鳥肌がたつほど恐ろしいアルバムです。68年というプレ・ハードロック期に これほどの音を出していたとは驚くより他ありません。 ハッキリ言うと、まとまりが無かったりするのですが、色んな事をやってみたいという 衝動と異常なまでのプリミティヴなパワーが渾然一体となって、とてつもない混沌を 生み出しています。当時のイギリスには世に出ていないこんな感じのバンドが沢山 いたんじゃないかなぁ。 「RACE WITH THE DEVIL」はGIRL SCHOOLもカヴァーしたへヴィなアップチューン。 中間部の悪魔の笑い声は狂気が垣間見えます。 「THE SAD SAGA OF THE BOY AND THE BEE」はストリングスが物語を盛り上げる ドラマティックなナンバー。 (70年代にヒットした平田隆夫とセルスターズの「ハチのムサシは死んだのさ」は この曲にインスパイアされたんじゃないだろうか) ギターのエイドリアン・ガーヴィッツ(クレジットは何故かカーティス)は 誰の影響下にあるのか解析不可なオリジナリティ。恐ろしく歪んだ音で 弾きまくります。 このアルバムに充満している"ドロリとした"情熱は、現代のHM/HRには 表現し得ないものです。
今でこそ、デスメタルやブラックメタルで「ブルータル」という形容がフツーに使われますが IRON MAIDENの存在が全てのブルータルなHMバンドに対しヒント与えたのは間違いありません。 初期の彼らは、伝統と良識を重んじる英国民にとってはバンド名を聞いただけで眉をしかめてしまう ほど忌まわしいインパクトに満ちていたことでしょう。
なんと自身初のカヴァー集。 取り上げられたバンドは70年代に活躍した、知る人ぞ知る的なチョイス。 彼がロビン・トロワーを聴いていたとは以外でした。 では、ざっと紹介しましょうか。 01. Whiskey Train (PROCOL HARUM) 02. Evil (CACTUS) 03. Way Back To The Bone (TRAPEZE) 04. I' ll Be Creepin' (FREE) 05. Guess I'll Go Away (Johnny Winter) 06. Love Is Worth The Blues (WEST,BRUCE & LAING) 07. I Come Tumblin' (GRAND FUNK RAILROAD) 08. Woman (THE JAMES GANG) 09. A Hard Way To Go (SABOY BROWN) 10. I Can't Stand It (Robin Trower) 11. Rock Candy (MONTROSE) 渋い、渋すぎる… おまけにバックを固めるのはエインズレー・ダンバーにティム・ボガート!! 各々の曲自体は突飛なアレンジがされる訳でもオリジナルを凌駕してる訳でも ない原曲に忠実な感じ。ただ、BAD LANDSで聴かれたようなジェイクのプレイは健在。 この人のフレーズ構成力はやっぱり凄い。 早く第一線に復帰してほしいものだ。
「SCREAMING FOR VENGEANCE」~「DEFENDERS OF THE FAITH」の時期にK.Kが使っていた HAMERというメーカーのフライングVタイプ、あれはカッコ良かったなあ。 伝統的なギブソンのフライングVのように見えて細部はK.Kのこだわりが満載の戦闘仕様。 その名も「VECTOR K.K」! 「TURBO」以降は、あの初心者マークみたいなVタイプの使用頻度が高くなっていくんだけど 個人的に、フォルム的には「VECTOR K.K」が好きだなあ。
上のいくつかの意見に散見できるように、音質面、曲の構造など若いメタラーにとっては、とても 楽しみ難い作品なのでしょう。無理やり褒めるべき部分を見つけ出すより正直な意見だと思います。 僕がこの作品を購入したのは「DEFENDERS OF THE FAITH」リリース前。この時でさえ 入り込むには時間がかかったように記憶してます。なので「PAINKILLER」以降からのファンは これを聴くのはぶっちゃけツライでしょう。