このバンドは、あまり注目されていないようだが、レベルはかなり高い。 リリース元が、PERRISというのが、難点かもしれない。 私もMY SPACEで検索して、たまたま見つけてアルバムを入手して、 そのレベルの高さに驚いたという感じだ。 このバンドを紹介しているサイトは見つけられなかった。 LA METALという概念は、その音楽性を指すのか、ヴジュアル面を指すのか、 あるいは出身地域を指すのか、諸説はあるが、その音楽性にのみ着目 すると、このLOUD N NASTYは、もっともよくLA METALを体現している。 LA METALの、その退廃的な音楽性を現す代表的作品は、 モトリーの1ST,2ND、ラットのミニ1ST,フル1ST、グレイトホワイトの1ST、 ドッケンの1ST,2ND、アイコンの1ST、ブラック&ブルーの1ST になる。すなわち、84年までにリリースされた作品。 マイナー調を基本とし、そこにキャッチーなメロディがのる。 このLOUD N NASTYは、その本質を見事なまでについている。 楽曲としてみれば本作に納められた全曲が独特の輝きを放っている。 MY SPACEで聴ける、冒頭の2曲や、YOU TUBEで聴ける4曲目に何かを 感じたなら、ぜひ手にとって欲しい。 それ以外も、3曲目のバラード。 ロックアンセム風の5曲目。 6曲目はシャッフル調で、モトリーのTAKE ME TO THE TOPを想起させる。 ノリノリの8曲目。 そして特に注目したい9曲目。実に印象的なリフに、さわやかなメロディを のせている。特徴のあるギタリストと手を組む場合、ボーカリストは かなりの腕前を要求されるが、このボーカリストはメロディメイカー としてみれば、かなり卓越している。 10曲目はPOISON風で、あの名曲RIDE THE WINDを想起させる。 11曲目は、モトリーのメリゴーランドが回るように、哀愁をブチかまして 作品を締めくくっている。 本作の完成度を高めている要素として、まず非常にユニークなギターワークが あげられる。特にソロは、ドキッとするようなフレーズを随所に盛り込んでいる。 この辺りセンスは、往年のLA METAL陣もしのぐ。 7曲目のインストで、その力量がいかんなく発揮されている。 モトリーのGOD BLESS THE CHILDREN OF THE BEAST的と言えば、わかりやすい かもしれない。 もう1点注目しておきたいのは、そのタイトなドラムである。 やはりリズム隊が弱いと、ハードロックは聴けないが、このLOUD N NASTYは 聴き手をグイグイひぱってくれる。 本作の唯一の難点は、ボーカルの若干のピッチの甘さだろうか。 ただ、バンドの性格上、いきおいで聴かせる部分もあるので、あまりその 短所は気にならない。 この作品のほかに、過去の作品を集めたと思われるミニCD的なものもあるが、 そちらは音質からして、いまいちかもしれない。 http://www.myspace.com/loudnnasty
THE SNAKESがバンド名を変えて2002年にリリースした作品。 バックを固めるのは、バニーマースデン、ミッキームーディ、ニールマーレイと 錚々たるメンバーだ。 そしてボーカルを務めるのは、SNAKES IN PARADISEのステファンベルグレンである。 正直、この作品を聴いて、このボーカルには痺れた。 SNAKES IN PARADISEの1STを聴いた印象は、まあまあといったところだったが、 この作品でのパーフォマンスは一味も、二味も違う。 バックの演奏陣も、このエモーショナルなボーカルに呼応するかのごとく、 非常にタイトなサウンドを聴かせてくれる。 音質が全体的に非常に硬質で、カチッとしたアンサンブルが繰り広げられている。 前作のリメイクになるWhat Love Can Doも、ホワスネのHERE I GO AGAINに 肉薄する出来に仕上がっている。 #9Kinda Wish You Wouldは最高にクールなロックンロールである。 SNAKES IN PARADISEの1STにあった北欧メロハー的なものは一切なく、ひたすら ホワイトブルースに徹しているが、これでバックの大物アーティストも 本物のブルースロックを堪能できたのではないかと思う。 前作のまがい物感覚が、全くうそのような快作である。 BAD CO以来脈々と語り継がれるブリティッシュハードロックの決定版。 点数をつけるなら、90点はゆうに超える。
産業ロック系の歴戦ボーカリストといえば、真っ先に思い浮かぶのが ケヴィンチャウファントだが、ロビンマコーリーもやってくれた。 ソンライティングは、マイクスピロ、ダンハフ、ジョナサンケイン、 ジョンウェイト、グレッグジェフリア、ジェイムスクリスチャン、 ニールショ-ン、リッキーフィリップスと、そうそうたる布陣だ。 内容的には、リッキーフィリップスのプロジェクト的色合いが強いが、 ロビンマコーリーは、それこそのびのびと、本当に気持ちよく 歌っている。 80年代後期のBAD ENGLISHの1STは、超名盤との呼び名が高いが、本作は それを軽く超える、超々名盤である。 リッキーフィリップスは、メロディアスハード界の重鎮、その存在は 極めて大きい。 2001年リリース。 アルバムクレジットに誤りあり。 正しい曲順は、下記の通り。 Read My Mind Havana One Man One Heart Who Is This Talkin' If Your Tomorrow Never Comes King Of Fools Forever Light At The End Of The Tunnel I Got Loaded One Fatal Word Innocent Touch
Robert Masonは、どんなに単調なリフであっても、そこに印象深い メロディをのせることに関しては、もはや天才を超えて、神である。 LYNCH MOBのDREAM UNTIL TOMORROW、 SILENT WITNESSのDON'T LET A GOOD THING SLIP AWAY辺りは、 彼の力量が、これでもか、というくらい発揮されている。 まさに珠玉の名曲である。 その彼が編み出すマジックは、本作でも存分に堪能できる。 曲間を短くし、全編2分台の極上のハードロックが次から次へと 飛び出してくる。 ここまで贅肉をそぎ落としながら、かつ純粋なハードロックとして 強烈なメロディを放つ作品は、過去を遡っても思い出せない。 ここまでの作品を作り上げられては、さすがのAC/DCもかなわないだろう。 2006年リリース