PRIEST史上最長の超大作。 重厚なバーミンガム謹製ギターリフのカッコ良さ ギターソロもあまりにメロディアス、全く非の付け所がありません。 そしてロブの歌唱は神懸り的ですらあります。 "LOCHNESS CONFESS YOUR TERROR OF THE DEEP" "LOCHNESS DISTRESS MALINGERS WHAT YOU KEEP" "LOCHNESS PROTECTS MONSTROSITY" "LOCHNESS CONFESS TO ME・・・"
2015年の「WACKEN OPEN AIR」でのヘッドライナーを務めた鋼鉄神の貫禄のパフォーマンスが収められたライヴ・アルバムです。 ↑の方々がおっしゃっているように、たしかにロブのハイト-ンは全盛期に及ばないし、グレンも速いピッキングはしんどそうです。「ANGEL OF RETRIBUTION」の頃から、ライヴでは演奏のテンポを落とすのが定例となっています。しかし!その音から発せられる圧倒的な存在感の重みは、キャリアを積み重ねたベテラン・バンドならではの凄味を放っています。それを存分に体感出来るのはやはり、何と言っても初期の名曲 "Victim Of Changes" でしょう。まさに圧巻といえる迫力とドラマ性は、全く衰えを感じさせないどころか、驚く事に「IN THE EAST」のヴァージョンをはるかに凌駕しています。スピードを捨ててヘヴィネスに徹すれば、まだこれ程のパフォーマンスが出来るのです!
「メタルワークス73-93」のビデオでテレビ番組出演時のこの曲の映像を見ることが出来ますがそこでのロブが怪しさ全開(笑)、 マイク持ちは小指を立て身体をクネクネさせながらカメラに向かって妖しい視線を送る彼を見ればわざわざカミングアウトしなくてもおおかた察しがつきますです(笑)。 「LIVE IN LONDON」ではダウンチューニングで演奏されヘヴィさが増していて良いです。
'98年に、RANCH LIFEなる怪しいレーベルからリリースされたライヴ盤です。 オフィシャルでないのに何故か大手のCDショップで普通に流通していたり、アートワークが「UNLEASHED IN THE EAST」の別テイクみたいな写真だったり(後に再発された際にはBRITISH STEELのパクリみたいなジャケになっていた 笑)と色々と謎が多いですが、内容は素晴らしい! 「BRITISH STEEL」発表直後のライヴで、音質は時折ロブの声が遠くなったりはあるものの、おおむね良好。「UNLEASHED IN THE EAST」と収録曲の多くが重複していますが、小細工無しのシンプルなサウンドで、より生々しく成分無調整なプレイを聴く事が出来ます。 スタジオ・アルバムではあまり目立たないイアン・ヒルのベースが前に出て来ている感じで特に印象的です。 "You Don't Have to Be Old to Be Wise" のライヴ・テイクは結構レア(今ではBRITISH STEEL完全再現ライヴがあるからそうでもないかもですが) "Steeler" でエンディングを引き延ばす所とかも最高! "Genocide" では彼等にしては珍しくインプロヴァイズされた長いギター・ソロ・タイムが設けられています。
彼らが今でも支持され、また期待もされているのは一重に彼らがこのアルバムを作ったという事実があるからです。勿論彼らの作品に駄作など無く、他のアルバムの価値を軽視するわけではありませんが、「TURBO」「RAM IT DOWN」と試行錯誤した結果「PAINKILLER」を作り、再びメタル・ゴッドとしての威厳と人々の尊敬を集めることに成功したことで「彼らはきっとこれからも凄いことをやってくれるに違いない!」と我々ファンに信じさせてくれるだけの確信をこの作品は植え付けたのです。とにかく収録曲1曲単位で評論することは全く野暮な話で彼らはこれまでに何度かやってきたように彼ら自身の、そしてヘヴィメタル・ミュージックシーンのレベルを引き上げた、という次元で評価されなければならない作品なのです!!!