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ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 101-200

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ヤングラジオさんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 101-200
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CHILDREN OF BODOM - I Worship Chaos ★★ (2015-10-20 18:49:58)

コンスタントに新作をリリースしてくれる彼らだけど、これが通算9枚目のオリジナル・アルバムとなる。
もうこれくらいのキャリアになると、劇的な何かを期待するのは正直難しくなる。
元々作品毎に、音楽性を意識的に変えるバンドでもないので、自ずと狭いフィールドで戦わなければならないタイプのバンドという事になる。
また、こういったバンドは、常にマンネリズムとの戦いも余儀なくされる。

僕は、彼らに特別な感情を抱いた事は一度もない。
なのに、何故追っかけているのかと言えば、やっぱり彼らにはそれだけの魅力があり、個性があるからである。
新作を作れば、ある一定基準は必ず超えてくるその安定感は、もっと評価されてもいいのではないだろうか。

この新作、個人的にはよく出来ていると思う。
新鮮味もあり、特に①~⑤の前半はキャッチーさもあり強力である。
全体としても、統一性があり派手さはないものの、良くまとまっていると僕は思う。

このレベルがあれば、個人的には否定するポイントはない。
今の音楽シーンで、過剰な期待は酷である。


CHILDREN OF BODOM - Relentless Reckless Forever ★★★ (2012-01-27 19:48:46)

個人的には4th以降のファンであり、4thと5thを同じぐらい気に入り、前作の評価はイマイチというファンの一人である。
この作品、6th同様に1曲1曲のインパクトには欠ける感覚はあるものの、前作以上に楽曲はよく練られていると思う。
サウンドだけ捉えれば、4thの次もしくは前に来ててもいい感じがするけれど、楽曲を総合的に見れば、やはり今までの流れがあってこその仕上がりになっていると僕は思う。

よく言われる事だけど、彼らはモダンな路線で売れたから昔に戻さない訳ではなく、それは自然な流れというか、バンド自身が望んだものであるから、戻らないのだと僕は思う。
結果的に売れようが売れまいが、それはあくまでも結果であって、アレキシ自身の考え方にそれは全く影響しないと僕は分析する。
この新作の作風だって、実はどうしようとか考えは特に無く、前作までの揺り戻しや楽曲をいつもより練られた分、メロディが豊富になり、結果として初期の雰囲気に近づいたのだと僕は思う。

今後の音楽市場を考えた場合、アメリカ志向の路線が本当に良いのだろうか.......その答えは、意外に簡単なような気がする。
でも、そんな事を考えるような人物ではないハズ、アレキシは。
僕はこのバンドの熱狂的なファンではないけど、アレキシのカリスマ性は今でも強く感じる。
声を大にして言うけど、この新作、4th以降でも楽曲は一番面白い。
僕の評価は、かなり高いです。
だから、今でもよく聞いてます。


CHIMAIRA - Resurrection ★★ (2009-02-19 18:15:00)

ここ数年の、アメリカン・ニューメタルど真中のサウンドだと思うが、これがなかなか良い。
このバンドは装飾が少なく、この手のサウンドの標準となると思うが、あくまで真面目なサウンドが妙に心地良かったりする。
客観的に見て彼らの作品の中でも、トップクラスの仕上がりである。
やる気というのは、一見だけでは見えにくいものだけど、実はアルバムの緊張感や威圧感に自然と現れるという好例の作品かも知れない。
新作がもうすぐだけど、楽しみである。


CHIMAIRA - The Infection ★★ (2009-05-04 16:31:00)

個人的な感覚で言えば、前作のアグレッションさが僕は好きだった。
怒涛の展開力と威圧感に圧倒された、力作だった。
この新作、出来そのものは悪くないし、らしさも健在である。
しかし、ミドルテンポのうねるナンバーが中心の為、そこにどうしても物足りなさを感じるのも事実である。
アメリカでは固定ファンも多く、安定した人気もあるが、前作にあった危機迫る緊迫感の後退は、やはり少しさみしい感じがする。
でも点数つければ、80点ぐらいは十分にある。


CONFESS - Haunters ★★ (2017-06-12 16:36:01)

スウェーデン発の80年代タイプのバンドというと、僕なんかはもっとR&R色が強いサウンドをイメージするけど、意外にもポップ色が強く、いい意味で当時のアメリカンに近い内容である。
これがもっとメジャー寄りになってしまうと、逆に面白くなくなるんだけど、このバンドは音作りに関しても当時に寄せていて、計算では作れないマイナー感も相まって、この手が好きなファンには良い評価を受けそうな気がする。

80年代には腐る程いたタイプと言えばそれまでだけど、楽曲はなかなか面白い。
僕が点数を付ければ、83点ぐらいだけど、点数以上の魅力はある。
発売が当時なら、隠れた名盤となり得たかもね。


CRAZY LIXX - New Religion ★★★ (2017-05-24 20:45:52)

一時期、この手の80年代的なハード・ポップをメインに据えたバンドが多く登場したけど、その中では間違いなく1,2番目に好きだったバンドである。
僕は、もしこの作品が80年代に発売されていたらどうだったか......という視点で聞くことが多いけど、セールス的には大成功とまではいかなかったのかもしれないけど、1枚の作品としては当時の作品と比較しても全く遜色ない出来栄えである。

楽曲はアメリカンであり、適度にウエット感もあり、サウンドの質感が本当に80年代に近い。
ここに当時の売れっ子プロデューサーを起用して、それなりに仕上げていれば、もしかしたら80年代でも通用したのでは......という期待感が持てるほど、完成度は高い。
分厚めのコーラスは、やっぱりゴージャスでいいね。

僕は、今でも定期的に聞いてます。


CREED - Full Circle ★★ (2010-02-16 17:56:00)

アルター・ブリッジとの比較論で言えば、もう両者にそんな大差はない。
再結成作とは思えない程の、完璧に近い完成度である。
コンテンポラリー色が強く、ドートリーやニッケルバック等と肩を並べるキャッチーさが楽曲にある。
特徴の一つであったダークな要素は減ったが、その分楽曲に躍動感が増大し、結果的にアメリカン・ラウド・ロック作品としては、すごい完成度に仕上がった。
シングル向きの楽曲をバランス良く配置し、構成にも抜け目はない。
それにしても、これはいい。
再結成作品なら、これぐらいの完成度で作ってみろよ、と他のバンドに言いたくなるくらい楽曲の出来はいい。
やはり、このバンドのソングライター陣は強力である。


DARK LUNACY - The Diarist ★★ (2009-04-22 17:02:00)

僕は、ゴシック聞くと身構えてしまう癖がある。
HR/HMというジャンルの中でも、どちらかというと苦手な方に入ってしまう。
しかし、好きなバンドも数は少ないが存在する。
このバンドも多分にその要素を含んではいるけど、それらを無視してもメロディック・デスの一枚としては、この作品非常に出来がいい。
哀愁の旋律たっぷりで、かなり琴線を刺激してくる充実の内容である。
この手が苦手な人にも、十分理解できるドラマティックなサウンドは、一聴の価値はある。
これは、いい。メロデスが好きな人は、必聴である。


DAUGHTRY ★★ (2012-03-02 15:07:52)

新作「BREAK THE SPELL」が、BURRN!で厳しい評価を受けていたけど、僕は発売日に購入した。
まあ点数なんか別にどうでもいい事だし、2ndも個人的にはお気に入りだったので、当然そういう流れになったけど、実際聞いた時、その点数の意味が少し分かる気がした。

1stは楽曲的に見れば、一番キャッチーであり、産業ロックと呼べるくらいのクオリティーの高い作品であった。
でもHR/HM色は薄く、豪華なスタッフ陣の制作によるPOP路線であり、極論を言えばAORに近い作品であると僕は感じた。
そして2ndは、サウンドに力強さを持たせ、ロックファンの心を掴みにいった作品だと感じた。
でも基本的なものは、1stとあまり変わっていなかった。

この新作は、HR/HMファンの立場から聞いた場合、一番HR的な要素が薄い。
しかも、楽曲を個別に聞いた場合、一番インパクトが薄い。
平均的な出来は決して悪くないけど、1st・2ndは豪華なスタッフ陣の後押しが強かったので、それらに比べれば、正直ちょっと聞きおとりはする。

でも、この差こそが、外部の力であり売れっ子ソングライター等による力の差という事が出来る。
自分達だけの力で作ろうとした分、その差が生まれたのではないか。
これを、どうとらえるのか。
バンドらしくなったとも言えるし、決してネガティブな事だけではない。
楽曲を80年代的なプロデューサーにプロデュースしてもらえば、1stや2ndに限りなく近くなったと僕は思う。
要は楽曲そのものは、決して悪くないと思う。

ほんのちょっとの差である。
決して方向性が変わったわけでもないので、ファンの方なら合格点ではないだろうか。


DAUGHTRY - Leave This Town ★★ (2009-07-31 16:49:00)

CDが売れなくなっているこの時代、前作はアメリカで大ヒットを記録した。
コンテンポラリー色が強く、良く出来た楽曲、まあ当然の結果であった気もする。
この新作も、楽曲は実によく練られている。
前作よりも元気がよく、ロック色を強くした作風、僕は新作の方が好きである。
1曲目に敢えてロック・チャートを意識した楽曲を持ってきたり、サウンドの質感を少し変えてみたり、この新作も全くスキは無い。
前作を気に入った人は勿論の事、アメリカン・ラウド・ロック好きな人も十分気に入る完成度である。
それにしても、安定感があるね。クリス恐るべしである


DEF LEPPARD - Def Leppard ★★ (2015-11-11 05:27:17)

今の彼らに、一体何を求めたらいいのだろうか....。
前作は約6年振り、そして今作は約7年半振りである。

こんな時代だから、作品と作品のインターバルが長めになるのは、ある意味仕方がない。
だけど、自分達の損得を最優先にせず、コンスタントに新作を発表してくれるアーティストが、僕は好きである。
現役感.....これは案外重要であって、それは新作を出す事が一番の効果をもたらしてくれる。
もし、彼らがほとんど曲作りを行っていなかったとすれば、その割には良く出来ているとも言える。
だけど、やっぱり一枚の作品として捉えれば、全体として何か訴えてくるものがない。
楽曲を単体で聴けば、そんなに悪くない感じはするけれど、あの全盛期を見てきたものからすれば、物足りないという言い方も勿論出来る。

結局、どうなのかと聞かれれば、点数で追えば84点である。
今と言う視点から捉えれば、楽曲は決して悪くない。
新作を出す気がなかったのに、このくらい出来るのなら、本当はもっと作れるんじゃないの.....。


DEF LEPPARD - Hysteria (2012-10-17 09:03:38)

当時この作品をオンタイムで初めて聞いたときでさえ、こんな作品簡単には作れないだろうなと思った。
HR/HMを聞き始めてそんなに時間が経過していない僕でも、これは凄いと単純に思ったくらいである。
サウンドのきめ細かさや楽曲の丁寧な仕上げ方等、困難がありながらも前作を更に越えてくるバンドの底力に、当時圧倒されたのを覚えている。

実は次作にも困難があったが、それでも作りこんでくる姿勢に感動したし、作品自体の完成度が全く落ちないその総合力の高さに、さすがデフ・レパードと唸ったのも事実である。

作りこむ......CDが売れなくなって、一番に感じる事は、この作りこむという要素をないがしろにしているバンドが多くなっている事である。
どんなに良い作品作ったって、所詮売れないだろ......というバンド側の気持ちも痛いほどわかるけど、だからどうした......と、開き直ってとんでもない作品を作ってくるバンドがいても良いハズである。

「ソングス~」はやっぱり好きでない。
それよりも「X」~の10年間でオリジナル1枚という結果の方が、残念である。
この作品のような、作りこんでくる作品に出合いたいものである。


DEF LEPPARD - Pyromania ★★ (2009-03-25 10:10:00)

次作からは、アメリカン的な要素を強くするが、この作品まではまだブリティッシュ的な泣きの要素が多く残っていた。
楽曲はキャッチーであるが、「ヒステリア」以降の作品と比較すると、全く違うポップさがこの作品までにはあった。
ある意味、能天気な良さがアメリカンの良さとすれば、この良さとは全く違う良さである。
セールス的にも成功した作品になったが、それは時代の風と単純に楽曲の良さがもたらしたものである。
この作品が好きな人とは、ボン・ジョヴィで言えば、2ndまでが好きな人と言えるかもしれない。
僕はこの作品にある、いい意味での古臭さが好きである。


DEF LEPPARD - Songs From the Sparkle Lounge ★★ (2008-05-04 05:25:00)

よくこういったサイトで、何故否定的な意見を載せるんだという意見を目にするけど、それはそのアーティストが好きだからそうなるわけで、どうでもいいバンドであれば、僕は発言する気にさえならない。
僕がデフ・レパードというバンドに最も期待するのは、楽曲の質の高さであり、徹底的に楽曲を磨いていくというその姿勢にある。
今回の新作の楽曲に、僕は魅力を感じない。楽曲の雰囲気や輪郭は、従来とあまり変わりない。しかし、訴えてくるものが無いのである。
そこが逆に、僕にとっては大きなマイナスポイントになる。それなら、作風そのものを変えてもいいだろうし、思い切ったモダン・ロックへのアプローチもできたのではないのか・・・・・・・・。
自分が購入した作品を、悪く言うのは気が引けるけど、ファンだから正直な意見を言いたい。「らしさ」に僕は、徹底的にこだわる・・・・・・。5150さんの意見に、賛成である。
でも自分と違う意見があっても、それは当然だとは思う。


DESTROPHY - Destrophy ★★ (2012-02-14 16:54:21)

一言で言えば、何でもありのサウンドである。
楽曲によっては、デスコア風味ありラスマス風味あり、またアメリカン・メタル風味ありと良い意味でも悪い意味でも、つかみどころがないバンドである。
まあ基本は今風のサウンドで、正統派とは程遠いエモっぽくポップなバンドである。

しかし、これがなかなか良いのである。
泣きの要素が隠し味的に散りばめられていて、ありきたりの楽曲にアクセントとなり、そこが強いセールスポイントとなっている。
特に⑥なんかは、涙腺をかなり刺激してくる。

でも、こういったアルバムは計算しては作れない。
結局はこのバランス感覚が絶妙なんだけど、これは偶然できたという感覚が強い。
だから、続けるのが難しい。
新作も出ているようだけど、どんな内容かは知らない。
どの部分を強調しているのかわからないけど、先ずこの延長線上ではないだろう。
一見同じように見えても、たぶん違っているだろうね。

発売当時は、比較的よく聞いていた作品である。


DISARMONIA MUNDI - Fragments of D-Generation - Red Clouds ★★★ (2010-01-16 21:33:27)

このアルバムの冒頭3曲は、バラエティーに富んでるけど、とにかく強力。
ある意味、理想的な流れであり、ドラマティック。
この3曲で僕は、彼らの大ファンになった。


DISARMONIA MUNDI - The Isolation Game ★★ (2009-12-04 13:59:00)

このアーティストの良い点は、迷いが全く無い所にある。
やりたい音楽性が明確であり、またそこに妙な計算が無いため、何か爽快感さえ感じてしまう潔さがある。
バランス感覚を意識するあまり、アルバムに浮いた楽曲を収録するバンドも結構多かったりするが、彼らはそんな事は全くなく、いつもの統一感は健在である。
バリエーション豊富でありながら、楽曲も充実していた2ndと単純に比較すると、イマイチと評価されそうな気もするが、2nd、3rd、そしてこの新作と、安定した楽曲のレベルは、さすがの一言である。
個人的には、85点ぐらいは付けたいね。
僕は、結構聞いてます。


DISTURBED ★★ (2009-05-05 21:31:00)

僕は、彼らをデヴュー以来応援してるけど、それは楽曲の良さだったり、ライブにおいて証明される実力の高さが要因だったりする。
それともう一つ、彼らは実に器用なバンドであることも、僕は重要視している。
ラウド・ロックにもなりうるし、正統派のHRバンドにもなりうる、その秘めたる可能性と実力の高さが、なんとも魅力なのである。
最新作が、最も一般のHR/HMファンにはアピールできると思うが、新作においてコンテポラリー色を最大限に発揮した彼らには、一度HR/HMを意識した作品を是非作ってもらいたい。
彼らのセンスがあれば、かなりの作品が作れそうな気がする。
意識的にインストパートを盛り込んでも面白いし、大作の楽曲も作れるハズである。
可能性.........僕は4thにおいて、それを再確認した。
ラウド・ロックバンドという枠には、収まりきれないバンドである。


DISTURBED ★★ (2010-06-21 16:41:00)

新作からの、リーダートラックのオンエアが始まった。
非常に彼ららしい楽曲であり、文句はないのだが、どこかで聞いたフレーズ(過去の楽曲から)が多用され、正直に言えば新鮮味には乏しい、厳しい言い方だけど...でも、いい出来ではあると思う。
この1曲だけで考えるのはアレだけど、楽曲に変化をつける姿勢は、前作よりも前々作に近いのではないか。
嬉しい事としては、インストパートの面白さがある。
これが、アルバム全体にあれば最高である。
正統派HRに、どれだけ近づくのか......個人的希望だけど......新作が楽しみである。


DISTURBED ★★ (2010-08-19 20:08:00)

2ndシングルのオンエアが始まった。
新作の方向性を示す楽曲は、この曲ではないだろうかという直感がした。
新作は、またもや最高傑作であるという気がする。
作品を出す度に、このバンド最高傑作に仕上げてくる。
方向性を全く変えずに、この安定感とレベルの高さは、現役バンドでは間違いなくトップクラスである。
このバンド、やっぱり凄い!


DISTURBED ★★ (2011-11-12 21:49:56)

Bサイド集である新作「ロスト・チルドレン」が発売になった。
このバンドの最大の強みは楽曲の出来の高さであり、このボーナス・トラックやアウト・トラック中心の作品を聞いてても、それを改めて実感する事が出来る。

シングルになった①は、ファンの間では人気の高い曲だが、もう何年も前の楽曲である。
僕も好きだが、それなら最新作からの楽曲にすればいいのに・・・・・。

このバンドのポテンシャルの高さを証明する作品ではある。
何故本編からもれたのという楽曲も多く、しかもバリエーションにも富んでいる。
やっぱり、いいよ。このバンド。
僕は大好きである。


DISTURBED ★★ (2012-02-14 17:41:35)

現在オリジナル最新作である「アサイラム」を初めて聞いたとき、彼らにとって頂点を極めたアルバムだと僕は思った。
このメンバーで、この音楽性......これを超えるには.......僕は、今でも答えが出せない。

彼らは方向性を変えずにコンセプトを変えずに、最高傑作を出し続けた。
特に3rdからの怒涛の前進力には、目を見張るものがあった。
僕の予想は毎回見事に裏切られ、彼らは方向性を全く変えないという、一番難しい方法論で名作を誕生させてきたのである。

現在彼らは無期限の活動停止中である。
そこにどんな理由があるのか、正式なアナウンスは無い。
だけど、メンバーの言動やBサイド集の発売等でも、何となくの予想はつく。
それが単純な理由ならいいけど、僕はそうでない気がする。

音楽ビジネスを含めた今という時代背景、そして全てをやりつくしたという燃え尽き症候群なんかが加わると、これはもう単純な話ではない。

僕は大好きなバンドだけど、もし万が一このまま解散という道が選択されたとしても、なんか不思議なんだけど納得できる気がする。
中途半端な妥協のある再出発なら、このまま終わってもいいと言うのが僕の意見である。

「アサイラム」は名作である。
是非一度は、聞いていただきたい作品である。


DISTURBED ★★ (2013-04-11 08:09:45)

ドレイマンのプロジェクト「DEVICE」の作品が発売になった。
本人が語っていたように、インダス系のサウンドであり、HR/HMではない。
でも、だからと言ってDISTURBEDと全く違うかと言えば、そうでもない。
まあ、彼らの1stに一番近いとも言えるけど、楽曲の本質はやっぱり違う気がする。

DISTURBEDの楽曲作りの中心は、ドレイマンではない。
1stと5thはちょっと作風は違うけど、どちらが好きかと問われれば、僕は5thと答える。
DISTURBEDの場合、作品を重ねる毎に、より純粋なHR/HMに近づいている。
僕は一時期、もしドレイマンがVo.でなかったら、より自分の好きなHR/HMに近づけるのでは、と考えたりしてたけど、やっぱりドレイマンがVo.でなければ、この唯一無二のサウンドは作り出せないという結論にたどり着いた。
この絶妙なバランス感覚の上に成り立っているのが、DISTURBEDなのである。

DEVICEの作品を聞いて、僕はDISTURBEDの孤高性を改めて強く感じた。
DISTURBEDのサウンドは、簡単には絶対に作れない。

 


DISTURBED ★★ (2013-08-03 16:38:31)

ドレイマンの「DEVICE」に対抗するかの如く、ダン・ドネガン率いる「FIGHT OR FLIGHT」のアルバムが発売になった。

ダンがどこまで本気なのか分からないが、このサウンドは「DISTURBED」よりもHR色は薄い。
例えば、どのバンドに近いかと聞かれれば、僕は「BREAKING BENJAMIN」と答えるだろう。
個人的には、どんなサウンドを作るのかに密かに注目していたけど、ある意味意表を突かれた格好である。
アメリカのチャートをこまめに見ている人なら気が付くと思うけど、これはもう5~6年前にアメリカのロック・チャートで主流だった典型的なポスト・グランジ路線であり、僕なんかは少し懐かしい感じがした。

これを、何故今.......まあ、こんなサウンドも出来るんだぞという腕試し的な感じで作ったのならいいけど、まさかこれを本気で続けるとでも........そう考えると、少し不安である。

アルバムの出来自体は良いし、さすがダン、器用だなとも思うけど、DISTURBEDと比較した場合、やっぱりこれでは魅力に乏しい感じがする。
暇だから作ったという結論であって欲しいし、やるならもっと独自性を強めたサウンドにすべきである。
それだけの、能力があるのだから......。


DISTURBED ★★ (2015-06-25 22:33:46)

先日、活動再開と新作の発売が正式に発表された。
新曲も公開されていて、彼らがようやく戻ってくる。
これは、楽しみで仕方ない。


DISTURBED - Asylum ★★ (2010-09-01 15:46:00)

このバンド、基本的にデビュー以来音楽性にほとんど変化は無い。
特に前作、前々作とこの新作は、3部作と呼べるくらい似ている。
僕は、正統派HR/HMにどれだけ近づくのかに期待していたが、彼らはそんな必要はないと問答無用の新作を叩き出してきた。
それにしても、新作を出す度に最高傑作に仕上げてくるこの実力の高さは、一体何なのだろう。
音楽性を全く変えないで、レベルアップすることは想像以上に難しいハズである。
楽曲は切れ味鋭く、リズムはよりマニアック的になっている。
前々作のように楽曲は単体でもかなり魅力的で、しかも前作の統一性を維持するこのしたたかさである。
練りに練った楽曲がズラリと並ぶ、間違いない最高傑作である。
ファンの期待に120%で答える、強力盤である。
これは、いい。


DISTURBED - Asylum ★★ (2010-09-13 21:49:00)

予想通り、ビルボードでは初登場No.1である。
CDが売れない時代においても、固定ファンの多さ、コアなファンの多さを証明する結果である。
それにしても、このバンド、作品を出すごとにパワーアップしている。
僕は1stを初めて聞いたとき、これは凄いバンドが出てきたなと思った。
音楽性は、当時の流行りの要素を含んでいた為に、ニューメタルだのなんだの言われ、それらのバンドと同じ扱いだったけど、アルバムの完成度の高さは、それらのバンドの中では群を抜いていたし、何より根本となる部分が全く違っていた気がする。
実は前作とこの新作、アルバムの構成や楽曲の質は全く同じである。
メタリック感やソリッド感は増しているが、全く同じなのである。
外部のプロデューサーが必要無い理由は、やりたい事が明確である事と下手に邪魔されたくないという強い意志と無関係ではないハズである。
この新作、彼らの中では頂点を極めたアルバムのような気がする。
僕は毎日、この作品を聞いている。
アルバムのセールスを抜きにしても、大物バンドへの仲間入りを完全に果たした、大傑作である。


DISTURBED - Immortalized (2015-08-22 21:54:11)

活動休止期間を経て、前作から約5年振り通算6枚目のオリジナル・アルバムである。
最近では5年ぐらいのインターバルは割とある事なので、単に新作が5年振りに出ただけと考えても良さそうなんだけど、そうはいかない事情がこの新作の中身にある。

僕は、前作で1st~続いた彼らの集大成、言い換えれば一つの完成型を見た感じがした。
前作「Asylum」には危ないとも言える緊張感があり、こういった作品の後には必ず何かが起こるものである。
まさかそれが、活動停止に繋がるとは思わなかったけど、それぐらいの中身の濃さはあった気がする。

僕は、中途半端な妥協のある再出発なら、このまま終わってもいいという考え方をずっと持っていたけど、正直この新作を聞いて複雑な気持ちになった。
生みの苦しみを味わう、前作の延長線上のような作品にならない事は分かっていたけど、僕にとっては違和感がある内容に仕上がっている。

何も変わっていないと感じる人も多いだろうけど、やけにリラックスした空間の多さに僕はビックリした。
バンドがリスタートするための作品と割り切れば、強引にでも自分の気持ちを納得させる事は出来るけど、それにしても繰り返し聞きたくなる感覚を持てなかったのは、彼らの作品で初めてかも知れない。
何かが足りない......。
作風に問題があるという訳でもなく、「らしくない」という訳でもない。
でも、やっぱり何かが足りないのである。

再始動........には、クリアしなければならない問題が実は多い。
それを本当にクリアしたのだろうか.......。
少々の妥協や違和感はあってもいい。
音楽性に変更はないものの、練りが足りないと感じるのは自分だけだろうか。
やけに淡白なのである。


DISTURBED - Immortalized (2015-08-29 16:22:21)

最初に聞いた時の感覚は、僕にとって大事である。
僕は新譜のレヴューは、できるだけ早く書こうと決めている。
それには幾つか理由があるけど、その為には新譜を発売日には購入しなければならず、しかもそれを何度か実際に聞かなければならない。
繰り返し聞いたことによって、最初の感想と異なってくる場合もある。
だけど僕の場合、その感覚が180°変わるのは年に1枚あるかないかぐらいである。

別に早めに答えを出す必要は無いんだけど、それは自分の感覚を鍛える意味でやっている部分もある。
時には、判断に困る作品もあったりする。
良いのか悪いのか......難しい。
普通や平均的といった評価を、僕はできるだけしないようにしている。
それは、ある意味逃げの手だと考えているからである。


この新作、何度か聞いているうちに悪くないんじゃないかという感想に変わってきた。
世間での評価も、ファンの反応も悪くない。
やっぱり、凄いバンドだと改めて思ったのは事実である。

でも、なんで最初の感想でそうならなかったのだろうかと考えた時、やっぱり基本的な感想は変わっていない事に気が付いた。
つまりは、やっぱり結論としては物足りないのである。
ケヴィン・チャーコをプロデューサーに迎え、サウンドもワイドになってある意味クリアになっている。
だけど、それは僕にとってプラスというよりマイナスに感じる。
ソリッド感の後退やリズミックさの減少、鬼気迫る圧迫感の減少等は、やっぱり納得できないし、全体的に淡白であるという感覚も変わっていない。
彼らには、歩んできた歴史がある。
点で捉えれば合格点かもしれないけど、線で捉えれば.......。

元々実力のあるバンドだから、求めるハードルは相当高い。
でもそれを、予想を裏切る手段で彼らは超えてきた気がする。
完成度は高いと思うけど、今後を考えた場合、僕は賛成できない。
誰に、何と言われようがね......。


DISTURBED - Immortalized - Save Our Last Goodbye ★★ (2015-09-16 15:13:29)

この作品の中でも、一番好きなナンバー。
⑥⑧なんかも結構好きで、中盤の出来には納得できるものがある。

でも、僕はこの新作に良い評価をしていない。
それには理由があって、自分なりの評価方法で考えれば、肯定できないという事になる。
決して、内容が悪いという事でもなく、らしくないという訳でもない。

表現の仕方を変えれば、良い評価をしている作品よりも、聞いている回数は多かったりする。
僕の場合、良い評価をしていても、あんまり聞かなかったりすることもあるし、この作品のように逆に評価は高くなくても、リピート率が高いこともある。
それは、ひっかかる要素がどれくらいあるかに関係していて、そういう意味ではクセになる要素は多い。
恐らく僕はこのサイトでも一番推しているだろうし、好きなバンドである事になんら変わりはない。


DISTURBED - Indestructible ★★ (2008-06-04 16:52:00)

前作から、3年弱振りの新作の登場である。メンバーの口から言われていたダーク、そしてヘヴィであるという、新作のキーワードの真意は...........。
結論から言えば、過去のどのアルバムとも少し違う。強いて言えば、前作の3rdに近いかなという印象である。
1stで見せた衝撃性、2ndで見せた楽曲のキャッチーさ、3rdで見せたトータルバランスの質の高さから言えば、新作は一聴しただけでは、すごく地味に感じるはずである。特徴を見つけるのが、難しいのである。
でも楽曲のレベルは、確かに高いしトータルの完成度としてもかなり高い。また彼らの作品の中では、一番統一感のある作品に仕上がっているのも事実である。
でも、どちらかと言うと、玄人受けする作風にファンはどう判断するのだろうか.......注目である。
「怒り」を封じ込めた作品.......思ったよりもサウンドは重くなかったが、その空気感には満ち溢れている内容である。
シングル曲や話題曲よりも、隠し味的に配置されているナンバーにこそ、実はこの新作の特徴が表れているような気がする。
個人的には、もっと冒険して欲しかったが、ファンの期待は裏切っていないと、断言はできる力作には仕上がっている。さすがの出来である。


DISTURBED - Indestructible ★★ (2008-06-11 06:36:00)

もうサウンドからは、貫禄さえ漂うバンドである。
「やっぱり重要なのは個性である」と、このディスターブドなんかを聞いてると強く感じる事である。奇をてらわない事が、案外重要でありながら、それを計算していない所が素晴らしいと、僕は思う。
楽曲の質の高さはもちろん、一枚のアルバムとしての構成力は過去最高である。
特に⑥~の怒涛の展開力が、僕は好きである。


DOKKEN - Back for the Attack ★★ (2009-03-31 17:30:00)

もし、僕が今まで聞いたHR/HM作品の中で10枚を選ぶとすれば、この作品はその中に入ってくるかもしれない。
それは、この作品と似たような作品に全く出会っていない事に、起因する。
似たようなサウンド、似たような楽曲に巡り合えない........。
もう何度聞いたか分からないけど、今でも心が熱くなる作品である。
ドッケン、この作品までの彼らはやっぱり凄かった。


DOKKEN - Beast From the East ★★ (2009-03-10 18:20:00)

再結成後の作品が、それ以前の全盛期と比較して、悪い意味でいかにケタが違うのかが、一発でわかるライブ盤である。
音質や選曲なんて関係ない。
聞いてるだけで、熱くなれる........これぞ、HR/HMの醍醐味である。
似たようなバンドを探しても、見つからない........ドッケンもその代表格である。
ライブ盤の中でも、よく聞いた作品である。
理屈抜きで、いい。


DOKKEN - Best of Dokken ★★★ (2016-09-07 17:40:37)

ベスト盤は好きではないけど、選曲的にも悪くないし、当時の雰囲気を感じたいが為に、たまに引っ張り出す。
今でも彼らの作品は、定期的に聞いている。
やっぱり4枚目までの作品の出来は良く、また似たような作品に巡り会えないという理由からも貴重である。

セールスだけが、バンドのステータスを決めるわけではない。
彼らよりビッグなバンドは巨万といる。
だけど、このコーラスワークはそこらへんのバンドでは味わえない。
個性は、大事である。
楽曲は、いまだ色あせていない......。


DOKKEN - Lightning Strikes Again ★★ (2008-05-24 17:37:00)

こういった作品は、見方によっては褒めることもできるし、否定することもできるという微妙な内容の作品である。
銘菓ひよこさんが言うように、確かに再結成第一弾の作品なら結構素直に評価できたのかもしれない。僕はなんだかんだ言って、オリジナル作品は結局全部持っていたりする。正直、再始動後の作品はあまり好きではない.......けど、いつかはきっと・・・・・・という期待感で、いつも迷いながらも購入してきた......。
そういう意味では、再始動後の作品の中では圧倒的に好きな作品である。サビのメロディーの弱さは少し気にはなるけど、あのドッケンが4割ぐらいは戻ってきているのも事実である。
こういう作品が作れるのなら、何故もっと早く・・・・・・・という、やっかみも言いたくなるけど、ファンの方には是非聞いてもらいたい作品である。
銘菓ひよこさんの意見は鋭いね。同感。


DREAM THEATER - A Dramatic Turn of Events (2011-09-27 19:18:27)

まだ2回しか聞いていないから、感想が変わるかもしれないけど.....。

結局、音楽性自体は何にも変わらなかった。
これでは、マイキー脱退の影響など、そんなに感じなかった人も多かったに違いない。
雑誌等で書かれているように、逆に一体感が生まれて良かったと感じている人も多いであろう。

だけど、僕にはポートノイの脱退がかなりマイナスと出た感じがする。
ポートノイは、先ずコンポーザーである。
彼が不在で、アルバムの出来に影響が出ないハズがない。
一番の問題は、メロディが弱くなっていることである。
それは、楽曲のキャッチーさに関わってくる事でもある。
彼らの楽曲は、複雑だけど、ある意味キャッチーで、心に残りやすいというのが魅力の一つであった。
その部分に、僕は今までとは何か違う違和感を感じた。
他のバンドの追随を許さない彼らの良さとは、楽曲の面白さであり、マンネリと言われようが、それでも全くレベルが違うというのが、僕の認識だった。

決して、新加入のマンジーニが悪いわけではない。
メンバーの怒りも十分に分かるけど、ポートノイは早めに復帰させた方がいいように思う。
時間が経てば、問題は複雑になる。

雑誌では、いたって好評価だけど、僕は納得できない........。
たった一作品で判断するのもアレだけど、僕には今後が不安である。


DREAM THEATER - A Dramatic Turn of Events (2011-10-02 07:23:09)

あれから数日が経ち、聞き込んだ事により、かなり評価は上がってきた.......。

彼らは、完全に悟りを開いている。
だから、マイキーが脱退しても、音楽性は全く変わっていない。
でも彼らは、新作が出る度に、マイナーチェンジを繰り返してきた。
芯はブレないが、多少の変化を必ず起こしてきたのである。
でも、今回は少し違う。
前作と全く変わっていないのである。
これは、彼らの歴史上初の出来事かもしれない。

僕は前作を高く評価している。
ある意味前作が、最近の彼らが目指す終着点に近いのではないかと、直感でそう感じたくらいである。
だから、新作も作風が変わらなかったのかも知れない。

メロディーが弱く感じたのは、恐らくメロディーの起伏が抑えられているからだと思う。
楽曲的には、レベルはほとんど落ちていない。
これは、ある意味凄い事である。
彼らがいかに優れたソングライター集団であるのかを、新作の出来が証明している。

でも、やっぱり不安もある。
緊張感のある状態で作られた新作は、ある意味前作を模倣する形で作られているハズだから、マイキー脱退の影響は、最小限に抑えられていると僕は感じる。
今後、どうなるのか.......を考えた時、マイキーはやっぱり必要だと僕は思う。

マンジーニの実力は、大したものである。
でもやっぱり、ドリーム・シアターには、マイキーが必要である。


DREAM THEATER - A Dramatic Turn of Events (2012-01-17 20:43:13)

この作品、ドラムスが抑えられているから、新鮮には聞こえる。
ここ数作は確かにドラムが目立ちすぎというか、前面に出すぎという感覚はあった。
でも、それはバンド内で十分解決出来る事柄である。
大事な部分をないがしろにして、コミュニケーションを放棄してしまっていた事実が、奇しくもこの新作で浮き彫りとなった。

どれくらいの人が2ndのような作品を、今でも期待しているのだろうか?
僕は、そんなに多くないと思っている。
勘違いをしてもらいたくない。
彼らは2ndのパート2みたいな作品を目指さなかったから、偉大でありファンを惹きつけてきたのである。
有能なアーティストなら、絶対にそういう発想にならないのである。

彼らは、過去を否定していない。
マイキーがいなくなって良かったという意見を多く見かけるけど、大きな問題点があるのならいざ知らず、オリジナルメンバーが抜けて良かったという発想が、僕には到底理解できない。
音楽性が自分の理想に近づけば、それでいいのだろうか。
ファンに迎合するようなバンド、ファンにすり寄るようなバンドが、本当に魅力的だろうか。
どんなに上手かろうが、どんなに前任者に似ていようが、代わりは居ないのである。
それは、過去が証明している。

過去があっての今のハズである。
マイキーみたいな奴は、ある意味やっかいなんだけど、必要だと僕は思う。
多少の衝突があるくらいの方が、実は健全なのである。
ここで、マイキーが戻れば、バンドはもう一回り大きくなれる気がする。


DREAM THEATER - Black Clouds & Silver Linings ★★ (2009-06-24 18:01:00)

バンド自身が変化を求めていないので、「トレイン・オブ~」から続いている最近の音楽性自体には、何の変化もない。
またベテランと呼べるキャリアになってきた為に、新鮮味を見つけ出すのも正直難しい。
これをマンネリと捉えようが、そう捉えなかろうが、今の彼らには何の影響も及ぼさないであろう。
もうそれぐらい、彼らは己の道を歩んでいるのである........。
もうCDが売れようが売れまいが、彼らにはあまり関係がないようである。
コマーシャル性なんかまるで無い。ファンの事も、無視である。
これを、どう捉えてもいいと僕は思う。
彼らは、好きな音楽をただやっているだけなのである。
音楽的に、ドリーム・シアターに近いバンドは、たくさんいる。
しかし、ここまで強い信念で、しかも音楽的に迷いの無いバンドはいないであろう。
過大評価は必要無いが、過小評価もまたそれは、的を得ていない気がする。
間違いなくバンドは、後ろを振り返ってはいない........。


DREAM THEATER - Black Clouds & Silver Linings ★★ (2011-09-20 15:22:54)

曲数が少なかろうが、楽曲の出来が良ければ何の問題も無い。
新作が出たことで聞き直してみたが、やっぱり完成度は高い。
己を貫くアーティストらしい、純度100%の内容である。

彼らに近いバンドは、探せば存在するが、そういったバンドの追随を許さない所が先ず凄い。
音楽性を全く変えないというのは、実は飽きの感覚を生みやすい。
それらの不満要素をふり払う為には、楽曲のレベルを常に高く保つ必要性がある。
全く変わらなければ、ファンは必ず不満を抱くものである。
だから、彼らのようなバンドというのは、変わらないようでいて、実は進化しているのである。

楽曲のレベルが落ちないから、彼らは一流なのである。
ソングライターとしての才能があっても、良い曲を書き続けるのは、決して簡単な事ではない。


DREAM THEATER - Dream Theater (2013-09-19 17:42:27)

僕は空気を読めないし、そもそもそれを読もうという意識が無い。
でも、だからと言って、皆が誉めているからという理由で、敢えてそれを否定するというような偏屈的意識は無い。
個人的には、アーティストを応援する事と、作品に対する評価は全く別物であり、例え酷評していたとしても、本人的にはそれなりに言葉を選んでいるつもりではいる。

今年に入って、ショップで予約をして購入したアルバムはたった2枚しかない。
その内の1枚が、このアルバムである。

巷では、アルバムタイトルからも予想できる新生ドリーム・シアターの出発作とか、マンジーニが曲作りから全面参加した作品であるとか、マンネリ感の払拭に成功しているとか、いろいろな意味でのポートノイ批判とか、そういった意見が多いけど、僕は、先ず楽曲のつまらなさに目がいったし、むしろ前作で危惧していた心配事が浮き彫りになった感じがして、充実感なんて全く感じなかった。

僕は、前作をその年のベスト・アルバムに選んでいる。
それは、各楽曲の出来の高さによる部分が大きかった。
でも、今後の不安感はあったし、ポートノイ脱退によるマイナス面もかなり感じていた。
ポートノイはある意味やっかいな人ではあるけど、間違いなくバンドの核であったし、バンドのモーター的な役割を果たしていたし、中心人物であったし、ファンに安心感を与えていたのも彼だったと、僕は認識している。
僕は彼の大ファンという訳ではないけど、ポートノイがいないドリーム・シアターには、今でも大きな違和感がある。ライブでマイキーが居ないなんて、はっきり言って想像したくもない.......。

比較的おとなしい作品が2作続いたので、新作はヘヴィ路線なのではと予想したファンも少なくないハズである。
でも結果的に、そうはなっていない。

もし、ヘヴィ路線で行こうとバンド側が思っていたとしたらどうだろうか?
例えば、「Train Of Thought」や「Systematic Chaos」みたいな作品を作ろうとした時、マイキーがいない影響が大きく出るハズである。
前作の作風では、最小限に抑えられていたマイキー脱退の影響が、この新作でかなり出ていると僕は感じる。

楽曲の小粒化やメリハリ・抑揚の少なさ等、僕には不安感ばかりが残る新作である。
また、複雑ではあるけど、わかりやすいという彼らの最大の魅力に乏しい点が残念である。


DREAM THEATER - Dream Theater (2013-09-22 17:09:04)

何度か繰り返し聞いてはみたけど、僕の印象が変わる事はなかった。
結局僕はマイキー脱退の真実を、未だに受け入れられないでいるのかも知れない。

バンドに対する貢献度は、実は見えにくかったりする。
そのバンドのファンであり、その言動をオンタイムで見てくれば、それは自ずと分かったりすると思うけど、マイキーの場合、ドリーム・シアターにおけるソングライターとかドラマーというよりも、僕はリーダーであり中心人物であるという認識が強くて、もっと素直に言えば、この人が抜けてはドリーム・シアターは成り立たないというレベルの認識であった。

僕にとってドリーム・シアターというバンドは、今現在HR/HMというジャンルにおいて、トップクラスに位置するバンドであり、その期待感はアイアン・メイデンやメタリカ以上のものがある。
そんなバンドの頭脳が抜けて、良い事なんかあるハズがないというのが、僕の考え方である。

それでも、バンドは先に進まなくてはならない......。
そんな事は分かってはいるけど、やっぱり違和感しか残らない......。


DREAM THEATER - Dream Theater - Behind the Veil ★★★ (2016-01-30 20:16:24)

僕はこの作品に関してあまり良い評価をしていないけれど、アルバムの後半に関しては結構好きだったりする。
この手のタイプの楽曲なら今後も期待出来そうだけど、でもやっぱり彼らにはいろいろなバリエーションの作品を期待したいから、今後の事を見据えての辛口な評価となった。

彼らは、一般的に最高傑作と呼ばれる2ndの続編みたいな作品や、それと同じような作品を敢えて作らなかったから、僕は彼らをより好きになったし、新作が楽しみで仕方がない存在となった。
予想をしても当たらない......この感覚は意外に大事であるし、そのバンド自身にそれだけの力量が求められるので、これは一部のバンドに限られる現象でもある。

新作はまだ聞いていないけど、その辺りをバンド自身がどう考えているのか見極めたいと思う。
このバンドに、予定調和は必要ない。


DREAM THEATER - The Astonishing (2016-02-06 19:37:39)

まあ数回は聞いてみたけど、例えばB!誌のレヴューを参考にすると、僕の意見は広瀬さんの言葉でほぼ語りつくされる。
ラッシュは、彼らと多くの共通点を持ちながら、日本でいまいちブレイクできなかったけど、結局その要因はこういうことでしょと、ひねくれた自分にはそう表現したくなる作風である。
この作品の良さが全く分からないわけではないけれど、HR/HM色が薄く強弱に乏しいこの新作には、全く熱くなれない自分がいる。

また、重さや激しさを望まないファンも居るにはいるだろうけど、多くのファンはそうではないと思うので、そういう意味でも評価に難しい作品である。
分かりやすさ......それは、決して=単純という事ではないけれど、彼らにはもっとシンプルな所で勝負してもらいたい。
複雑だけど分かりやすいという、彼らのひとつの長所が殺されているように僕には感じる。


DREAMTIDE - Here Comes the Flood - Sundance ★★ (2017-01-29 17:57:49)

このバンド、FAIR WARNINGと比較した場合、やっぱり本家には及ばない。
それは楽曲然り、全てにおいてである。
久々に聞いたけど、その印象は当時と全く変わっていないし、この曲がその中でも一番好きな楽曲であるというところも同じである。

あれから、16年以上も経っているという事実も感慨深い。
いかに、FAIR WARNINGの音楽が素晴らしいのかが、逆説的に理解できる。
当時は、わくわくしながらCDショップに買いに行った記憶がある。


EUROPE (2012-04-30 07:45:38)

最新作「bag of bones」を聞いた。
再結成から、もう4作目である。
作風的には、ここ2作品の流れを引き継いでいる。

振り返ってみると、再結成第一弾「start from the dark」が、最も以前の彼らに近く、メロディーが豊富であった。
しかし、作風を重ねるごとに、僕の熱は冷めていった気がする。
少なくとも彼らは、「start~」ぐらいの感じの楽曲は書けるのである。

今の彼らのやりたいことを優先するのは、決して悪い事ではない。
でも、彼らにしか出来ない事もあるハズである。
何故ファンが再結成を強く望んだのか......これを、もっと大事に考えても良かったのではないか。
キャッチーな楽曲は、誰にでも書けるものではない。
魅力的なメロディは、そう簡単に生まれるものではないのである。

最新作は、セールスを狙いにいっている作風ではない。
それなら、もっと踏み込んで大胆な作品もできたのではないか。
彼らにしか出来ない事が、最新作であるとは僕には考えられない。


EUROPE - Last Look at Eden ★★ (2009-12-05 21:16:00)

再結成後の作品に僕はあまり良い評価をしていないけど、長いブランクがあったにも関わらず、毎回それなりの作品を作ってくるその実力は、一方で凄いと思っていたりする。
この新作も、ある意味前作の流れをくんでいて、あの昔の彼らでは無い。
だからという理由ではなく、せっかく彼らはポップでキャッチーな楽曲を書けるソングライターとしての実力があるのだから、時流とか考えずにもっとメロディを大切にして欲しいと思うのである。
所々に彼ららしい泣きやフレーズが出てくる。
それは、再結成後の作品に共通している事である。
でも、楽曲の個性化に乏しく、なんとなく流れてしまう作風には正直物足りなさを覚えてしまうも事実である。
例えば、②みたいなヘヴィな楽曲でアルバム全体を統一してくれてもいい。
そうすれば、作品に統一性が生まれ、印象もまた変わってくる。
ここ2作品に共通するのは、メロディの弱さと統一感の無さである。
僕は、ヨーロッパというバンドが大好きである。
楽曲の所々で出てくる「らしさ」を、昔のように全体で表現してもらいたい。


EUROPE - Out of This World ★★ (2009-10-05 17:54:00)

作品毎の毛色は違えど、デヴュー作から5枚目の作品までの楽曲は、実は1曲1曲を単体で聞いてもかなりのインパクトがあった。
例えばTVのBGMなんかで流れても、自然に耳に残るナンバーばかりであった。
ヨーロッパというバンドの最大の強みは、1曲1曲個々の楽曲の完成度の高さにあったと思う。
新作がもうすぐ発売されるが、もうこの頃のような楽曲のインパクトは無いであろう。
この作品、ポップでありアレンジはHR/HM的ではないが、ヨーロッパというバンドのソングライティング力を確かめるには、いい作品である。
印象深い、良い曲を単純に多く残している。
その実績は、もっと評価されるべきである。


EUROPE - Prisoners in Paradise - Prisoners in Paradise ★★★ (2017-07-29 22:13:50)

2nd、3rd、4th、5thと彼らの作品を流れで聞くと、結構作風も違うしセールス的なものも勿論違う。
だけど、僕はどの作品も当時から好きだった。
少なくとも、日本のファンには好意的に受け止められていた気がする。

結局大事なのは楽曲の出来であり、そこさえ押さえていれば、ファンはついていく気がする。
だからこそ、ファンは再結成をずっと待っていたのである。

やっぱり、この作品ではこの曲である。


EUROPE - Secret Society (2015-03-10 22:19:58)

この作品久しぶりに聞いたけど、僕の感想は以前と全く変わらなかった。
僕が良いと思ったのは④⑤⑧であり、恐らくそれも発売当時と変わっていない。
この3曲に共通するのは、メロディの豊富さでありそれは同時にキャッチーさにも繋がる要素でもある。

僕は再結成後の彼らに、「THE FINAL COUNTDOWN」の再現を求めている訳でもないし、
4thや5thの再現を求めている訳でもない。
ましてや、モダンさやダークさを頭から否定している訳でもない。
さっき言った④⑤⑧の3曲でさえ、モダンさはあるし、こうあって欲しいという曲の流れにはなっていない。

再結成後の作品には、一枚のアルバムとしての統一感が無いし、言い換えれば曲を煮詰めていない、又は敢えて煮詰めない事からくる散漫さが目立つのである。
ラフさを大事にしたいのか、あの昔の苦労をしたくないのか、はたまた意気込みが足りないのか、真意は分からないけど、例え今の路線であってももっと良い作品が作れる気がするのは自分だけだろうか。
所々にしか感じない、「らしさ」では絶対に物足りない.....。
引っかからない楽曲には、何かが足りないのである。


EUROPE - The Final Countdown ★★ (2009-12-05 21:56:00)

捨て曲無しというレベルではなく、全ての楽曲が名曲というレベルである。
メロディはキャッチーであり、印象的なナンバーばかりである。
これぞ、このバンドの最高傑作である。
売れたからとか、「ファイナル~」が収録されているからとか、そんな事は全く関係ない。
ギターソロが適材適所で決まる、楽曲に無駄が無い完璧に近い作品である。
こんな作品を作れるアーティストなんか、そうは登場しないよ。
個人的には②⑤⑥⑧⑩が好きだけど、当時は鬼のように聞いていた気がする。
このバンドの魅力が、一番出ている作品である。


EUROPE - Walk the Earth ★★★ (2017-10-22 14:25:17)

B!誌での比較的高い評価が気になった、彼らの最新作である。
僕は、再始動後の作品があまり好きではないけど、この新作を聞いてなるほどなと思った。

基本的なものは、最近の延長線上にありガラッと変わった印象はない。
だけど、単純に楽曲の面白さとメロディーの豊富さがもたらす効果は抜群で、故にジョーイのヴォーカルが輝きを増す。
また、モダンさの排除やアナログに拘った効果も抜群で、作品に新鮮味をもたらしている。
元々コンポーザーとしての実力が高いバンドであるから、上手く焦点を絞ればそれが自然と作品の完成度に結びつく。

先行で公開された①をpvで初めて見た時、その格好良さに衝撃を受けた。
それが裏切られないようにと心配していたけど、これは嬉しい誤算である。

結局はメロディーなのである。
これがあるから、相乗効果が現れるのである。
楽曲が躍動している。
これは、いい。


EVANS BLUE - The Pursuit Begins When This Portrayal of Life Ends - In a Red Dress and Alone ★★ (2015-11-21 21:55:16)

サウンドの質は多少違えど、この手のドラマティックなサウンドを軸に据えるバンドが、当時は結構存在していた。
最近はあまり見かけない気もするけど、探せば居るのかも知れない。

このバンド、僕は密かに好きだったけど、とにかくこの1曲だけは別格である。
とにかく、当時は何度も繰り返し聞いていた気がする。
ドラマティック.....この手のVo.も、僕は好きである。


EXTREME - Saudades De Rock ★★ (2008-11-28 14:29:00)

例えば2ndまでの路線である、②や③みたいな元気のいいナンバーが、もう2曲ぐらいあればファンの誰もが納得という感想になったのかもしれないけど、僕は結構良い出来だと思います。
ベストではなく新作で復活というスタイルも好感もてるし、作品自体の出来がここまで良いと、個人的には文句の言葉はありません。
非常にバランスも良く、オヤッと思うナンバーが無いのが充実度に表れています。
マジックここにあり、ですね。ドラマーとの相性もいいですね。


FAIR WARNING (2013-04-15 21:46:53)

待望の新作が、間もなく登場である。
このバンドの曲作りにおけるポテンシャルの高さは、一級品である。
僕はまだ一曲も聞いていないけど、全く心配していない。
心配する必要性がないのが、このバンドの強みである。

前作「AURA」だけは、あと一歩という感じがしたけど、それでもそこら辺のバンドには書けない曲が並ぶというソングライティング力を、このバンドは持っている。
発売したアルバムの平均的なクオリティーの高さなんて、はっきり言って欧米のメジャーなアーティストに対しても全く引けを取らない実力である。

ビッグ・イン・ジャパン........それが、何か.......。
この良さが分からないなんて、この良さに気づかないなんて、本当にもったいないですよ。
曲作りに限界を感じさせない、このバンドに僕はマンネリなんて、一度も感じた事はありません。
それにしても、待たせすぎだよ。


FAIR WARNING - Aura ★★ (2009-07-07 21:36:00)

音楽的にはトミーが語っているように、2ndや3rdに近いと僕は思う。
それは、2ndの拡散性と3rdの落ち着いた作風の要素を多分に含むからである。
また、全体的に見れば、ガツンとくる定番的な楽曲が無いので、地味な印象には映る。
しかし、今回の新作の楽曲はバラツキが少なく、平均点を取れば、その値に近い楽曲が多いのが特徴かも知れない。
アレンジ等に、今までとは違う変化があるために、それを良しとしないファンには物足りなく感じるかも知れないけど、基本的には芯は全くブレてはいない。
いつもの、彼らそのものである。
個人的には、最後の2曲をもっと強力なナンバーにすれば、印象はかなり変わったと思う。
絶賛はしたくはないが、悲嘆する要素もないといった評価が僕の感想である。
でも⑥~の中盤は、かなりいい出来である。
86点かな。


FAIR WARNING - Aura ★★ (2009-07-23 20:18:00)

求めるハードルは、段々と高くなっているハズなのに、この安定感は素晴らしい。
先ずは楽曲ありきのその姿勢が、デビュー以来全く変わらないのが、また素晴らしい。
1、2回聞いてラック行きのCDが多い中、彼らの作品はリピート率が凄く高い。
作品に流れる空気感が、僕は好きである。
彼らは過去のバンドではなく、現役なのである。
もっと、ファンの方には応援してもらいたいバンドの一つである。
本当は、今のシーンにとってすごく貴重な存在であることに、もっと気づいてもらいたい......。


FAIR WARNING - Brother's Keeper - Don't Keep Me Waiting ★★★ (2008-11-11 19:19:11)

彼らの中でも、かなり好きな楽曲。
ビッグ・イン・ジャパンという言葉を、僕は誇りに思う。
こんな良い曲が書けるバンドを評価できない人は、かわいそうである。
彼らのソングライティングのレベルの高さは、驚異である。


FAIR WARNING - Fair Warning (2017-11-19 14:13:05)

トミー・ハート参加のKee Of Heartsの作品を聞いてみた。
出来自体はまあまあといった感じで、その中でも印象に残ったのは②③であったりする。
この2曲に共通するのは哀愁度が強いといった点で、この作品の中では決してメインの要素ではない。
という事は、やっぱりトミーのVo.が冴えるのは、フェア・ウォーニングのサウンドなんだなと改めて感じた。

という事で、この作品久々に聞いてみた。
⑤のイントロが流れると、今でも胸が締め付けられる。
とにかく⑤~の展開は完璧である。
発売から25年が経過しているけど、もう何度聞いたのかも分からない。
だけど、今でも全く飽きるという感覚は生まれない。

楽曲の展開はスマートであり、シンプルである。
アーティストの1stアルバムに現れるマジックが、ここに存在している。
名作は、決して色あせない。


FAIR WARNING - Sundancer (2013-05-04 20:39:57)

何故こうなったのかのヒントは、メンバーの発言から窺い知る事ができる。
恐らくメンバーは意図していないであろう、「RAINMAKER」との共通点は、バラエティーに富んだ曲構成とアルバム全体の緊張感の無さに表現されている。

僕は、2ndにあたる「RAINMAKER」が彼らの作品の中では、一番好きではない。
だけど、好きな曲も数多くあり、結果的に楽曲のバラツキが好きではない最大の要因となっている。

この新作、僕はあまり気に入らなかった。
これまでの作品で、2ndを除く全作品に共通する、あくまでも楽曲をドラマティックに盛り上げるという曲作りと少し距離を置いて、この新作、普通のバンドと同じ視点で曲作りがなされている。
ここに、先ず違和感を感じる。
これを、人によってはフックが足りないと捉えるだろうし、メロディーが弱いと感じるかもしれない。

でも、これは彼らが意図したものであり、決して自然にこうなったのではないと僕は考える。
音楽性の拡散化という点では、前作「AURA」の延長線上とも言えなくもないけど、僕は違うと感じる。

久々の新作で、かなり楽しみにはしていたので、少々ガッカリ感はある。
だけど、彼らが残してきた輝かしい実績が変わることはない。
たった一枚の作品で、そのアーティスト自体の評価が下がるなんてことはないハズである。
これは、得てしての作風であり、決してコンポーザーとしての力が衰えた訳ではない。
これまでが、凄すぎただけなのである。


FATES WARNING - Parallels ★★ (2010-02-15 15:19:00)

クイーズライクを好きになって、~みたいなバンドを探そうとしたとき、真っ先に挙がってきそうなバンドである。
だけど、やっぱり良い意味でもそうでない意味でも、地味という言葉がピッタリはまってしまい、案外HR/HMファンからは正当な評価がされていない気もする。
楽曲は総じて渋く、曲にツボはきちんとあるが、ポップさキャッチーさには欠けるきらいはある。でも、クイーンズライクのようなバンドが好きであれば、十分この良さはわかるハズである。
個人的に今持っている音源は、これを含めて3作品だけど、そのなかでも一番お気に入りである。
もう少し、何か決定打があればいいんだけど...。


FIREHOUSE - Firehouse - Shake & Tumble ★★★ (2017-07-29 21:51:37)

この1stには、彼らを代表する名曲が数多く収録されているけど、それ以外の楽曲の平均的なレベルの高さがこの作品を名盤にさせたのである。
個人的には、その中でもこの曲や⑧が好きだった。
僕にとっては、思い出深いバンドであり、スキッド・ロウの1st同様当時の時代感を強く感じさせる作品である。

今聞いても、熱くなれる躍動感がこの作品にはある。


FIREHOUSE - Prime Time (2014-05-14 21:16:26)

CJ・スネア率いるRUBICON CROSSが、ようやく1stアルバムを発売した。

それがきっかけで、FIREHOUSEの中でも印象の薄い5th以降を聞き直してみた。
正直「カテゴリー5」の楽曲自体は、そんなに悪くない。
しかし、楽曲全体の元気の無さとセルフプロデュースによる問題点は、当時も気になる点だった。
どこでパワーバランスが崩壊したのか分からないけど、次作「O2」は彼らの作品の中でも、最も楽曲的に魅力を感じない作品だった。
当時もあまり聞いていなかった為か、CDなんて新品そのものである。

そして、この作品である。
この作品だけは、発売してから1年後ぐらいに買った記憶がある。
CJが居るのに、彼がVo.でない楽曲が3曲もある。
もうはっきり言って、バンドが末期的な状態である事は容易に想像できる。
音楽性も、どこに向かっているのかが全く分からない、拡散化である。
だけど、これをアメリカの市場と照らし合わせてみると、もう彼らの居場所は3nd以降全く無いわけで、バンド内の人間関係に始まり、もう終焉しか見えない状態になったのは仕方がなかったのかもしれない。
こういう作品を聞くたび、なんか複雑な気持ちになる。

広瀬さんのRUBICON CROSSへの高い評価は、CJに対するエールも多分に含むのかなあ~と、個人的には感じてしまう。
日本では、売れて欲しいなあ~。


FOREIGNER - Inside Information ★★ (2013-12-21 17:12:52)

当時、僕はHR/HMよりも、普通のロック・ポップス系作品の方を数多く聞いていた気がする。
所謂80年代というのは、僕にとっては黄金期であり、こういった聴き応えのある産業ロック的な作品も多く、別にHR/HMに拘らなくても、十分満足できる音楽シーンであった。

フォリナーと言えば、この作品という人も結構いるようで、実は僕もオンタイムで聞いたこの作品が一番印象に残っていたりする。
オンタイム......やっぱり、これは大事なことで、後追いで聞いた場合とは違うその時代の空気感があったりする。
彼らの場合、名盤扱いされるのは違う作品だけど、この作品だって僕にとっては名盤すぎる内容である。
優れたソングライターの実力を証明するバンド......それが、フォリナーである。


FUEL - Puppet Strings (2014-03-18 18:53:18)

前作から約7年振り、通算5枚目のオリジナルアルバム。
前作ではVo.のブレットが脱退して、新しいシンガーを入れてアルバムを制作。
しかし、今度はブレットが復帰したのはいいけれど、オリジナルメンバーは居なくなるという、彼らの順風満帆ではない活動履歴を証明するような感じで発表された新作。

メインソングライターがいなくなり、どうなるのか心配だったけど、これはこれでまあまあかな....という出来で、個人的にはなんとか合格点という感じである。
そりゃあ、名作と思っている3rdなんかと比較すると、聞き劣りする部分は多い。
音楽性もかなり変わってしまっていて、気だるさやラフな要素を強調したグランジ・オルタナ的感覚が、強くなっている。
もしこれが、ブレットがVo.でなければ、僕の場合あまり魅力がない作品になる。
結局は、カール・ベルとブレットがいてこそのFUELなんじゃないか、という結論になってしまうけど、楽曲の出来はそんなに悲観するレベルではない。

2ndや3rd路線を期待すると、肩透かしを喰らうであろう。
よくあるパターンではあるけど、やっぱりあの布陣で新作聞きたいね、正直に言えば....。


GAMMA RAY - Empire Of The Undead ★★ (2014-04-06 02:50:26)

彼らの全盛期は、4th~6thあたりだと僕は思っている。
あくまでも個人的な感覚だけど、8thアルバム「MAJESTIC」あたりから感じ始めた楽曲の弱さは、9th、10thと残念ながら回復する事はなかった。
途中にヘヴィさやモダンさを取り入れたり、原点回帰を試みたりと、バンド側も試行錯誤を試みていたので
そういう点は評価できると思うけど、キャッチーさを置き去りにしている楽曲には僕は正直不満があった。

約4年振りの新作、あまり期待はしていなかった。
結果から言えば、肩の力が抜けて随分バラエティーに富んだ楽曲で構成されている。
ある意味吹っ切れたのか、過去の典型的な路線の楽曲は少ない。
ここに物足りなさを感じる人も居るだろうけど、個人的には楽曲の幅が広がって面白くなったと思う。
少なくとも僕は8th以降では、一番好きである。

何処に彼ららしさを求めるのかによって、評価が分かれるかも知れない。
だけど、いい意味でのポップさの復活等、新たな魅力を見つけられる作品である。
これでいいと、僕は思うけど.....。


GODSMACK - 1000hp ★★ (2014-09-20 16:16:16)

前作も4年振り、そしてこの新作も実に4年振りである。
もう、ここ数作品に関しては特別に何の変化も無いので、この手にあまり興味が無い人が聴けば、全部同じでつまらないという感想が聞こえそうだけど、この手が好きな自分にとっては、相変わらず曲作りが上手いなあ~と感じてしまう新作である。

あえて路線も変えていないだろうし、もうこの手のバンドは逆に開き直っている感じもする。
全く路線を変えないのは、不器用なのか戦略なのか余程の自信があるのか真相は分からないけど、楽曲のクオリティーとしては全く落ちていないので、ソングライティングに関しては力があるバンドだと思う。

それにしても、安定感は抜群である。
それなら、もっとコンスタントに新作を出してくれてもいいのになあ~。
ちょっとひねった感じがある⑥~⑧が、個人的には好きである。
ファンなら、迷うことなく合格点ではないだろうか。


GODSMACK - The Oracle ★★★ (2012-03-03 22:14:26)

マンネリという言葉は、安易に使ってはいけない。
進化という言葉は便利だが、それを口実にバンドというのは、らしさを見失うのである。
不必要な変化......それは決して進化ではない。

同じ路線で良い楽曲を書き続ける事が出来る凄さを、もっと理解してもらいたい。
彼らは路線を変えない。
でも、そこには見えない努力の跡があるのである。

目新しさは、全くない。
でも、ここまで安定した楽曲を供給できる才能は、もっと評価されても良いのでは......。
例えアーティストにとっての得意分野であっても、それは簡単な事ではない。
それにしても、らしい作品である。


GODSMACK - When Legends Rise ★★★ (2018-05-03 19:53:16)

元々、作品と作品のインターバルが長いバンドだけど、今回も約4年ぶりの新作である。
音楽性も楽曲自体も変わらないバンドだけど、今作は音作りがワイドでライブ感が強いので、新鮮味がある。
いつもよりダイナミックさがあり、いい意味でラフさを残しているので、いつもと感覚が違うというか、心に響いてくる部分が単純に多い。

僕はずっと追いかけているけど、これはいいね。
いつもと、どこが違うのか......ファンの方なら分かるハズである。
久々にスケール感を、感じた気がする。
プロダクションの違いは、大きいね。
⑥が一番好きかな。


GRAND DESIGN - Thrill of the Night ★★ (2014-11-30 18:39:53)

全く期待もせず聞いたためか、良い意味で今年最も裏切られた作品になった。
DEF LEPPARDに似たバンドという予備知識は持ってはいたけれど、1stも2ndも購入していないし、実は一曲も聞いたことがなかった。

僕は②のインパクトが強かったのでこの1曲の為に購入したけど、これが案外良い出来なのである。
確かにDEF LEPPARDに似ている部分は多い。
楽曲によっては、あのバンドにも似ていると正直感じる。
また、人によっては、あれもこれもパクリじゃないかと感じるかも知れない。

だけど、楽曲の平均的な出来が良く、そういったマイナス的な要素を打ち消す魅力がある。
よくあるタイプとも言えなくもないし、個性的とはあまり言えないけれど、スルーするにはもったいない出来だと僕は思う。

個人的には、②③が特に好きである。
数年後、隠れた名盤としてこの作品を挙げる人が居ても、おかしくはない。


GUNS N' ROSES - Chinese Democracy ★★ (2008-11-24 18:58:00)

メタリカの新作とこのガンズの新作のレヴューを見て、僕は感じることがある。
両者の新作が、今年の目玉であることは間違いない。
個人的な感覚としての、新作の出来が良かろうが悪かろうが、新作がこうあって欲しかったという欲求が、彼らに限ったことではないが、最近のレヴューにあまり感じられない。
ファンだから、何でも許せるという感覚は僕にも充分理解できるが、元来「こだわり」を強く持つハズのHR/HMファンに、こだわりは無くなってしまったのであろうか...........。
この新作、僕も出来は悪くないと思う。比較的キャッチーな要素を持つ、①~④の流れは理想的である。しかし⑤~⑩あたりに、もっとメロディーの強い楽曲が数曲あっても良かった気がする。
デモ音源が出回ったり、既にコンサート等で発表された楽曲もあり、新鮮さには乏しいが、全体的な感触は決して悪くない。
アクセルがこのバンド名を使用するのに抵抗感は正直強いが、思ったよりモダンさは強調されておらず、昔からのファンの方にも分かり易いメロディーがここにある。
全楽曲が、実に丁寧に作られている。ヘッドフォンで集中して聴くべし。


GUNS N' ROSES - Chinese Democracy - Street of Dreams ★★★ (2008-11-24 19:20:49)

現時点では、この作品で一番好きな曲。アクセルのVo.が冴えまくる。


HANOI ROCKS - Another Hostile Takeover ★★ (2009-04-06 17:28:00)

BURRN!のインタビュー内容は、強烈だった。
マイケルは人間的な部分で興味はあったが、やっぱり深かった......。
ハノイ・ロックスがここ日本において、どれだけ人気があったのかが、僕は感覚としてずっとつかめなかった。
個人的には、再始動後の作品の方が断然聴いている。
この作品も、結果として案外よく聴いている。楽曲も、ポップでありいい出来である。
お金のためだけの再始動、それもある意味仕方ない。
でも、そこはプロとして、割り切って活動して欲しい。
ファンの心理を逆手にとって、適当に演奏しているバンドが圧倒的に多い。
それを、マイケルはズバッと射抜いている。
実に彼らしい発言で、僕は再評価すべきバンドだと強く思った。
なんか、すごくもったいない.......感じがする。
やっぱり、人間性は重要である。


HARDCORE SUPERSTAR - Dreamin' in a Casket ★★ (2015-04-21 18:02:51)

こういったバンドが、いまいち日本でブレイク出来ていない原因は幾つか考えられるけど、例えばバンドの紹介の仕方にもちょっと工夫が必要な気がする。
80年代的と言えば、確かにそんな感じなんだけど、僕なんかはSweden出身のR&Rバンドというと音を聞かずとも、やっぱり本家アメリカのバンドには敵わないという印象になってしまって、しかもあの80年代バンド達と比較すると、空気感が違っているという印象で、積極的に手を出しづらい感じになってしまう。

彼らの作品は、数枚しか持っていないけど、この作品なんかはその中でも一番好きかも知れない。
サウンドプロダクションも良好であり、楽曲には躍動感があり、アメリカのバンドには出せない味がある。
ありそうでないというか、楽曲が単純に流れないという点が、こういったアメリカ以外のバンドの強みである気がする。
楽曲におけるキャッチーさという点では、もう一つという感じはするけれど、アルバムの統一感がプラスに働いていて、一枚の作品としては非常に良い出来であると思う。

良い意味で、しつこめのVo.等は、あの時代のあのバンドを想像させる訳で、そういった意味では懐かしさもあり、不思議な魅力がある。
時代に埋もれるには、もったいない作品である。


HAREM SCAREM - Hope ★★ (2008-07-08 19:34:00)

タイトルがなんとも皮肉に感じたりもするけど、僕は結構好きですね。楽曲によっては、あの名作2ndの楽曲のフレーズが出てきたり、相変わらず曲作りの上手さを感じます。
振り返ってみると、彼らはずっと(一時期を除く)この路線で勝負してきたわけで、ある意味ここらでちょっと休ませてあげてもいいかな~と、個人的に感じる部分もあったりします。
やっぱり、あの時期がなければ・・・・・・もっと、彼らのポジションは上だった気がするけど、こういった音楽が脚光を浴びない今の音楽シーンでは、ある意味仕方がないですね。
ここまで平均点が高い作品が作れるのに、なんかおかしいですよ今の音楽シーンは....。作りこむ音楽、言い換えれば作るのがしんどい音楽、僕は好きです。


HAREM SCAREM - United ★★★ (2017-05-11 20:35:57)

恐らく、多くのファンが求めるこのバンドの理想形に、限りなく近い内容の新作である。
ある意味、名作と呼ばれる2ndよりも楽曲の平均値は高いかも知れない。
分厚いコーラスを多用したサウンドはダイナミックだし、なんせ彼らにずっと欠けていた躍動感が復活した事が何より嬉しい。

楽曲は、2ndのようにストレートには展開しない。
でも、それは単純に2ndの再現を試みていない事を表しており、故に僕の評価が高い理由でもある。
楽曲はよく練られているし、同時に集大成的な要素を多分に含んでいる。
決してダークではないけれど、3rdの良さが分かる人にもアピール出来る内容であると思う。

もしこれで評価されないなら、バンドは何処へ向かっていけば良いのだろう。
僕は、結構お気に入りである。
焦点を絞れば、名作は生まれるのである。


HEATHEN - The Evolution of Chaos ★★ (2010-03-25 14:41:00)

ベイエリアと言えば、僕の中ではある意味B級的な雰囲気と、しつこい展開力が魅力的だったりするんだけど、この作品にはその要素がありながら、安っぽく仕上がっていない点が良いと思う。
ARTILLERYとの類似点もあるし、それは言いかえれば典型的なベイエリアサウンドだとも言えると思うけど、なんか昔を感じさせながら、サウンドは現代風の重さがありと、楽曲の良さも含めなかなかの出来だと僕も思う。
個人的には③がベストトラックで、こういうお決まりの展開がもう2曲ぐらいあれば最高だったけど、硬派な要素が多い分、多くのHR/HMファンにアピール出来る魅力はあると思う。
それにしても、久々でこの完成度は、ホントにすごいバンドである。


HELLOWEEN (2013-02-10 18:14:07)

2013年になって、購入したアルバムはまだ少ないけど、新作「STRAIGHT OUT OF HELL」の出来は、僕の中では断トツでNo.1である。
僕は彼らの作品の全てが好きなわけではないし、中には嫌いな作品も結構ある。
にも関わらず、浮き沈みがありながらも、メンバーチェンジを繰り返しながらも、これだけのキャリアがありながらも、ソングライティング面を含めて未だに限界を感じさせない所が凄い。

僕は、彼らをほぼオンタイムで経験している。
個人的にはマイケル・キスクに強い思い入れがあって、キーパー時代こそがHELLOWEENだという認識がずっと強かったけど、考えてみればアンディを獲得したからこそ、彼らは復活する事が出来たわけであり、今や自分の中ではアンディ時代こそが一番という認識に変わってきている。

また、ソングライティング面で言えば、現在が一番バランスが取れている気がする。
アンディは器用でバランス感覚に長けてるし、ヴァイカートは安心感をもたらしてくれる存在だし、サシャに至っては成長著しいし、マーカスは今やキーパーソンと言える存在感だし、さあどこからでも曲はできますよという余裕感がバンド内にあるのは、これはバンドにとってすごい武器である。

最新作は、流れを含めて僕は非常に気に入っていて、曲を練り上げる姿勢といい、彼らの存在感を証明する内容で、改めて彼らの凄さを感じさせる大傑作であると思う。
HELLOWEEN.......僕の中では、間違いなく数少ない大物バンドの一角である。


HELLOWEEN - 7 Sinners ★★★ (2013-03-26 21:59:32)

彼らの歴史の中では、比較的地味な印象の作品になってはいるけど、統一感もあり僕は結構好きだったりする。
また、ソングライティング面においては、無理をせず背伸びせずという感じではあるけど、現メンバーの実力がさりげなく発揮されていて、実はすごいバンドなんだと再認識するには、もってこいの作品かも知れない。
こういう地味な印象の作品でも、やっぱり楽曲は良いのである。
個々の楽曲のインパクトという点では、昔の方が強かったけど、楽曲の平均的なレベルで言えば、全く衰えを感じさせない所が何といっても凄い。

曲作りにおいてアンディは、実はマーカスがキーポイントになっていると語っていたけど、全く同感である。
このアルバムのアクセントになっているのも、やっぱりマーカスなのである。
名曲の多さで言えば、現役のバンドの中でも、ハロウィンは間違いなくトップクラスである。


HELLOWEEN - Better Than Raw (2014-03-11 21:42:13)

彼らの作品の中では、個人的にはあまり好きではない作品。
だけど、「Midnight Sun」を聞きたいが為に、定期的に引っ張りだす。
そうは言っても、飛ばして聞くことはあまりないので、この曲が登場するまでは少し我慢の時間に入る。
そして、ようやく最後に登場するんだけど、この瞬間が実にたまらない。
待ってました、と言わんばかりに、何故かガッツポーズをしたくなる。

こういった感覚を持てる楽曲というのは、実はそんなに多くない。
だけどHELLOWEENというバンドは、そういう楽曲を数多く持つバンドである。
日本では記録も多少残っているとは思うけど、どちらかと言えば記録よりも記憶に残るバンドの代表格である。
名曲を数多く持つ、現役最強クラスのソングライターチームでもある。
これだけのキャリアがありながら、まだまだ現役バリバリである所は実に頼もしい。


HELLOWEEN - My God-Given Right ★★★ (2015-05-29 21:58:55)

もし、これが何の意図もなく出来上がった作品ならば、問題作とも言える内容かも知れないけど、僕の考えでは、彼らがあるコンセプトを持って作った作品であり、結果的には彼らのやる気と懐の深さを証明する力作に仕上がっていると思う。

僕は「Gambling~」「7 Sinners」そして前作「Straight~」を3部作と呼ぶくらい気に入っていて、3度目の黄金期の到来と感じている。
それは、自分たちの枠を設定しない自由な環境の下での曲作りが成し得た結果であると同時に、らしさを保ちつつ、キャッチーさを優先した曲作りを行った結果でもあると思う。
唯一「7 Sinners」だけは、コンセプト作であった為、楽曲は比較的地味であり統一性を重視した内容であったけど、それでもキャッチーさは大事にしていたと思う。

この新作、敢えて目先を変えてきた感覚が強く、それは大まかに言えば同じコンセプトで3作品似たような作品を作ってきたわけだから、ちょっと違うアプローチで試してきた感じがする。
恐らく、前作のような作品を作る事は彼らとっては簡単な事であり、勿論そのような選択肢もあるんだけど、ベテランでありながらも守りに入ることなく、まだまだ攻撃的に攻めていこうとする姿勢は、ある意味凄い事だと僕は思う。

別の角度からのアプローチ.......である為、聞き方によってはキャッチーさが足りないと感じるかもしれない。
それが、イマイチという評価に結びつくかも知れない.......。
だけど、自分たちはまだまだ現役バリバリであるという強い主張は、実に頼もしく貫禄さえ感じてしまう。

アンディ時代の独特のキャッチーさは、正直少ない。
だけど、敢えてこういう作品を作ってくるHELLOWEENというバンドは、実に奥深い。
従来の作品とは一線を画すこの新作、HELLOWEENらしさとは何なのかを問うには、もってこいである。
このソングライティング力は、やっぱり単純に凄い。


HELLOWEEN - My God-Given Right ★★★ (2015-06-06 22:16:14)

世間での評価が高い前作との相違点を探って見れば、この新作の核心に近づける気がする。
勿論、共通点もあるけど、一体、どこが違うのか。

アルバムの統一性という点では、この新作の方が上だし、まとまりに関しても上のような気がする。
1曲1曲のインパクトという点では、前作には劣るけど、だからといって楽曲自体の出来は決して負けていない所が、何と言っても凄い所である。
地味というとマイナスに感じる人も居るだろうけど、実は敢えて抑えている部分もあって、ダイナミックさをある意味犠牲にしながらも、「らしさの再発見」と言うか、自分たちの魅力を未だに見つけようとしている点は、バンド自身のやる気の成せる技である気がする。

僕はアルバムをランダムで聞くのがあまり好きでないけど、この曲順と構成はよく練られていると思う。
シングルの寄せ集めではなく、アルバム一枚全体で聞かすという点では、最近で言えば「7 Sinners」に近く、まとまりという点では、彼らの作品の中でもかなり上位にランクする作品である。


HELLOWEEN - My God-Given Right - Claws ★★★ (2015-07-06 16:11:18)

この曲も、この作品において重要な気がする。
結局、この作品におけるキーパーソンはヴァイキーである。

⑨と⑫、特にこの2曲が後半に控えているという構成が、前半のある意味ポップ過ぎる展開を上手く引き締めているように思う。
誰でもキーパーソンになれる今の彼らは、結構凄い集団だと思う。


HELLOWEEN - My God-Given Right - Creatures in Heaven ★★★ (2015-06-28 08:15:16)

ここ数作品では、マーカスの楽曲がキーポイントになっていたけど、この新作ではアンディとヴァイキーの楽曲が、その役割を果たしている。
その中でも、この曲が9曲目に収録されている事によって、このアルバムをギュッと引き締めている。
③~⑦のアンディ節炸裂のポップな側面、⑨~⑬の硬派な側面、キャッチーではあるけど単純ではない、今のHELLOWEENの魅力が、わかりやすく表現されている。

勿論、このアルバムのベストトラックである。


HELLOWEEN - My God-Given Right - Living on the Edge ★★★ (2015-07-06 21:04:45)

近作ではキーポイントになっている、マーカスのこの曲も実にいい。
⑪に収録されていなければ、もっと目立ったと思うけど、後半の畳み掛ける展開には必要不可欠であり、この後半こそがこのバンドの底力を証明しているように感じる。
前半のアンディの器用さと⑧~の全員のソングライティング力、これは他のバンドでは味わえないね、ホントに。


HELLOWEEN - Straight out of Hell ★★★ (2013-01-21 17:49:10)

このバンドには、いつの時代にも複数のソングライターが存在している。
これだけのキャリアがありながら、マンネリという状況に陥らない理由の一つが、そこにある。

振り返れば「GAMBLING~」は、新生HELLOWEENを象徴するべく、従来の自分たちの型に捉われないバラエティーに富んだ楽曲で構成されていた。
前作「7 SINNERS」も路線は大きく変えず、メタリック感を増強させながら、ポップな部分を限りなく抑えた作品だった。
それでも、地味ながらも作品の出来は悪くはなかった。

この新作、質感は前作と前々作の中間といった感じで、バンドが安定期に入っている事を作風自体が証明している。
楽曲はバラエティーに富んでいるし、メタリック感も強い。
極論を言ってしまえば、例え誰のどんな楽曲であろうと、今のメンバーでアルバムを作れば、HELLOWEENらしくなるという方程式を掴んだ感じさえする。
この高い完成度は、マーカスやサシャのコンポーザーとしての実力が上がってきたのは勿論、楽曲を磨いていくという作業がバンド内で上手くいっているからである様に思う。

それにしても、楽曲のレベルは高い。
クレジットを見ないと、誰の楽曲かが分かりにくくなってきている現象は大きなプラスポイントである。
ベテランでありながらも、新生HELLOWEENの集大成である。


HELLOWEEN - Straight out of Hell - Another Shot of Life ★★★ (2013-01-28 19:57:48)

この曲なんかも、ボーナストラック的な扱いなんだけど、どこか寂しく、哀愁が楽曲に散りばめられていて僕は凄く好きですね。
ポジティブと言っても、そこにはらしさが立派にあって、いい意味での陰がきちんとあります。
今度の新作のポイントは実はそういう所にあって、楽曲に深みがあって単純でない所がかなり気に入ってます。
楽曲を変にいじくる訳ではなくて、アクセントを付ける上手さが際立っていると僕は思います。

楽曲の組み立て方の上手さなんて、今が一番と思わせるぐらいの説得力があります。


HELLOWEEN - The Time of the Oath ★★★ (2012-01-28 21:07:52)

あの暗黒の時代、96年発売である。
90年代中期~後期にかけては、僕にとってはホントに辛い時代だった。
大物バンドまでもが、自分らしさを失っていくまさにどん底の時代である。

だからかも知れないけど、このアルバムを聴くと当時のシーンを思い出す。
何故だか、結構鮮明に覚えていたりするから、不思議である。

僕はこの年のベストアルバムに、この作品を選んでいる。
ハロウィンの復活という意味より、総崩れ状態にあるシーンの中でよくぞここまでの作品を作ってくれたという感覚が強く、この作品には何か人一倍の思い入れがある。
オンタイムで聞いた人には、この感覚が少しは分かってくれるハズ。

バラエティーには富んでいるし、サウンドプロダクションも最高とは言い難い。
だけど、今でも何回聞いても熱いものが込み上げてくる........。
緊張感のある作品である。


HINDER - Extreme Behavior ★★ (2008-11-19 17:34:00)

はっきりいって、質の高い楽曲がズラリと並ぶ名盤である。
でもHR/HMというジャンルに分類するには、もったいない作品である。
現在のアメリカ主流のモダン・ロックに、あまり馴染みがない人にも十分通じるメロディーがここにある。キャッチーという表現よりも、ツボを押さえたという表現が似合うかもしれない。
こういう比較的ノーマルなロックが、好きな人には必聴の作品である。
ニッケルバックよりも地味だけど、渋みはこちらの方が上である。


HOLY GRAIL - Times of Pride and Peril ★★ (2016-03-04 17:39:29)

こういったバンドの最大の良さは、いい意味で安っぽいサウンドとその哀愁具合であったりする。
基本はポップなHRであり、80年代には腐る程存在していたタイプではあるけど、こういったサウンドが好きな自分には、たまらない魅力があるのは事実である。
あのバンドやあのバンドに似ているといった批判も聞こえてきそうだけど、それらを吹き飛ばす程の爽快感がある。

B級だよ...だから...むしろ、それこそが、このバンドの最大の魅力のハズ...。

分かる人には、分かると思うけどね。


HOOBASTANK ★★ (2012-09-25 16:32:46)

新作を聞いてみたけど、ともすればまた3rdみたいな賛否が分かれそうな作風で少し驚いた。
だけど、僕はこの内容には納得できる気がする。

振り返ってみると、前作4thはバンドにとって、かなり苦労した作品であったハズである。
3rdは確かに力作ではあったけど、その分かりにくさゆえセールスもイマイチで評価も芳しくなかった。
方向性をどうするのか、楽曲をどう磨くのか......その苦労の跡は、良い意味で作品自体の完成度に表現されていた。
ポップでキャッチーな要素は、見事に復活し、よしこれで安泰だと僕は思った。

しかし、新作は前作の流れを引き継いではいない。
だけど、これは敢えての作風であり、迷いからきた結果ではない。
ここが重要である。
「ありのまま」......前作のように、楽曲をポップやキャッチーに仕上げてはいない。
でもこれは、あえてそのままにしたというか、完璧に煮詰めていないだけである。
ソングライターとしての実力があるから、これでも楽曲の出来は悪くないのである。

前作の揺り戻しというか、それが分かりやすく出ているだけである。
ハードなナンバーが少なめな所も、妙な計算が無い事を証明している。


HOOBASTANK - For(n)ever ★★ (2009-02-08 17:55:00)

振り返れば、前作はとっつきにくい作品であった。
作風の大幅な変更に、キャッチーでない楽曲、繰り返し聴くことはなかった。
正直あまり期待はしていなかったが、この新作なかなか良いのである。
2ndに一番近いと思うが、勢いのあるキャッチーな楽曲に、らしさは完全に復活している。
楽曲そのものの出来も良く、かなり苦労の跡はうかがえる内容である。
セールス的に失敗した後の新作........順調にきたバンドの、真の実力が試されるのが、この瞬間である。
どういった、作品を作るのか.........。
実は、作風はあまり関係がないのである。肝心なのは、楽曲そのものなのである。
バンドの真剣さが、ストレートに伝わる熱い作品である。
少なくとも、1st、2ndが好きな人は、必聴である。
こういった良い意味での予想外は、実に気持ちいい......。


Hone Your Sense - Absolute Senses ★★★ (2014-08-22 15:51:34)

THOUSAND EYES同様、日本発という言葉を意識しないで済むバンドの待望の1stアルバムである。
メタルコアに属しながらも、メロディック・デスでもあり、普遍的なメタルでもあり、その他のジャンルも同時に巻き込んでくる、ミクスチャー的要素が隠し味的に含まれる音楽性である。
もうこの手のメタルコアを聞いて、個人的にはあまり魅かれる事はないんだけど、話題性もあり日本発のバンドがどこまでやれるのかに興味があって購入したけど、これがなかなか良かったりする。
日本発のバンドにありがちな迫力不足という感じが無く、とにかく楽曲が良く出来ていて、単純に流れないようフックを多めに仕込んだサウンドに仕上がっている。
全体としても、楽曲が総じてキャッチーなので、この手のジャンルにあまり興味がない人にも、何かしらアピールできる魅力がある。
今はメタルコアのファンが多いと思うけど、HR/HMファンにも十分通じる楽曲は、単純にかっこいい。

これは、いいね。
キャッチーな楽曲が書ける.......個人的には、ここが一番の魅力に感じる。


ILL NINO ★★★ (2012-07-11 06:48:23)

アルバム「Dead New World」の出来は良かった。
あの独特なvo.とパーカッションを多用したサウンド、音楽的方向性には何の変化もない。
ではどこが違うとかと言えば、それは単純に楽曲の出来の良さである。

この作品今まで以上に、いろいろな要素が加わっている。
自分たちの個性だけに頼るのではなく、今の音楽シーンの流行りの要素を加えながら、HRの普遍的な魅力も同時に加味するという力の入れ方である。
その結果、楽曲にはキャッチーさが加わり、サウンドには深さが増大している。
 
僕は彼らの最高傑作であると断言したい。
コアに走らなくても、魅力的な作品は作れるのである。

個性的でありながら、楽曲の出来もいい
こういう作品が、あまり注目されていない事が、なんか寂しい。
僕は新作を、密かに楽しみにしている。


ILL NINO - Till Death, La Familia ★★★ (2014-07-28 21:00:38)

前作から約2年振り、通算7枚目のオリジナルアルバム。
個人的には、前々作にあたる「Dead New World」が非常に気に入っていて、前作「Epidemia」も実は即行購入してるんだけど、ヘヴィさばかりが目立ってあまり気に入らなかった。

この新作、質感で言えば前々作と前作の中間といった感じだけど、キャッチーさが復活していて、ヘヴィではあるけれど楽曲の出来も悪くないと僕は感じる。
もう「Confession」の頃のような、ポップさは少なくなっているけれど、メタルコアでもありオルタナ・メタルでもある多様性のあるサウンドには磨きがかかり格好よく、個人的には今の彼らの方が好きである。
それにしても、コンスタントに新作を発売する姿勢や内容の安定感は、もっと評価されてもいい気がする。
今や日本なんかより、海外での評価が高い点は、なんか寂しいね。


IMPELLITTERI ★★ (2009-02-06 18:59:00)

最近は予約してCDを購入するなんて、年間でも数枚しかない。でも、久々に予約した。
僕はまだ、新作からの音源は1曲も聞いてない。楽しみに、待っておこうと思う。
やっぱり、ロブでしょ。インペリテリは。
やってくれるでしょ。


IMPELLITTERI - Answer to the Master ★★ (2009-03-06 17:54:00)

一枚の作品としては、「スクリーミング~」の方が圧倒的に、完成度は高い。
しかし、楽曲を個別に見ていけば、あの名作の楽曲を上回る楽曲が多数収録されていたりするから、ファンなら侮れない作品である。
特に前半のテンションの高さは、圧巻である。
この作品もバラエティーには富んでいるが、芯はしっかりしているので、散漫さは全く感じさせない。
もしかしたら、新作もこういうバラエティーさだったら、良かったのかも知れない。
意外にコメント数が少ないが、僕は2番目に好きな作品である。
ある意味、この狭いフィールドこそが、彼らの最大の武器ではないのか......。


IMPELLITTERI - Venom ★★ (2015-03-12 20:58:50)

前作から、約6年振りの新作である。
僕は、前作を意欲作であり力作だと思っている。
ダイナミックなプロダクションを含め、サウンドには躍動感があり、そこはかなり気に入っていた。

結論から言えば、この新作、僕は結構好きである。
彼らは、元々狭いフィールドの中で戦っているバンドであり、その中でも疑似バンド達を圧倒できる力があるのだから、もっと開き直って焦点を絞れば良い作品が出来ると思っていたけど、この作品ある意味名作である「Screaming Symphony」と同じ香りがする。
前作から一転、幅を狭めてきた感覚が強く、過去の楽曲のフレーズも多く登場し、それは嬉しい誤算でもある。

そうはいっても、ハードルは上げ過ぎないで欲しい。
少なくとも「Screaming Symphony」から、もう20年が経とうとしているのである。
今やれる事という視点から捉えれば、前作以上の説得力があり充実感がある。
この新作で感じた事は、本家はやっぱり本家の路線が似合うという事である。
モダンさは勿論あるけど、なんか懐かしいね、このサウンドは。


IMPELLITTERI - Wicked Maiden ★★ (2009-03-06 17:21:00)

クリスのインタビュー記事を読めば、このサウンドの鍵がわかるハズである。
ロブが復帰し、僕もかなり期待していたが、残念ながらあの「スクリーミング~」路線ではなかった。
クリスは、ある意味正直すぎる人である。
雰囲気的には、ファンの期待する昔のあの音楽性を軸に置きながら、音楽性は拡散化の傾向という最近の姿に、変更はない.........。
もし、あの「スクリーミング~」路線でいいんだと、完全に開き直っていたならば、名作が誕生した可能性は正直高い。
意欲作であるというのは、サウンドの躍動感に十分感じる事ができる。
だから、もったいない.........。
5分5分という良いとこどり.........という考え方は、結果的に煮え切らない作品になるという、典型的な例なのかも知れない。厳しい言い方だけど。
でも、ロブのVo.やクリスのギターは決して悪くはない。
恐らく変に意識しなければ、クリスの場合「スクリーミング~」路線の楽曲は、簡単に書けそうな気がするのは、僕だけだろうか.........。