個人的には待ちに待った新作の登場である。前作には「drift&die」や「blurry」等の名曲が収録され、かなり聞き込んだアルバムだった。初めて1stシングル「away from me」を聞いたとき、新作からの先行シングルにしてはメロディーが弱いなと、正直思った。その不安は見事に適中した...。もう既に何度か聴いてみたが、やはりメロディーが弱く印象に残りにくい楽曲が多すぎるのである。これがバンド側の意図的なマイナー・チェンジの為なのか、元々こういう路線を目指していたのか不明であるが、間違いなく前作のフックのある良質なメロディーを期待したファンの期待は見事に裏切ってくれている...。実はこの新作は、結構前に完成されていた。ミックスをやり直したとか、新作の発売のタイミングを計っていた等の要因はあるが、それにしても期待が大きかっただけに残念で仕方ない。楽曲がキャッチーでないアメリカン・ロックが好きな日本人は少ないと思うから、本国でも日本でもセールス面ではかなりの苦戦を強いられそうである...。ある意味、問題作かもしれない...。
音楽的な方向性を変えるのは、別に悪いことではない。重要なのは楽曲であり、アーティストがファンに媚びる必要は無いし、他人から見る自分にとらわれる必要も無い。個人的には大好きなバンドであるために、この作品に対するコメントは逆に控えてきた.........。アルバムの評価は聞いた本人がすべきであって、他人の意見に惑わされる必要は無い。この作品を聞いた人が、実際にはどれくらいいるだろうか?最近の傾向として、誰かが褒めてれば興味があり聞くが、評価が悪いと例えファンであっても聞かないという傾向が強い。レヴューを見ていても、似たような意見ばかりである。このアルバム、個人的にはやっぱりきつい。でも、自分と違う意見があっても全然構わない。逆にそれの方が、自然である。このアルバム、サウンドの違和感は勿論なこと、印象に残りにくい楽曲が多すぎる。でも⑪なんかは、いい曲だなあと正直思う。でもそれは、「HEAR IN THE~」までの彼らの姿に、近いからなのかもしれない........。