KING CRIMSONの「宮殿」を想起させる幻想的なプログレ・バラード、 優雅なオーボエの音色をバックに丁寧に歌い上げるジャニタの歌唱が素晴らしい。 そして物憂げなメロディーが反復される後半のパートの、徐々にヴォリュームを増していく壮大なオーケストレーションが洪水のように静寂を呑みこんでいく様は圧巻の一言!
'72年発表の1stアルバムです。 ロジャー・ディーンによる、宇宙服だか潜水服だかに身を包んだ人物がバットを振りかぶっているSF的なアート・ワークが目を惹く本作は、アラン・シャックロック(G)の幅広い音楽性の引き出しの多さが活かされたバラエティあふれる楽曲と、それを豪快にも繊細にも歌いこなすジャニタ(ジェニー)・ハーン(Vo)の存在が際立っています。 一般的にはマカロニ・ウェスタンのテーマ曲を挿入した "The Mexican" が有名みたいですが、個人的ハイライトは2曲目のバラード "The Runaways" でした、まさにこの時代の英国でしか得られない気品に満ちたサウンドは絶品!
'09年発表の3rdアルバムです。 邦題「戦慄のメタル・ブルドーザー」 「HEAVY METAL DRILL」「HEAVY METAL CHAINSAW」に続くメタルシ3部作の完結編、 前作から8年ぶりとなる本作も、どこを切り取っても200%TRUE HEAVY METALの大傑作! わざわざ手間暇を掛けて再現された '80年代マイナー・メタルのシケシケ感がたまりません。 これまでよりも楽曲がバラエティに富んでいて聴き応えも増しています。 特に "Heavy Metal Bulldozer" や "Heavy Metal Wings Of Steel" のツイン・リードは悶絶必至のカッコよさ! 全ての曲名に "Heavy Metal~" と付ける無駄なこだわりも良いですね(笑)。