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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 5001-5100

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 5001-5100

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URIAH HEEP - Abominog ★★ (2010-09-05 18:20:00)

遂にケン・ヘンズレー(Key)まで去ったURIAH HEEPなれど、唯1人残されたミック・ボックス(G)は不屈の精神で
バンドを再建。4代目シンガーとしてピート・ゴルビーを迎え入れると、'82年に発表した14thアルバムがこれ。
『魔界再来』という大仰な邦題や、アメリカでその年のワースト・カバーに選ばれたというジャケットのイラスト程
禍々しい空気は感じられないが、NWOBHMムーブメントの波に乗り、ミック・ボックスのGが前面に押し出された
サウンドは、ポップな味わいを随所に残しつつも、若々しいエネルギッシュな勢いが取り戻され、まるで
バンド内の雰囲気の良さがそのまま音に反映されたかのような、ポジティブなフィールに満ち溢れている。
ケン在籍時代に比べると楽曲のドラマ性の低下は隠しようがなく、外部ライターの参加やカヴァー曲の収録により
全体的な「URIAH HEEPらしさ」も薄まってはいるが、一方でキャッチーな取っ付き易さは確実な向上を遂げているし、
何より評価すべき点は、メンバー全員が曲作りに携わった楽曲がきっちりとアルバムのハイライトを飾っていること。
特にハードなGリフからスタートする①や、ライブでの盛り上がりが容易に想像できる疾走チューン⑦
といった楽曲は、「HMバンド」URIAH HEEPの新たな魅力を端的に表した名曲。
復活作としてファンから高い評価を受けているのも納得の、見事若返りに成功した充実作。


URIAH HEEP - Conquest - Out on the Street ★★★ (2010-09-01 22:23:11)

産業ロック化が押し進められたアルバム『征服者』の中において
この曲のハードさ、ドラマ性の高さは一際強い輝きを放つ。
叙情的な前半パートから、トレヴァー・ボルダーの
Bに引っ張られる形で曲が疾走を開始する展開は
ガッツポーズもののカッコ良さ。
再びクールダウンして、メロウに幕が閉じられる
緩急の効いたドラマティックな曲展開も素敵だ。
アルバムの中でも1、2を争う名曲じゃないでしょうか。


URIAH HEEP - Conquest - It Ain't Easy ★★★ (2010-09-01 22:16:30)

アルバムのラストを大いに盛り上げて締め括る劇的な名曲。
濃厚に泣きまくるメロディ、情感豊かに歌い上げる
ジョン・スローマンのVo、絡みつくように哀愁に満ちた
フレーズを奏でるケン・ヘンズレーのKey、
何れの仕事っぷりも素晴しい。


URIAH HEEP - Conquest - No Return ★★ (2010-09-01 22:12:13)

期待感を煽るKeyのイントロを経て、グレン・ヒューズを
思わせるジョン・スローマンのファンキーなVoが始まった途端、
俺も思わず椅子からずり落ちそうになりましたよ。
でも歌の上手さは大したものだし、曲自体も、メロディは
湿り気を帯び、曲調はリズミック且つダイナミックでカッコイイ。
ミック・ボックスのハードなG、
ハジけるトレヴァー・ボルダーのBも印象的。


URIAH HEEP - Conquest ★★ (2010-09-01 21:56:00)

有名な「硫黄島に星条旗を掲げる海兵隊」の写真をモチーフにしたジャケットが目印の、'80年発表の13th。
櫛の歯が抜けるように有力メンバーが脱退していき、三代目シンガーとして元LONE STARのジョン・スローマンを
迎えレコーディングされた本作は、前任者達とは全く異なる歌唱スタイルの新Vo、これを最後にバンドを去る
ケン・ヘンズレー(Key)の影の薄さ、単なるリズム楽器以上に「URIAH HEEPらしさ」の創出に貢献していた
リー・カースレイク(Ds)の不在、それに産業ロック化が一層押し進められたポップな楽曲の数々とが相俟って、
これまでの作品群との連続性に欠ける作風は、確かに「バンド史上最大の問題作」との評価もむべなるかな。
一方で単純に1枚の作品として評価した場合、↑上の方々が仰られている通りそんなに悪い作品じゃないですよ、これが。
確かに「らしさ」は希薄なれど、ダイナミックな曲調にジョン・スローマンのソウルフル且つファンキーな
歌唱が映える①や、メロウな導入部を経てハードに駆け抜け、最後は再びメロウに締め括られる⑦、
アルバムのフィナーレを大いに盛り上げる泣きのラスト・ナンバー⑧といった楽曲は、間違いなく「名曲」と
評して問題のないクオリティを有しているし、その他の楽曲も、ポップだがメロディは非常にキャッチー。
少なくともミック・ボックスの提案する「フリスビーにして遊ぶ」アイデアは断固としてお断りしたい1枚(笑)。


URIAH HEEP - Fallen Angel ★★ (2010-08-31 01:02:00)

ジョン・ロートン(Vo)最後の参加作品となった、'78年発表の12thアルバム。それにしても僅か18ヶ月の間に
3枚のスタジオ盤をレコーディングって、今じゃ考えられない凄まじいリリース・ペースだよなぁ。
基本的には前作『INNOCENT VICTIM』の作風を継承した、洗練されたメロディアスHRアルバムで、もはやそのサウンドに
初期作の如き妖気は望むべくもないが、前作においてポップで乾いたアメリカン・ロック方向へ振り過ぎた事に
対する反動か、今回はメロディの湿り気と楽曲のハードさが回復。特に、憂いを帯びて軽快に疾走する曲調に、
ロートンのパワフルの歌唱が乗っかったOPナンバー①、本作を最後にバンドを去る(80年代に復帰)カースレイクの
置き土産的名バラード⑤、ダイナミックにボトムを支えるリズム隊の活躍が光るハード・ナンバー⑨、
美しいアコギとボーカル・ハーモニーを活かしてファンタジックにアルバムを締め括る⑩辺りは、
本作ならではの魅力に溢れた名曲。またお洒落でヒープらしさが希薄なポップ・ソング⑥⑧のような
楽曲にしても、心を捉える物悲しげなメロディ・ラインのフックの効かせ方は流石ベテラン。
ジョン・ロートン時代の有終の美を飾るに相応しいクオリティを備えた名盤だ。(本当は『FIVE MILES』という
仮タイトルを付けられたままお蔵入りしてしまった4枚目もあるらしく、一日も早い正式リリースが待たれます)


URIAH HEEP - Fallen Angel - Fallen Angel ★★★ (2010-08-31 01:00:36)

アコギと浮遊するボーカル・ハーモニー、
それにケン・ヘンズレーの幻惑的なKeyサウンドが
えも言われぬファンタジックな雰囲気を演出する名曲。
(クライマックス部分のジョン・ロートンの歌いっぷりも見事)
大仰さは感じられないが、アルバムを締め括るに相応しい
構築美を備えたアルバムのハイライト・ナンバーの一つ。


URIAH HEEP - Fallen Angel - I'm Alive ★★★ (2010-08-31 00:53:17)

比較的ポップな12th『FALLEN ANGEL』の中にあって
そのハードさが一際光りを放つ名曲。
哀愁に満ちたメロディを奏でるGや伸びやかなVo以上に、
個人的には、センス溢れるフレーズでサウンドの土台を
ハード且つ強固に支えるリー・カースレイクと
トレヴァー・ボルダーのリズム隊の素晴しい仕事っぷりも
見逃せません。


URIAH HEEP - Fallen Angel - Woman of the Night ★★★ (2010-08-31 00:48:27)

12th『FALLEN ANGEL』のハイライト・ナンバーの1つ。
心地良く疾走するリズムの上を
ミック・ボックスのGとケン・ヘンズレーのKey、
それにボーカル・ハーモニーが華麗に舞い、
ジョン・ロートンのパワフルなVoがトドメを刺すという
隙のない構成に圧倒される超名曲。


URIAH HEEP - Innocent Victim ★★ (2010-08-29 01:15:00)

ジョン・ロートン(Vo)在籍時代の最高傑作と言えば、10th『FIREFLY』がトドメを刺すが、セールス面のみで
評価するなら、ヒットシングル“FREE ME"を収録した本作の方が代表作と言う事になるのだろうか?
初めてこのアルバムを聴いた時のショックは相当なもので、こちとら永遠の名曲“哀れみの涙"を収録した
前作『FIREFLY』の作風を受け継ぐ、淡い泣きメロ満載のファンタジックな作品を期待していたのに、
いきなり始まったのは、トレバー・ボルダーのBが軽快にチョッパる朗らかなアメリカン・ロック・チューン①・・・。
以降もその手の楽曲が連続し、ヒット・シングル④は西海岸の風がそよいできそうなポップ・ソングだわ、
⑧に至ってはレゲエ調と来たもんだ。(URIAH HEEPのトレードマークの1つであるボーカル・ハーモニーも、
妖しさや美しさの演出からお洒落さの演出へと、明らかにその使用目的が変化している)
尤も、ヨーロピアンな湿り気が薄れたとは言え、メロディは相変わらず強力なフックを有している辺りは流石で
例えばレゲエ風味の⑧にしても、ケン・ヘンズレーのKeyが曲調に哀愁を加味しているお陰で能天気さは皆無。
当初のショックから立ち直ってよくよく本作を味わってみれば、初期RIOTを思わすHRナンバー③、
「よりアグレッシブな“EASY LIVIN'"」といった趣きの④、タイトル通りの幻想美を宿したバラード⑤、
ジョン・ロートンの熱唱が映える劇的なラスト・ナンバー⑨等、結構聴き応えのある楽曲の存在にも気付かされます。
ファンが彼らにこうしたサウンドを求めているかどうかはさて置き、質は高い1枚。


URIAH HEEP - Innocent Victim - Choices ★★★ (2010-08-29 01:13:49)

乾いた作風の11thアルバムの中にあって、
バラード“幻想"と共に最も嘗てのURIAH HEEP色を
強く感じさせるドラマティックな名曲。
曲が進むに従って息苦しい程に盛り上がっていく
楽器陣のエモーショナルな演奏と、
ジョン・ロートン入魂の歌唱に胸を締め付けられます。
間違いなく11thアルバムのハイライト・ナンバー。


URIAH HEEP - Innocent Victim - Illusion ★★★ (2010-08-29 01:08:04)

アメリカンで乾いた感触が支配的な11thアルバムの中にあって、
嘗てのURIAH HEEPの「色」を強く感じさせる、
邦題“幻想"通りの美しさに満ちたバラード。
咽び泣くミック・ボックスのGがたまんねぇっす。
これから!というところでフェードアウトして終わってしまう
アルバム収録バージョンより、再発盤にボーナストラックとして
収録されているフル・エディション・バージョンの方が数倍素晴しい。
星三つはそちらに対しての評価ということで。


URIAH HEEP - Innocent Victim - Free 'n' Easy ★★ (2010-08-29 01:03:10)

アグレッシブで疾走感溢れるシャッフル・チューン。
レコード会社から「第二の“安息の日々"を作れ」という
プレッシャーから生まれた楽曲と邪推。
タイトルもそんな感じだし。
全体的にカラッと乾いた印象なのは収録アルバムの特性ゆえか。


URIAH HEEP - Innocent Victim - Keep on Ridin' (2010-08-29 00:57:18)

初めて聴いた時は、その明るい曲調に「勘弁してよ・・・」と
頭を抱えてしまいましたが、繰り返し聴くうちに
「これはこれであり?」と思うようになった次第。
リラックスして歌うロートンのVoと、リズミックに跳ねる
トレヴァー・ボルダーのBに、自然と体がリズムをとってしまいます。


URIAH HEEP - High and Mighty - Midnight ★★★ (2010-08-27 22:10:22)

ミック・ボックスのGが奏でるイントロを聴いただけで
「よし、名曲!」と太鼓判を押したくなるバラード。
ジョン・ウェットンのBが地味に良い仕事してますね。
同じバラードでも内相的な“WEEP IN SILENCE"とは
趣きを異にする、外向きなエネルギーな満ちた曲調が魅力的。


URIAH HEEP - High and Mighty - Misty Eyes ★★★ (2010-08-27 22:04:24)

『HIGH AND MIGHTY』の中でも1、2を争うぐらい
お気に入りの1曲。
アコギを取り入れたポップで軽快な曲調に、
URIAH HEEPらしい美しくミスティカルなメロディが乗っかった
新旧の作風に上手く折り合いを付けた名曲じゃないかと。


URIAH HEEP - High and Mighty - Weep in Silence ★★★ (2010-08-27 22:00:26)

“静かなる涙"の邦題通り、
1人でメソメソと泣きたくなる繊細で感傷的なバラード。
こういう曲歌わせるとデヴィッド・バイロンのVoは
天下一品ですな。
ミック・ボックスの泣きのGソロもグッときます。


URIAH HEEP - High and Mighty ★★ (2010-08-27 21:51:00)

正直「それはどうなの?」と言うジャケット・イラストと、妖しさやドラマ性を大幅に減じた
シンプルでポップな作風がファンの間で賛否両論を呼んだ、'76年発表の9thアルバム。
ケン・ヘンズレー(Key)との反目や、自身のアルコール中毒の悪化でのっぴきならない状況下にあった看板シンガー
デヴィッド・バイロンは、遂にこのアルバムを最後にURIAH HEEPを去る事となるが、OPナンバー①でリードVoを
担当しているのがジョン・ウェットン(B)な辺りも、そうしたバンド内の緊張状態を表しているような?
その①は聴き始めこそ地味な印象だが、華麗なコーラス・パートが花開く後半はグッと盛り上がるし
(ただキーが全くあっていない楽曲を歌うウェットンの歌唱はかなり苦しそうだ)、続くおセンチな泣きメロに
思わず涙腺が緩む感傷的な②、タイトル通りミスティックでマジカルな雰囲気を湛えた③、力強く劇的に
盛り上がっていくバラード④、元気溌剌でオマケにキャッチーな⑤・・・と優れた楽曲が連続するアルバム前半は、
収録楽曲の完成度にややムラの見られた前作『RETURN TO FANTASY』を(取り分けメロディの魅力において)完全に凌駕。
まぁ前作タイトル・トラック程の名曲は収録されていないし、マッタリとした後半はテンションが下降線を
描いてしまう事など、手放しで絶賛しにくい作品であることは確かなんだけれど・・・。(いやでも⑦は良い曲だ)
ケン・ヘンズレーが曲作りを殆ど1人でこなしていることから、「URIAH HEEPのアルバムというより彼のソロ作」
と揶揄されることも多い1枚ながら、逆にそれがアルバムの流れに一本筋を通す好結果にも繋がっており、
個人的には前作より愛聴している作品だったり。


URIAH HEEP - Return to Fantasy - A Year or A Day ★★★ (2010-08-24 23:18:14)

アコギを効果的に取り入れ、緩急を付けて劇的に
盛り上がっていく8thアルバムのラスト・ナンバー。
これまでの作品のラスト・ナンバーに比べると
ドラマ性にはやや乏しいものの、
憂いを帯びたメロディの素晴しさと、
繊細な歌唱から雄々しい歌い上げまで
堂々とこなすデヴィッド・バイロンの
熱唱の前にはそんな些細な不満は
綺麗サッパリ吹き飛ばされてしまいます。


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Beautiful Dream ★★ (2010-08-24 23:10:35)

スペーシーな雰囲気漂うイントロを聴いていると
RAINBOWの名曲“EYE OF THE WORLD"を思い出したりも。
勿論、発表はこちらの楽曲の方が先なわけだが。
全体的にロックンロール風味が強い8thアルバムの中にあって
数少ない初期テイストの感じられる楽曲の一つ。
鮮やかなシャウトを繰り出すデヴィッド・バイロンの
歌いっぷりが素晴しいったら。


URIAH HEEP - Return to Fantasy - Return to Fantasy ★★★ (2010-08-24 23:05:29)

劇的なメロディを紡ぎ出すGとリズム隊に
深遠な響きを湛えたKeyが絡むイントロだけで
小生の愚息も思わず昇天。
英国的な哀愁漂わすデヴィッド・バイロンのVoに
美麗なボーカル・ハーモニーが絡むサビメロの
素晴しさも特筆モノ。
全体的にロックンロール・テイストが強く感じられる
8thアルバムの中にあって、この名曲には間違いなく
初期URIAH HEEP精神が宿っています。


URIAH HEEP - Return to Fantasy ★★ (2010-08-24 22:39:00)

ケン・ヘンズレーが「終わりの始まり」と語るゲイリー・セイン(B)解雇騒動を経て'75年に発表された8th。
(セインはその翌年死去。死因はオーバードーズとも感電事故の後遺症とも言われているが、真実やいかに)
後任Bは元KING CRIMSONのジョン・ウェットン。しかもアルバムは全英チャート最高第7位にランクインする
ヒット作となり、その上タイトル曲はURIAH HEEPを代表する名曲の一つ・・・と、トピックだらけの作品ゆえ、
このバンドに興味を持った時点で速攻購入に走ったのだが、アルバム表題曲①のインパクトが
余りに強過ぎるため、続く楽曲が完全に霞んで聴こえてしまう事や、全体的にロックンロール調の
軽快なノリが目立つ作風等から、正直、購入当初の感想は余り芳しいものではなかった。
尤も、現在では本作は大好きな1枚だし、スペーシーな雰囲気漂う導入部を備えたドラマティックな④、
何やらノスタルジックな哀愁の感じられる⑧、これまでアルバムのラストに置かれてきた楽曲群に比べると
ややドラマ性には乏しいものの、欧州のバンドらしい憂いと湿り気を帯びた⑨等、きっちり名曲/佳曲を収録。
そして何より、本作をよりスペシャルな作品へと高めているOPナンバー①の存在がトドメを刺す。
この名曲を聴くためだけにでも購入する価値がある1枚と思うのだが、どうか?


URIAH HEEP - Wonderworld - Wonderworld ★★★ (2010-08-22 21:22:58)

聴き進めるほどに壮大に盛り上がっていくという
アルバムに対する期待感を煽るには持ってこいのOPナンバー。
ドラマティックなんだけど、どこか繊細さが感じられる辺りが
URIAH HEEP印。
これはデヴィッド・バイロンの歌声の特性によるものか。


URIAH HEEP - Wonderworld - Dreams ★★★ (2010-08-22 21:15:23)

URAIH HEEPのアルバムのラストに置かれた楽曲は
大抵がドラマティックな名曲ばかりだが、
この曲もその例外ではない。
妖しく、壮大ですこぶるドラマティック。
この曲でもゲイリー・セインのBが印象的な働きを見せていて
このアルバムを最後にバンドを去ってしまうとは・・・
と、何とも複雑な気分にさせられますね。


URIAH HEEP - Wonderworld - We Got We ★★ (2010-08-22 21:09:41)

邦題は『恋の炎を燃やせ』
軽快に踊るケン・ヘンズレーのシンセ・サウンドと
ゲイリー・セインのBプレイが印象に残る
ノリの良いロック・チューン。
哀愁に満ちたメロディを朗々と歌い上げる
デヴィッド・バイロンのVoも良いわー。


URIAH HEEP - Wonderworld - Suicidal Man ★★ (2010-08-22 21:02:27)

全楽器が重心を低く刻むイントロがカッコイイ。
骨太なヘヴィさが印象に残る仕上がりながら
Voメロディとハーモニーは華麗さに満ち、
軽快なゲイリー・セインのBランニングもナイス。
ヘヴィさと華やかさのバランスが絶妙な1曲。


URIAH HEEP - Wonderworld ★★ (2010-08-22 20:57:00)

ゲイリー・セイン在籍時代最後の作品となった、'74年発表の7thアルバム。(邦題は『夢幻劇』)
ブラック企業ばりのアルバム制作スケジュールや、メンバー間の対立、マネージャーへの不信感等から、当時、
バンドはいつ空中分解してもおかしくない状態にまで疲弊しきっていたらしく、そのためケン・ヘンズレーや
ミック・ボックスは、本作について「もっと良い物が作れた筈だ」と自嘲気味に振り返るが、んな事ぁない。
前作『SWEET FREEDOM』に比べ、幾分ハードさを回復したその内容は、収録曲のクオリティといい、
メンバーのパフォーマンスやアンサンブルの冴えといい、相変わらず高いレベルを維持。
本作を最後に解雇されるゲイリー・セインも、とてもヘロイン中毒が取り返しのつかないレベルまで
悪化していたとは思えぬ、素晴しいBプレイを披露してくれています。
まさに邦題通りの幻想美に満ちたアルバム表題曲①や、ヘヴィさと華やかさのバランスが絶妙な②、
ケン一押しの叙情バラード⑤、躍動感溢れるBラインが印象的な⑧、そして、妖しく美しくドラマティックな
名曲⑨など粒揃いの楽曲を聴けば、当時のバンド内部の雰囲気の悪さが、本編のクオリティに殆ど影を
落していない事が納得できる筈。流石(?)URIAH HEEP。


URIAH HEEP - Sweet Freedom - Pilgrim ★★★ (2010-08-21 23:57:31)

クラシカルな女性コーラスに、ケン・ヘンズレーの
荘厳なKeyプレイが絡むイントロを聴いただけで
全身の毛が逆立ちます。
ハードに歌うミック・ボックスのG、
張りのある歌声で勇ましく歌うデヴィッド・バイロンのVo、
重厚且つ劇的なリズム・ワーク、全てが華麗にしてドラマティック。
アルバムを締め括るのにこれほど相応しい曲が他にあろうか。


URIAH HEEP - Sweet Freedom - Sweet Freedom ★★★ (2010-08-21 23:50:31)

哀愁に満ちた6thアルバム・タイトル・トラック。
豊かな包容力を感じさせるデヴィッド・バイロンの歌声と
ウォームな音色でメロウなラインを奏でる
ゲイリー・セインのBが素晴しい。


URIAH HEEP - Sweet Freedom ★★ (2010-08-21 23:41:00)

前作『THE MAGICIAN'S BIRTHDAY』辺りを境に、マネージャーとの不和、バンド内部の薬物汚染や
メンバー同士の軋轢など、デビュー以来、休みなしで突っ走って来たことによる弊害が徐々に表面化し始め、
そのため、この'73年発表の6thアルバム以降の作品は、商業的には十分な成功を収めているにも関わらず
1st~5thに比べると一段低く見られる事が多いが、イヤイヤどうしてどうして。唯一無二の個性を備えたVoや
各楽器陣のパフォーマンスを存分にフィーチュアした本編は、相変わらず聴き応え十分。
全体的にプログレ色が薄れ、ややポップさは増しているものの、壮麗なコーラスが印象的な③、
ゲイリー・セインのメロウなBラインが素晴しい④、「アルファベットの歌」を取り入れ軽快に駆け抜けていく
⑥といった楽曲は、聴き込むほどに味わいが増すスルメ級の名曲だし、そしてトドメは、ケン・ヘンズレーの
華麗にして劇的なKeyワークが映える本編ラスト・ナンバー⑧。初期URIAH HEEPの名曲と比較しても
何ら遜色のないドラマティックなこの名曲を聴くためだけにでも、本作は購入する価値大いにあり、だ。


GRAND PRIX - Grand Prix ★★ (2010-08-20 19:23:00)

現URIAH HEEPのバー二ー・ショウ(Vo)やフィル・ランゾン(Key)が在籍していた
イギリス出身の5人組HRバンドが、'80年に発表した1stアルバム。
一応NWOBHMの範疇に入るバンドなのだろうが、バー二ー・ショウ(これまた現URIAH HEEP)の張りのある
ハイトーンVo、溌剌としたボーカル・ハーモニー、そして華やかでドラマティックなKeyをたっぷりとフィーチュアして、
ポップ&キャッチーに弾む頭3曲の流れが如実に表している通り、STYXや後期KANSASといった大陸出身の
プログレ・ハード系バンドを彷彿とさせる洗練されたサウンドに、NWOBHM特有の荒っぽさやアングラ臭は皆無。
・・・と言っても、時節柄やはり各楽器は結構ハードに自己主張しており、取り分け、本編中を縦横無尽に動き回り、
楽曲を華やかに色付ける、フィル・ランゾンのKeyプレイは本作の要。ストリングスを効果的に取り入れ、
ドラマティックに盛り上がる名曲⑤⑥を筆頭に、粒揃いの楽曲の完成度の高さは彼の存在あったればこそ、だ。
個人的にGRAND PRIXと言えば、名曲“SAMURAI"を収録し、国内盤がCD化もされていた3rdアルバムに
最も思い入れを感じているのだけれど、単純に完成度のみで評価した場合は、シンガーの技量といい、
楽曲のクオリティといい、恐らく本作が彼らの最高傑作かな、と。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday - Sunrise ★★★ (2010-08-18 21:57:33)

デヴィッド・バイロンの天を突くシャウトと
重たいリフ/リズムが大波の如くうねくる
イントロだけでノックアウト。
力強く、劇的。
まさにアルバムのOPを飾るに相応しい名曲。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday - The Magician's Birthday ★★★ (2010-08-18 21:53:37)

OPの印象的なリフ&リズムの刻みっぷりや、
中盤の激しいバトル・パートを筆頭に
ミック・ボックス(G)とリー・カースレイク(Ds)の
存在がクローズアップされた大作曲。
勿論、シアトリカルなデヴィッド・バイロンのVo、
ケン・ヘンズレーの幻惑的なKeyプレイ、
そして妖しくも美しいコーラス・ワークも健在。
要するに自分がURIAH HEEPに求める全てが詰め込まれた
名曲ってことですな。


URIAH HEEP - The Magician's Birthday ★★ (2010-08-18 21:28:00)

『魔の饗宴』なる物々しい邦題が付けられた、'72年発表の5thアルバム。
デビューから僅か数年の間に5枚のスタジオ・アルバムを制作し、しかもその何れもが
「捨て曲なしの名盤」と評されるに相応しい完成度の高さを誇っているのだから、
多くのファンがこの時期を「URIAH HEEPの黄金時代」と呼ぶのも納得が行くと言うもの。
特に本作は前作から1年足らずという短いスパンでレコーディングされているにも関わらず、
そのクオリティは無類。この頃のバンドの創作意欲がいかに神憑っていたか、良く分かります。
意表を突いてアコースティック・ナンバーで幕を開けた前作に対し、「これぞURIAH HEEP」たる壮大にうねる
OPナンバー①に始まり、妖しく不気味、それでいて華麗でドラマティックなプログレッシブな大作ナンバー⑧
にて締め括られる本作は、“EASY LIVIN'"のようなキャッチーな名曲こそ見当たらないものの、全編に満ちる美しい
哀メロの魅力と、オカルトをテーマとしたコンセプト作としてのまとまりの良さでは、前作を大きく凌ぐクオリティ。
掻き鳴らされるアコギとエレキの絡みが哀感を高める③、暗い泣きを纏ったヴァースから、
希望の感じられるサビメロへの展開にグッとくる④、そしてムーグ(テルミン?)のヒステリックな
音色が印象的な⑥といった楽曲を聴くにつけ、「前作より好きだな」としみじみと実感する1枚。


URIAH HEEP - Demons and Wizards - Rainbow Demon ★★★ (2010-08-15 20:46:30)

BLACK SABBATHばり・・・というかそれ以上の
オドロオドロしさが炸裂する
ミステリアスなヘヴィ・チューン。
重厚なリフ&リズムに併せて
淡々と歌い始めるデヴィッド・バイロンのVoや
妖しく揺らめくKey、そして歪んだ音色で
這い回るGの怖いこと怖いこと。


URIAH HEEP - Demons and Wizards - Circle of Hands ★★★ (2010-08-15 20:36:28)

“クリムゾン・キングの宮殿"のメロディを纏って
じっくりと盛り上がっていくス風ケールの大きな名曲。
ムーディにうねるBがいい仕事してますね。


URIAH HEEP - Demons and Wizards - Easy Livin' ★★ (2010-08-15 20:31:39)

“LOOK AT YOURSELF"を、よりポップに、
メロディアスに、コンパクトに仕上げた感じで、
ヒットを飛ばしたのも納得のキャッチーな名曲だが、
個人的にはコンパクトにまとまり過ぎていて
やや物足りなさを覚えなくもない。


URIAH HEEP - Demons and Wizards ★★ (2010-08-15 20:24:00)

デヴィッド・バイロン(Vo)、ケン・ヘンズレー(Key)、ミック・ボックス(G)、ゲイリー・セイン(B)、
リー・カースレイク(Ds)という、いわゆる黄金期のメンバーが顔を揃え、淡くファンタジックな
ジャケット・アートワークは名匠ロジャー・ディーンが担当、更に「オカルト」をテーマに掲げた
コンセプト作・・・と、まさに全盛期のURIAH HEEP全部入りといった趣きの'72年発表4thアルバム。
“安息の日々"の邦題で知られるキャッチーなヒット曲③を収録し、バンドの最高傑作に推すファンも
多い1枚ながら、個人的に初めて聴いた時は、攻めの姿勢の感じられた前3作に対し、いきなり
アコースティカルな①で幕が開く本編に「随分マッタリしちゃったなぁ」と拍子抜けした事を思い出します。
尤も今改めて聴き直してみれば、BLIND GUARADIANもカヴァーした①は疑いようのない名曲だし、その①と
前述の③の収録位置を引っくり返せばアラ不思議。前作と受ける印象は大差ないのであった。
Keyが奏でるメロディが“クリムゾン・キングの宮殿"を思わせる壮大な⑤、リズム隊が重いビートを叩き出す
神秘的な雰囲気漂うヘヴィ・ナンバー⑥、やや冗長なきらいもあるが大作組曲⑧~⑨の流れもエキサイティング。
結局のところ、これまた「URIAH HEEPならではの名盤」との評価に落ち着く作品です。


URIAH HEEP - Look at Yourself - Shadows of Grief ★★★ (2010-08-15 14:34:14)

イントロだけ聴くとちょっぴりDEEP PURPLEっぽいけど
メイン・リフを刻むのがKeyな辺りはやっぱりURIAH HEEP。
普段ケン・ヘンズレーの陰に隠れがちなミック・ボックスが
その存在感を主張する勇ましいGソロがカッコイイ。


URIAH HEEP - Look at Yourself - Look at Yourself ★★★ (2010-08-14 22:30:27)

歪んだ音色で攻撃的に押し出してくるKey、
ハードなG、リズミックに疾走するリズム、
エキセントリックなハイトーンVoと
鮮烈な印象を残すファルセット・コーラス・・・と
URIAH HEEPの魅力がギュッと凝縮された名曲中の名曲。
URIAH HEEP未体験者はまずこの曲からどうぞ。
(“AGAINST THE ODDS"でもいいけど)


URIAH HEEP - Look at Yourself - July Morning ★★★ (2010-08-14 22:22:02)

まず「7月の朝」という邦題がいい。
10分以上に及ぶ長尺を全く気にさせない
叙情的且つドラマティックな曲展開もいい。
そして何より、尻上がりにカオスの数値を上げていく
ケン・ヘンズレーのKeyプレイがエキサイティング。


URIAH HEEP - Look at Yourself ★★ (2010-08-14 22:16:00)

URIAH HEEPのハード・サイドを代表する名曲“LOOK AT YOURSELF"や、ソフト・サイドを代表する
大作バラード“JULY MOURNING"を収録。彼らを語る上で・・・と言うよりも、ブリティッシュHR史を
語る上でも欠かす事の出来ない歴史的名盤として知られる、'71年発表の3rdアルバム。
裏声やヴィブラートを自在に操り色彩豊かなハイトーンを繰り出すVo、ディストーションの効いた
オルガン・サウンドをもって楽曲の基盤を成すKey、剛柔兼ね備え雄弁に歌うG、そしてファルセットを
駆使した特徴的なコーラス・ワークなど、前2作での試行錯誤を経て、遂にURIAH HEEPならではの
HRサウンドを確立するに至った本作最大の聴き所は、やはり前述の名曲①であり③。
特に③の後半パートにおける、カオス渦巻くケン・ヘンズレーの「淡々と狂ってる」Keyプレイは圧巻。
一方でこの2曲の陰に隠れがちながら、高揚感に満ち溢れた劇的な②や、バンドの優れたポップ・センスが
確認できる④、ミック・ボックスが見事主役を張ったハード・チューン⑤といった、①③にも匹敵する
優れた楽曲が全編に敷き詰められた本作は、流石URIAH HEEPの代表作と謳われるだけの事はある充実っぷり。
それにしても、こんなアルバム作ったメンバーも凄いが、本作に『対自核』という邦題をつけた
日本のレコード会社の人もかなり凄いセンスの持ち主だよなぁ。


URIAH HEEP - Salisbury - Salisbury ★★★ (2010-08-13 23:42:16)

購入後しばらく、間違えて「サルスベリー」と呼んでました。
鳴り物がかなり大胆に導入されているが、
能天気な印象はまるでなく、むしろ楽曲の持つ勇壮さや
壮大な雰囲気をググッと盛り上げる、効果的な役割を
果たしているように思います。
ただ、URIAH HEEPっぽさは薄いかな。
どっかのプログレ・バンドみたいだ。


URIAH HEEP - Salisbury ★★ (2010-08-13 23:35:00)

サクセスへの野心やリスクを恐れない冒険心といった、新人バンドならではの「勢い」が
ヒシヒシと感じられる、'71年発表の2ndアルバム。
その象徴たるのが、アルバム・タイトルを冠され本編ラストに鎮座まします超大作ナンバー⑥で、
16分を越える長大なランニング・タイムにブラス・セクションの導入など、70年代ロッカーらしい実験精神が
存分に発揮された曲調は、正直なところ「URAIAH HEEPらしさ」は希薄な印象なのだが、
とは言えミック・ボックス入魂のGソロに、ケン・ヘンズレーの幽玄美溢るるKeyプレイ、
そして、重厚且つ劇的なリズムを叩き出すB&Dsら楽器陣が牽引するドラマティックな曲展開といい、
鳴り物を効果的に使用した壮大且つ勇壮なメロディといい、長尺を物ともしない内容が
聴き応え十分なのもまた確かで、この辺の楽曲構築術の冴えは流石URIAH HEEP。
本編にはこれ以外にも、「七色の声を持つ男」と言われたデヴィッド・バイロンのエキセントリックな
歌唱が緊迫感を生み出すOPナンバー①や、それとは真逆を行く温もりに満ちたバラード②といった
コンパクトに締まった名曲も同時収録。(フォーキーな④も良い曲ですねぇ)
次作での飛躍を大いに予感させるに十分な説得力を備えた1枚。


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Wake Up (set your sights) ★★★ (2010-08-13 00:27:29)

デビュー作のラストを締め括るに相応しい
ストレンジ且つドラマティックな味わいの名曲。
まさに変幻自在といった趣きのVoやKeyのパフォーマンスの
素晴しさは言うに及ばず、音数の多いリズム隊も
いい仕事してますよね。


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble - Come Away Melinda ★★ (2010-08-13 00:24:57)

たださえ物悲しい曲調に被さるメロトロンの音色が
楽曲の悲哀を一層際立たせます。
戦争で死んだ母親について話す父と娘の会話
という歌詞からして既に悲しい。


URIAH HEEP - ...Very 'eavy ...Very 'umble ★★ (2010-08-13 00:14:00)

4大ブリティッシュHRバンド(という括り方をするのは日本人だけらしいが)の一つ、
URIAH HEEPが'70年に発表した、ホラー映画ばりのインパクトを放つジャケット・アートワーク
(この顔がデヴィッド・バイロンのものとは驚き)も印象的な、記念すべき1stアルバム。
本国イギリスでは「単なるティーンエイジャー向けのバンド/作品」とこき下ろされたらしいが、
もしそれが本当の話なら、当時のティーンエイジャーは随分と成熟していたんだなぁ、と。
ケン・ヘンズレーが操る歪んだオルガン・サウンドに、ミック・ボックスのGとヘヴィなリズム・セクションが絡み、
その上を超個性的なデヴィッド・バイロンのハイトーンVoが舞う名曲①に顕著に表れている通り、
完成度の高さでは最高傑作の誉れ高い『LOOK AT YOURSELF』には及ばないまでも、
URIAH HEEPならではの個性の萌芽は、既に本編のそこここでハッキリと感じ取る事が出来る。
そのOPナンバー①や、メロトロンとフィーチュアしたリリシズム溢れるバラード③、ジャジーな要素も飲み込んだ
変幻自在の曲展開がドラマティック極まりないラスト・ナンバー⑧辺りは、個人的に“LOOK AT YOURSELF"
“JULY MOURNING"といったバンドの代表曲と比べても何ら遜色のない名曲だと思うのだが、どうでしょう。
あと今回聴き直してみて(今更)感じたのだけれど、全体的にちょっとKING CRIMSONっぽいか?


BLANC FACES - Blanc Faces ★★ (2010-08-08 01:43:00)

元FURYの哀メロ職人、ロビーとブライアンのラ・ブランク兄弟が立ち上げた
アメリカン・メロディアスHRプロジェクトBLANC FACES、'06年発表の1stアルバム。
2nd『FALLING FROM THE MOON』が大変素晴しい作品だったので、是非本作も聴きたいと思っていたのだが、
残念ながら国内盤は既に廃盤・・・。どっこい、運良く売りに出されていた中古盤を入手出来たので、
早速、毎日のように聴き倒しているわけだが、伸びやかにもパワフルにも歌えるVo、過不足なく存在感を
主張するG、効果的に取り入れられたKey、そしてキャッチーなメロディに彩られた、ポップで爽やか、且つ
ロマンティックな楽曲の数々が取り揃えられた本編は、『FALLING~』にも引けを取らないクオリティの高さ。
突出した名曲こそ見当たらないまでも、大陸の抜けるような青空を想起させるフレッシュなOPナンバー①、
メロウな曲調と、Voのパワフルな歌唱のコントラストがユニークな②、しっとりとしたGの泣きっぷりが
胸に染み入る⑤⑩、兄弟のフックを効かせたメロディ作りの上手さに唸らされる⑧・・・といった楽曲は、
今夏の不快な蒸し暑さをも薄れさせてくれる、絶品の心地良さを誇る逸曲揃い。
まだ未聴のメロハー愛好家の方は、2ndアルバムとセットで購入するが吉かと。


PERSEFONE - Shin-Ken - Fall to Rise ★★★ (2010-08-05 22:53:50)

オリエンタルな雰囲気漂う序曲を経て、
和風のメロディ、琴(?)、ネオクラG、
攻めの姿勢を持ったKey、プログレHM的な構築美を湛えた
曲展開が目まぐるしく突っ走る、
3rdアルバムの魅力を判り易く提示する名曲。


PERSEFONE - Shin-Ken - Rage Stained Blade ★★ (2010-08-05 22:50:21)

歌詞のネタ元は「一乗寺下がり松の決闘」かな?
3rdアルバム随一のブルータル・チューンながら
どこか透明感を湛えた雰囲気がこのバンドならではの魅力。


PERSEFONE - Shin-Ken - The Endless Path ★★★ (2010-08-05 22:47:09)

複雑な曲展開やインスト・パートの凝りっぷりは
プログレ・メタル的だが、歯切れの良い疾走感と、
確固たるキャッチーさ、それに胸に染み入る
叙情メロディが楽曲に一本筋を通しているため難解さは皆無。
ディープなデス声、ブラック・メタル的シャウト、
そしてクリーンVoという三声の導入も効果的。


PERSEFONE - Shin-Ken ★★★ (2010-08-04 21:41:00)

「宮本武蔵をネタにしたコンセプト・アルバム」という点に、珍品収集癖を刺激され購入した作品だったが、これが心打つメロディに、勇壮且つドラマティックな曲展開がギュウ詰め、珍奇な部分なんぞ微塵も見当たらない、文字通り『真剣』な力作に仕上がっていて、思わずバンドに土下座して謝りたくなってしまった次第。
国内盤帯には「シンフォニック・デス・メタル」と表記されているが、トミー・ハンセンが手掛けたクリアなプロダクションや、曲間にインストの小曲を配して全編を劇的に物語っていく手練手管、CACOPHONYのカヴァー⑮も難なくこなすツインG、それにプログレ・マインド漲るKey奏者を擁する編成からはアングラ臭は殆ど感じられず、寧ろ本作の場合、プログレッシブHMバンドが楽曲に一層のドラマ性や陰影、ダイナミズムを演出するために敢えてデス/スラッシュ・メタル的要素を導入している・・・と解釈した方がしっくり来るような?
特に、和音階、琴、ネオクラG、ハイテクKeyを伴ってスリリングに激走する②③⑧、Voが普通ならDREAM THEATER、SYMPHONY Xの楽曲としても立派に通用しそうな⑤、アグレッシブな前半と幽玄且つ壮大な後半の二部構成からなるアルバム表題曲⑪⑫といった楽曲は、デス・メタリックな攻撃性とプログレ・メタル的構築美が見事融合を果たした、この作品、そしてこのバンドならではの魅力を湛えた、テクニカル&ドラマティック極まりない名曲です。
BURRN!!辺りでは辛口の評価を受け(藤木記者が擁護してましたが)、サウンドホリックが会社を畳んだ影響で正当な評価を得る前に廃盤になってしまった不遇の作品ながら、このまま埋もれさすのは実に惜しい1枚。祈・再発。


EXODUS - Exhibit B: The Human Condition ★★ (2010-08-01 21:12:00)

久し振りにメンバー・チェンジなしで制作、'10年に発表された9thアルバム。
「人類の残虐行為」をテーマに据えた、7th『THE ATROCITY EXHIBITION(EXHIBIT A)』と対を成すコンセプト作
ということで、基本的には前作の作風を受け継ぐ、殺伐とした空気が充満するスラッシュ・アルバムなのだが、
テーマがテーマなだけに「重苦しい」「キャッチーさに欠ける」と賛否が分かれた『EXHIBIT A』に比べ、
こちらは疾走感3割増しの上、ゲイリー・ホルトとリー・アルタスのGコンビが、前作以上に華麗にして流麗な
ツイン・リードを随所で炸裂させまくっているため、取っ付き易さでは本作の方に軍配が上がる。
「EXODUSの声」として益々凄味を増したロブ・デュークスの肉食獣シャウト、独特の音色と切り口で刻まれるGリフ、
高揚感を生み出すリズム、それに正統派へヴィ・メタリックなツインGとが抜群のコンビネーションを発揮して
畳み掛けて来る、キレとノリの良さを併せ持つ①②④⑤⑧といった疾走曲のカッコ良さはこのバンドならではで、
②⑧なんぞ、聴いていてテンション上がり過ぎて、血管がぶち切れるかと思いましたよ。
通常のスラッシュ・アルバム2枚分に相当する、70分超の収録時間は明らかに詰め込み過ぎだし、
楽曲の中にはもっとストレッチ出来たのでは?と感じさせられるモノもあるにはある。また「南京大虐殺」を
題材に取ったヘヴィ・チューン⑦の対訳を載せないレコード会社の腰の引けた姿勢も気に食わないが、
そうした諸所のマイナス点を差し引いても、本作のクオリティの高さはやはり脱帽モノ。EXODUS凄し。


CODE RED - WOLVES OF WARFIELD - DESTROY ★★★ (2010-07-30 23:58:38)

ガリガリと刻まれるSLAYER~SODOM直系のGリフ、
豪快に打ち鳴らされるリズム、
ヒステリックに喚き立てるVoが怒涛の如く突進する
アグレッシブでキャッチーな高速スラッシュ・ソング。
溜めたエネルギーを解き放つようなサビが問答無用の
カッコ良さ。聴く度に頭振りながら一緒に叫びたくなりますね。
デストローイ!


CODE RED - WOLVES OF WARFIELD ★★ (2010-07-30 23:40:00)

横浜出身のスラッシュ・メタル・トリオが'08年に発表し、雑誌等で高い評価を受けたというデビュー作。
バンド名やジャケット・アートワーク、戦争をテーマにした歌詞の数々がSODOMっぽさを漂わせているが、
実際、整合性よりも勢い重視の荒々しく好戦的なスラッシュ・サウンドは、『NUCLAER WINTER』『AGENT ORANGE』
の頃のSODOMと重なる部分多し。(Voはトム・エンジェルリッパーというよりもミレ・ペトロツァってな感じだけど)
何より、結成が90年代初頭のベテラン・バンドが演ってるとはとても思えぬ、若々しく刺々しい初期衝動に塗れた
楽曲の数々がカッコイイったら。特に、畳み掛けるように疾走するリズムの上に、ささくれ立ったGリフと、
攻撃的且つキャッチーな歌メロが乗っかった④は、どうしても似たり寄ったりの楽曲が多くなってしまう、
この手のタイプのスラッシュ・ソングの中ではかなり強いインパクトを受けた1曲。デストローイ。
戦場を思わせるSE①に導かれて、ドカドカと豪快に突進を開始する②に始まり、ライブ映えしそうなラスト・ナンバー
⑨に至るまで、全9曲収録でランニング・タイム30分強という、無駄なくタイトに絞り込まれた構成も○。
裏声シャウト型(FAST KILLと良く似たタイプ)のVoは好き嫌いが分かれるところなれど、80年代の
ヨーロピアン・スラッシュ・メタルが好きなお人なら、買って損はない(というか積極的に買うべき)1枚。


CODE RED ★★ (2010-07-30 23:39:00)

CDデビューを飾ったのは最近のことながら、結成は90年代前半まで遡るという(その頃はMINDFIELDと
名乗っていた)、息の長い活動歴を誇る神奈川県出身のスラッシュ・メタル・バンド。
これまでに彼らが発表した、デモテープやCD-Rの数々については公式サイトに詳細なデータが
あるのでそちらをどうぞ。(サンプル音源なんかも聴けますよ)
'08年に発表され、バンドの知名度向上に大きく貢献したデビュー作『WOLVES OF WARFIELD』から早2年。
そろそろ2ndアルバムが聴いてみたいぞ、と。


HUGO - Hugo ★★ (2010-07-25 00:25:00)

元VALENTINE~OPEN SKYZのフロントマン、ヒューゴ(Vo)が、所属レコード会社を通じて知り合った
ゲイリー・ヒューズ、ヴィニー・バーンズらTENのメンバーの協力を得て制作、'97年に発表した1stソロ・アルバム。
その音楽性は「業界屈指のスティーヴ・ペリーそっくりさんシンガー」と謳われる(?)ヒューゴの
ハスキー・ボイスと、歪みを抑えたロング・トーンが二ール・ショーンを思わせるヴィ二ー・バーンズの
メロウなGプレイを活かした、JOURNEY濃度高めのアメリカン・メロディアスHR路線。
彼はこの後も、同様の作風で2枚のソロ・アルバムを残しているが、100曲近いマテリアルの中から収録曲を
選りすぐったというだけあって、完成度の高さにおいてはこのデビュー作が頭一つ抜きん出た印象を残す。
美しい序曲から飛翔感を伴って展開していく②に始まり、ポップで穏やかな叙情バラード⑪に終わる本編に
捨て曲の類は見当たらないが、取り分け、ポジティブなエネルギーと爽快感に満ち溢れたアップテンポの
曲調に、「メントスを口に含んで歌っているのか?」っつーぐらい清涼なヒューゴの歌唱が乗っかった⑧は、
彼のシンガーとしての資質が120%引き出されたアルバムのハイライト的存在の名曲かと。
本作を聴いて気に入った人は、後の2枚のソロ作やジョッシュ・ラモス(G)と組んだメロハー・プロジェクト
RAMOS-HUGOのアルバムもどうぞ。


Y & T - Mean Streak ★★ (2010-07-24 00:24:00)

切れ味鋭いGリフが踊る、Y & Tのハード・サイドを代表する名曲“MEAN STREAK"の存在が
端的に示す通り、ブルーズ・ロック的な泣きや哀愁、マイナー調の雰囲気が薄れ、ザックリと刻まれる
Gリフに、一層キャッチーさを増した曲展開やコーラス・ワークなど、洗練されたヘヴィ・メタリックな
側面が強調された作風に仕上がっている、'84年発表の3rdアルバム。
と言っても、日本のファンに捧げられた泣きの名曲⑤(Gも良いけど、裏メロを取るBもグッジョブ)
を筆頭に、ポップ且つ憂いを帯びた③、哀愁のミドル・チューン⑧、そして個人的にアルバム表題曲に
匹敵する名曲と信じて疑わないハードな疾走ナンバー⑥など、メロディの叙情味やフックに
大味感や鈍りは微塵も感じられないので安心されたし。
本作以降、Y & Tはその音楽性を徐々にポップ化させてファンから賛否両論を呼ぶわけだが、
とりあえずデビュー作から本作に至る彼らの初期3作にハズレなし。前2作同様、コレまた名盤でしょう。


Y & T - Black Tiger ★★ (2010-07-19 21:26:00)

Y & Tというバンドの美点を余すところなく捉えた名曲中の名曲“FOREVER"を収録し、
多くのファンから彼らの最高傑作として高く評価される、'82年発表の2ndアルバム。
デビュー作らしい、若さに任せた勢いが全編に横溢していた1st『EARTHSHAKER』に対し、
本作はそうした荒々しさが抑制された分、サウンド・プロダクションの充実、ポップ&キャッチーさを
増したメロディに、強化されたコーラス・ハーモニー、それに整合性とドラマ性の向上が図られた曲展開など、
収録楽曲はより洗練され、完成度を高めたとの印象を受ける。
その最大の成果と言うべきなのが、組曲形式でアルバムの幕開けを飾る①②の劇的極まりない流れであり、
そして、聴く度に眉毛が八の字になってしまうイントロからエンディングに至るまで、猛烈な「泣き」を発散する
Y & T屈指の名曲⑤の存在。また、スピーディな②から仄かに憂いを含んだポップ・ソング③へ、
ノリのいい④から泣きまくりの⑤へと繋げる構成の妙、ラストの締め括りに哀愁を帯びたバラード⑩を置く等、
考え抜かれた曲順も間違いなくアルバムのクオリティの底上げに大きく貢献している。
ソウルフルなVo、表現力豊かなG、力強さと味わい深さを併せ持ったDsなど、このバンドならではの個性が
完全に確立されたY & T入門編に打ってつけの1枚。HR/HM史に残る名盤の一つじゃないでしょうか。


PRETTY MAIDS - The Best Of...back to Back ★★ (2010-07-18 17:46:00)

新作『PANDEMONIUM』を聴いていたら、ふとPRETTY MAIDSの過去のアルバムを聴き直したく
なってしまったのだが、残念ながら数年前の引越しに際し彼らの作品の殆どを手放してしまっていたので、
仕方なく、'98年に発表されたこのベスト盤を引っ張り出して聴きまくっている今日この頃。
80年代から90年代にかけてのPRETTY MAIDSの歩みを手っ取り早く振り返る事の出来る本作は、
「酒井康監修」という、果たして良いのか悪いのか微妙に分かり難い売り文句が添えられているのだが、
各アルバムから満遍なく代表曲を押さえてみせた御大の選曲センスは確かだし、また、それら収録曲を
単に年代順に並べるのではなく、1枚のアルバムとしてスムーズに聴き通せるよう配置する等、全体の構成にも
気の払われた作りは、ベスト盤につきまといがちな商売っけよりもバンドに対する深い愛情を強く感じさせ、
非常に好感が持てる。あと、未発表の新曲やレアなオマケ音源をバンド側から引っ張り出す豪腕っぷりも、
流石、面の皮の厚・・・もとい、ミュージシャンと太いパイプを持つ元BURRN!!編集長の面目躍如といったところか。
無論、歴史の長いバンドゆえCDの収録時間ギリギリ一杯を使ってもどうしたって「漏れ」は出てしまうが、
そこは致し方なし。それを非難するぐらいなら、初めからオリジナル・アルバムを聴き直しゃ済む話だしね。
PRETTY MAIDSのアルバムは沢山あり過ぎて何から手を出せばいいのか分からない方は、先ず手始めに本作からどうぞ。


Y & T - Earthshaker ★★ (2010-07-14 21:36:00)

YESTERDAY & TODAY改めY & Tの仕切り直しデビュー作となった、'81年発表の1stアルバム。
ブルーズ・ベースのシンプルでノリの良いアメリカン・ロックに、欧州HRばりの叙情性とドラマ性を混ぜ合わせた
サウンドは、既にこのバンドならではの個性をドーンと確立しているだけでなく、デイヴ“人間国宝"メニケッティの
GとVoが濃厚に咽び泣く⑤⑩といった、Y & Tを語る上で欠かす事の出来ないバラードの名曲も収録。
一方で、他のどこよりも先ずNWOBHMが盛り上がりを見せていた英国で評価を得た事実が物語る通り、
本作は彼らのカタログの中でも一際ハード&へヴィな作風を誇っており、その要となっているのが
「イアン・ペイスの腕とジョン・ボーナムの足を持つ男」と言われた(?)レナード・ヘイズ(Ds)の存在。
一撃一撃がズンズンと下っ腹に響く彼のパワフルなドラミングが、デイヴのスリリング且つソウルフルなGと
ガップリ四つに組んで火花を散らす、疾走チューン④⑦の荒々しいカッコ良さは、ずんどこ洗練されていく
後の作品とは一味異なる、本作ならではの味わいと言えるのではないでしょうか。
Y & T入門編としては次作『BLACK TIGER』を推すが、個人的に彼らの作品で最も愛着を覚えるて1枚はコレかなと。


SACRIFICE(日本) - CREST OF BLACK ★★ (2010-07-11 23:00:00)

一度でいいから聴いてみたいと願っていたSACRIFICEの幻の1st『CREST OF BLACK』('87年)がまさかの再発。
失恋船長さんに教えて頂いて発売スケジュールを確認した時は、思わず我が目を疑ってしまいましたよ。
「和製VENOM」の異名を取った彼らだけに、デビュー作たる本作では、てっきり後の作品以上に初期衝動に
忠実なスラッシュ・メタルを演っているものとばかり思っていたのだが、あにはからんや。ここで聴く事が
出来るのは、埃っぽく破天荒、それでいて日本のバンドらしい整合性も兼ね備えたハードコアなヘヴィ・メタル。
子守唄に導かれて幕開ける本編の半数を占めるのは、イーヴルな雰囲気漂わすミドル・チューンの数々で、
疾走曲にしても、その走り方は雪崩を打って畳み掛けるスラッシュ・メタルのそれではなく、飽くまで正統派HMに
由来する走りっぷり。杉内哲のVoもクロノス/デモリションマンばりの吐き捨てスタイルながら、
外へ向かってハジけるアグレッションより、内向きに重く引き摺るようなダウナー感の方が強く印象に残る。
本作を聴いて漸く「SACRIFICEはスラッシュ・メタル・バンドではなくヘヴィ/ロックンロール・バンド」
という発言の真意が理解できた次第。とは言え、本作を最も楽しむ事が出来るのがスラッシャーなのもまた、
疑いようのない事実なのだが。(②⑨辺りはSACRIFICEの全楽曲の中でもトップレベルの名曲かと)
この機会に、2nd『TOTAL STEEL』や3rd『TEARS』もリマスター再発希望。


Y & T - Facemelter ★★ (2010-07-08 23:19:00)

ソロ・アルバムもあったし、来日公演もあったしで、それほど間が開いた印象はなかったのだが、実際は13年ぶりの
リリースだというY&Tの新作アルバム。再結成後の前2作が余りパッとした出来栄えではなかったので、今回も然したる
期待は抱かずに購入、漫然とCDデッキにセットして聴き始めたのだが・・・これが良い、非常に良いのだ。
往年の必殺メドレー“FROM THE MOON"~“OPEN FIRE"の流れを思い起こさせる①②の
ドラマティックな展開を聴いただけ、完璧にハートを鷲掴みにされてしまいましたよ。
FRONTIER RECORDSと契約を交わしたことが奏功したのか、本作は良い意味で「開き直り」が感じられるというか、
原点回帰の姿勢が終始徹底されており、前述の①②以外にも、名曲“FOREVER"+“MIDNIGHT IN TOKYO"
といった趣きの⑦、“I BELEIVE IN YOU"ばりにデイヴ・メニケッティのGが泣きまくるバラード⑧、
“MEAN STREAK"風味のシャープなGリフが踊る⑩等の楽曲を筆頭に、その作風はY&T全盛期の作品群を彷彿。
(ジャケット・アートワークもジョン・ディスミュークスが手掛けているし)
それでいて、年月を経て一層の表現力を獲得したデイヴのエモーショナルでソウルフルな歌声とGの腕前が、
このアルバムに現在の彼らならではの魅力を付与しており、決して単なる過去の遺産の焼直し作品には堕としていない。
不満と言えば、レオナード・ヘイズの不在と重厚感に欠ける音作りのくらいなもので、従来のファンは勿論のこと、
若いメタル・ファンが聴いてもきっと何かしら感じるものがあるであろう力作。来日公演が今から楽しみだ。


UNCLE SLAM - Say Uncle ★★ (2010-07-06 23:17:00)

'88年のリリース当時、海外ではレコードとカセットテープしか発売されず、僅かにリリースされた
日本盤CDが超レア・アイテムと化していたUNCLE SLAMのデビュー作が、待望のリマスター再発。
SUICIDAL TENDENCIESとの繋がりからクロスオーバー方面で語られる機会の多いバンドなれど
(ジャケ絵もSUICIDAL TENDENCIES、EXCEL、NO MERCYといったそっち系バンドとの仕事で知られるマイケル・ザイフが担当)
本作に詰め込まれているのは、ランディ・バーンズ謹製のソリッドな音作りの下、ザクザクと刻まれる
クッキリとした輪郭線を描くGリフ、緩急を効かせてダイナミックに突進するリズム、そして短いながらも
ちゃんと練り込みの跡が伺えるGソロ等、そのサウンドは完全にストレートなスラッシュ・メタル。
ツインG風のアレンジを取り入れて疾走する③なんて、「パワー・メタル」と表現してもいいような?
ちょいシャープ気味のシャウトを繰り出す濁声Voや、そのVoがヒップホップ調の歌い回しを披露する④辺りからは
クロスオーバー/ミクスチャー臭が感じられなくもないが、そうした要素も作品全体を俯瞰して見た場合は
枝葉末節に過ぎず(前述の④にしても後半はスラッシーな疾走パートへと転じる)、アルバム全編を通じて
発散されるのは、紛れもない、正統派スラッシュ・メタルならではの切れ味の鋭さと爽快感。
個人的にはCRO-MAGSの『BEST WISHES』や、D.R.I.の『CROSSOVER』に比類し得る逸品として
愛して止まない1枚。UNCLE SLAMの最高傑作?そう思います。


GRAND ILLUSION - Brand New World ★★ (2010-07-03 00:48:00)

中心メンバーの仲違いが原因で活動休止状態にあったGRAND ILLUSIONが、今年発表した待望の復活作。
その陰にはデーモン小暮閣下の決して小さくない貢献があったとの事で、ファンとしては彼に足向けて寝れませんな。
メンバーのルックスは益々「普通のオッサン化」が進行しているものの、サウンド自体は変わらぬ高品質を維持。
瑞々しいサウンド・プロダクション、ポップでキャッチーな哀メロ、華やかなKey、壮麗なハーモニーetc・・・が
揃った本作で聴く事が出来るのは、デビュー作や、最高傑作と名高い2nd『VIEW FROM THE TOP』の作風を
彷彿とさせる美しき北欧ハードポップ。個人的には、ハード・ロッキンなノリが増量された前作や、
中心メンバーのアンダース・リドホルムが、別シンガーと組んで立ち上げたHRプロジェクトCODEも愛聴させて
貰ってはいたが、本作を聴いてしまうと「やっぱこれですよ、これ!」と思わず顔が綻んでしまいますね。
収録曲数が多いため若干の中弛みを感じなくもないが、序盤の畳み掛け(①~③)と後半(⑪~⑬)の盛り上がりっぷりが
そうした弱点をカバー。特にアンダースの強力なメロディ・センスと、看板シンガー、ピーター・スンデルの
パワフル且つ爽快な歌唱が組み合わさった③は、本編のハイライト的名曲。また、ラスト・ナンバー⑬には
デーモン小暮がゲスト参加。持ち前の芝居がかった歌唱を持って楽曲の完成度向上に大きく貢献している。


WOLF SPIDER - Kingdom of Paranoia - Manifestants ★★ (2010-07-03 00:14:59)

山あり谷ありで忙しなく畳み掛けて来る曲展開や
スリリングな楽器陣の絡みはプログレ方面からの
影響も感じさせるが、楽曲全体を貫くのは
紛うかとなきスラッシーな疾走感。
曲調のドライブ感を増強するBと、
威勢の良い掛け声コーラスも○。


MANIFEST DESTINY - What You Fear ★★ (2010-06-27 21:48:00)

シンガーの交通事故死という悲劇を乗り越えて、'97年に発表された2ndアルバム。
新Voの声質は故スティーヴ・ブライアントと同タイプで、基本的には前作で披露した
アメリカン・パワー/スラッシュ・メタル路線を踏襲しているが、この時代、そして制作経緯からも
想像がつく通り、案の定、本作は暗い怒りに満ちたへヴィネス重視の作風に仕上がっており、
新Voのメロディに無頓着な歌唱スタイルと、ダウン・チューニングの施された音作り、
そしてシンプルでラフなサウンド・プロダクションも、そうした印象に拍車を掛けている。
但しこのバンドの場合、それでもちゃんと楽曲が疾走感を保ち続けているのが、他の多くの
パワー/スラッシュ系バンドとは異なる点で、ザクザクと刻まれる強靭なGリフが、パワフル且つスピーディに
突進する③⑤辺りの楽曲は迫力十分のカッコ良さ。(全体的にスピード・ナンバーの方が出来が良い)
これで、前作と同じくらいツインGがメロディアスに歌っててくれれば文句はなかったんだがなぁ。


WOLF SPIDER - Drifting in the Sullen Sea ★★ (2010-06-27 09:19:00)

妙に眼力のある涙目爺さんのイラストが強いインパクトを放つ、'91年発表の4thアルバム。
個人的に初めて購入したWOLF SPIDERの作品だったりするのだが、手数多めのGリフと、変拍子を交えつつ
キレ味を失わないリズムのコンビネーションを活かした歯切れの良い疾走感はそのままに、これまで以上に
歌うようになったVoや、よりメロディアスに、エキセントリシティを控えめにした楽曲を筆頭に、
今回はスラッシュ・メタルというよりも、テクニカルな要素も備えた正統派パワー・メタル路線へとシフト・チェンジ。
メロディのフックの弱さは相変わらずながら、「もっとコマーシャルな音楽性の作品を作れ」との
レコード会社からの圧力にもめげず、自らの個性と聴き易さを両立させてみせた曲作りのセンスは大したもの。
静と動のコントラストも鮮やかなOPナンバー①、Keyを効果的に取り入れた劇的且つダイナミックな⑤、
美しいツインGハーモニーが炸裂する⑦、そしてアルバムのラス曲にしてハイライト・ナンバーでもある⑨・・・と、
前作が気に入った人なら必ずやグッとくるであろう名曲を多数収録。(QUEENのカヴァー⑪も案外ハマッてます)
初期ANNIHILATOR辺りが好きな人にもお薦め出来る1枚かと。


WOLF SPIDER - Kingdom of Paranoia ★★ (2010-06-26 23:24:00)

80年代から90年代にかけて、TURBOやDRAGON、KATらと共にポーランドHR/HMシーンの一翼を担ったポズナニ出身の
5人組が、英インディーズのUNDER ONE FLAGから'90年に発表した、バンドの最高傑作と評価も高い3rdアルバム。
本サイトのTARGETの項目で、TARGETとWOLF SPIDERとの類似性を指摘する意見を読み、そうだったっけ?と
久し振りに本作をCD棚から引っ張り出して聴き直してみたのだが、乱高下するメロディをハイテンションに
歌いこなすVo、ユニークなラインを刻む存在感抜群のBと、手数の多いGリフから劇的なユニゾン・プレイまで
慌しく動き回るツインG、そしてスピーディ&テクニカルに畳み掛けて来る曲展開・・・と、
これが確かに似てました。(メンバーはMEKONG DELTAやVOIVODのTシャツ着てるし)
ただ、アバンギャルドなノリは控えめで、TARGET以上にストレートにスラッシュ・メタル色が打ち出されているので、
こちらの方がスラッシャーには取っ付き易く感じられるのかな?と。(物足りないと思う人もいるだろうが)
個人的には、良くも悪くも東欧的な愛想に欠ける作風にもう少しキャッチーさが欲しいと思ってしまうのだが、
久し振りに聴き直してみて、アコギとBによるメロウなイントロからスタートする複雑且つドラマティックな①や、
華麗なるツインGのハモリっぷりに耳奪われる⑦、正統派HM的な歌メロにカッコ良さが光る⑨等、意外に名曲が
多い事を再認識。インテレクチュアルな作風の割りに、楽曲をコンパクトにまとめてくれる姿勢も○。
初期MEGADETH、MEKONG DELTA、TARGET・・・と聴いてピンと来た人にお薦めする1枚。


WOLF SPIDER ★★ (2010-06-26 23:21:00)

TURBOのドラマー、トミーGによって80年代中期にポーランドはポズナニにて結成。
ゴキブリすら捕食する実在の大型蜘蛛から名前を取ってWILCZY PAJAKを名乗る。
数々のロック・フェスに参加しつつ足場を固め、'87年にセルフ・タイトルの1stアルバムでデビュー。
バンド名を英語表記のWOLF SPIDERと改めた後、'88年に2nd『BARWY ZtA』を発表し、
ポーランドのメタル・シーンにおいて確固たる地位を築く。
'89年、2ndの英語バージョン『HUE OF EVIL』を、新G(後にACID DRINKERSに加入)、
新Vo(SCANNER、ANGEL DUST、再結成MEKONG DELTA等での活動で知られるレオ・スピーゲル)と共に制作。
'90年には再々度シンガーをチェンジして、バンドの最高傑作と名高い3rd『KINGDOM OF PARANOIA』を発表、
METAL HAMMER誌の編集長がその月のアルバムBEST5に選出する等、
テクニカル且つスリリングなスラッシュ・サウンドが欧州圏で高く評価された。
ところが翌年、4th『DRIFTING IN THE SULLEN SEA』を発表するも、
よりポップでコマーシャルな音楽性を強要されたことからバンドは崩壊。
同年、DEEP PURPLEのポズナニ公演のサポートを務めた後、解散の道を選択している。


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds - Private Crime ★★ (2010-06-26 00:31:40)

“PATHS OF THOUGHT"と双璧を為す
本編屈指のスピード・ナンバー。
噛み付くように歌うVo、強靭なリフ・ワークから
メロディアスなソロまで澱みなくこなすG、
ゴキゴキと鳴りまくり、楽曲をビルドアップするB、
いずれの要素もカッコイイ。


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds - God Watchers ★★ (2010-06-26 00:27:24)

これぞアメリカン・パワー/スラッシュ・メタル!
といった趣きでガンガン押し出してくる
重厚感溢れるパワー・チューン。


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds - Paths of Thought ★★★ (2010-06-23 23:44:30)

パワー、スピード、メロディと三拍子揃った
MANIFEST DESTINYの1stデモのタイトル・トラックにして、
デビュー作のハイライト・ナンバー。
のみならず、「90年代の隠れた名曲コンテスト」を開催した日にゃ
上位に食い込むこと間違いなしの名曲。
スラッシュ/パワー・メタル・ファンなら聴かずに死ぬ事なかれ。


MANIFEST DESTINY ★★ (2010-06-23 23:30:00)

アメリカ覇権主義時代のスローガン「明白なる使命」(MANIFEST DESTINY)から
バンド名を頂いて、80年代末にオクラホマ州はスティルウォーターにて誕生。
2本のデモテープを制作する傍ら、D.R.I.やFORTE、OLIVER MAGNUMといった、同郷ないし
アメリカ西部に拠点を置くバンドのツアーに同行、腕を磨きながら知名度を高めていく。
'95年に制作した3本目のデモテープが、ドイツのインディ・レーベルCRAZY LIFEの目に留まり
ディールを締結。翌'96年に1st『ALL LIFE ALL MAINDS』を発表してデビューを飾った。
国内盤も出たこの作品で聴く事が出来るのは、トレンドに左右されない、良質且つオーセンティックな
アメリカン・パワー/スラッシュ・メタルだったが、なぜか日本ではパッとした評価を得る事が叶わず、
そのままフェードアウト。てっきりすぐに解散したものと思っていたのだけれど、これを書くに当たって
調べてみたら、他にも数枚の作品を残してる上に、'05年には再結成を果たしていた事が判明して吃驚。
他のアルバムの聴いてみるかな・・・。


MANIFEST DESTINY - All Life All Minds ★★ (2010-06-23 23:28:00)

オクラホマ州はスティルウォーター出身の5人組が、独インディーズのCRAZY LIFE RECORDSから
'96年に発表した1stアルバムにして日本デビュー作。
国内盤の帯には「ネオ・スラッシュ」なる単語が踊っているが、実際のところ本作で聴くことが出来るのは、
全盛期のVICIOUS RUMORSやMETAL CHURCH、マイナーどころではPOWERMAD、同郷の先輩バンドFORTEといった
バンドの名前が思い浮かぶ、非常にオーセンティックなアメリカン・パワー/スラッシュ・メタル。
欧州のバンドに比べると、メロディのフックやドラマティックな曲展開の機微などには欠けるが、その分、
ぶっきらぼうな歌い回しがジェイムズ・ヘッドフィールドを思わせる男臭いVoと、強靭なリフの壁を築く
ツインG、小気味良く鳴りまくりリード楽器の役割も果たすB、それに音数の多い(ドタバタしてる?)Dsとが
一丸となって突き進むサウンドは、滅法パワフルでストロング。中でも、血管がブチ切れそうなパワーと劇的な
メロディが雪崩を打って突進する⑤は、全スラッシャー(及びパワー・メタル好き)必聴の超名曲。
ぶっちゃけ、本作はこれ1曲のために買う価値ありですよ!(中古盤メチャクチャ安いしね)
リリース当時は、パッとした評価の得られないまま有象無象の作品群の中に埋もれてしまったが、
今からでも再評価を望みたい1枚。
尚、本作で屈強な歌声を披露しているオリジナル・シンガーのスティーヴ・ブライアントは、
アルバム発表からほぼ一月後の5月、突然の交通事故により不慮の死を遂げている。R.I.P.


ANGEL DUST - To Dust You Will Decay ★★ (2010-06-22 22:48:00)

80年代のジャーマン・スラッシュ/スピード・メタルを語る上では欠かす事の出来ない(・・・そうでもないか?)
ドルトムント出身の5人組が、Voをローマン・ケイマーから、後にSCANNERやREACTORに参加する事で知られる
S.L.クーに代えて、'88年に発表した2ndアルバムにしてラスト作。(で、90年代に再結成)
プロデューサーにキット・ウルーヴェンを迎えた事で音質が向上。また、しっかりと歌える専任シンガーが
加わったことで「脱スラッシュ/スピード・メタル」志向が加速した本作は、全体的にパワー・メタル度が急上昇。
と言っても、彼らの場合はドイツのバンドらしい高いドラマ性を有しながらも、メロパワ的な懐っこさより、
JUDAS PRIESTやACCEPTの系譜に連なるゴツゴツとした感触の硬派なサウンドがその身上で、刻みの細かいGリフや、
畳み掛けるようなリズムの疾走感には、前作同様スラッシーなアグレッションが宿り、その上でハイトーンVoが
勇壮なメロディを朗々と歌う、劇的なラスト・ナンバー⑩はANGEL DUST屈指の名曲の一つか。
個人的には、もろスラッシュ・メタル的な切れ味の鋭さを誇る⑤のような楽曲の方が好みだったりするのだけど。
何にせよ、捨て曲なしの力作なのは間違いない1枚。これ程の作品が、未だ嘗て正式にCD化されたことがないってのは
何とも解せない話だ。(海賊盤なら容易に入手可能だけど)


ROSICRUCIAN - Silence - Autocratic Faith ★★★ (2010-06-21 22:14:59)

怪しくもドラマティックな雰囲気を撒き散らしながら
スラッシーに疾走する、アルバムで1、2を争う名曲。
ピアノとGのバトル・パートは鳥肌モノのカッコ良さだが
深みに欠ける安っぽい音色なのだが残念。
これが生ピアノなら失禁してたんじゃなかろうか。


ROSICRUCIAN - Silence - Esoteric Traditions ★★★ (2010-06-21 22:11:53)

一瞬のブレイク後、エキゾチックなメロディを纏って
怒涛の如く疾走する冒頭部分を聴いていると、
何となくARTILLERYを思い出しますね。
神秘的且つドラマティックな雰囲気が横溢する
アルバムのハイライト・ナンバー。


ROSICRUCIAN - Silence ★★ (2010-06-21 21:51:00)

グラビア・アイドルばりにセクシー&ウェッティなメンバーの裏ジャケ写真が妙にイラっとくる(笑)、
スウェーデン出身の5人組が'92年に発表した1stアルバム。
ネオクラG、ピアノ、弦楽器、オペラVoといったクラシカルな要素を増強して、実験的且つユニークな
サウンドを構築した2nd『NO CAUSE FOR CEREBRATION』に比べると、本作で聴くことが出来るのは、
デス声に片足突っ込んだ悪声Voに、重たく湿ったGリフ、そして威勢のいい掛け声コーラスが、
デビュー作らしい荒々しさを伴って疾走する、比較的ストレートなスラッシュ・メタル。
と言っても、一筋縄では行かない曲展開とミステリアスな雰囲気を備えた楽曲等、次作で一層クローズアップ
される事となる風変わりなテイストも既に健在で、特に、寒々しくも異国情緒漂わすアコギから、
テクニカルな速弾きまで流麗にこなすツインGコンビは、本作の魅力の肝と言える程の存在感を発揮。
叙情的に始まり、激しくアップダウンを繰り返しながら盛り上がっていく③、疾走するエキゾチックな
メロディがどことなくARTILLERYを彷彿とさせる④、ピアノとGのバトル・パートが挿入された
(もしこれが生ピアノだったら失禁してたかもしらん)などは、ROSICRUCIAN屈指のキラー・チューン
のみならず、スラッシュ好きなら一度は聴いておいて損のない名曲。カッコイイっす。
キレに欠けるVoの歌唱とドタバタしたDsはマイナス材料ながら、2ndと甲乙付け難い魅力的な内容を誇る1枚。
寧ろストレートで判り易い分、こっちの方が好きだという人の方が多いかも。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - A Moment of War ★★★ (2010-06-20 21:17:16)

“MUCH ABOUT NOTHING"と並ぶアグレッション漲る
高速スラッシュ・ソングながら、中間部には
強引にオペラVoパートが捻じ込まれ、エンディングは
ラウンジ音楽風と、人を食った曲展開が武器の1曲。
中期THERIONに通じる魅力あり。
個人的にはアルバムで一番好きだ。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - The Opening of the Glory End ★★ (2010-06-20 21:13:43)

スリリングでスピーディ、且つ劇的なイントロで
グッと惹き込まれる。
以降の展開はまぁ並なんだけど、
中間部の寒々とした叙情旋律を爪弾くアコギと、
流麗なGソロをフィーチュアした中間部の
ドラマティックな展開は素晴しい。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - Stench of Life ★★ (2010-06-20 21:08:12)

激しく起伏に富んだ曲展開の中で、
ヴァイオリンとネオクラGがバトルを繰り広げながら
スラッシーに疾走するという
本作品の特異な音楽性を端的に示した1曲。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration - Much About Nothing ★★ (2010-06-20 21:03:46)

野太いシャウト型Voと、スラッシーなリフ&リズムが
無愛想に疾走するヴァースから一転、サビメロは
テンポダウンしてメロディアス且つ壮大に展開する。
滑らかなGソロも聴きもの。


ROSICRUCIAN - No Cause for Celebration ★★ (2010-06-20 19:21:00)

1stの時点で、既に一風変わったスラッシュ・サウンドを聴かせてくれていた彼らなれど、
この日本デビュー作となった'94年発表の2ndでは、更にそうした要素を拡充。国内盤の帯に付けられた惹句
「華麗なるバロック音楽とアグレッシブなスラッシュ・メタルの融合」はちょいと筆が滑りすぎだが、
ネオクラG、朗々と歌うオペラVo、ヴァイオリン、Key、ピアノ等が強引に捻じ込まれた楽曲の数々は、実際かなり個性的。
と言っても「アバンギャルド」と評するほど突き抜けた作風ではなく、そうした実験的な要素は主に楽曲の
ドラマ性を底上げする方向で活かされているし、何よりアルバム全編を貫くのは、飽くまでスラッシュ・メタル然
とした疾走感(音作りはデス・メタル風味だが)。ゆえにメタル者の耳にも結構取っ付き易い。
前作に比べると、'94年という時節柄へヴィネスが強調されている印象が無きにしも非ずだが、ドスの効いたVoに
タイトなDsという、実力派新メンバーの加入効果もあって、静と動の落差、ダイナミックな緩急が盛り込まれた
曲展開が生み出すカタルシスはこれまで以上。バンドとしてのレベルは確実に上がっている。
如何にも北欧のバンドらしい(STONEなんかに通じる)寒々とした荒涼感を撒き散らしながら疾走する
OPナンバー①や、ヴァイオリンとネオ・クラシカルGがスリリング且つ劇的に絡み合う④、北欧民謡風のメロディを
爪弾くアコギがミステリアスな雰囲気を盛り上げる⑦、ラストを激烈に締め括る高速スラッシュ・ソングながら
中間部において唐突にオペラVoが炸裂する⑨といった楽曲は、スラッシーな攻撃性と、このバンドならではの
実験精神が上手いこと同居した魅力溢れる名曲だ。
せっかく本作をもって個性的なサウンドを確立したのに、これを最後に解散してしまったのは残念至極。


ROSICRUCIAN ★★ (2010-06-20 19:19:00)

スウェーデンはヴェステロースにて80年代末に誕生。作曲を始め、プロデュースからアートワークの
コンセプトまで手掛ける才人Gコンビを中心に活動を展開。デモテープ1本を制作した後、セルフ・プロデュースで
1st『SILENCE』をレコーディング、'91年にBLACK MARK RECORDSから発表してレコード・デビューを飾る。
秘密結社「薔薇十字団」からバンド名のアイデアを頂くだけあって、流麗且つ劇的なネオ・クラシカルGを
フィーチュア、北欧的な荒涼感を撒き散らしつつ疾走するミステリアスなスラッシュ・メタル・サウンドが
その持ち味で、Vo(元MEZZROW)とDsを変えて、'94年には更なる充実作『NO CAUSE FOR CEREBRATION』を
発表するも、残念ながらバンドはそこで活動を停止。
Voを除くメンバーはそのままヘヴィ・ロック・バンドSLAPDASH結成へと動く事となる。
その後、Gコンビは確かAXENSTARやCARNAL FORGEにも参加していた筈。


RAPED APE - TERMINAL REALITY - RETURN TO NOTHING (2010-06-15 22:15:37)

2本のGが正統派へヴィ・メタリックに絡み合う、
このバンドのルーツの一端が垣間見えるインスト・ナンバー。


RAPED APE - TERMINAL REALITY - CIRCLE OF BLOOD ★★ (2010-06-15 22:13:25)

ランニング・タイムが5分半と、
このバンドにとっては長尺な楽曲ながら、
安定した演奏力から生み出される
緩急に富んだ曲展開をもって、ダレ場を作る事無く
一気に最後まで聴かせ切る。名曲です。


RAPED APE - TERMINAL REALITY - HYPOTHERMIA ★★ (2010-06-15 22:07:27)

濁声だが一応メロディを追いかけているVoを取り入れ、
ドスを効かせて突き進むスラッシュ・ソング。
短くもキチンと練られたソロを聴かせてくれるGがポイント高し。


RAPED APE - TERMINAL REALITY - THE KRUSHER ★★★ (2010-06-15 22:00:44)

1stデモ『PERPETUAL AGGRAVATION』に“DA KRUSHA"という
タイトルで収録されていた楽曲をリメイク。
シャウト型の濁声Vo、鋭利なGリフと共にメロディアスな
フレーズも紡ぎ出すG、聴いてるだけでジッとしてられなくなる
性急なビートを叩き出すリズム隊とが一丸となって、
畳み掛けるように疾走する、これぞまさにスラッシュ・メタル!
なカッコ良さに満ち溢れた名曲。


RAPED APE - TERMINAL REALITY ★★ (2010-06-15 21:16:00)

古き良きスラッシュ・メタルが壊滅状態にあった'90年代半ばに、オールドスクールなスラッシュ・サウンドを
聴かせてくれるバンドとして好き者達の間でちょっぴり話題を呼んだ、フロリダ出身の4人組が'93年に発表したデビューEP。
プロデューサーにスコット・バーンズを迎え、MORI SOUNDスタジオにてレコーディングされてるだけあって、
流石にそのクオリティは安定。デス・メタリックな要素も散りばめられたサウンドは迫力満点で、リリース当時は
スラッシュに飢えてた事もあり、嬉々として聴き込んだ覚えがある。・・・のだが、ある程度同ジャンルが復興を
果たした現在、若いスラッシャーにアピールし得る魅力を本作が備えているかと言えば、正直それはかなり微妙。
やはりこの作品は、スラッシュ冬の時代にリリースされたからこそ、評価された1枚だったんじゃないかなー、と。
但し、じゃあツマランのかと言えば断じてそんな事はなく、特に本作の国内盤には、ボーナス・トラックとして
初期デモ音源4曲がリメイク収録されているのだが、これがドスの効いたVoといい、ザクザクと刻まれるGリフの
切れ味や、畳み掛けるように疾走するリズム、それに意外にメロディアスなツインGといい、
「これぞスラッシュ・メタル!」的な旨味に満ち溢れた名曲揃い(⑩はジョークみたいなもんだが)。
そんなわけで、'94年にテイチクからリリースされた国内盤限定で購入をお薦めする次第。


RAPED APE ★★ (2010-06-15 21:13:00)

80年代後半、フロリダ州はレイクワースにて誕生。2本のデモテープを制作した後、
デス・メタルの聖地として知られるMORI SOUNDスタジオにて、プロデューサーにスコット・バーンズを迎えて
レコーディング作業を開始、'93年にLEVIATHAN RECORDSから6曲入りEPを発表してレコード・デビューを飾る。
「スラッシュ冬の時代にオールドスクールなスラッシュ・メタルを演ってるバンド」として話題になるが、
実際のところそのサウンドには、PANTERAを筆頭としたヘヴィ・ロック・バンド勢からの影響も伺え、
彼らは本作リリース後に解散しているが、もしフル・アルバムを制作していたのなら、多分その内容は
モダン・へヴィネス路線に傾いた作風になっていたんじゃないかなぁ、と。
但し、'94年にリリースされた日本盤に収録されている、初期デモ音源のリメイク・トラックは
混じりっけなしの正統派スラッシュ・メタル・ソングで、これが最高にカッコイイ出来栄え。
個人的にはこっちこそが本編です。
バンド解散後、リーダーのマイク・プッチアレリは刺青の彫り師として成功を収め、
他のメンバーはPRO-PAINやMALEVOLENT CREATIONなんかに参加していたようだ。


STYGIAN - Planetary Destruction - The Switch ★★ (2010-06-12 18:25:46)

アコギも用いたメランコリックな導入部から、
山あり谷ありの曲展開を経てドラマティックに
盛り上がっていく本編のラスト・ナンバー。
複雑なリフ/リズム・チェンジや一筋縄では
いかない曲展開を一丸となってこなす
メンバーの地力の高さが伺える1曲。
これでもう少しVoに魅力があればな・・・。


STYGIAN - Planetary Destruction - Preacher and the Politician ★★ (2010-06-12 18:19:34)

激烈に疾走するスラッシュ・メタルらしい
スラッシュ・ナンバーながら、テンポ・ダウンして
劇的に展開するサビメロは正統派へヴィ・メタリック。
テクニカルに弾きまくりつつも、フックのあるメロディを
しっかりと構築するGソロが美味しい。


STYGIAN - Planetary Destruction - Fall From Grace ★★ (2010-06-12 18:13:42)

アルバム収録曲中、最もストレートに疾走するナンバーで
注釈無用の「スラッシュ・メタル・ソング」。
歌唱力に難のあるVoなれど、こういう楽曲をシャウトする分には
何ら問題を感じさせない。
いやカッコイイ。


STYGIAN - Planetary Destruction - Needful Things ★★ (2010-06-12 18:09:59)

繊細なアコギと泣きまくるGが叙情性を増幅する
STYGIAN流ヘヴィ・バラード。
但し、この手の楽曲を演るにはVoが些か弱い。
Gがその分をカバーしてるけどね。


STYGIAN - Planetary Destruction - Cremation ★★★ (2010-06-12 18:07:58)

スラッシュ・メタルらしく畳み掛けるように疾走する
スピーディな曲調から一転、中盤に奏でられる
美しいアコギと泣きのGソロにハッと胸を突かれる名曲。


STYGIAN - Planetary Destruction ★★ (2010-06-12 11:45:00)

デヴィッド・T・チャステインのバックアップを受けて、LEVIATHAN RECORDSからデビューを飾った
イリノイ州はシカゴ出身の5人組スラッシャーが、'92年に発表した最初で最後のフル・アルバム。
ストレートな疾走感よりも、凝ったリフや曲展開重視の作風は如何にも90年代のスラッシュ・メタル・バンド的だが、
3rd~4thの頃のMETALLICAから強い影響を受けたと思しき、そのサウンドは十分に魅力的で(ややキャッチーさには
欠けるが)、輸入盤市場での高評価を受けて、国内盤リリースにこぎつけたのも納得のカッコ良さ。
とりわけ、ドラマティックなハーモニー・プレイが炸裂する⑦や、続くインスト曲⑧辺りに強く表れている通り、
アルバム全編に渡ってテクニカルに弾きまくるツインGコンビはこのバンド最大の武器で、流石、
デヴィッド・T・チャステインの眼鏡に適っただけの事は有る。殊に、激烈な曲調を突いて零れ出す
美しい泣きメロに心奪われる③や、バラードと表現して差し支えないメランコリックな叙情性が滲む⑤、
そしてラスト・ナンバーに相応しい、山あり谷ありなドラマティックな曲調で本編を締め括る⑩といった楽曲は、
スリリングな速弾きから、繊細なアコギ・プレイ、泣きのGソロに至るまで流麗にこなす2本のGが、
曲中に大きな聴かせどころを構築する、STYGIANというバンドの個性がしかと刻印された名曲じゃないかと。
著しく魅力に欠けるわめき型Voと、キレに欠ける後ノリDsは評価の分かれ目だが、
90年代というスラッシュ冬の時代に、心の隙間を埋めてくれた非常に愛着を覚えている1枚。


STYGIAN ★★ (2010-06-12 11:36:00)

元WRATHのゲイリー・ゴルウィツアー(Vo)や、TOROUBLE出身で、後にCHASTAINやKENZINERといった
バンドを渡り歩くデニス・レッシュ(Ds)らが在籍していた5人組スラッシュ・メタル・バンド。
80年代前半にギター・コンビが中心となってイリノイ州はシカゴにて結成。デモテープ制作が縁で知り合った
元速弾き四天王、デヴィッド・T・チャステインが運営するLEVIATHAN RECORDSと契約。まず'91年に
5曲入りEP『LINES IN THE SAND』を制作した後、'93年に1stフル『PLANETARY DESTRUCTION』を発表する。
デモテープがKERRANG!!誌において「未契約バンドの中でもトップ10に入るクオリティ」と高く評価された
実績を持つバンドだけに、ややキャッチーさに欠ける部分はあるものの、疾走感を保ちつつドラマティックに
展開していくスラッシュ・サウンドはそれなりに魅力的だった(グリーンピース魂が燃え盛る歌詞の数々も
個性っちゃ個性か?)。メロディに無頓着な割りに迫力にも欠けるゲイリーの吐き捨て型Voと、
TROUBLE時代の面影を引き摺るデニスのドラミングは好き嫌いが分かれるところかもしれないが。
如何せんデビューした時代が悪く、大した成果を残せないまま消滅してしまったのが残念だった。


MAGNUM - Into the Valley of the Moonking - Time to Cross That River ★★★ (2010-06-09 23:13:58)

なぜか知らねどライブ風の歓声が付け加えられた、
淡く美しい叙情バラードの名曲。
こうした楽曲を歌うボブ・カトレイの歌声は本当に素晴しい。
忘我の境地で聞き惚れてしまいます。
エモーショナルに爪弾かれるクラキンさんの
アコギと、楽曲のおセンチさを高める
マーク・スタンウェイのKeyも素晴しいったら。


MAGNUM - Into the Valley of the Moonking - No One Knows His Name ★★ (2010-06-09 23:03:41)

前曲“MOONKING"の勢いを引き継ぎ、
これまた劇的且つ力強く展開していくナンバー。
サビを彩るファンファーレ調のKeyメロディが印象的。