おそらく人生で最も聴いたライヴ盤。 サウンドのコンディションは人によってはベストとは言えない内容だろうし、演奏のコンディションも曲によっては相当に荒い(特にDisc 1の遅い曲の後の速い曲)が、そんなことは気にならないくらいに勢いが凄まじい。 全曲が原曲よりアップテンポで演奏されており、ライナーにあるようにピッキングの一つのごまかしもない。 SLAYERの本来の姿が生々しく収録されている。 ロンバードが言っているようにバスドラは後年に比べて明らかに不安定であるが、彼なくしてこのドライヴ感は成立しない。 傾向としてDisc.1に定番曲を固め、Disc.2にマニアックな曲が固められているが、明らかに後者の方が演奏のコンディションがいい。 「The Anti-Christ」「Die by the Sword」「Black Magic」「Chemical Warfare」は歴代でもベストテイクだと思う。 初期の曲ほど原曲とのギャップが激しいのでカッコよく聞こえる。 限定盤のみ収録の「At Dawn They Sleep」は外すべきじゃなかったと思う。
初めて聴いた曲。 ズッタタタン!ぎゃああああぁぁぁぁ~!! のシャウトとブラストにはマジでヒいた(笑) We hate~のところのドラムのリズムの変わり方が好き。 「teats」「None so vile(これは雰囲気だけ)」「Jesus Christ」「The laws of disease」あたりはまだ聞き取れる範囲か(汗)
前作とは対照的に明るい雰囲気が支配するアルバム。 個人的には緊張感と重さが足りない、雰囲気的にもね。 前作は確かに暗すぎだと思うが、ここまで軽くする必要も無かった気がする。 メンバーが変わらなくても『Master of the Rings』から『The Dark Ride』まで変貌するバンドだ。 メンバーが変わったらそりゃ変貌もするわ。 グラポウが抜けてサーシャが入ってリフの挙動は確かに変わったと思う。 サーシャのリフはHelloweenとして聴くと新鮮なものが多いし。 しかし、作曲メンバーが二人抜けた分の、ヴァイキーとアンディーの負担が増えたのは良くなかったようだ。 環境が一掃されてさぁ頑張らなくてはと張り切っても、端から見ると空回り気味になってることはよくある。 これが、『The Time of the Oath』辺りなら違ったかもしれないが、この時期とこの状況では集中力も上がらなかったのではないだろうか。 結局ヴァイキーのセラピーみたいなアルバムになってしまった気がする。 この頃は仕事の流れがスムーズに行かなかったようで、その影響が曲の練り具合にでてしまったんだろうか。 サーシャ、マーカスが結構頑張ってくれたおかげで、印象としてはまずまずだが、アンディとヴァイキーの曲毎の落差はHelloweenの数あるアルバムの中でも一番きつい。 彼らの曲はバンドの背中を押すこともあれば、足を引っ張ることもあると改めて学んだ一枚。 個人的には後半ちょっとキツイ・・・自分で引っ張り出したラビットを自分で押し込んでるようなもん。 [★★★]