来日公演を見てきました。「良くも悪くもスタジオ・ミュージシャンが集まったバンド」という イメージが強かったのですが、かなりしっかりとしたライブを見せてくれたので大満足。 特にミカエル・アンダーソンが、あそこまでしっかり歌えるシンガーだったとは嬉しい驚きでした。 てっきり、経験値の少なさからメロメロな歌唱を披露してしまうものとばかり・・・。 また、ファンによる“ROCK'N ROLL IS SAVING MY SOUL"のサビの合唱シーンは、 ミカエルでなくとも感動してしまう、ショウのハイライト的な場面として非常に印象に残りましたね。 唯一の不満は、アンコールなしで1時間弱と、公演時間がえらく短かった点でしょうか。
タイトルといい、アートワークといい、暑苦し・・・もとい、劇的な楽曲の数々といい、ファンは忠誠を誓い、興味の無い人間は失笑を漏らすMANOWARというバンドの一番「濃い」部分をグツグツと煮詰めたかのような、アクの強くてマッチョな作風を誇る'89年発表の6thアルバム。 個人的に初めて買ったMANOWARのアルバムであり、HELLOWEENの『守護神伝 第2章』やRIOTの『THUNDERSTEEL』と並んでメタルに本格的にハマる切っ掛けとなった1枚だけに思い入れも一入なんだけど、その辺の贔屓目を抜きにしても本作のクオリティは『HAIL TO ENGLAND』『SIGN OF THE HAMMER』等の傑作群に匹敵する高さ。(・・・じゃないかな、と) CD用ボーナス・トラック⑦がちと弱いが(ネタ曲としては満点)、それ以外は、スラッシーな疾走感とダイナミックなサビメロが圧倒的興奮を生む①に始まり、ラストを締める、余りに大袈裟で芝居がかった展開が笑いと感動を呼ぶ組曲⑨~⑩まで、全編これ捨て曲なし。中でもエリック・アダムスの熱唱が胸焦がす大ヒット・バラード③、100人からの男性コーラス隊が参加した荘厳且つ厳粛極まる⑤、そして劇的にしてキャッチーな(来日公演でも物騒な「HAIL&KILL」コールを巻き起こした)本編のハイライト・チューン⑧といった楽曲のカッコ良さは鳥肌モノ。 また今回特に注目すべきは、これを最後にバンドから脱退するロス・ザ・ボスのGプレイ。一般的に、ジョーイ・ディマイオの作る楽曲と、エリック・アダムスの超絶歌唱があれば、それでMANOWARサウンドは成立するというのがファンの共通認識なれど、このアルバム以前と以後とで、その作風が微妙に変質していく事を鑑みるに「やはりオリジナル・メンバーのロスの存在って重要だったんだな~」と、その豪快さと繊細さを併せ持つGプレイを聴きながらしみじみと実感させられます。 ロス・ザ・ボス在籍時代の集大成とも言える、気合の入った傑作。
傑作です(断言)。直球勝負のタイトルも頼もしいこの12thアルバムは、名作と名高い3rd『SET THE WORLD ON FIRE』以来、 久々にポップ・フィールドにまで曲作りの幅を広げたバラエティ豊かな作風ながら、「らしさ」もしっかりと維持した ANNIHILATORのここ数作のアルバムの中でも、ズバ抜けてハイクオリティな内容に仕上がっている。 マイケル・アモット、アレキシ・ライホ、イェスパー・ストロムブラッドら、キラ星の如く参加している ゲスト・ミュージシャン勢に何かと話題が集まりがちな作品なれど(全員、非常に良い仕事をしてくれていますが)、 それ以上に印象に残るは、メロディの素晴しさ。特に叙情的でキャッチーな歌メロが抜群に良い。その好例が、 憂いを帯びたメロディが軽快に疾走する、名曲“SOUND GOOD TO ME"を彷彿とさせる②や、バックの演奏はアグレッシブなのに その上に乗る歌メロはフックに富みキャッチーというミスマッチ感が楽しい⑤だろうか。 勿論、OPとEDを〆る高速スラッシュ・チューン①⑩を始め、ANNIHILATOR節が炸裂するダイナミックな④⑥⑧、 そして本編の白眉たる、スラッシーな疾走感/キャッチーなメロディ/ドラマチックな曲展開と、全てを兼ね備えた名曲⑦の カッコ良さは言うに及ばず。(ボーナス・トラックがEXCITERの名曲“HEAVY METAL MANIAC"ってのもナイスです) 3rd『SET~』以来、ANNIHILATORをお見限りだったメタル・ファンをも振り向かせる説得力を持った1枚ではなかろうか。 ・・・と絶賛しておいて最後に不満点を1つ。それは相変わらず芯の(熱さの)感じられないデイヴ・パッデンの薄味なVo。 アルバム3枚連続登板はこのバンドのフロントマン史上初の快挙だが、ダンコ・ジョーンズにアンジェラ・ゴソウ、 ダン・ビーラーにジェフ・ウォーターズという強烈な個性を備えたシンガー達に比べると、その存在感はかなり薄い。 このアルバム、例えばジョー・コミュー辺りが歌ってくれればもっと凄いアルバムになったような気がするのは俺だけか。
3rdアルバムのOPでガツンとカマされる、雄々しいサビメロと、 ドスの効いたコーラスの対比が最高な超名曲。 3rd収録バージョンも勿論良いが、個人的にイチオシなのは 『PLUG IN AND HANG ON』収録のライブ・バージョン。 ドラマチックな“MARCH OR DIE"のエンディングを ググ~ッと引っ張ってから、本曲のイントロ・リフが ドカンと炸裂する場面は、失禁モノのカッコ良さを誇る。必聴。