小学校の家庭科の時間、突然友人のM君が♪る~る~る~る る~るる~る~る~♪と 鼻歌を鼻ずさんだ。 キャッチーなメロディラインに興味津々の僕はM君に訊ねた。「それ誰の曲?」と。 M君は小声で「キッスの新曲でラヴィン・ユー・ベイビーだよ」と、その印象的な メロディのタイトルを自慢げに教えてくれた。 調理実習で作った目玉焼きを飲み込みながらM君の腕を掴み、是非聴かせてくれと 頼み込んだ。その日の放課後にM君の家で彼のお姉さんが所有するドーナツ盤を こっそり聴かせてもらう。これが「I WAS MADE FOR LOVIN' YOU」との出会い。 僕の通う小学校では、キッスをめぐり万引きなど様々な問題が表面化していて 恐ろしいことにキッス禁止令が発布されていたのだ。 禁忌を冒すことのスリルと快感を味あわせてくれた「I WAS MADE FOR LOVIN' YOU」を 聴くと、いまだにちょっとだけコゲた目玉焼きの味が口に広がるのであった。
「Walter's Walk」「Wearing And Tearing」のドライヴ・チューンは 「IN THROUGH THE OUT DOOR」録音時のアウト・テイク。 なるほど、確かにあのアルバムをトータル的に考えると、これらの曲はボツだろう。 しかし、あきれるほどの破壊力を含んだ楽曲に迷わずダメ出しをするペイジの プロデューサーとしての視点には拍手だろう。 過去のオリジナル・スタジオ・アルバムと比べても、なんら聴き劣りのしない 仕上がりは、編集盤という事実さえ忘れさせる。 チョッパーさんの意見にも大きく頷いてしまった。
このアルバムも外せないと思われるんだけど… ZEPばりのファンキーな「Rock And Roll Is Dead」でまず納得…って辛辣な曲だなぁ。 プリンスの曲に「Rock & Roll Is Alive」ってのがあるけど、レニー本人の意図は 果たして… アルバム全体になんとなくドンヨリとした空気が漂ってます。 なので前作に比べるとセールスはイマイチだったんですよね。 余談ですが、当時付き合っていた娘とこの時の札幌公演を見に行ったんですが、 レニーさん、勢い余って衣装のズボンが裂けてしまうというハプニングが!! 公演後、あまりにもそのネタを笑う僕に、熱狂的レニー信者の彼女が大激怒!! あわれ破局に追い込まれたとさ。