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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 5301-5400

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 5301-5400

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MADISON - Best in Show ★★ (2009-07-28 00:28:00)

北欧メタル史に燦然と輝く名曲“RAY DOWN YOUR ARMS"を収録したデビュー作『DIAMOND MISTRESSで、
多くの北欧メタル・マニアのハートを鷲掴みにしたMADISONが、'86年に発表した2ndアルバム。
ポップ化が進んだ作風に賛否両論あったため、購入にはかなり躊躇した覚えもあるのだが、実際に聴いてみれば
これが、以前よりもグッと技量を高めたヨラン・エドマンのクリスタルなハイトーンVoが心地良い
哀メロ・チューン①を筆頭に、透明感と美旋律満載の「これぞ北欧メタル!」な内容に仕上がっており、ホッと一安心。
僅か12日間で突貫レコーディングされ、NWOBHM的な野暮ったさも漂っていたデビュー作に比べると、今回は予算と
制作期間に余裕があったせいか、サウンド・プロダクションが格段に向上。それゆえ、ヘヴィ・メタリックな
ハードネスは若干減退した印象は否めないが、ヨランの歌唱を楽曲の中心に据え、煌びやかなKeyをフィーチュアして
格段に洗練の度合いを高めたサウンドのクオリティは、名盤と謳われる前作と比較したって決して聴き劣りはしない。
中でも前述のOPナンバー①や、強烈なクサメロに思わず悶絶する②、そしてアルバムのハイライト足る、
序曲⑤に始まり、悲哀と感動に満ちた名バラード⑥を経て、GとKeyが激しいバトルを繰り広げる
様式美ナンバー⑦へと繋がっていく流れは、何度聴いても心震わされる素晴しさ。
後半、楽曲のクオリティが尻すぼみになってしまう事など問題点も多々あれど、とりあえず
北欧メタル・ファンなら当然のように「買い」の1枚かと。


THE RODS - Wild Dogs ★★ (2009-07-20 22:28:00)

都会的なクールさ漂う硬派な楽曲に、活きの良いパフォーマンス(おまけに激渋なアートワーク)が
詰め込まれたセルフ・タイトルのデビュー作がNWOBHMに沸く英国で高く評価され、ここ日本でもマニア筋から
「西のY&T、東のTHE RODS」と並び称されたパワー・トリオが、'83年に発表した2ndアルバム。
彼らを語る上で外せない名曲“POWER LOVER"級のキラー・チューンは、残念ながら本作には見当たらないし、
前作に比べると、若干ワイルドさが薄れた気がしなくもないが、代わりに重厚感溢れる硬質な楽曲はHM度が大増量。
特に、メタリックに刻まれるGリフがイカス②、重たい杭が打ち込まれるかの如き③、タイトル通りの
猛々しさを誇る(タイトル・トラックでもある)⑤、VANILLA FUDGEのカヴァーながら違和感なくハマってる⑥、
そして男泣きを誘う熱き名曲⑧といったミドル~スロー・ナンバーのカッコ良さは前作以上といっても
過言ではないかと。(勿論、⑩のようなアップテンポの楽曲のカッコ良さも相変わらず)
1st『THE RODS』のイメージ・カラーをクールな「青」とするなら、本作はまさに燃える「赤」。
HM黎明期を代表する名盤でもある前作の陰に隠れて、知名度的にはイマイチな作品なれど、完成度では
決して聴き劣りしない1枚。・・・とか言いつつ、自分も購入したのは最近だったりするのですが。


SIEGES EVEN - Life Cycle - Apocalyptic Disposition ★★ (2009-07-16 22:11:44)

やや取っ付き難い楽曲が並ぶ本編にあって、
この曲は結構即効性が高い出来。
TESTAMENTの“OVER THE WALL"そっくりのフレーズが
奏でられるのはご愛嬌。


SIEGES EVEN ★★ (2009-07-15 22:08:00)

この項目を見て「SIEGES EVEN!懐かしいな~」と調べてみたら、
まだ現役で活動していると知って驚いた。
てっきりもう解散したものとばかり・・・。


SIEGES EVEN - Life Cycle ★★ (2009-07-15 22:05:00)

81年に西ドイツにて誕生した4人組が、SPV/STEAMHAMMER RECORDSから'88年に発表したデビュー作で、
嘗てはNY出身のスラッシャー、NAPALMの1st『CRUEL TRANQUILITY』とのスプリット仕様で
国内盤もリリースされていた作品。(尺合わせのために2曲ほどカットされてたけど)
生き急ぐかの如く作品毎に音楽性を拡散させていった彼らだが、この頃は、高度な演奏技術を活かした複雑極まりない
曲展開に、素っ頓狂なハイトーンVoが絡むテクニカルなスラッシュ・メタルを演っていて、バンド側は自身の音楽性を
「テクノ・スラッシュ」と呼称していたらしいが、別にKeyやサンプリングが使われているわけでもないのに、なしてテクノ?
BLIND GUARDIANやRHAPSODYなど、引く手数多な腕利きミュージシャン、アレクサンダー(Ds)とオリバー(B)の
ホルツワース兄弟がバンド・サウンドの中心を固めているだけあって、終始、緊張感に貫かれた本編の流れには
素直に「凄い」と唸らされるモノがあるが、この手のバンドの常として楽曲にキャッチーさが欠けるため
(特にVoの歌メロにフックが乏しい)、聴いているとだんだんダレて来てしまうのが勿体ない。
とは言え、Gが紡ぎ出す如何にもドイツのバンドらしい湿り気を帯びたメロディに、スラッシーな疾走感、
そしてプログレHM的な劇的な曲展開が組み合わさった③“APOCALYPTIC DISPOSITION"のような
優れた楽曲も収録されているので、WATCHTOWERやATHEIST、CORONERといった
インテレクチュアル・スラッシュ・メタル・バンドがイケル口の人ならトライする価値は十分ある1枚、かな?


THE SCOURGER - Dark Invitation to Armageddon ★★ (2009-07-12 22:16:00)

デビュー作『BLIND DATE WITH VIOLENCE』をスマッシュ・ヒットさせたTHE SCOURGERが、
その勢いを駆って'09年にリリースした2ndフル・アルバム。
『BLIND~』では、輸入盤店じゃ「AT THE GATESタイプ。GOOD!」とか書かれそうなデスラッシュ・メタルを聴かせてくれていたが、
今回は、刺々しいサウンド・プロダクションの下、不穏なイントロをささくれ立ったGリフが切り裂き、カミソリ度を増した
ハイテンションVoと、前作以上に練り込まれたGソロ(④⑩なんて思わず「おおっ」と前に身を乗り出しそうになる程)、
それにタイトな走りっぷりが痛快なリズム隊とが、一丸となって畳み掛けて来る②を手始めに、オールドスクールな
スラッシュ・メタル色が大幅増。取り分け、中東風味のメロディが奏でられる導入部から劇的に展開していく
アルバム表題曲⑦は、シャープな切れ味と独特のキャッチネスに加えて、モダンなアレンジや北欧のバンドならではの
冷気と哀感が織り込まれて疾走する、THE SCOURGER流スラッシュ・メタルの完成形とでも言うべき名曲かと。
流石にCHILDREN OF BODOMのヤンネ・ウォーマンをして「フィンランド最強のスラッシュ・メタル・バンド」と
言わしめただけの事はある、新世代スラッシャーならではの魅力に満ち溢れた快作。


THE SCOURGER - Blind Date With Violence ★★ (2009-07-12 22:13:00)

セッポ・タルヴァイネン(Ds)が中心となって、フィンランドはヘルシンキにて結成された、元GANDALFの
ヤリ・フルスカイネン(Vo)らを擁する5人組が'06年に発表した1stフル・アルバム。
アルバムからの先行シングルとしてリリースされた“HATEHEAD"が、フィンランドのナショナル・チャートで
第1位を記録するという大ヒットを飛ばし、同国内において若手エクストリーム・メタル・バンドの有望株筆頭に
躍り出た事で知られる彼ら。今年リリースされた2nd『DARK INVITATION TO ARMAGEDDON』では
オールドスクール・テイスト色濃いスラッシュ・メタルを聴かせてくれたが、このデビュー作の時点では
楽曲といい、音作りといい、「デスラッシュ」と形容した方がシックリと来るサウンドで、取り分けリフ・ワークや
Voの歌唱スタイルからはAT THE GATESからの強い影響が伺える。(デモテープでは“COLD"のカヴァーを演っていたとか)
尤も、それが悪いなんてことはなく、北欧のバンドらしくメロディックに切り込んで来るツインGをフィーチュアして、
畳み掛けるように疾駆する楽曲の数々は単純にカッコイイし、何より、前述の大ヒット・シングル②に強く表れているように、
攻撃性のみならず、楽曲が常に一定のキャッチーさをキープしている点も○。特に、聴いてるだけで体が勝手に反応する
タイトなスピード・チューンがズラリ揃った、アルバム前半のクオリティなんて中々のモノじゃないでしょうか。
ちなみに現在は、SLAYERの“GHOSTS OF WAR"、TESTAMENTの“OVER THE WALL"といった名曲のカヴァーや、
新曲、ライブ音源から構成され、初登場3位を記録したヒット・シングル『MAXIMUM INTENSITY』を
追加収録した特別版が出回っているので、買うならそちらがお薦め。


THE SCOURGER ★★ (2009-07-12 22:12:00)

'03年にドラマーのセッポ・タルヴァイネンと、元GANDALFのヤリ・フルスカイネン(Vo)が中心となって
結成した、フィンランドはヘルシンキ出身のツインGを擁する5人組エクストリーム・メタル・バンド。
シングル“HATEHEAD"や“NEVER BURY THE HATCHET"、EP『MAXIMUM OF INTENSITY』をスマッシュ・ヒットさせ、
同国内において確かな地位を確立。ヒステリックなシャウト型Vo、刻み目の荒いGリフ、
タイトなリズム隊をフィーチュアした、切れ味鋭いオールドスクールなスラッシュ・メタルに、
現代的な攻撃性やモダンなアレンジを加えたサウンドがその持ち味で、
早ければ今年年末には3rdアルバムを発表予定。


GUARDIAN'S NAIL - MERODICAL RENAISSANCE - SECOND WIND ★★★ (2009-07-12 18:32:18)

これは名曲。昔、新宿のレコード屋で読んだフリーペーパーに
この曲を絶賛するレビューが載っていて、興味を駆られて
『MELODICAL RENAISSANCE』を購入したのだけど、大正解でした。
Voがもっと上手ければ・・・と思わなくもないが、多少の不満は
ドラマティックな曲展開と痒い所に手の届くメロディの魅力に
吹っ飛ぶと言うもの。
できれば、この路線でEPも作って欲しかった・・・。


DEICIDE - Serpents of the Light ★★ (2009-07-12 18:02:00)

前作ほどではないにしろ、相変わらずキリスト教徒の神経を逆撫でにする
挑発的なジャケット・アートワークが目印の、'97年発表の4thアルバム。
重く禍々しいGリフと無慈悲に刻まれるリズムの上で、グレン・ベントンがキリスト教に対する
怒りと憎しみに塗れた咆哮をあげるという、3rd『ONCE UPONE THE CROSS』で確立されたDEICIDE流ブルデス・サウンドに
大きな変化は見られないが、今回はオドロオドロしさや圧迫感の下がった(スラッシュ・メタル的な)音作りと、
よりゆったりとメロディアスなフレーズを奏でるようになったホフマン兄弟のGソロのお陰か、前作よりも
かなり聴き易くなったとの印象を受ける。尤も、そうは言ってもラルフ・サントーラ在籍時代のメロディアスさとは
大幅に異なるし、相変わらずサウンド自体はデス・メタル以外の何者でもない仕上がりなので、
これは聴き易くなったと言うよりも、大御所ならではの「貫禄」を身に付けた、と表現すべきか。
特に、撒き散らされる凄まじいアグレッションと、起伏に富んだ曲展開で聴き手を圧倒する①⑩は、
彼らならではの暴力性と、メロディアスなGソロが劇的なコントラストを描き出す名曲かと。
最高傑作と評価の高い『ONCE~』よりも、実はDEICIDE未体験者には取っ付き易いかもしれない1枚。


BLACK SABBATH - Tyr ★★ (2009-07-05 22:42:00)

トニー・アイオミ(G)、トニー・マーティン(Vo)、コージー・パウエル(Ds)、二ール・マーレイ(B)、
ジェフ・ニコルズ(Key)という、個人的に最も思い入れのあるラインナップ(そしてオリジナル・メンバーにも
匹敵する強力な面子)によって制作された、'91年発表の15thアルバム。
前作『HEADLESS CROSS』に比べると、トニー・アイオミのGプレイがやや大人しいのと、リバーブ過多な音作りの影響か
ヘヴィネス、ダークネスに代表される「BLACK SABBATHらしさ」は若干薄まったとの印象を受けるが、その代わり、
ジェフ・ニコルズが奏でるKeyをこれまで以上に有効活用して、全体のアンサンブルと構築美重視で組み立てられた、
洗練と格調、それと北欧メタルにも通じる透明感を湛えた作風は、これまでのBLACK SABBATHの作品の中では
頭一つ飛び抜けてドラマティック。北欧神話を題材に取り上げたある種のコンセプト・アルバムという点も
楽曲のドラマ性底上げに大きく貢献しており、スケール感と荘厳さを兼ね備えた①、コージー必殺のドラミングが
炸裂するRAIBOW風味の疾走曲②、厳粛且つ劇的な④といった名曲や、本編のクライマックス足る、組曲形式で綴られる
壮大な⑤~⑦の流れを聴くにつけ、本作はBLACK SABBATH云々以前に、単純に「英国様式美HMの名盤!」と
評価したくなる次第。勿論、BLACK SABBATHならではの魅力はしっかりと保持されてるわけだけど。
ああ、一度でいいからこのラインナップでのライブを見てみたかった・・・。


BLACK SABBATH - Headless Cross ★★ (2009-07-04 23:38:00)

様式美HM界究極のパワーUPアイテムことコージー・パウエルを得て'89年に発表された、後期BLACK SABBATHの
最高傑作と言うべき14thアルバム。
SEに続き、ドッスンドッスンと異様に重々しく炸裂するコージーのバスドラに、思わずシャンと背筋が伸びてしまう
名曲②で幕を開ける本作は、トニー・マーティン加入で様式美HM路線へと立ち返った前作『THE ETERNAL IDOL』の
作風を継承しつつ、スケール感、ダークネス、荘厳さと、あらゆる面に置いて桁違いのグレードUPを遂げており、
その最大の推進力は間違いなくコージー御大の存在。凡百のドラマーとは「鳴り」からして違う、厳粛且つヘヴィネス漲る
彼のドラミングの威力はやはり格別で、ドラム・プレイのみでここまで楽曲の「格」を高められる存在が他にいようか?
いや、いない。(ちなみに本作ではアイオミと共同でプロデュースも手掛けている)
そのコージーの熱演に引っ張られる形で、アイオミの燻し銀の魅力に満ち溢れたG、マーティンの麗しきVo、
共に前作以上の冴えを見せ、これでBが二ール・マーレイだったらもう完璧だったのだけど・・・。
尤もそうした些細な不満(なんて大袈裟なものではないが)も、超名曲②、攻撃的な③、緩急に富む劇的な④、
エモーショナルに咽び泣くGソロが絶品な⑤、エキゾチック&ミステリアスなGリフが印象に残る⑥、ノリの良さも
備えた⑦、タイトル通り漆黒の闇を思わせるヘヴィ・バラード⑧と、王者ならではの威厳と風格を湛えた
捨て曲なしの楽曲群の前には雲散霧消。
後期BLACK SABBATHの何たるかが知りたければ、まず本作を聴く事をお薦めさせて頂きます。


KIM KYUNG HO - Chepter Zero ★★ (2009-06-23 23:32:00)

韓国の実力派シンガー、キム・ギョンホがSABER TIGERの木下昭仁を曲作りのパートナーに迎えて制作した、
新曲(①④)、ソロ作のリメイク(②⑤)、そしてFIREHOUSEのカヴァー(③)で構成される5曲入りEP。
圧巻の歌唱力を誇るキム・ギョンホと、Gプレイ及び曲作りの上手さには定評のある木下の組み合わせゆえ、
クオリティが低い筈はなく、全5曲、何れも聴き応え十分の仕上がりながら、新曲に関して言うならば、フックの効いた
メロディの充実度は流石なのだが、全体的にヘヴィ過ぎるというか、やはりこの人にはバラード②のような
メロウな楽曲を情感たっぷりに歌い上げて欲しい、というのが正直な感想。慣れない英詞という事もあってか、
どうにも彼の歌唱が不完全燃焼に感じられ、ソロ作で聴けたような悶絶号泣モノの熱唱が炸裂する場面は少ない。
これなら無理に英語で歌わない方が良かったような・・・でも日本進出の為にはこうじゃなきゃ駄目なんだろうなぁ。
尤も本作は、全5曲というボリュームや、そのものズバリなタイトルからも明らかなように、日本のHR/HMリスナーへの
名刺代わりの作品でしかないわけで、フル・アルバムへの期待を高める意味ではキッチリと役割を果たしていると言える。
そんなわけで、早くフル・アルバムを作ってね。


HEAVEN & HELL - The Devil You Know ★★ (2009-06-22 22:23:00)

『HEAVEN AND HELL』はHR/HM史に残る名盤であり、LOUD PARK 08で見た彼らのライブも大いに楽しませて貰ったが、
とは言え、トニー・アイオミとロニー・J・ディオの組み合わせには『DEHUMANIZER』という前科があるし、
BLACK SABBATHったら『HEADLESS CROSS』が最高傑作でしょ?という厄介なトニー・マーティン支持者的には、本作に寄せる
期待はそう高いモノではなかったのだが、実際に聴いてみるとこれが結構・・・と言うか、かなり良い出来で驚いた。
“HEAVEN AND HELL"や“DIE YOUNG"級の名曲は収録されておらず、一聴地味な印象を受ける作風は
やはり『DEHUMANIZER』を彷彿とさせるのだが、ロニーの歌声の色艶、トニーのGの表現力、そして何より
暗黒のオーラを纏った楽曲自体が放つ「凄み」「格調」「荘厳さ」は『DEHUMANIZER』を遥かに凌駕。
(唯一、地を這うヘヴィネスを宿したリズム隊の迫力に関しては、あの頃から不変だが)
中でも、重厚且つ威厳たっぷりな①、ロニー入魂の歌唱に震える③、軽快なタイトルとは裏腹にトニーのGが渋く
咽び泣く⑤、そして厳粛にして劇的な⑩といった楽曲は、ディオ期のみならず、オジー期、トニー・マーティン期、
その他全てのBLACK SABBATHファンをも魅了する圧倒的完成度の高さを誇る。
正直、この組み合わせでここまでハイクオリティな作品を作り出せるとは思っていなかった。いや、畏れ入りました。


HOLY MOSES ★★ (2009-06-21 21:05:00)

いつの間にか国内盤が発売されておりました。
ボーナス・トラックはSLAYERのトリビュート・アルバムに提供していた
名曲“GHOST OF WAR"のカヴァー。

さて、歌詞とこれ目当てに買ったもんかどうか・・・。


CEREBRAL FIX - Tower of Spite ★★ (2009-06-20 23:19:00)

JUDAS PRIESTやBLACK SABBATH等、数々の名バンドを輩出してきたイギリスはバーミンガム出身の5人組が、
デビュー作の好評を受けROADRUNNER RECORDSと契約後、'91年に発表した2ndアルバム。
巨漢ドラマー、アンディ・ベイカーの叩き出す緩急に富んだ極太のリズムに乗って、濁声Voが吼える
オカルトを題材にした歌詞の数々・・・といった要素から、デス・メタルの枠内で語られる機会の多かったバンドなれど
(実際、それも道理のアグレッションを備えているのだが)、ヘヴィ・リフが引き摺るように刻まれる
もろBLACK SABBATH風味の③を筆頭に、如何にも英国然とした暗さと湿り気、そして、そこはかとないドラマ性が
薫る楽曲の数々からは、70年代HRからの影響も強く匂い立つ。(とか偉そうに言っても、彼らの作品はコレしか持っていない)
取り分け、ドゥーム・メタルばりのヘヴィネスと、スラッシーな疾走感が巧みに組み合わされた②や、ダークで圧迫感に
満ちた曲調の合間から陽光が差し込むかの如く、美しいメロディを紡ぎ出すツインGにハッと胸を突かれる⑧といった楽曲は、
本編のハイライトを飾るに相応しい、CEREBRAL FIXというバンドの魅力が遺憾なく発揮された名曲じゃないでしょうか。
濁声Voを許容できるかどうかによって、好き嫌いがハッキリと分かれそうな作品ではあるが、SEPURTULA時代の
マックス・カヴァレラがリスペクトを捧げていたという話も納得の力作。
スラッシュ/デス・メタル・ファンのみならず、ドゥーム・メタル・ファンもどうぞ。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures - Horsehead Nebula ★★★ (2009-06-20 19:12:38)

12分以上に及ぶ長尺を、起伏に富んだドラマティックな
曲展開と、IRON MAIDENばりに勇壮なメロディを紡ぎ出す
ツインGを活かして、ダレることなく聴かせきるインストの大作。
多彩なドラムワークも楽曲を引き締めます。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures - Nothing but Contempt ★★ (2009-06-20 18:56:41)

基本は、禍々しさを撒き散らしながら疾走する
スラッシュ・ソングだが、要所にドラマティックな
曲展開が取り入れられ、まるで2ndアルバムの作風を
象徴するかのような仕上がり具合。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures - Castle of Skulls ★★ (2009-06-20 18:53:15)

アルバムのOPを飾るに相応しい、
カミソリの如き疾走感と物騒な雰囲気を纏った
高速スラッシュ・ナンバー。
「スラッシュ・メタル!」の掛け声と共に
Gソロが走り出すシーンのカッコ良さは特筆モノ。


BLOOD TSUNAMI - Grand Feast for Vultures ★★ (2009-06-20 18:40:00)

人脈的には完全にブラック・メタル・バンドなのに、デビュー作『THRASH METAL』では、
タイトルに偽りなしのオールドスクールなスラッシュ・メタルを聴かせてくれた、ノルウェーは
オスロ出身の4人組BLOOD TSUNAMI(しかし、すげえバンド名だ)が'09年に発表した2ndアルバム。
ギャアギャア喧しく喚きまくるVo、鋭利に刻まれるGリフ、手数の多いタイトなDs、要所をドラマティックに彩るツインG、
そしてアレックス・ホーリーが手掛けたアートワークetc・・・と、基本的には前作の作風を順当に継承しつつも、
今回はヘヴィで荘厳なスロー/ミドル・チューン③⑦を収録する等、ややスピードダウン。徹頭徹尾スピーディに走りまくりな
スラッシュ・メタル然としたアグレッションが薄れてしまった事を残念に思う向きもあるだろうが、より無慈悲に、
よりドラマティックに磨き上げられた、エピカルな雰囲気漂う楽曲の質は間違いなく向上しており、
その最大の成果と言うべきが、12分以上に及ぶインスト大作ナンバーの⑥で、山あり谷ありの起伏に富んだ曲展開や、
ツインGが紡ぎ出す勇壮なメロディがIRON MAIDENを彷彿とさせるこの名曲は、間違いなく本編のハイライト。
その一方、従来の攻撃性を受け継ぐ①②⑤といった、カミソリの如き高速スラッシュ・ナンバーもちゃんと健在。
この殺伐としたスピード・チューンと、邪悪さ漂うスロー/ミドル・チューンの組み合わせを聴いていると、
丁度ヴァイキング・メタル路線へと接近し始めた(4th『BLOOD, FIRE AND DEATH』の)頃のBATHORYを思い出したりも。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal - Rampage of Revenge ★★★ (2009-06-15 23:35:36)

スラッシュ・メタルならではの疾走感に、
ブラック・メタル的な禍々しさと、
正統派ヘヴィ・メタリックなドラマ性が同居した
本編のハイライト・ナンバーの一つ。
メロディックなGソロに心打たれます。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal - Let Blood Rain ★★ (2009-06-15 23:31:16)

本編中、最も「スラッシュ・メタル」してる1曲。
スピーディだが、あくまで「ノリやすい」「頭を振り易い」
速度である点がポイント。
イントロのカッコ良さだけで思わずガッツポーズ。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal - Evil Unleashed ★★ (2009-06-15 23:28:19)

Voこそブラック・メタル的な絶叫わめき型なれど、
鋭利なGリフといい、せかせかと2ビートを刻むリズムの
疾走感といい、スラッシュ・メタルならではの
カッコ良さを見事に体現する1曲。


BLOOD TSUNAMI - Thrash Metal ★★ (2009-06-15 22:45:00)

元EMPERORのファウスト(Ds)や元HELLRIDEのピート・イーヴル(Vo、G)が籍を置き、日本人にはインパクト十分な
バンド名を名乗る(?)ノルウェーはオスロ出身の4人組スラッシャーが、'07年に発表した1stアルバム。
ヒステリックに喚きまくる絶叫型Vo、鋭角的に刻まれる湿度低めのカリカリなGリフ、そして、スパスパと切り裂くように
疾走するタイトなリズム隊・・・と、オールドスクールなスラッシュ・サウンドに、北欧ブラック・メタル流の殺伐とした
空気を加えて攪拌したかの如き作風は、まさに『THRASH METAL』という直球勝負のアルバム・タイトルと、
コミック・アーティストとしても知られるアレックス・ホーリー画伯が手掛けた、禍々しく
マッチョなジャケット・アートワークから想起される通りの好戦的な内容を誇る。
個人的には、スラッシーな攻撃性とメロディックなインスト・パートが巧みに組み合わされた、このバンドならではの
名曲③や、高いドラマ性と構築美を誇る、「まるで正統派HM」な10分以上に及ぶ大作インスト・ナンバー⑦が
イチオシなのだが、やはり本作の肝は、①②⑧といった殺気立った高速スラッシュ・ナンバーの数々か。
「このアルバムはフル・ボリュームで聴きやがれ!」という、裏ジャケに記されたメンバーの言葉に
力強く同意する、デス/ブラック・メタル、スラッシュ・メタル、双方のファンにアピールし得る魅力を備えた1枚。


BONDED BY BLOOD - Feed the Beast - The Evil Within ★★ (2009-06-09 22:36:57)

イカスGリフを作り出すセンスと、腕の良いリズム隊がいれば
スピードに頼らずとも(ミドル・テンポの)良い曲は作れると
証明して見せた1曲。へヴィに始まり、聴かせるGソロで雰囲気を
盛り上げ疾走へ転じる等、彼らの楽曲の中では比較的「構築性」を
感じさせる楽曲でもある。


BONDED BY BLOOD - Feed the Beast - Necropsy ★★ (2009-06-09 22:28:45)

冒頭からマシンガンの如く速射されるGリフ、
攻撃的に言葉を詰め込んでくるVo、共に素晴しいが
やはりこの曲の肝は歯切れ良く激烈なビートを叩き出すDs。
こういう曲を聴くと、スラッシュ・メタルにおける
Dsの重要性が良く分かりますね。
緩急を備えたGソロも効果的だし、アルバムで一番好きな曲かも。


BONDED BY BLOOD - Feed the Beast - Immortal Life ★★ (2009-06-09 22:20:27)

切れ味鋭いリフの刻みから、派手に弾きまくるソロまで
目まぐるしく動き回るツインG、畳み掛けるように
多彩なリズムを叩き出すDsに、そしてハイテンションなVoとが
一丸となって突進する、BONDED BY BLOODというバンドの
美点が判り易く詰め込まれた、名刺代わりの1曲。


BONDED BY BLOOD - Feed the Beast ★★ (2009-06-09 21:30:00)

メンバーの平均年齢が僅か18歳という、アメリカはカリフォルニア州から登場した、ツインGを擁する若き5人組スラッシャーが、
かのマイケル・ローゼンをプロデューサーに迎えて制作、'08年にEARACHE RECORDSから発表した1stアルバム。
前がかりで畳み掛けるような疾走感はVIOLENCEや初期DEATH ANGELといったバンド群を想起させるが、聴いてるだけで
耳から出血しそうな鋭利なGリフ、全編に渡ってピロピロとフラッシーなソロを決めまくるツインG、そして
ハイテンションにまくし立てて来るスティーヴ“ゼトロ"サウザ似のVoと、その最大の影響元は間違いなくEXODUS。
バンド名からしてスラッシュ史に燦然と輝く彼らの名盤『BONDED BY BLOOD』から頂いてるのだし、何より、
緩急自在のスピードを完全にコントロール下に置く、すこぶるタイトな高い演奏力を誇りつつも、アルバム全体からは
刺々しいアグレッションより、リズミックでロックンロールなノリの良さが感じられる辺りもEXODUSっぽい。
まぁ「未来のEXODUS」になるためには、派手な割にイマイチ印象に残らないGソロの練り込み不足と、
頭一つ抜きん出たキメ曲の不在が気になるところではあるが、そうは言っても収録曲の粒は十分揃っているし
(個人的には、猛烈なスピードでラッシュしてくるハイパーな③④、本編の流れに緩急をもたらすミドル・テンポの⑦が
お気に入り)、何より、シャープなGリフと歯切れの良いリズムが鬼のように刻み込まれるOPナンバーから、ラストを
ファニーに締め括る『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』のテーマ曲のカヴァー⑫に至るまで、
ひたすらガンガン押しまくる、「これぞスラッシュ・メタル!」という爽快感に満ちた作風の前には些細な問題か。
現在はボーナス・シングルCDが付いたリミテッド・エディションが出ているので、購入するならそちらがお薦め。


BONDED BY BLOOD ★★ (2009-06-09 21:26:00)

'05年、カリフォルニア州にて同じハイスクールに通っていたメンバー達が結成。
1stデモや自主制作EP『EXTINGUISH THE WEAK』が評判を呼び、英エクストリーム・ミュージック・レーベルの
老舗EARACHEと契約し、プロデューサーに名手マイケル・ローゼンを迎えて'08年に1st『FEED THE BEAST』を発表。
タイトで歯切れの良い演奏を武器に繰り出される、非常にオールドスクールなスラッシュ・メタル・サウンドが
好評を博し、HOWLING BULLから日本デビューの予定もあったが、BURRN!!にインタビューや
アルバム・レビューが載ったにも関わらず、直前になってまさかの発売中止。なんでやねん。


EVILE - Enter the Grave - Killer From the Deep ★★ (2009-06-06 23:35:06)

切り裂くようなリフ・ワークといい、
ハイテンションなVoといい、
直線的な疾走感といい、
注釈無用のスラッシュ・メタル・ソング。
いや、カッコイイ。


EVILE - Enter the Grave - Burned Alive ★★ (2009-06-06 23:32:48)

硬質且つダイナミックに疾走するリズムと、
執拗且つ鋭角的に刻まれるGリフが一丸となって突進する、
アルバムでも1、2を争う名曲。
メロディアスなGソロも○。


EVILE - Enter the Grave - Thrasher ★★ (2009-06-06 23:29:19)

モッシュ作法について歌った、
タイトルからしてモロな高速スラッシュ・ナンバー。
高速回転するGリフと、メロディックなGソロが印象的。


EVILE - Enter the Grave - We Who Are About to Die ★★★ (2009-06-06 23:27:43)

7分以上に及ぶ大作チューン。
スローに始まり、へヴィな前半を経て
スラッシーな疾走パートへと移行。
最後は大仰なエンディングを迎えるという
起承転結の決まった曲展開が素敵な名曲。


EVILE - Enter the Grave ★★ (2009-06-06 19:42:00)

帯に付けられた「嗚呼、あの頃を思い出し、目頭が熱くなる!」というキャッチコピーがスラッシャーの笑いを誘った(?)、
英国はヨークシャー州出身の新世代スラッシュ・メタル・バンドが、プロデューサーに名手フレミング・ラスムッセンを起用し、
レコーディング場所にはSWEET SILENCE STUDIOSを使用する等、恵まれた制作環境を得て作り上げた'08年発表の1stアルバム。
近年、続々と登場する若手スラッシュ・メタル・バンドの多くが、どちらかと言えばプリミティブなスラッシュ・サウンドを
追求しているのに対し、こちらは重たく湿った空気に(ドラマティックと表現する程ではないにしろ)カッチリとした
構築性を帯びた曲調といい、SLAMMER辺りを思い起こさせる「如何にも英国産スラッシュ・メタル」といった趣きのサウンドを展開。
特に、刻みの細かい鋭利なGリフと、フックのあるメロディを弾き出すGソロ、スピードに拘りつつも、きっちり緩急を
飲み込んだリズムとが、一丸となってダイナミックに突進する②④⑤、起承転結を兼ね備えた曲展開に惹き付けられる
劇的な⑦といった、EVILEというバンドの魅力が炸裂しまくった楽曲の数々を聴くと、彼らが恵まれた
制作環境を無駄に浪費することなく、きっちりと本編のクオリティにフィードバックしている事が分かる。
今後、同世代のバンドから頭一つ抜き出るためには、本編に強力な「キメ曲」があと一つ二つ欲しいところだが、
ともあれ、METAL HAMMER誌において「期待の未契約バンド」第1位に輝く等、デビュー前から既に高い評価を
受けていたのも伊達じゃないと思わされる、バンドの地力の高さが伝わってくる力作。英国産スラッシュ・ファンは必聴か。


EVILE ★★ (2009-06-06 19:40:00)

初期EXODUS、初期SLAYER、もしくはジャーマン・スラッシュ風味のプリミティブな
スラッシュ・メタルを追求するバンドが目立つ新世代スラッシャーの中にあっては珍しく、
どんよりと重たい湿り気に、カッチリとした構築性という、いかにも「英国産」といった趣きを
感じさせるスラッシュ・メタルを聴かせてくれる、ヨークシャー州はハダースフィールド出身の4人組。
華のないMETALLICAというか、ドラマ性を減じたTESTAMENTというか、
ともかく武骨で飾り気のないサウンドを聴いていると、SLAMMERなんかを思い出しますね。
そろそろ2ndアルバムを出してくれい。


STRYPER - To Hell With the Devil ★★ (2009-06-02 22:33:00)

前作『SOLDIERS UNDER COMMAND』が、インディーズ作品としては異例の50万枚以上を売り上げたことで、
潤沢なレコーディング資金を得て制作環境が整い、サウンド・プロダクションがグッと向上。
スペーシーなイントロ①に導かれてスタートする、重厚且つ劇的なアルバム表題曲②からして、
LAメタルを代表するバンドとしての貫禄すら漂わす、'87年発表の2ndフル・アルバム。
音楽的方向性はそのままに、ヘヴィ・メタリックなダイナミズムが薄れ、よりメロディを聴かせる姿勢が強調された
本作は、この方向転換が奏功しSTRYPER史上最高の売り上げを記録。(最終的にはプラチナムを獲得)
特に、シングル・カットされスマッシュ・ヒットを飛ばしたバラード⑤は、メロディ愛好派ならずとも蕩けること請け合いの
感動的なバラード。また、ここに来て益々表現力を増しているマイケル・スウィートの絶品のVoも素晴しいったら。
勿論、HMバンドとしての魅力もきっちりフォローされており、前述の②や、雄々しいサビメロにグッとくる⑥、縦ノリの⑨、
ポジティブなエネルギーに満ちた⑪といったハード・ロッキンなナンバーが要所を引き締め、本編が甘くなり過ぎることを阻止。
HMチューンからロックンロール、バラードまでバラエティ豊かな楽曲が取り揃えられ、その何れもが、思わず仰け反る
強力なフックを有した全11曲、前作同様これまた捨て曲なし。STRYPERの絶頂期を飾るに相応しい傑作かと。
これでロバート・スウィートのドラム・プレイに、ビジュアル程の「華」があれば完璧なんだけどなぁ。


STRYPER - The Yellow and Black Attack ★★ (2009-06-01 21:45:00)

カリフォルニア州はオレンジ・カウンティにおいて、マイケル(Vo、G)とロバート(Ds)のスウィート兄弟が中心となり
結成されたROX REGIMEを前身に誕生した、元祖クリスチャン・メタル・バンドことSTRYPERが'84年に発表したデビューEP。
彼らはこの翌年に早くも来日公演を行っているが、本作に収められた実に日本人好みのHMサウンドを聴けば
それも大いに納得が行く。ヨーロピアンな哀愁と、アメリカンなポップ・センスが巧みに同居したメロディ、キリストさんへの
熱烈な信仰を綴った歌詞の数々を、見事なハイトーンを駆使して歌い上げるVo、キャッチーだがメタリックなエッジも
失わないGリフに、美しく楽曲を彩る豊かなボーカル・ハーモニー、そしてメンバーの華やかなルックス・・・と、
STRYPERならではの個性は、早くも本編にしっかりと刻印済み。特に本作はデビュー作という事もあってか、彼らの
カタログの中でも最もHM度が高く、取り分け①②⑤⑦といった、キャッチー且つアグレッシブな楽曲のカッコ良さは特筆物。
演奏(Dsが・・・)、プロダクション共にまだまだ未洗練で、メロディにも次作以降で聴かれるような、思わず
唸らされる強力極まりない「フック」も見当たらないが、とは言え、この新人バンドらしからぬ完成度の高さは十分驚異的。
「クリスチャン・メタル」という色眼鏡で見る必要は全くない、真に優れたHMアルバムの力作。


MEAT LOAF - Bat Out of Hell III: The Monster Is Loose - The Monster Is Loose ★★★ (2009-05-28 21:37:11)

重たく澱んだGサウンドがゴシック・メタルっぽい雰囲気を
演出する、これまで無かったタイプのアルバムOPナンバー。
壮大且つ優美なストリングスと力強いミートローフの歌声が
たまらなくドラマティック。


MEAT LOAF - Bat Out of Hell III: The Monster Is Loose - Blind as a Bat ★★★ (2009-05-28 21:33:52)

悲しげなピアノの旋律を纏って、
息苦しい程盛り上がっていくドラマティックな名曲。
MEATLOAFの楽曲で、ここまでヨーロピアン風味の翳りを
湛えたメロディが聴かれるのは珍しいような?


MEAT LOAF - Bat Out of Hell III: The Monster Is Loose - Alive ★★★ (2009-05-28 21:31:10)

オルフのカルミナ・ブラーナを彷彿とさせる
大仰でシンフォニックな序曲“MONSTRO"から繋がっていく、
心が浮き立つような飛翔感と高揚感、そして気品を漂わせた
アルバムのハイライト・ナンバー。素晴しい。


MEAT LOAF - Bat Out of Hell III: The Monster Is Loose ★★ (2009-05-28 19:54:00)

ミートローフとジム・スタインマンの仲違いが原因で、発表まで実に13年もの歳月を要した『BAT OUT OF HELL』シリーズ第3弾。
そのため、今回ジムはアルバム用に7曲の既発曲を提供するのみに留まっており、彼に代わるミートローフの新たな
パートナーには懐かしや、デズモンド・チャイルド御大が起用。その他にも売れっ子ライターやら大物ミュージシャンやら
錚々たる面子がゲスト参加していて、この過去に例を見ない豪華な布陣からは、ジム不在の大穴を埋めるべく
なりふり構ってらんないミートローフ側の切羽詰った事情が透けて見えなくもないが、とは言え、
優れたアーティスト達が優れたパフォーマンスを提供してくれているのだから、文句を言う筋合いなど全くない。
派手な曲展開は抑え気味に、重厚且つシンフォニックなアレンジが施された楽曲の数々は、前2章とはやや趣きを異するものの
相変わらずハイクオリティで、特に今回はメロディの充実っぷりが他作品と比較しても突出。MEATLOAFのアルバムで
ここまで欧州風味の翳りを湛えたメロディを聴く事が出来るモノは他にないんじゃなかろうか?
中でも、重く澱んだGサウンドがゴシック・メタル的な雰囲気を漂わす①、悲しげなピアノの旋律を纏って劇的に盛り上がる②、
ミートローフの絶品の歌唱が息苦しいまでの感動を呼ぶ⑤⑨、物々しく緊迫感に満ちた⑥、そして“カルミナ・ブラーナ"ばりに
大仰でシンフォニックな序曲⑦から繋がっていく、心が浮き立つような飛翔感に彩られた⑧といった楽曲は、
本作でしか聴く事の出来ないタイプの名曲。勿論、爽快感&高揚感溢るる④⑪⑫、著名な女性シンガーとの
デュエットが胸に沁みるソウルフルなバラード③⑬といった、従来の「らしさ」を保った楽曲の素晴しさも言うに及ばず。
個人的には『地獄のロックライダー』シリーズは元より、MEATLOAFの全カタログの中でもベストに押したいぐらいお気に入りの1枚。


MEAT LOAF - Bat Out of Hell II: Back Into Hell ★★ (2009-05-26 23:06:00)

グランジ/オルタナティブ・ロック旋風が猛威を奮い、HR/HMシーンから急速に華やかさが失せていった'93年という
時期に発表され、それとは真逆を行く絢爛豪華な内容にも関わらず、ヨーロッパはおろかアメリカでも爆発的な
セールスを記録し「MEATLOAF健在!」を鮮烈に印象付けた、ロック・オペラ『BAT OUT OF HELL』シリーズ第2弾。
シンプルなロックンロール・テイストも強く感じられたデビュー作に対し、よりゴージャスに、より壮大に、
よりシアトリカルにと、あらゆる面においてスケールアップの図られた本作は、QUEENからオペラティックな部分のみを
抽出し、それを更にカリカチュアしたかのような作風を誇り、時にその芝居がかった大仰さはMANOWARの領域にまで
到達せんとする勢い。特に、まるでミュージカルの如く激しく場面転換を繰り返しながら、心揺さぶるミートローフの
熱唱をフィーチュアして息苦しい程に盛り上がる①(10分以上もある大作曲にも関わらず、全世界29カ国で№1に輝いた
大ヒット・シングルでもある)は、本作のみならず『BAT OUT OF HELL』シリーズを代表する名曲中の名曲。
正直に告白するならば、アルバム1枚を通して聴くと、良くも悪くも体力勝負を強いるアメリカンなノリに胸焼けを
覚える部分も少なくなく、ゆえに通して聴くよりは前述の名曲①や、ドラマ『スクールウォーズ2』の主題歌としても
知られる、力強く高揚感に溢れた⑤、深い感動を呼ぶバラード⑥⑨、雄々しい⑧といった楽曲を摘み食い的に
楽しませて貰っているのだが、とは言え、ゴージャスで大仰な音世界がギュウギュウに詰め込まれた本作は、
間違いなくMEATLOAFというバンド、そしてロック・オペラ『地獄のロックライダー』シリーズ入門篇には
打ってつけの1枚。廃盤の割には中古盤が手軽に入手可能だしね。


MEAT LOAF - Bat Out of Hell ★★ (2009-05-25 21:59:00)

役者としてのキャリアも積む個性派シンガー、ミートローフことマーヴィン・リー・アディと、ワーグナー狂の
ソングライター、ジム・スタインマンがタッグを組んで作り上げ(プロデュースはトッド・ラングレンが担当)、
'78年に発表するや大好評を博し、現在に至るまで全世界で3000万枚以上というギネス級の売り上げを記録しているMEATLOAFの
デビュー作にして、一大ロック・オペラ・アルバム『BAT OUT OF HELL』(邦題『地獄のロックライダー』)シリーズの第1章。
高揚感を生み出す力強いメロディを、全身全霊を込めて熱唱するパワフルなVo、壮大にしてダイナミックな起伏を描く
オペラティックな曲展開、全編を豊かに彩るピアノの旋律にビッグなコーラス・・・。聴き終えた後、思わずそれまで止めていた息を
「っぷは~」と吐き出してしまうくらい、怒涛の盛り上がりっぷりを聴かせる名曲①で幕を開ける本作は、
大作主義が打ち出されていても、プログレッシブ・ロック的な内向性や繊細さといった要素は然程感じられず、それよりも寧ろ、
外へと向かっていくポジティブなエネルギーに満ちた豪快な躍動感や開放感溢れる作風は、如何にも大陸的(アメリカン)。
流石に30年以上昔の作品ゆえ今聴くと多少古臭い感は否めないし、シリーズ最高傑作と名高い『BAT OUT OF HELL Ⅱ 地獄への帰還』
辺りと比べると、意外にロックンロール風味の強いシンプルな仕上がりに肩透かしを食うHR/HMファンも多いかもしれないが、
個人的には、正面きって物量勝負・体力勝負を仕掛けてくる『~地獄への帰還』よりも、理屈抜きに体が動き出す
エネルギッシュでノリノリな⑤、ストリングスをフィーチュアしてラストを壮大に締め括るドラマティカルな
バラード⑧といった名曲を収録し、胃にもたれない適度に軽快な味わいも感じられる本作の方が、聴き返す機会が
多かったりする。(LP時代ゆえコンパクトにまとめられた収録時間も丁度良い按配でありがたい)
全然ロックしてない?いやいや、これほど心と体をロックされる(揺り動かされる)アルバムはそうはないですよ!


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight - Don't Turn Away ★★ (2009-05-20 23:13:35)

ドン・ウルフとカム・マクレオドのダブル・ボーカルが
堪能できる哀愁のHRチューン。
派手さはないが、こういうミドル・チューンをじっくりと聴かせきる
彼らの卓越したメロディ・センスはやはり傑出している。


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight - The Eyes of the World ★★ (2009-05-20 23:11:10)

ドラマティックに泣きまくるイントロを聴いただけで
「うむ、名曲」と予感させ、実際、その期待が裏切られることはない。
のみならずアルバムの完成度の高さすら確信させるに十分な1曲。


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight - America (Hello Again) ★★★ (2009-05-20 23:07:33)

WHITE WOLFならではの泣き/哀メロが「これでもか!」と
堪能できる、3rdアルバムのハイライト的存在の名曲。
感情のひだを刺激するエモーショナルなGプレイのみならず、
Voとしての才能も発揮するカム・マクレオドの実力
(ドン・ウルフに匹敵する歌の上手さ!)に、ただただ平伏。


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight ★★ (2009-05-20 22:59:00)

ESCAPE RECORDSの後押しと、北欧ミュージシャン達のヘルプを受けて、中心メンバーだったドン・ウィルク改めドン・ウルフと、
カム・マクレオドが再びタッグを組み奇跡の復活を遂げたWHITE WOLFが、実に21年ぶりに発表した3rdアルバム。
太くマイルドな声質でパワフルに歌い上げるVoに、緩急自在に泣きのメロディを奏でるG、効果的にKeyを取り入れ、ドラマティックに
紡ぎ出される曲展開、ダブル・ボーカルが生み出す美しいハーモニーetc・・・と、本作で聴く事が出来るのは、Keyがやや奥に
引っ込んでメタリックな感触が増したこと以外は、まさに全盛期のWHITE WOLFをそのまま現代に蘇らせたかのようなサウンド。
収録曲のほぼ全てが80年代に書かれていたらしく、美しく劇的なイントロで幕を開ける、彼らならではの
哀愁のHRサウンドの侘び寂びが詰まったOPナンバー①を聴いただけで、完成度の高さは確信出来るというもの。
全13曲収録とあっては流石に中盤でダレを感じなくもないが、前述の①に始まり、ドン・ウルフとカム・マクレオドの
ツイン・ボーカルが楽曲を盛り上げる②、リードVoにGにとカム大活躍の、本編ハイライトを飾る哀メロ・チューン③、
後期RAINBOW風に疾走する④、メロウな叙情ナンバー⑤と、「この1曲を聴くために作品を買う価値あり」級の
名曲が連打されるアルバム前半、そしてバンドのテーマソングと言えなくもない勇壮な⑩、憂いに満ちた⑪、
ハードなアルバム表題曲⑫といった、アルバム終盤の畳み掛けが非常に強力な為、それも大きな傷にはなっていない。
2nd『ENDANGERS SPIECEIS』を大きく上回り、名盤『STANDING ALONE』のクオリティに肉薄する力作。
WHITE WOLFファンは勿論のこと、そうでない一般のHR/HMリスナーにも強力にアピールする1枚かと。


WHITE WOLF - Endangered Species - She ★★★ (2009-05-19 22:20:09)

全体的に洗練され、ポップ化が進んだ2ndアルバムの中にあって
この曲の濃厚な泣きっぷりは一際インパクトを放つ。
切々と叙情メロディを歌い上げるドン・ウィルクのVo、
エモーショナルな泣きメロを豊かに紡ぎ出すカム・マクレオドのG、
どちらも感動的なまでの素晴しさ。


WHITE WOLF - Endangered Species ★★ (2009-05-19 22:10:00)

B級チックな鼠(狼か)のイラストから一転、巨匠ヒュー・サイムが手掛けた美麗なジャケット・アートワークへの
グレードアップが端的に物語る通り、30万枚を売り上げた前作『STANDING ALONE』の成功を受け、潤沢なレコーディング資金を
得て海外レコーディングを行う等、『STANDING~』に比べ格段に洗練の度合いを高めた、'86年発表の2ndアルバム。
お洒落(当時)なアレンジが取り入れられ、ポップ化が押し進められた代わりに、泣きのメロディやドラマ性、
ハードロック的なエッジが失われてしまった作風には若干の不満を覚えなくもないが、ドン・ウィルクの伸びやかで
パワフルなVo、カム・マクレオドの良く歌うG、攻めの姿勢は失われたが相変わらずアレンジの重要な鍵を握るKey、
そして分厚いボーカル・ハーモニー等、1stアルバムで披露したWHITE WOLFならではのメロディアスな
HRサウンドの美点は不変。取り分け、切ないフィールを醸し出すVoに、GとKeyがブルージーに泣きまくる
劇的なバラード⑤は、前作に収録されていてもおかしくない名曲だ。
序盤に地味めな楽曲が並び「掴み」には失敗しているものの、絵に描いたようにポップでキャッチーな⑥⑧、
メロディ作りとVoの上手さが光る⑦、キビキビと展開する末期RAINBOWか、はたまた再結成DEEP PURPLEかといった趣きの⑩等、
後半はクオリティが尻上がりに上昇。MAGNUMの名曲“JUST LIKE AN ARROW"のカヴァー④が、違和感なく本編の流れに
馴染んでいるように、中期MAGNUMとの共通点も感じられるメロディアスHRの好盤に仕上がっている。
所属レコード会社のゴタゴタに巻き込まれ、本作を最後に解散してしまった事が惜しまれる1枚。(後に復活したわけですが)


WHITE WOLF - Standing Alone - Standing Alone ★★ (2009-05-18 23:21:33)

本編のOPを飾る、重厚且つドラマティックなアルバム表題曲。
思わず胸締め付けられる、泣きの入ったメロディを歌う
Voがとにかく秀逸。
また、スペーシーな雰囲気を盛り上げるKeyも良い仕事をしていますね。


WHITE WOLF - Standing Alone - Trust Me ★★ (2009-05-18 23:16:54)

アルバムをハードに締め括る疾走チューン。
本編中、最もヘヴィ・メタリックな仕上がりな1曲だが、
メロディに大味さは皆無。良い曲です。


WHITE WOLF - Standing Alone - Night Rider ★★★ (2009-05-18 23:13:26)

ハードな疾走ナンバーなれど、楽曲の中心を支えるのはKey。
この攻めの姿勢を持ったKeyが演出するクライマックスの
盛り上がりっぷりはガッツポーズ物のカッコ良さ。
ツボを押さえたメロディアスなG、憂いに満ちたメロディを
パワフルに歌い上げるVoの良い仕事も見逃せない。


WHITE WOLF - Standing Alone - Shadows in the Night ★★ (2009-05-18 23:07:59)

キビキビとした曲調の上に、欧州風味の湿り気を帯びた
メロディが乗るミドル・チューン。
全編を華麗に彩る、美しく分厚いボーカル・ハーモニーが印象的。
PVが作られたのも納得の名曲。


WHITE WOLF - Standing Alone - Headlines ★★ (2009-05-18 23:00:08)

ハードロッキンなGリフ、軽快な疾走感にキャッチーなサビ・・・
良い曲だな~。
適度な哀愁を帯びたメロディを、伸びやかに歌いこなすVoも素晴しい。


WHITE WOLF - Standing Alone - What the War Will Bring ★★★ (2009-05-18 22:54:42)

7分以上に渡って泣きのドラマが繰り広げられる
アルバムのハイライト的存在の名曲。
Gと美しく絡み合いながら後半の盛り上がりを演出する、
攻めの姿勢を持ったKeyが素敵。


WHITE WOLF - Standing Alone ★★ (2009-05-18 22:48:00)

カナダはヴァンクーバー出身の5人組HRバンドが、'84年にRCA RECORDSより発表した1stアルバムにして彼らの最高傑作。
リリース当時こそ日本盤が発売されたものの、その後サックリ廃盤となり、入手困難な「幻の名盤」として長らく
HR/HMファンの間で語り継がれ、'96年にBMG JAPANが世界初CD化に成功した際には、世のメロディ愛好派が狂喜の涙に
咽んだ事で良く知られる(?)本作だが、実際、欧州風味の叙情性と大陸的なポップ・センスを併せ持った
(如何にもカナダのバンドらしい)ドラマティックなHRサウンドは、マニア諸氏の高評価に違わぬ素晴しさ。
憂いに満ちたメロディを熱唱するドン・ウィルクの説得力溢れるVo、味わい深い泣きメロを紡ぎ出す
カム・マクレオドのG、単なるバックグラウンドの埋め草に留まらず、時にリード楽器の役割も果たし
楽曲を劇的に盛り上げるKey、全メンバーがコーラスを取れる強みが活かされた、美しく分厚いボーカル・ハーモニー・・・と、
各メンバーの良い仕事っぷりがキラリと光りを放つ楽曲の数々は、当然のように捨て曲の類は一切なし。
特に、重厚なアルバム表題曲①、哀メロを纏って心地良く疾走する②、ミュージック・クリップも作られた
バンドの代表曲③、そして、GとKeyが美しく絡み合い、7分以上に及ぶ壮絶な泣きのドラマが繰り広げられる
大作④という名曲が次々に繰り出される、本編前半の隙のない構成はお見事。勿論、ソロにリフにとKey大活躍の⑤、
ドンの伸びやかでパワフルなVoが映える⑦、ラストをメタリックに締め括る疾走チューン⑧といった、
比較的ハードなナンバーが並ぶ本編後半の聴き応えも十分。
「狼っつーより鼠?」といった感じのジャケット・アートワークこそB級チックなれど、中身は超A級な1枚かと。


BELIEVER - Gabriel - Focused Lethality ★★ (2009-05-14 23:12:41)

ドリルの如く切り込んで来るイントロのGリフの
カッコ良さにノックダウンされる名曲。
前曲“THE NEED FOR CONFLICT"同様、
初期スラッシュ・スタイルのエッセンスを濃厚に宿した仕上がり。


BELIEVER - Gabriel - The Need for Conflict ★★ (2009-05-14 23:07:53)

ヘヴィなイントロを経て、小気味良く疾走を開始する
初期スタイルのスラッシュ・ナンバー。
これで1stや2ndの頃のようにGソロに華があれば
言う事なしなのだが。


BELIEVER - Gabriel ★★ (2009-05-14 23:01:00)

'94年発表の3rd『DIMENSIONS』を最後に活動停止状態に陥っていた、ペンシルバニア出身の5人組
クリスチャン・デス・メタル・バンド(そこに形容矛盾はないのか?)が、中心メンバーだったGとDsを中心に
再結成を遂げ、'09年にMETAL BLADE RECORDSよりリリースした4thアルバム。
初期のスラッシュ・メタル・スタイルに回帰した復活作を期待していたのだが、実際に出来上がったのは、
ヘヴィなGリフと変拍子バリバリのリズムが荒れ狂い、不協和音を奏でるジャズ/フュージョン・タッチのKeyや
ヴァイオリンをフューチュアした、3rd『DIMENSIONS』で垣間見せたアバンギャルドなノリを全編に拡大させたかのような、
ダークでメカニカル、且つプログレッシブな作風で、正直なところちょっぴり(つーかかなり)肩透かし。
何てったってアータ、前3作にあった劇的なドラマ性や構築美が減退してしまった点が痛過ぎる・・・。
とは言うものの、刻み目の粗いGリフと、スラッシーなリズムが切れ味鋭く疾走する⑥⑦、初期スタイルの
アグレッションと実験精神が巧みに融合を果たした①③等、聴き応えのある楽曲も収録されており、キャッチーさや
即効性にこそ乏しいものの、これはこれでキッチリと高い完成度の作品を提示してくる辺りは「流石」と唸らざるを得ない。
「リユニオンして新作製作中」の報から、実際に作品が発表に至るまで結構かかっただけあって、
バンド側の試行錯誤の跡がクッキリと刻まれた1枚。好き嫌いは分かれるが、力作なのは確かか。


PAR LINDH PROJECT - Veni Vidi Vici ★★ (2009-05-09 20:55:00)

THE FLOWER KINGS等と共にスウェーデンのプログレ・シーンを牽引する、「北欧のキース・エマーソン」こと
鬼才パル・リンダー率いるプロジェクトが'01年に発表した、古代ローマの英雄ガイウス・ユリウス・カエサルの
名言「VENI, VIDI, VICI.(来た、見た、勝った)」をタイトルに戴く4thアルバム。(邦題『幻想のノスタルジア』)
↑上の方同様、長いだけのプログレ・サウンドに興味はないのだけれど、このプロジェクトの場合、全編に満ち溢れる
ロマンティックな泣きメロがとにかく素晴しく、例え大作主義が打ち出されていようとも、シンフォニックな
アレンジが施された叙情的な楽曲の数々に、冗長さや難解さは皆無。取り分け、元クラシック・ピアニストという
出自を持つパル・リンダー氏の流麗なKeyプレイは本編の白眉で、生ピアノ、メロトロン、チャーチ・オルガンといった
様々な楽器を駆使して紡ぎ出される美旋律の数々は、聴く者の胸を打つ。
弦楽器の妙なる調べに壮麗な混声合唱、女性シンガー、マグダレーナ・ハグバーグの気高く冷え澄んだ歌声、
そしてヘヴィネスとダイナミズムを宿したリズムが絶妙に絡み合う収録楽曲に駄曲は一つもないが、中でも、
舞踏の如き力強さと優雅さを併せ持った大作③、タメを効かせて盛り上がっていく劇的な④、ハードに疾走する⑥、
息苦しいまでの感動を呼ぶ組曲⑨⑩といった圧巻の完成度を誇る名曲の数々は、間違いなく本編のハイライト。
パル・リンダー・プロジェクトの作品の中では、比較的メタリックな色合いが強く、HR/HMファンにも取っ付き易い1枚。
哀メロ派は必聴でしょう。(ただ、ラストのボーナス・トラックはいらんかったかなー)


AXEL RUDI PELL - Magic ★★ (2009-05-05 22:55:00)

日本では、所属レコード会社をテイチクからビクターに変えて'97年に発表された6thアルバム。
ブックレットにて、気合の入った魔法使いのコスプレ姿を披露してくれているアクセル・ルディ・ペル(G)の
勇姿(笑)が端的に物語る通り、前作『BLACK MOON PYRAMID』にて完成を見たRAIBOW~DIO直系の様式美HM路線を
順当に継承しつつ、疾走曲はよりスピーディに、バラードはよりエモーショナルに、大作ナンバーはよりドラマティックに・・・
と、その作風は更に発展を遂げ、また、詰め込み過ぎが災いしてやや散漫さも感じられた『BLACK~』の構成を
反省したのか、今回は収録曲が全10曲と、無駄なくタイトに絞り込まれて中弛みがない点も好印象。
シャープな疾走感も然る事ながら、練り込みの跡が伺えるサビメロの展開が秀逸なスピード・ナンバー②③⑦⑧、
アクセルのベスト・ワークの一つに挙げたいくらい、素晴しく劇的なGソロが炸裂するアルバム表題曲④、ハード・ロッキンな
エッジと哀愁のメロディを併せ持った⑤、物悲しげなピアノの旋律が胸締め付ける、悲壮感漂わす大作ナンバー⑥、
ジェフ・スコット・ソートの情感豊かなVoが堪能できる名バラード⑨、HELLOWEEN時代のローランド・グラポウがゲスト参加、
アクセルと2人で高速ツイン・リードを披露するという、色んな意味で(?)スリリング極まりない
インスト・ナンバー⑩・・・と、全編これ捨て曲なし。アクセル・ルディ・ペルの数ある作品群の中でも指折りの完成度を誇る、
ジェフ在籍時代の有終の美を飾るに相応しい傑作。↑上の方同様、個人的にこのラインナップに
一番思い入れがあったので、できればこの時代に一度でいいから来日して欲しかったなぁ。


AXEL RUDI PELL - Black Moon Pyramid ★★ (2009-05-05 08:43:00)

「らしさ」炸裂のアルバム・タイトルに、お馴染みマーク・クリナート画伯が手掛けた美しく壮大なジャケット・アートワーク、
要所にインスト曲を配して、全編をドラマティックに物語っていく手法、「エジプト」をコンセプトにファンタジー色を強めた
歌詞の数々etc・・・と、アクセル・ルディ・ペル(G)ならではの様式美HMワールドが遂に完成を見た、'96年リリースの5thアルバム。
これ以降の彼は、今度は完成された「型」の中で如何に優れた楽曲を生み出すかに腐心していく事となる。
サービス精神が勝ち過ぎたのか、全15曲で70分を越える収録時間は幾らなんでも詰め込みが過ぎ、通して聴くと
若干の「ダレ」を覚えるのが難点なれど、1曲1曲の楽曲は相変わらずしっかりと練り上げられていて聴き応えは十分。
RAGEのピーヴィ・ワグナーがゲスト参加を果たし、硬質なBプレイを聴かせてくれるスピード・ナンバー②、
一緒に叫びたくなるサビを持つキャッチーなHMソング④、タイトルからしてRAINBOW~DIO臭が濃密に漂う“STAGAZER"型の
劇的な大作⑤⑧、美しいピアノ・バラード⑦・・・といった楽曲は、どこに出しても恥ずかしくない様式美HMファン必聴の
名曲に仕上がっているのではないかと。(中にはジェフ・スコット・ソート色が強く出た⑬のような異色曲もありますが)
中期アクセル・ルディ・ペル・バンドの状態の良さがハッキリと伝わってくる1枚。
これが世に出た頃は「そろそろ来日公演かな」と本気で信じていましたよ、俺は。


AXEL RUDI PELL - Between the Walls ★★ (2009-05-04 21:57:00)

3rd『ETERNAL PRISONER』から、Keyプレイヤーを紅一点のジュリー・グローにチェンジして'94年に発表された4thアルバム。
味わい深く爪弾かれるムーディなイントロ①に導かれて、勢い良くスタートする名曲②を筆頭に、アメリカンHM風味も
強く感じられた前作に比べ、ロックンロール色が後退し、暗く湿った欧州へヴィ・メタリックな質感が前面に押し出された本作は、
速弾きはともかく、印象的なメロディの構築にかけては見事な冴えを発揮するアクセルのGプレイ、
ジェフ・スコット・ソートのパワフルな灼熱Vo、そしてヨルグ・マイケル&フォルカー・クラウツァクの
リズム隊が叩き出すタイトなビート・・・と、メンバー間のコンビネーションも一層強固なものとなり、
いよいよ「アクセル・ルディ・ペル」と聞いて、ファンが想起するサウンドの方向性が固まり始めた感あり。
勇壮なスピード・チューン②、キャッチーなメロディが哀愁を帯びて駆け抜ける④、以後、アルバム毎に
必ず収録される事となる“STAGAZER"タイプの大作曲の原型と言えそうな⑤、劇的なミディアム・バラード⑧は、
個人的に特にお気に入りの名曲・佳曲。(ちなみに⑦はFREEの有名曲のカヴァーだ)
大好きな『ETERNAL~』や傑作『MAGIC』程ではないにしろ、非常に良く出来た1枚・・・つーか、この頃の彼らに駄作はないですね。


AXEL RUDI PELL - Eternal Prisoner ★★ (2009-05-04 01:05:00)

Voをロブ・ロックから、必殺仕事人シンガーことジェフ・スコット・ソートにチェンジして'93年に発表された3rdアルバム。
その他の面子は、ヨルグ・マイケル(Ds)にフォルカー・クラウツァク(B)と前作と同じ布陣で(Keyのみメンバーは流動的だが)、
個人的には、よりバンドらしさを強め、長く続いたこのラインナップの時代に一番思い入れを感じていたり。
スピーディなHMナンバーあり、叙情バラードあり、ドラマティックな大作あり・・・と、前作『NASTY REPUTATION』で
確立した音楽性をしっかりと継承しつつも、軽快なノリを持った⑤や、AEROSMITHばりにファンキー&グルーヴィな⑥、
ライブでの盛り上がりが容易に想像できる⑨といった楽曲を収録する等、アクセルの作品の中では一際アメリカンHM風味が
色濃く薫る本作。とは言え、ゴリゴリのHMのみならず、この手のナンバーも説得力十分に歌いこなす
ジェフの胸焦がすVoと、豊かな構築美を湛えたアクセルの秀逸なGプレイのお陰で散漫さは皆無。
テクニック面で問題点を指摘される事の多い彼氏なれど、この卓越したメロディ・センスはやはり魅力的だ。
そして何より、王道スピード・メタル・チューン①、切れ味鋭い哀愁のハードロック②、幻想的でドラマティックな
アルバム表題曲③、アコギを巧みに用いたバラード④という本編序盤の畳み掛けや、「ギタリスト:アクセル・ルディ・ペル」
の魅力が堪能できる、オリエンタルな雰囲気を漂わせたインスト曲⑦や、そこから繋がっていくノリの良さと
哀愁を併せ持った⑧といった、このバンドならではのHMチューンの数々のカッコ良さの前には、ぐうの音も出ないというもの。
バラエティ豊かな作風ゆえ、肩の力を抜いて気楽に楽しめる1枚かと。


AXEL RUDI PELL - Nasty Reputation ★★ (2009-05-03 01:52:00)

多数のゲスト・ミュージシャンが迎えられ、如何にも「ギタリストのソロ・アルバム」といった雰囲気を漂わせていた
デビュー作『WILD OBSESSION』に比べ、シンガーの座に現IMPELITTERIのロブ・ロック、リズム隊には
以後、7th『OCEAN OF TIME』に至るまで不動のメンバーとなるドイツ屈指の実力派ドラマー、ヨルグ・マイケルと、
STEELER時代からの盟友フォルカー・クラウツァク(B)を起用し、格段にバンドらしさを高めて制作、
'91年に発表されたアクセル・ルディ・ペルの2ndソロ・アルバム。
LAメタル調の②を収録する等、現在ほど「様式美HM路線」が徹底されているわけではないが、何れの楽曲も
ジャーマンHMならでは哀愁とドラマ性に彩られ、何より、強力なフックを備えたメロディを見事に歌いこなす、
メタル魂を燃焼するかの如きロブ・ロックのパワフルな熱唱が、サウンドのクオリティを数倍も引き上げる。
特に、HMのカッコ良さを凝縮したかのような、思わず力コブる勇壮な疾走チューン①③、7分以上に及ぶ
ドラマティックな大作⑦は、アクセル・ルディ・ペルの長いキャリアの中でも屈指の完成度を誇る名曲中の名曲。
個人的には、アクセルとロブ、両者にとってベストに数えられるべき質の高いパフォーマンスが
全編に渡って堪能できる、ジャーマンHM史に残る名盤と信じて疑わない1枚。アクセル・ルディ・ペル入門編にどうぞ。


DGM - Frame ★★ (2009-04-29 21:49:00)

リリースする作品のクオリティの高さに反して、頻繁に繰り返されるメンバー・チェンジのせいでバンドの実体が
ハッキリしない事が足を引っ張り、日本では今ひとつマイナーな地位に甘んじているDGMが'09年に発表した7thアルバム。
今回は遂にティッタ・タニ(Vo)が脱退。オリジナル・メンバーではないものの、3rd『DREAMLAND』加入以降、
その見事な歌唱をもってバンドの「格」向上に大きく貢献してきた存在だっただけにショックも一入だったのだが、
このバンドの凄いところは、こうしたドラスティックなメンバー・チェンジが作品の質に何ら影を落さない点だ。
ネオクラシカルなテイストや、クサメロの類がほぼ姿を消し、ファンキーに跳ねるリズムやトランス調のKey等、
モダンなアレンジの数々が積極的に取り入れられている本作だが、ヘヴィ・メタリックな疾走感、流麗なKeyとGの
火花散るバトル、劇的に練り上げられた曲展開、そしてフック満載の叙情メロディといった、DGMならではの魅力は相変わらず
しっかりと保持。何より洗練の度合いを一気に高めたサウンドからは、本格派プログレHMバンドとしての貫禄すら漂ってくる。
特に「掴みはOK」な、スリリング且つドラマティックに疾走する①②、大仰なオーケストレーションとエキゾチックな
メロディを纏ったインスト曲⑤、強い求心力を備えたキャッチーな哀メロが炸裂する本編のハイライト的存在の⑥⑧
といった楽曲は、アルバムの完成度の高さを端的に物語る名曲に仕上がっているのではないかと。新Voマーク・バジルの
パワフルな歌唱も見事。(正統派のハイトーン・シンガーだったティッタに対し、こちらはブルージーな歌い回しがその持ち味か)
うーん、一度で良いからライブが見てみたいなぁ。


DGM - Different Shapes ★★ (2009-04-26 01:54:00)

精度の高いGプレイでもって楽曲の劇的な盛り上げに大きく貢献してきた、オリジナル・メンバーのディアゴ・レアリが脱退。
とうとう、「DGM」というバンドの名の由来にもなっていた3人の結成メンバーが一人もいなくなるという
事態に追い込まれてしまった彼らが、'07年に発表した6thアルバム。
頻繁に繰り返されるメンバー・チェンジは最早このバンドの名物だが、その都度、前任者に勝るとも劣らぬ実力派プレイヤーを
後任に迎え入れ、クオリティを下げることなくアルバムを作り続けてきたのがDGMの凄いところで、それは本作も同様。
メロディック・パワー・メタル寄りのサウンドだった前作『MISPLACED』に比べると、今回はやや肩の力の抜けた
メロディ重視の「聴かせる」姿勢が強調された作風で、その効果は、これまでよりも更にキャッチーさを高めた
各収録曲のサビメロのフックラインにテキ面に表れている。中でも、メロディアス・ハードっぽい雰囲気も漂わせる④、
洗練されたポップ・センスを導入したバラード⑤は、バンドの新境地とでも言うべき魅力に溢れた名曲に仕上がっていて◎。
勿論、テクニカルなGとKeyの絡み、緊迫感とドラマ性を兼ね備えた曲展開、そして強力な哀メロという3拍子揃った
名OPナンバー①、新加入したギタリストが絶品のGソロを炸裂させる③、前作に収録されていてもおかしくない
パワー・メタル・チューン⑨といった、従来の「らしさ」を継承する楽曲もきっちりと収録。また、⑥の如き
スラッシュ・メタルばりのアグレッションを撒き散らすナンバーにもチャレンジする等、バラエティ豊かな楽曲が
揃った本作は、DGMならではの個性と、実験精神がバランス良く配合された内容に仕上がっているんじゃないかと。
ディアゴ・レアリ脱退のダメージを全く感じさせない力作で、個人的には3rd『DREAMLAND』と並んでお気に入りの1枚。


DGM - Misplaced - Still Believe ★★★ (2009-04-25 01:21:24)

悲壮感を漂わせたメロディを歌う
ティッタ・タニの色気のある歌い回しが映える
ドラマティックなパワー・バラードの名曲。
聴く者の胸を締め上げるディアゴ・レアリの
表現力豊かなGソロも絶品。


DGM - Misplaced ★★ (2009-04-25 01:05:00)

メンバー・チェンジが頻繁なDGMには珍しく、前作『HIDDEN PLACE』と同じ面子で制作、'04年に発表された5thアルバム
その『HIDDEN~』では、やや音楽性に拡散の傾向が見受けられたが、今回は活きの良いOPナンバー①、本編随一の
荒々しさを誇る②といった、冒頭2連発のアグレッシブな畳み掛けが端的に物語る通り、疾走感を取り戻した曲調といい、
ランニング・タイムが5分台以下に絞られ、スリム化が計られた曲展開といい、2nd『WINGS OF TIME』以来、
久々にメロディック・パワー・メタル路線へと回帰を果たした作風に仕上がっている。
とは言え、プログレッシブHMのエレメントが失われてしまったわけではなく、相変わらず緻密に組み立てられた曲展開や
凝ったアレンジの数々は健在で、特に、美しくも悲壮な叙情メロディに胸打たれるヘヴィ・バラード風の④や、
前作より加入したBのバカテク・プレイが炸裂する⑥といった楽曲は、その辺りの色合いを強く残した名曲かと。
微笑ましい出来栄えのボーナストラック『北斗の拳』主題歌のカヴァー⑨に至るまで、全編これ捨て曲なし。
「即効性」という点において前作を大きく上回る、非常に充実した内容の誇る傑作。これだけ作品を作り上げながら、
本作を最後に、ディアゴ・レアリ(G)がバンドから脱退してしまうのだから、好事魔多しというか何と言うか・・・。


DGM - Hidden Place - Save Me ★★★ (2009-04-19 21:35:52)

ティッタ・タニの熱唱が映えまくる、
ヴァースからサビにかけて炸裂する劇的な泣きメロに、
「これよ、これ!」と思わずガッツポーズ取りたくなる
DGMならではの優れた哀メロ・センスが堪能できる名曲。
中盤に挿入されたジャジーなパートもユニーク。


DGM - Dreamland - Eternity ★★★ (2009-04-18 21:00:14)

DGMの数ある名曲の中でも、個人的に最も愛して止まない楽曲の一つ。
ティッタ・タニの張りのあるVo、ディアゴ・レアリの
エキサイティングなGプレイの素晴しさも然る事ながら
この曲の肝は、やはり鮮烈且つ格調高い仕事っぷりを
披露する気品漂うKeyでしょう。
効果的に取り入れられている“TUBULARBELLS"のメロディも◎。


DGM - Dreamland ★★ (2009-04-18 20:53:00)

SYMPHONY Xやイングヴェイ・マルムスティーンといったアーティストからの影響をしっかりと咀嚼吸収して、
DGM独自のテクニカルでドラマティックな音楽性へと昇華した'03年発表の3rdアルバム。
本作最大のトピックは、何といってもルチアーノ・レゴリの後任としてバンドに加入した新Vo、ティッタ・タニの存在で、
そのパワフルな歌声は前任者の線の細い歌唱を遥か彼方に吹き飛ばし、バンドの「格」向上に大きく貢献する素晴しさ。
その彼が歌う収録曲の方も、パワー・メタリックな疾走感やネオクラシカル風味が薄れた代わりに、
アレンジはより綿密に、メロディは更にキャッチーに、曲展開は一層ドラマティックに磨き上げられ、
プログレHM的側面が強調されたサウンドは、一回りも二回りもスケールアップを遂げている。
何より、プロデューサーに元GOBLINのクラウディオ・シモネッティを迎えた成果か、従来よりもグッと前面に押し出され、
楽曲に気品と深みを加えるシンフォニックなKeyの活躍っぷりが素晴しいったらありゃしない。特に、映画『エクソシスト』で知られる
“TUBULAR BELLS"の有名な旋律を取り入れた、劇的且つ格調高いKeyワークが炸裂する②はDGM史上に残る名曲ではないかと。
勿論、滑らかな速弾きとエモーショナルな表現力、双方に冴えを見せるディエゴ・レアリの
Gプレイの素晴しさについては、今更言及するまでもない。
7分を越える楽曲が、本編の半数以上を占める大作主義が打ち出された作風にも関わらず、ダレ場なし、
勿論、捨て曲もなしのこのクオリティは、DGMのカタログの中でも1、2を争う完成度の高さを誇る。
個人的に、彼らの作品では最も愛して止まない1枚。DGM入門編に是非どうぞ。


DGM - Wings of Time - Mirrors of the Night ★★★ (2009-04-18 00:07:41)

哀愁を帯びたメロディが胸に沁みるセミ・バラード。
疾走系の楽曲ではパワー不足が気になるルチアーノ・レゴリだが、
こうしたメロディアスな楽曲における歌唱を聴くと、
基本、歌の上手いシンガーであることが良く分かる。
それにしても、テクニカルなだけでなく繊細な感情表現にも
長けたディアゴ・レアリのGプレイは素晴しい。
泣きのGソロに思わず悶絶。


DGM - Wings of Time - Guiding Light ★★ (2009-04-17 23:59:41)

キャッチーなイントロ部分だけでガッチリと掴まれる
ドラマティックな疾走ナンバー。
楽曲のハイライトを飾る、ディアゴ・レアリのGソロが
エキサイティング極まりない。


DGM - Wings of Time ★★ (2009-04-17 23:56:00)

90年代半ばにイタリアはオスティアにて結成され、オリジナル・メンバーの頭文字を取ってDGMを名乗った
5人組HMバンドが'99年にELEVATE RECORDSより発表した、日本デビュー作ともなった2ndアルバム。
国内盤未発売に終わったデビュー作『CHANGE DIRECTION』は恥ずかしながらまだ聴いた事がないのだけれど、
SYMPHONY Xを思わせる技巧を凝らした曲展開に、メロディック・パワー・メタルばりの疾走感を併せ持ち、
イングヴェイ・マルムスティーンからの強い影響を感じさせるネオクラシカル風味のGが全編を華麗に彩る
テクニカルでドラマティックなDGMならではのサウンドは、既にこの時点で立派に確立済み。
イントロ一発で「掴みはOK」となるOPナンバー①を筆頭に、技巧に溺れないキャッチーな哀メロ作りに
冴えを見せる彼らだが、何より素晴しいのは、やはりディアゴ・レアリの流麗なGプレイ。特に、①や③において
聴き手の感情にガンガン揺さぶりをかけてくる、振幅の大きな高音ヴィブラートの素晴しさには筆舌尽くし難いもの有り。
ルチアーノ・レゴリのパワーに欠けるVo(でも歌は上手い)や、時に楽曲から露骨にネタ元が透けて見えてしまったりと、
まだまだ荒削りな部分も目立つものの、ともあれ、ここまで完成度が高ければ立派に賞賛に値すると言うもの。
HR/HMファンなら、本編前半(①~④)を聴くためだけでも本作を購入する価値ありと認む。


KIM KYUNG HO - 00:00:1998 ★★ (2009-04-12 22:44:00)

HR/HM好きとして知られ、最近はSABER TIGERの木下昭仁(G)とコラボったEPも発売されている
韓国出身のソロ・シンガー、キム・ギョンホが'98年に発表した3rdアルバム。
全曲が韓国語で歌われ、歌詞カードを読んでもハングル文字が並んでいて、曲名すらチンプンカンプンな本作だが、
にも拘わらずしっかりと楽しめてしまうのは、声域/声量/表現力を兼ね備えたキム・ギョンホのエクセレントな
歌声によって紡がれる、胸を打つ哀愁に彩られた叙情メロディの魅力ゆえ。特に、美しいアコギとストリングスを
フィーチュアした③、本編のハイライト足るドラマティックな④、歌謡曲に通じる泣きメロに思わずコブシが回る⑥、
分厚いコーラスが印象的な⑧といった、ミディアム/スロー・テンポのバラード系ナンバーの出来栄えは絶品だ。
本国韓国では、ビジネス上の戦略からポップなサウンドを志向せざるを得ない状況らしいが、耳をつんざくハイトーン・シャウトで
幕が開く①や、イングヴェイばりのネオクラシカル・チューン⑥といった、ハードロッキンなナンバー(不似合いな⑪はどうかと思うが)
を収録して要所をグッと引き締める本作は、そんな彼のカタログの中では比較的ハードな作風を誇る1枚(らしい)。
キャリアの絶頂期を極めんとするキム・ギョンホの勢いが如実に反映された、HR/HMリスナー向きの充実作かと。


PAIN OF SALVATION - The Perfect Element, Part I - Chapter II. "It All Catches Up on You When You Slow Down": Her Voices ★★★ (2009-04-12 13:05:34)

個々の楽曲よりも全体の構成力で勝負するバンド、
とのイメージがあったのだが、これは素晴しい泣きの名曲。
「北欧的」と表現するのも生温い、暗く、悲痛な泣きメロの
奔流が聴く者の涙腺を揺さぶりまくる。


PAIN OF SALVATION - The Perfect Element, Part I ★★ (2009-04-12 12:38:00)

緻密に組み立てられたコンセプトと、静/動、剛/柔、弛緩と緊張、破壊と構築等、相反する要素を兼ね備えた独創的な楽曲を持って、
近年登場したプログレHMバンドの中では、DREAM THEATERやSHADOW GALLERYに匹敵するインパクトを放っていた
スウェーデンの鬼才、ダニエル・ギルデンロウ(Vo、G)率いるPAIN OF SALVATIONが'00年に発表した3rdアルバム。
ここ数作では、やや敷居の高い難解な方向へと音楽性をシフトさせ、小難しく語られがちな彼らだが、
このバンド最大の魅力は何と言っても、暗く、悲壮感に満ち溢れた泣きのメロディ。特にこの3rdアルバムは、
前2作で確立したプログレHMサウンドを更に発展させつつ、全編に溢れる泣きメロの悲壮感にも一層の磨きがかけられており、
その涙腺破壊力は、普段、知的な音楽とは無縁のミュージックライフを送るボンクラ・メタラー(俺だ)をも
一撃でノックアウトする強力さ。取り分け、ダニエルのVoとG、流麗なピアノの調べ、そして壮麗なボーカル・ハーモニーが
劇的且つエモーショナルに泣いて泣いて泣きまくる痛切な名曲⑥は、哀メロファンなら涙の海で溺死しかねない程の悶絶級の仕上がり。
破壊的に刻まれるヘヴィ・リフと、高度な技術の応酬が生み出すスリルと緊迫感、そして繊細な叙情メロディが
全編を覆い尽くして波状攻撃を仕掛けてくる作風は、まさに「POSの最高傑作」と呼ぶに相応しいクオリティで、
決して難解でもアバンギャルドでもない(キャッチーでもないが)。このバンドの作品に触れるなら、先ず本作からどうぞ。


中村達也 - Turn on the Light - Turn on the Light ★★★ (2009-04-05 19:58:09)

個人的にアルバムを購入する切っ掛けともなった名曲。
スピーディに疾走し、「楽曲の中の楽曲」として成立している
良く練り上げられた中村のGソロが素晴しいったら。
やや不安定ながら、感傷的な歌声で楽曲の叙情性を強化するVoも
良い仕事をしています。


中村達也 - Turn on the Light ★★ (2009-04-05 16:41:00)

後に高谷学(Vo)と組んでBLINDMANを立ち上げる事となるギタリスト中村達也が、'94年に自主制作で発表した
ソロ・アルバム。(確かこのプロジェクトがBLINDMAN結成の切っ掛けとなったんでしたっけ?)
雑誌を読んでいて見かけた「中村達也なるミュージシャンの“TURN ON THE LIGHT"という楽曲がかなり強力らしい」
との情報を頼りに、なんの予備知識もなく購入した本作だったが、アルバム表題曲にして疾走チューンの
名曲“TURN~"以外にも、②⑥⑧等の佳曲が数多く収録されており、キャッチーな彩りを加えるKeyを
ふんだんに取り入れ、時にポップな味わいも感じさせる正統派HRサウンドは、なかなかの聴き応え。
大半の楽曲が歌入りで、且つ、泣きのインスト曲⑤によく表れているように、無理に音符を詰め込むことなく
一音一音を丁寧に紡ぎ出す中村のGプレイは既に「楽曲優先」のスタイルが徹底。曲作りにしても、まず耳に
飛び込んで来るのは甘い声質のVoが歌うメロディであり、そこからはギタリストのソロ作にありがちな、
過剰な自己主張は殆ど感じられない。(個人的には自己主張しまくる作品も大好きなんですが)
まぁ、肝心なVoの歌唱が不安定だったり、自主制作盤ゆえの音質のショボさも隠し難いモノがあるのだけれど、
ともかくメロディの充実っぷりが吉と出て、最後まで飽きる事なく楽しむ事ができる。
この音楽性ならば、BLINDMANより取っ付き易いと感じるHR/HMファンも多いのでは?


MILLENIUM - Jericho ★★★ (2009-04-04 11:22:00)

実力はあるが、ひとっ所に長く留まっていられない性格のヨルン・ランデが脱退してしまったため、オリジナル・シンガーのトッド・プラントとヨリを戻して制作、'04年に発表された3rdアルバム。
いつになく太い音色のGリフがザクザクと刻まれ、トッド・プラントが逞しさを増した歌唱を披露する、重厚なOPナンバー①に代表されるように、前作『HOURGLASS』に比べ「華やかさ」や「爽快感」といった要素が薄れ、よりシリアスで、ヘヴィなサウンドに仕上がっています。
・・・と書くと、EYEWITNESSの2nd『MESSIAH COMPLEX』の悪夢を思い出す人もいるかもしれないが、今回は、まさに飛翔するかの如き高揚感に満ちたラルフ・サントーラのメロディックなGプレイや、憂いを帯びたメロディの魅力をしっかりと保持。寧ろ、ヨーロピアン風味の湿り気は前作以上と言えるぐらいで、過去の失敗を繰り返すような愚は犯していないのでご心配なきよう。
ヘヴィさが増した分、キャッチーな即効性こそやや低下してしまったものの、前述した①に始まる、ヘヴィ・メタリックな重厚感と憂いが程好くミックスされた頭3曲や、哀メロが駆け抜ける疾走チューン⑥、そしてラストを悲壮感たっぷりに締め括るヘヴィ・バラード⑩といった、このアルバムならではの魅力を備えた名曲をきっちりと収録し、個人的には前作よりも頻繁に手が伸びるアルバムだったりします。
尚、ラルフは本作を最後にMILLENIUMとしての活動を停止。以降、スラッシュ/デス・メタル系バンドで流麗なGプレイを披露する必殺仕事人路線へとシフト。でも、折角の曲作りの才が勿体ないので、できれば今後もMILLENIUMとしての活動は継続して欲しいなぁと。


MILLENIUM - Hourglass ★★★ (2009-03-29 22:40:00)

トッド・プラント(Vo)がDOOBIE BROTHERSのツアー要員に引き抜かれてしまったため、代わりにNOW AND THEN RECORDSから紹介されたヨルン・ランデを新Voとして迎え入れ、'00年に発表した3rdアルバム。
キャッチーな叙情メロディと、マイケル・シェンカーやウリ・ロートの系譜に連なる官能的なラルフ・サントーラのGプレイ、そして美しいボーカル・ハーモニーをフィーチュアした作風は、前作『ANGELFIRE』の路線を継承しつつ、今回はヨルンのパワフルな歌唱に引っ張られたのか、よりスケールの大きな、エネルギッシュ且つポジティブな雰囲気を漂わせた曲調の楽曲が、数多く収録されているのが特徴。
特に、その筆頭と言えるのがOPを飾る名曲①で、ヨルンの突き抜けるような熱唱が「これでもか!」と映えまくる、鮮烈にして爽快感に満ち溢れた曲展開は、何度聴いても鳥肌モノの素晴しさ。MILLENIUMの数ある名曲の中でもマイ・フェバリット・ナンバーはこの曲で決まりでしょう。
正直、彼のVoはこの手のメロディアス・ハード物を歌うにはややパワフル過ぎるというか、クドイ感が無きにしも非ずなのだが、とは言え、HR/HMシーン屈指の実力派シンガーとして鳴らすだけあって、歌の上手さは折り紙つき。本作においても、劇的なスロー・ナンバー③や、情感豊かに盛り上がるブルージーなバラード⑧といった楽曲で披露される、胸を締め付けんばかりのソウルフルな歌唱は実に感動的。まさに唯一無二。
収録曲数が全10曲に抑えられた事で、本編の構成もタイトに引き締まり、多くのファンが「バンドの最高傑作」と推すのも大いに納得のいくハイクオリティな内容に仕上がった、2nd『ANGEL FIRE』と甲乙付け難いメロディアス・ハード・ロックの名盤。


MILLENIUM - Angelfire ★★★ (2009-03-28 02:30:00)

EYEWITNESS時代のデモテープを流用して制作された「初期音源集」的内容の1st『MILLENIUM』に対し、全曲が完全な新曲で固められ、メンバーの著しい成長ぶりがしっかりと刻まれた、実質的なMILLENIUMのデビュー作と言っても過言ではない'98年発表の2ndアルバム。
ラルフ・サントーラのウリ・ロートを彷彿とさせるメロディックなGプレイと、トッド・プラントの伸びやかで癖のないVo、そして分厚く美しいボーカル・ハーモニーに彩られた楽曲は、叙情性/ドラマ性/そしてフック満載のメロディのキャッチーさ、何れの点においても前作のそれを大きく凌駕。なんせ15曲も収録されていて、捨て曲が全くないのだから畏れ入る(とは言え、曲数はもう少し絞った方が更に印象は上向いたと思うけど)。暗くも重くもなり過ぎない爽やかな哀愁と、心地良いポップセンスが巧みに組み合わされた、所謂「MILLENIUM節」は、本作をもって確立されたのではなかろうか。
特に、本編への期待が膨らむ劇的な序曲①から繋がっていく、FAIR WARNINGばりの高揚感に満ちた②、哀メロが五臓六腑に染み渡る叙情ナンバー④、エモーショナルに紡がれる泣きのGソロに涙腺が決壊する⑥、阪神大震災を題材に取り上げ、シリアス且つドラマティックに疾走するROYALHUNT風の⑨・・・といった楽曲は、このバンドならではの魅力に溢れた名曲。
個人的にMILLENIUMのカタログの中でも最もお気に入りの1枚であり、彼らの入門編として強くお薦めしたい名盤。


MILLENIUM - Millenium ★★ (2009-03-22 20:20:00)

初期HAREM SCAREMばりの哀愁のHRサウンドで一躍注目を浴びながら、2ndアルバムではダーク&へヴィ路線に鞍替えして、メロディ愛好派リスナーを落胆させたフロリダ出身のHRバンドEYEWITNESS。その司令塔だったラルフ・サントーラ(G)が、ファンの期待に応えて従来のメロディアスHR路線を追求すべく、盟友トッド・プラント(Vo)らと共に立ち上げた別プロジェクトMILLENIUMが、'96年に発表したセルフ・タイトルの1stアルバム。
全収録曲が、EYEWITENSS時代に制作されたデモテープからの再録ということで、そのサウンドは完全にEYEWITNESSの1stアルバムと同一路線。MILLENIUMの2nd以降と比較してしまうと、未だオーソドックスなアメリカン・ロック風味が強く、叙情性や爽快感といった要素は然程でもないものの、程好く哀愁を帯びたキャッチーなメロディや、トッド・プラントの伸びやかなVo、そしてサビメロを包み込む重厚なボーカル・ハーモニーといった、MILLENIUMの重要な個性は既に立派に健在。
それにしても素晴しきはラルフ・サントーラのメロディックなGプレイで、例えば①なんぞ、地味なアメリカンHRナンバーにも関わらず、彼の強力な「気」を放つ官能的なGソロが切り込んできた途端、一気に楽曲自体が輝きを放ち始めるのだから堪らない。(個人的な一押しは、⑦⑧⑨というラスト3曲)
アルファから出ていた国内盤が既に廃盤という事で入手はやや困難なようだが、ファンなら取り合えずは一聴の価値がある1枚かと。


MARGE LITCH - Fantasien 1998 ★★ (2009-03-22 13:27:00)

横山嘉照(G)を中心に結成され、現ALHAMBRAの世良純子(Vo)、長倉哲郎(Ds)、神保宗久(B)に、GALNERYUSや
ARK STORM等での活動で知られるKey奏者、YUUKIらが在籍していたプログレ/シンフォニックHMバンドが、
現在では入手困難な'90年制作の1stアルバム『FANTASIEN』をセルフ・リメイクした作品がこれ。
全曲日本語で綴られた、御伽噺風味のファンタジックなストーリーと、世良純子の「NHKの歌のお姉さん」ばりに
溌剌とした歌唱はかなり好き嫌いが分かれるところで(歌い手としての実力は折り紙付きなのだが)、
特にメルヘンチックなOPナンバー①は、彼女のキュートな歌声と相俟ってモロ「70年代の少女向けアニメの主題歌」風に
聴こえ、思わず赤面を誘われるこっ恥ずかしい出来なれど、だがしかし、それ以降は全編が大作主義に貫かれ、
日本人ならではの木目細かい叙情メロディと、綿密にして壮大なアレンジの組み立て、そして高度なテクニックに裏打ちされた、
スリリング且つドラマティックな曲展開を併せ持ったNOVELAやSCHEHERAZADEといったバンドを更にHM寄りにしたかの如き、
「プログレ・メタル斯くあるべし!」な楽曲が連打され、グイグイと作品世界に惹き込まれて行く。
中でも、世良純子のシアトリカルなボーカル・パフォーマンスの素晴しさにノックアウトされる②、男女のオペラVoを
大々的にフィーチュアして、映画のサントラの如き盛り上がりを演出する③、B、G、Keyがスリリングに絡み合い火花を散らす④、
ヘヴィに刻まれるリズムの上を壮麗なメロディが劇的に舞う⑤といった、本編中盤に配された楽曲の完成度の高さは圧巻。
自分が持っているのはMUSEA RECORDSから配給されたフランス盤なのだが、実際、世界に出しても全く恥ずかしくない
見事なクオリティを誇る1枚。寧ろ、日本語の歌詞が伝わらない海外の方が素直に受け入れられるのかも・・・なんて。


GATES OF ISHTAR - At Dusk and Forever - Battles to Come ★★★ (2009-03-20 20:16:15)

デス・メタルというよりも、スラッシュ・メタルっぽい名曲。
ドラムの音が前に出過ぎた、バランスの悪い音作りが玉に瑕な
本作だが、この曲においてはそれがプラスに作用。
オスカー・カールソンの鬼のようなバスドラの刻みっぷりが
とにかく圧巻としか!


GATES OF ISHTAR - At Dusk and Forever ★★ (2009-03-20 20:09:00)

数年前、引越しに伴う金欠とCDの収納スペース不足から、メロデス系の作品の大半を手放してしまったのだが、
SADISTの『ABOVE THE LIGHT』とかEBONY TEARSの『眠れぬ夜の物語』とか、大のお気に入りだったために
売っ払う事が出来ず手元に残した作品も幾つかあって、GATES OF ISHTARが'98年にリリースした、
ファンの間では彼らの最高傑作と評価の高いこの3rdアルバムも、そうした作品の1つだった。
DRUM GODこと、名手オスカー・カールソンの切れ味鋭いドラミングに牽引される形で、強力なフックを備えたGリフと
悲哀に満ちたメロディが、デス/スラッシュ・メタリックなアグレッションを撒き散らしながら激走する楽曲の数々は、
全9曲、荘厳且つドラマティックなインスト曲⑨を除くほぼ全編が、タイトなスピード・ナンバーで固められ、
上で別の方々が仰られている通り、確かにその作風はAT THE GATESの名盤『SLAUGHTER OF THE HOUSE』を彷彿とさせる仕上がり。
とにかく光っているのがオスカーの求心力溢れるドラミングで、ただ手数が多いだけでなく、頭よりも体に強烈に訴えかけてくる
(デス・メタルよりもスラッシュ・メタル寄りな)キャッチーなリズムの組み立ての上手さが堪らなく気持ち良い。
中でも本編前半のハイテンションな飛ばし具合、殊に鬼のようなバスドラの刻みっぷりが痛快極まりない④は、本作を代表する名曲でしょう。
安っぽいGの音色とか、バランスの悪い音作りがイマイチなれど、メロデス・ファンのみならず、
スラッシュ・メタル・ファンにも自信を持ってお薦めできる力作。


MYSTIK - Perpetual Being ★★ (2009-03-20 11:44:00)

リズム・ギタリストが脱退、シングルG編成でレコーディングされ日本デビュー作ともなった、'93年発表の2ndアルバム。
サウンド・プロダクションが向上したことで、デビュー作『THE PLOT SICKENS』に漂っていたアマチュア臭さが払拭され、
本格派パワー・メタル・バンドとしての貫禄が感じられるようになった一方、曲展開から構築美が、メロディから
キャッチーさが、リズムからは縦ノリの疾走感が大幅に失われ、当時流行の「モダン・へヴィネス」サウンドからの
強い影響がハッキリと刻まれているその作風は、正直、前作のドラマティックでテクニカルなパワー・メタル・サウンドを
愛する向きには、この煮え切らない横ノリ路線はかなり物足りない。90年代初頭にデビューを飾った
この手のバンド(CHANNEL ZEROとか)は、本当、同様の末路を辿るパターンが多かったよな・・・。
相変わらず、ツボを押さえた泣きのGソロが炸裂する④や、悲壮なバラード⑤、唯一、前作のノリを受け継いでいるように
感じられるスピーディなインスト・ナンバー⑩等、結構耳を惹かれる楽曲もちゃんと存在しているだけに、
もっとキャッチーさの演出にも力を入れて欲しかったなぁ、と。個人的には、上記の楽曲が聴けただけでも良かったけどね。


SHELL SHOCK - MORTAL DAYS - THE CAGE ★★★ (2009-03-18 22:22:02)

2nd以降はハードコア・テイストが増強されていくSHELL SHOCKだが、
メロウなイントロから激烈な疾走を開始し、
最後は再びメロウなアウトロで締め括られる本曲は、
「正統派HMに根差したスラッシュ・メタル」
ならではのカッコ良さに満ち溢れた仕上がり。


SHELL SHOCK - MORTAL DAYS - DANGER ZONE ★★★ (2009-03-18 22:19:23)

触れれば切れそうな鋭利な疾走感と、
本編随一の構築美を誇る、ドラマティックなGソロの
コントラストも鮮やかな名曲。


SHELL SHOCK - MORTAL DAYS - KILLED BY MYSELF ★★ (2009-03-18 22:17:02)

ほんのりパンキッシュな雰囲気を漂わせつつ
猛烈な勢いで突っ走る、理屈抜きにカッコイイ
高速スラッシュ・ナンバー。


MYSTIK - The Plot Sickens - Commandment ★★★ (2009-03-18 22:14:03)

メロウなイントロを経て、勇壮にギャロップする曲調が
IRON MAIDENの“THE TROOPER"を彷彿とさせる名曲。
押しと引きを心得た、ドラマティックな泣きメロを
紡ぎ出すGソロに、思わず心の中でガッツポーズ。


MYSTIK - The Plot Sickens ★★ (2009-03-18 22:08:00)

元PURGATORYのドラマー、ケニー・イーストリーが在籍していた事でも知られる、オハイオ州はクリーブランド出身の
5人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドが、'91年にMASSACRE RECORDSより発表した1stアルバム。
'90年に制作された2本のデモテープが元になっているという本作、音質こそイマイチなものの、シャウトに逃げず
しっかりと歌い上げるハイトーンVoと、メロディックなツインG、そして、歯切れ良く縦ノリのビートを叩き出す
リズム隊をフィーチュアした、初期ANTHRAXやFLOTSAM AND JETSAMを彷彿とさせる、テクニカルでドラマティックな
パワー・メタル・サウンドは、非常に高品質。アクティブに動き回り、楽曲に活を入れるBプレイを聴いていると、
同時期にMASSACRE RECORDSよりデビューを飾ったオクラホマ出身のパワーメタル・バンド、FORTEを思い出したりもするかな。
(あのバンドを更に正統派HMスタイルに近づけた感じ、とでも申しましょうか)
メロウな序曲①を経てスラッシーな攻勢へと転じる②、縦ノリのリズムでアグレッシブに畳み掛ける⑤⑦、
ドライヴするBが痛快な⑨、本編随一のドラマ性の高さを誇る大作⑩といった楽曲も聴き応え十分だが、
個人的なイチオシは何といっても④。叙情的な導入から一転、勇壮にギャロップする曲調が
IRON MAIDENの名曲“THE TROOPER"を思わせ、ここで炸裂する劇的な泣きのGソロが素晴しいったら!
日本デビュー作となった2nd『PERPETUAL BEING』では、モダン方向に色気を見せてメロディの魅力が大幅ダウンしてしまった
彼らだが、この1stアルバムは探し出して聴く価値が大いにある1枚。時々、中古屋で安く転がってるのを見かけるしね。


SABBRABELLS - Sabbrabells - 鏡張りの部屋 ★★★ (2009-03-16 22:35:31)

ヘヴィ且つドラマティックに盛り上がっていく
1stアルバム、後半のハイライトを飾る名曲。
のたうつような中盤の叙情パートを経て、B主導で楽曲が疾走へと
転じる場面のカッコ良さはガッツポーズ物ですがな。


SABBRABELLS - Sabbrabells - 束縛 ★★★ (2009-03-16 22:28:03)

歌謡曲的とも言える、絡み付くような情念を発散しながら
哀愁に満ちたメロディを濃厚に歌い上げる高橋喜一のVo、
咽び泣くG、タメの効いたリズムとがグイグイと
盛り上がっていく様に、思わず胸を掻き毟りたくなる1曲。


SABBRABELLS - Sabbrabells ★★ (2009-03-15 21:57:00)

「死ぬまでに一度は聴いてみたい幻の名盤」の中でも5本の指に入ろうかと言う、SABBRABELLSがインディーズ時代に
発表した1stアルバムが、まさかのリマスター再発。しかもオムニバス盤『HEAVY METAL FORCE』に提供した
名曲中の名曲“ルルドの泉"と、第2期SABBRABELLSがレコーディングしていた2曲のデモ音源がオマケ収録されているのだから、
嬉し過ぎて涙が出て来るというもの。CDを聴く前に思わず緊張してしまったのなんて、一体いつ以来やら・・・。
鐘の音と扉の開く音に導かれてスタートする、ダークで劇的な名曲①が象徴するように、大仰な楽曲の数々やシアトリカルな
ライブ・パフォーマンスから「和製サタニック・メタル・バンド」「埼玉(浦和)のBLACK SABBATH」といった
異名を取った彼らだが、流石に現在の耳で聞き直すと、本作にそこまでのオドロオドロしさはなく
(メンバー自身も「その手のサウンドを目指してはいない」と明言してるくらいだし)、寧ろ、もっとオーソドックスな
70年代HRからの影響が濃厚に感じられる作風。特に、へヴィに刻まれるGリフと、ソリッドなリズム、そして高橋喜一の
情念に満ちたVoとが、絡み合う様にタメを効かせて盛り上がっていく③⑤⑥といった楽曲を聴くと、個人的には
カルメン・マキ&OZを思い出します。あのバンドに『運命の翼』の頃のJUDAS PRIEST風ツインGを組み合わせた感じというか・・・。
何はともあれ、幻の名盤との評価に違わぬ見事なクオリティを備えた1枚。と言うか、興奮し過ぎて冷静な評価なんて
とてもじゃないが出来ません。本作を再発してくれたキングにはこれからは足を向けて寝られませんなー。


FLOTSAM AND JETSAM - When the Storm Comes Down ★★ (2009-03-15 00:51:00)

プロデューサーにアレックス・ぺリアラスを迎えて制作、'89年に発表された3rdアルバム。
MCA RECORDS移籍後初のアルバム作りという事で、より幅広いリスナー層にアピールする事を念頭に置いたのか、
前2作に比べるとスラッシーな攻撃性が薄れ、エリックAKのハイトーンVoと、2本のGが紡ぎ出す豊かなメロディが
前面に押し出された楽曲の数々は、これまで以上に正統派へヴィ・メタリック。
名曲①を筆頭に、ストレートなスラッシュ・ソングもちゃんと収録されてはいるものの、それ以上に印象に残るのが、
Gリフと歌メロのカッコ良さが際立つミドル・チューン⑥、「押し」と「引き」がバッチリ決まった⑦といった、
ドラマティックな曲展開が光るメロディアスなナンバーの数々。特に、寂しげなアコギの音色に導かれて
叙情的にスタートする⑨は、その怒涛の盛り上がりっぷりが本編のクライマックスを飾るに相応しい名曲に仕上がっております。
楽曲のバラエティが広がった分、それに対応するエリックの歌メロのフック不足が、徐々に気になり始めた感もあるのだが、
ともあれ、初回出荷分だけで10万枚以上を記録したというのも納得の力作なのは間違いない。


MESSIAH - Rotten Perish ★★ (2009-03-11 22:11:00)

3rd『CHOIR OF HORRORS』に引き続き、プロデューサーにスヴェン・コンクエストを起用して制作、'92年に発表された4thアルバム。
ホーリーな雰囲気を漂わせた、序曲①の美しい余韻を引き裂くようにスタートする②の、凶悪且つ重厚な
Gリフ&リズムの「刻み」を聴けば明らかなように、今回は、最終的なミキシングがフロリダの
MORRI SOUNDスタジオにて行われているだけあって、低音を強調した湿度高めの音作りや、
完全にデス声へと移行したVoのグロウルっぷり等、前作に比べ「デス・メタル度」が飛躍的にアップ。
この重苦しいサウンド・プロダクションはかなり好き嫌いが分かれるところなれど、楽曲自体は『CHOIR~』の作風を
継承しており、耽美方向への拘りも健在。と言うか、ストーリー性を感じさせるジャケット・アートワークといい、
(コンセプト・アルバムなのかな?)、アルバムのOPやED、中盤(⑤)にムーディな楽曲を配して本編の流れに
起伏を生み出す手法、そして、相変わらず構築美を漂わせたGプレイなど、ことドラマ性の演出に関しては、
前作以上の拘りを感じさせる内容に仕上がっているんじゃないかな、と。
中でも、ブルータルな曲調の中で閃くアコギが一際強い印象を残す④、スラッシーな疾走感、ダイナミックな曲展開、
そして、ダーク且つ劇的なメロディを紡ぎ出すGとが一体となって畳み掛けてくる⑦は、アルバムのハイライトを飾る名曲。
(ちなみに⑧は、アメリカの知る人ぞ知るエピック・メタル・バンド、MANILLA ROADの名曲のカヴァーだ)
3rd『CHOIR OF HORRORS』と並んで、MESSIAH入門編にお薦めの1枚。


MESSIAH - Choir of Horrors - Weena ★★ (2009-03-08 18:27:01)

基本はバイオレントでブルータルなデス/スラッシュ・メタル・ナンバーながら、
耳に残るメロディアスなフレーズを奏でるGが、
アルバムのラストを飾るに相応しい劇的さを楽曲に与えている。
尚、エンディングのガヤ(?)にKREATORのミレとヴェンターが
参加している。


MESSIAH - Choir of Horrors - Northern Command ★★★ (2009-03-08 18:19:21)

どこか民俗音楽的なメロディを紡ぎ出すアコギを
フィーチュアして、荒涼とした雰囲気を撒き散らしながら
疾走するドラマティックなインスト・ナンバーの名曲。
プロデューサーのスヴェン・コンクエストがKeyで参加。