHeat of the Momentのレビューでも言った通り、自分の他に若干1名、プログレやHRなんぞ縁もゆかりもない奴までどっぷりハマってた。 で、よ~く聴き込んでみるとシングル1.2.3.はあくまでも挨拶代わりであって、彼らがプログレ職人の本領を発揮するのは非シングル曲、特にアナログ時代のB面つまり6.以降だということがわかる。手法はやや異なるが日本のTULIPも初期にはシングル曲とアルバム曲を分けていたことを思い出した。 基本はプログレでありながらも本作は人間臭く親しみやすい。覚束なさの中にも深み暖かみのあるJ.WETTONの歌唱、テクは確かなんだろうけど曲によっては段々テンポアップしてしまうC.Palmerのドラミング、ツボを押さえたG.にキラキラKey.と全てが聴き所だ。コレでヒットしない訳がないよ~。 改めてJOHN WETTONにR.I.P.、そして本作と共にあれから35年後の春を迎えるとしようかな。
音質的には1stの続きで、この適度な軽さがイイんだよね。本作の売りはヒットこそしなかったけど80年代ハードポップの超名曲と言えるタイトルトラックかつOPテューン。更にコレクター好みのことを言うと日本盤(青ジャケ)と輸入盤(赤ジャケ)でメタルガールのポーズが異なり、ジャケ以外にも収録曲が1曲だけ違ってたりする。そう、輸入盤ではかの"We're An American Band"のカバーが聴けるのだ、必聴! と言いたいけど、今やどっちも入手困難だもんなァ。