彼らが今でも支持され、また期待もされているのは一重に彼らがこのアルバムを作ったという事実があるからです。勿論彼らの作品に駄作など無く、他のアルバムの価値を軽視するわけではありませんが、「TURBO」「RAM IT DOWN」と試行錯誤した結果「PAINKILLER」を作り、再びメタル・ゴッドとしての威厳と人々の尊敬を集めることに成功したことで「彼らはきっとこれからも凄いことをやってくれるに違いない!」と我々ファンに信じさせてくれるだけの確信をこの作品は植え付けたのです。とにかく収録曲1曲単位で評論することは全く野暮な話で彼らはこれまでに何度かやってきたように彼ら自身の、そしてヘヴィメタル・ミュージックシーンのレベルを引き上げた、という次元で評価されなければならない作品なのです!!!
このバンドの持つあらゆる意味での極端さをこよなく愛する私としては、①「アキレス~」組曲は捨て曲どころかMANOWAR小宇宙がビッグバンを起こしたような超大作にして大傑作だと思っています。正直これをアルバム一枚分に膨らませて欲しかった位です。 とはいえ、残りの曲も勿論大好きです。皆さんも挙げておられる「RIDE THE DRAGON」「THE POWER OF THY SWORD」「MASTER OF THE WIND」そして「METAL WARRIORS」等々、間違い無く超名曲です。 結局、この作品はアルバム二枚分のアイデアを一枚に詰め込んでしまったが為に惜しくも迷盤扱いされることになってしまったのだと思います。