'06年発表の11thアルバムです、 実は、この作品こそ「THE MARRIAGE OF HEAVEN AND HELL」以降、顕著になっていった大作志向が完成の域に達し、ディヴィッド・ディフェイの美学が昇華された最高傑作だと思います。 本作もまたコンセプト・アルバムで、個々の楽曲よりも全体の流れで聴かせる作風ですが、なにしろメロディーの充実度が素晴らしく、ドラマチック&シンフォニックな一大絵巻に瞬時に惹き込む魅力を放っています。
VOIVODのジャケイラストはどれも秀逸な出来で好きですが私はこのアルバムが一番かっこいいと思います。音のほうも凄まじくノイジーでアグレッシヴ、そしてなんといっても曲が良いです。(to the deathなんか最高です。)たしかにサウンドには少々難ありですがこの手の音楽はあまりプロデュースされ過ぎても荒々しさを損なってしまう場合が多いのでこれはこれでアリなのではないでしょうか? コア系メタルファンは必聴ですね。
これまでこのバンドとはあまり縁が無く、昔買った疑似ライヴ盤「AND THE CANNONS OF DESTRUCTION HAVE BEGUN...」は当時の私にはピンと来ずに売り払ってしまい(今になって少々後悔)、HAMMERFALLのヨアキム・カンスが加入して話題になった '02年の2nd「RISING OUT OF THE ASHES」も何となくスルーだったんですが、3rd「THE HOLY EMPIRE」は本当に素晴らしい! アメリカのバンド、と言われても「ウソでしょ?」と言い返したくなるような堂々のエピック・メタルを披露しています。 アメリカというとMANOWAR、VIRGIN STEELEあたりを筆頭に欧州よりも欧州っぽいというか、良くも悪くも極端なエピック・メタル・バンドが結構いますよね。