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Мастер(Master) (2011-12-26 22:24:55)

ARIAのオリジナル・メンバー、アレクサンダー“エリク”グラノフスキー(B)や、ロシアではソロ・アルバムをリリースする等ギター・ヒーローとしての地位を確立しているというアンドリュー・ボルシャコフら、ARIAの1stや2ndアルバムに参加していたメンバー達によって'87年にモスクワにて結成された、ツインG、Key奏者を含む6人編成のパワー/スラッシュ・メタル・バンド。
シカゴのトリオ・デスラッシャーと混同しそうなバンド名ですが、こちらは正確にはMACTEPと綴り(読みは「マスチュール」)、ロシア語では「皇帝」を意味する言葉なのだとか。
無数のメンバー・チェンジを繰り返しながらも、'08年には結成20周年を祝う2枚組ライブ・アルバムを発表する等、ロシア国内では確固たる人気を誇るバンドで90年代に発表された4th『MANIAC PARTY』がPANTERAからの影響を伺わせる内容だったため、それ以降彼らの作品を追いかけるのを中断してしまったのだが、バンドの方は順調に活動を継続し、'10年には8枚目のフル・アルバムもリリース済み。


Ария(ARIA) - Игра с огнём ★★★ (2011-12-26 22:21:17)

'89年にモスクワでミュージック・フェスティバルが開催されたのを契機に、ロシアン・メタルが瞬間風速的に盛り上がった時期がありましたが、GORKY PARKやSHAH、TOVARISCHYといった国内盤がリリースされたバンド以上に深い感銘を受けたのが、このARIAが'89年に発表した4thアルバム。(尤も、ARIAの作品はこれしか聴いた事がないのですが)
舌とコブシ回しまくりの勇壮な歌メロを、後ノリでリズムに追っ付ける歌唱スタイルが独特の味わいのVo、隙あらば聴き手の涙を搾り取ろうと咽び泣く2本のGを中心に展開されるサウンドは、JUDAS PRIESTの“THE HELLION”を思わすイントロに導かれスタートする①と、IRON MAIDENばりのクールなリズム・チェンジ・パートを備えた②という開巻早々の2連発が物語る通り、ド直球の正統派HM路線を邁進。
そこに北欧ヴァイキング・メタルばりの雄々しいドラマティシズムや、聴いているだけでブリザード吹き荒ぶシベリアの永久凍土が目に浮かぶような、猛烈な寒々しさと物悲しさが全編に亘って充満しているのが本作の特色で、VoとGが悲壮に泣きまくる③なんて涙さえも凍りつくような名曲ですよ。
思わず「・・・デモテープ?」と呟きの一つも漏らしたくなる貧乏臭いプロダクションも含めて、まさしくロシアン・メタルの様式美を堪能させてくれる1枚ですね。


HIROSHIMA - Hiroshima - Loneliness ★★★ (2011-12-26 22:19:40)

全体的にはお洒落にまとめられている
ハードポップ・ソングですが、
泣き濡れるGに、ついついコブシを効かせてしまうVo等、
前半の叙情パートには抑えきれないスパニッシュ魂の
迸りが見て取れて好感度アップ。


HIROSHIMA - Hiroshima ★★ (2011-12-25 12:04:57)

スパニッシュ・ロックと言うと、未だにMEDINA AZAHARAやBARON ROJOに代表される、巻き舌バリバリのスペイン語によって歌われる情熱的なHR/HMサウンドが真っ先に思い浮かぶのですが、このバンドが聴かせてくれるのはそうした先入観とは一線を画す、透明感溢れるKeyとボーカル・ハーモニー主体の哀愁に満ちたメロハー・サウンド。歌詞は全曲が英詞で統一されており、アルバムを豊かに彩るキャッチーなメロディにもドメスティック(エスニック)な色合いはほぼ皆無だ。
冴えない音質/ピッチの甘いVo/躍動感に欠ける演奏etc・・・と'89年リリース作品としては致命的なまでに時代遅れなプロダクションは如何ともし難いものがありますが、メロディ・センスは非常に優れた閃きを持っているバンドであることは間違いなく、特に初期BON JOVIの哀愁分をもっと強化したような“BROKEN HEART”や、北欧ハードポップに通じる爽やかさを備えた“TELL ME WHAT YOU WANT”、そして抑えきれぬスパニッシュ・テイスト(特にVoの歌メロ)が良いアクセントとなっている“LONELINESS”といった楽曲は、メロディ愛好家なら心打たれずにはいられない名曲に仕上がっています。
それにしても、何故にバンド名がHIROSHIMA?昔BARON ROJOが“HIROSHIMA”という楽曲を書いていたように記憶していますが、あれから取ったのかな?


HELLION - Up from the Depths - Exciter ★★ (2011-12-25 12:01:03)

言わず知れたJUDAS PRIESTの名曲のカヴァー。
アン・ボレインのロブ・ハルフォードに
迫らんとするパワフルな歌いっぷりは痛快だが、
グレン&KKの名演を台無しにする、
速弾ギタリストの自己満足Gソロが減点材料かな。


HELLION - Up from the Depths ★★ (2011-12-23 10:27:03)

THE RUNAWAYSのセッションKey奏者としてキャリアをスタートさせたアン・ボレイン(Vo)によりLAで結成されたHELLIONが、80年代にシングルやミニ・アルバムとして発表した音源を1枚に取りまとめた便利なコンピ盤。
①はパンク系レーベルMYSTC RECORDSから、かのBITCHとのスプリット仕様で'82年にリリースされたシングル曲で、②~④は過ぐる年に英国の輸入盤チャートを賑わせたという'83年リリースのセルフ・タイトルのデビューEP収録曲。そしてJUDAS PRIESTの名曲“EXCITER”のカヴァーを含む⑥~⑨は'89年発表のEP『POSTCARDS FROM THE ASYLUM』収録曲・・・ってな構成。
大仰さやドラマ性が然程でもない初期の楽曲は、チープな音質と相俟って荒削りなマイナー・メタル臭が濃厚に漂ってくるものの、今ほどコブシの回っていない蓮っ葉なアン姐さんのスケ番チックな歌声は逆に新鮮で、何よりLAメタルの華やかさとは決定的な断裂を感じさせる、ダークで鈍色の光沢を放つ正統派HMサウンドはやはりカッコイイ。
②は'85年当時、英KERRANG!!誌において月間ベスト・チューンにも選出された実績を持つHELLIONの代表曲だし、オドロオドロしくもドラマティックに盛り上がる⑦やスピーディなパワー・チューン⑨(この頃には既に女ロ二ー然とした貫禄が身についています)も、このバンドの何たるかがクッキリと焼き付けられた名曲。
見かけたら押さえておいて損はない作品ですよ。


X-MAS PROJECT - X-Mas Project - Winter Wonderland ★★ (2011-12-23 02:10:55)

STRYPERもデビュー作でカヴァーしていた大ヒット曲にして
クリスマスのスタンダード・ナンバーの一つ。
ホーリーな雰囲気漂うSTRYPERバージョンに対し、
こっちのスラッシュ・バージョンは、ロマンチックな気分に浸る
カップルでごった返すクリスマス・イヴの街中に
泥酔した酔っ払い集団が突入してゲロ撒き散らした挙句、
もみの木を圧し折って「メリ~クリスマ~ス!」とピースサインを
掲げているような阿呆な雰囲気が濃厚に漂う。


EVILE - Five Serpent's Teeth - In Dreams of Terror ★★★ (2011-12-18 00:18:58)

焦らしのイントロを経て炸裂する、
鋭利且つキャッチーなGリフを耳にして
頭を振らずにおられるスラッシャーがおりましょうか。
とは言え、アップダウンの激しい曲展開や
劇的に存在感を主張するツインGなど、
新味も抜かりなく織り込まれている辺りも流石です。


EVILE - Five Serpent's Teeth - Descent Into Madness ★★ (2011-12-18 00:15:17)

ストレートな疾走感が売りのスラッシュ・ナンバーなれど
Voがニヒルなメロディをちゃんと歌っており、
このバンドが前作における試行錯誤を無駄にせず、
きっちりと本作の曲作りにフィードバックしている事が
伺える内容に仕上がっております。


EVILE - Five Serpent's Teeth - In Memoriam ★★★ (2011-12-18 00:12:53)

作曲クレジットには
故マイク・アレクサンダーの名前もあるバラード。
彼に対するトリビュート・ソングでもあり、
メロディアスに歌い上げるマット・ドレイクのVoに
胸を突く泣きメロを紡ぎ出すGと、
全編が悲壮な空気に包まれた慟哭の名曲。


EVILE - Five Serpent's Teeth - Centurion ★★ (2011-12-18 00:05:41)

1stにも“GLADIATOR”なるタイトルの楽曲が
収録されていたが、このバンドはローマ時代に
思い入れでもあるのだろうか?
「百人隊長」というタイトルに相応しく、
勇ましく血沸き肉踊るパワー・チューンに
仕上がっております。


EVILE - Five Serpent's Teeth - Origin of Oblivion ★★ (2011-12-18 00:01:50)

3rdアルバム中にあって、
“IN DREAMS OF TERROR”と双璧を為す
正統派の高速スラッシュ・ナンバー。
メロディを追いかけているVoと流麗なGソロ、
ライブ映えしそうなコーラス・パートが
カッコイイっす。


Q5 - Steel the Light ★★★ (2011-12-17 10:21:33)

Q5という名を最初見た時は「プログレ・グループ?」と思いましたが、実際はトレモロ・アーム・ユニットの開発者として知られるフロイド・ローズ(G)が、T.K.O.の元メンバーらと共にシアトルにて結成したツインGを擁する5人組のデビュー作。
エッジの効いたGリフと、溌剌と弾むタテノリのリズムの上に憂いを帯びたメロディが乗るキャッチーなポップ・メタル・サウンドは、LAメタル真っ盛りの'84年リリース作品に相応しい華やかな雰囲気をその身に纏い、ジョナサンKことスコット・パルマートン(Vo)のハスキーなシャウトが炸裂するアグレッシブなOP曲“MISSING IN ACTION”、哀愁のHRナンバー“LONELY LADY”、冷やかでスペーシーな感触を伝える表題曲“STEEL THE LIGHT”といった名曲が連続するアルバム前半の完成度の高さは「お見事」の一言に尽きますね。(絶品の泣き虫バラード“COME AND GONE”が控える後半もなかなか)
フロイド・ローズはここに収められたセンス溢れるGプレイやフック満載の曲作りの巧さを通じて、ギター開発者としてのみならず、プレイヤーとしてもコンポーザーとしても類稀なる才能を誇る事を見事に証明してみせたんじゃないでしょうか。
レコード会社のバックアップ体制が貧弱だったのか、はたまた地元の音楽雑誌で「'84年度ワースト・アートワーク」に選出されてしまったというビザールなジャケットが足を引っ張ったのか(日本盤は欧州盤のデザインに準じているので一安心)、アメリカでは全く話題に昇ることなく埋没してしまった事が非常に惜しまれる1枚。
尚、バンドはもう1枚アルバムを出したあと解散。


GRAND ILLUSION - Prince of Paupers - St. Teresa's Love ★★★ (2011-12-17 10:17:10)

なぜかこの曲のみ“聖テレサの恋”という邦題付き。
哀愁を帯びたメロディが壮麗且つポップに展開される
極上のメロディアスHRナンバー。
Gソロではティム・ピアーズが流石の指捌きを
聴かせてくれます。


GRAND ILLUSION - Prince of Paupers - Prince of Paupers ★★★ (2011-12-17 10:12:36)

零れ落ちるようなピアノの旋律に導かれて
スタートするアルバム表題曲。
鮮烈なピーター・スンデルの歌声と、
ペア・スヴェンソンが存在感を発揮する
分厚く壮麗なボーカル・ハーモニーが
心地良く躍動するメロハー・チューンで、
個人的にGRAND ILLUSIONに求めているのは
まさしくこのタイプの楽曲。
いわゆる様式美って奴ですね。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - Summernights in Cabo ★★★ (2011-12-17 01:50:27)

SURVIVORやPRIDE OF LIONSの系譜に連なる
爽快なHRナンバー。
地平線まで見渡せる広大な一本道を、
オープンカーでドライブしているような
解放感が味わえる1曲です。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - One Day I'll Stop Loving You ★★★ (2011-12-17 01:46:30)

エモーショナル且つ陰影に富んだ歌唱力で
楽曲のスケールをぐぐっと広げる
トビー・ヒッチコックの歌声を堪能するに
もってこいの名バラード。
何処までも真っ直ぐに伸びていく
曲半ばで炸裂するハイトーンが爽快です。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - Murcury's Down ★★★ (2011-12-17 01:43:57)

力強い曲調とパワフルで伸びやかなトビー・ヒッチコックの
歌声とが相俟って、一際ドラマティックな印象を残して
アルバムを締め括るタイトル・トラック。


GRAND ILLUSION - Prince of Paupers - Gates of Fire ★★★ (2011-12-17 01:26:24)

かつてないほどゴージャスな雰囲気漂う
アルバム屈指の名曲。
タイトルに相応しい火を噴くような
鮮烈なGソロを聴かせてくれる
ボスニア出身のギタリスト、
マリス・ヴァラジックの良い仕事っぷりも
ナイスですね。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down - This Is the Moment ★★★ (2011-12-17 01:24:04)

劇的なイントロとサビメロが
ドラマティックな盛り上がりを演出する
アルバムのOP曲に持って来いの逸曲。
「SURVIVORやPRIDE OF LIONSじゃ軽すぎるぜ」
という諸兄にもお薦め。


EVILE - Five Serpent's Teeth ★★★ (2011-12-16 20:05:35)

ツアー中に急逝したマイク・アレクサンダー(B)の後任に、元RISE TO ADDICTIONのジョエル・グレアムを迎えて'11年に発表された3rdアルバム。
スピードやバカっぽさを抑制し、よりシリアスに、よりへヴィに、より複雑に・・・と楽曲の重厚長大化が押し進められた前作『INFECTED NATIONS』のフラットな作風は多くのスラッシャーの不興を買ったが、今回はのっけから鋭角的に切り込んで来るOPナンバー①に「おっ」と身を乗り出し、居ても立ってもいられない切迫感溢れるGリフ、スリリングでダイナミックな曲展開、そして劇的なツインGが炸裂する名曲②が後に続いた瞬間、「よっしゃ!」と本作の出来栄えに確信が持てる筈。
スラッシュ・メタル然としたアッパーな疾走感の大幅回復のみならず、起伏の激しい曲展開、しっかりと練られたGソロと、2本のGが奏でる印象的なハーモニーが活かされた④⑤⑦といった楽曲を聴けば、前作における試行錯誤が無駄じゃなかったことが分かる上、例えばスピーディな⑨に明らかなように、限られた音域内ではあるものの、硬派なメロディを「歌う」ようになったマット・ドレイクのVoワークも特筆に価する。亡きマイクに捧げられた慟哭のバラード⑧は、そうした彼のシンガーとしての熟達振りが明確に刻まれた、ハンカチ必須の男泣きの名曲ですよ。
それにしても、せっかく過去最高の内容に仕上がっているのに日本盤のリリース予定なしとは納得いかんなぁ。


TOBY HITCHCOCK - Mercury´s Down ★★★ (2011-12-13 23:00:51)

SURVIVORの正統後継者的なサウンドが持ち味のPRIDE OF LIONSに対し、ECLIPSEやW.E.T.といった自らのバンドのみならず、幾多のメロディアスHRプロジェクトにおいても優れた楽曲を提供してきたエリック・マーティンソンがブレイン役を務めているこのトビー・ヒッチコック初のソロ・アルバムは、よりハード且つ劇的な北欧メタル・テイストが支配的。
甘口になり過ぎぬようピリリとエッジの効いたGに、スケール感とダイナミズムを演出するリズム隊、それに爽やかな透明感を運んで来てくれるKey等の楽器陣の的確なサポートを得て、トビーさんが声域/声量/表現力と、この手のサウンドを歌うのに求められる力量をほぼパーフェクトに兼ね備えた「こんだけ歌えたらシンガー人生が楽しくて仕方なかろうなぁ」ってな自慢の喉を存分に披露しているのだから、これで素晴しい作品にならないわけがない。
劇的にして緊迫感溢れるOPナンバー①に始まり、圧巻の歌唱力が堪能できるバラード⑤を経て、ドラマティックに終幕を告げるアルバム表題曲⑫に至るまで、哀愁と爽快感、それにキャッチーなメロディが絶妙なバランスで交錯する楽曲がズラリ揃った本編に捨て曲は皆無。
今年リリースされたメロディアスHRアルバムの中でも屈指の完成度を誇る1枚のように思います。


TOBY HITCHCOCK (2011-12-13 22:57:10)

元SURVIVORのジム・ピートリックに見出され、PRIDE OF LIONSでデビューを飾った若きシンガー。
『PRIDE OF LIONS』『THE DESTINY STONE』『THE ROARING OF DREAMS』という3枚のスタジオ・アルバムと、ライブ盤『LIVE IN BERGIUM』に参加。幼少の砌よりゴスペルや教会の賛美歌を歌って鍛えられた4オクターブに及ぶ鮮烈且つ強靭な歌唱力を持って、作品の完成度向上に大きく貢献。
ちなみにPOLは来年早々に4thアルバムをリリース予定なのだとか。

FRONTIER RECORDSの仲介で知己を得たエリック・マーティンソンのバックアップを受け、POLの休眠期間を利用して初のソロ・アルバムをレコーディング。この作品は『MERCURY'S DOWN』と名付けられ、'11年にリリースされた。


STYX - Styx II - Father O.S.A. ★★★ (2011-12-12 22:37:13)

序曲としてバッハの“フーガ”を引用した
インスト曲“LITTLE FUGUE IN G”が
くっ付けられている7分越えの大作ナンバー。
美しいボーカル・ハーモニーが活かされた
壮大にして華麗なる曲展開は、
後のSTYXサウンドの萌芽を感じさせます。


STYX - Styx II - A Day ★★★ (2011-12-12 22:26:01)

ジョン・クルリュスキー(G)のペンによる
8分に及ぶプログレッシブな大作ナンバー。
KeyとVo主体のメロウで気だるげな前半と、
Gとリズム隊が劇的に曲展開を牽引する
ハードな後半の対比もドラマティックな逸品です。


STYX - Styx II - Lady ★★ (2011-12-12 22:21:51)

STYXのオーバーグランド浮上を後押しした
初の大ヒットナンバーで、邦題は“憧れのレディ”
メロディアスな小作品ですが、重厚なDsからは
プログレ・バンドの薫りが漂ってきますね。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - The Savior ★★ (2011-12-11 18:44:26)

これまた(良い意味で)典型的な哀愁のメロハー・ソング。
AOR/産業ロック然とした、流麗な演奏を聴かせてくれる
Keyの良い仕事っぷりが際立つラスト・ナンバー。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Writing on the Wall ★★ (2011-12-11 18:37:53)

アルバム収録曲の中では
かなりロックしているナンバーですが、
勿論大味なんてことはなく、
メロディにもきっちりとフックが効かせられ
本編の流れに緩急を付ける
重要な役割を担ってくれています。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Love Waits for No One ★★★ (2011-12-11 18:35:31)

絵に描いたように典型的なメロハー・ソング。
哀愁とフック兼備のサビメロは聴く度に
安心感をもたらしてくれます。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Happiness Is the Road ★★★ (2011-12-11 18:32:01)

アルバム表題曲にしてアルバムのハイライト・ナンバー。
この曲のみファーギー自身が作詞を手掛けており、
重病を患っても決して希望を失わない決意表明が綴られた歌詞と、
その歌詞に相応しいポジティブな躍動感に満ち溢れた曲調は
聴いているだけで沸々と力が湧き上がって来るような
エネルギーに満ち溢れています。

今年のベスト・チューン候補。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Follow Your Heart ★★★ (2011-12-11 18:26:49)

ピアノとVoのみの前半から、
全楽器が加わって壮大に盛り上がっていく曲展開が
たまらなくドラマティックな名バラード。
繊細でエモーショナルな歌い込みから、
堂々として伸びやかな歌唱まで
幅広い表現力を駆使するファーギー・フレデリクセンの
歌いっぷりが素晴しい。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road - Angel ★★★ (2011-12-11 18:14:42)

心躍るポップな曲調に
ファーギー・フレデリクセンの哀愁の
ハイトーンVoが乗っかった
OPナンバーに相応しい名曲。


STYX - Styx II ★★ (2011-12-10 23:10:44)

'71年の発表当時は全く話題にならずビルボード圏内に入る事すら叶わなかったが、'75年、ラジオを発端に人気に火がつきチャートをみるみる急上昇、最終的には米ビルボードのシングル・チャート第6位にランクインしてSTYX初のトップ10ヒット・ナンバーとなった、今に至る彼らの代表曲の一つ“憧れのレディ”を収録する2ndアルバム。(アルバム自体も同曲のヒットに引っ張られる形で最高20位を記録しゴールド・ディスクを獲得している)
収められた楽曲の大半が他人の曲で、未だ方向性を模索中といった趣きだったデビュー作に対し、アーシーなロックンロール・ソングと、ヨーロッパのプログレ勢からの影響を感じさせるドラマティックな大作ナンバーの2路線からなる本編は、STYX独自の音楽性確立を予感させるに十分な内容。
尤も、ヒット曲②がそのどちらでもないデニス・デ・ヤングの甘い歌声が活かされたメロウなナンバーである辺りが、このバンドの将来進むべき方向を物語っていたわけですが。
静の前半/動の後半の対比もドラマティックな7分越えの大作曲③、「有名クラシック曲の引用」という初期STYXのお約束に則って、序曲パートにバッハの“小フーガ ト短調”の旋律を組み込んだ⑥といった名曲が収録されているものの、作品全体としては後のSTYX的な華やかさよりも、寧ろ素朴な佇まいが微笑ましくも好感触な1枚かな。


FERGIE FREDERIKSEN - Happiness Is the Road ★★★ (2011-12-09 07:14:17)

LE ROUXの『SO FIRED UP』、TRILLIONの『氷牙』、TOTOの『ISOLATION』といったアメリカン・メロディアスHRを語る上で外せない名盤、あるいはマルチ・ミュージシャン、トミー・デナンダーと組んだメロハー・プロジェクトの数々で素晴しい歌声を披露してきたファーギー・フレデリクセンが、FRONTIER RECORDSの全面バックアップを受けてレコーディング、'11年に発表した2ndソロ・アルバム。
大病を患っていた彼の復活までの険しい道程については平野和祥氏が執筆したライナーノーツに詳しいが(この人がこの手の音楽性のアルバムに寄稿するのって珍しいような?)、少なくとも本作で聴ける彼の声の張り/艶/伸び具合に、病魔の悪影響は微塵も感じられない。
WORK OF ARTのメンバーや現PRIDE OF LIONのジム・ピートリックらが提供した心打つキャッチーなメロディに彩られたメロハー・ソングの数々を、時に繊細に、時にダイナミックに歌い上げる様は、とても病床を脱して間もない人物の歌声とは思えぬエネルギーの迸りが感じられ、取り分けファーギー自身が作詞を手掛けたアルバム表題曲⑤は、逆境の中にあっても決して希望を失わない前向きな姿勢が綴られた歌詞と、ポジティブな躍動感に満ち溢れた曲調とが相俟って深い感動を呼ぶ、今年のベスト・チューン候補に推したい名曲の一つ。
爽やかに駆け抜けていく①や⑨、情熱的な歌唱が五臓六腑に染み渡るバラード④、哀愁のメロハー・ソング⑧、瀟洒なKeyの旋律が心地良い⑫等、優れた楽曲が揃えられた本編はまさしく復活作に相応しいクオリティ。
ファーギー・フレデリクセンの前途が洋洋であることを切に願います。


FERGIE FREDERIKSEN (2011-12-08 22:42:11)

ANGEL、TRILLION、LE ROUX、TOTOといったバンドでシンガーを務め、KANSASやSURVIVORのフロントマンの座にも就任しかける等、アメリカン・メロディアスHR街道一筋に歩み続けるベテラン・シンガー。(本名はデニス・ハーディ・フレデリクセン)
近年はFRONTIER RECORDSを拠点に、ANGEL時代の僚友リッキー・フィリップスや、メロハー・プロジェクト仕掛人トミー・デナンダーらと組んで数々の優れた作品を世に送り出していたが、長年患っていた肝細胞ガンの悪化により一時は生命の危険な状態にまで陥り、世のメロディアスHR愛好家を心配させた。
が、不屈の精神力でこれを克服すると、今年、前作『EQUILIBRIUM』以来11年ぶりとなる2ndソロ『HAPPINESS IS THE ROAD』を発表、HR/HMシーンに健在ぶりをアピールした。


GRAND ILLUSION - Prince of Paupers ★★★ (2011-12-07 22:13:24)

今やすっかり聖飢魔Ⅱファミリーの一員と化した感のあるアンダース・リドホルム(B)率いるGRAND ILLUSIONが、復活作『BRAND NEW WORLD』から然して間を空けることなく発表してくれた5thアルバム。
TOTOのスティーヴ・ルカサーや、AIRPLAYのジェイ・グレイドンらAOR/産業ロック界の大物ギタリスト達が風格とセンス溢れるGプレイで華を添える本作は、突き抜けるように真っ直ぐ伸びていくピーター・スンデルのハイトーンVo、北欧らしい透明感とフック満載の哀メロ、そして鮮烈なコーラス・パートを壮麗に彩るボーカル・ハーモニーといった、まさしくGRAND ILLUSION以外の何者でもないメロハー・サウンドが終始徹底されており、ファンの期待に120%応える出来栄え。
ボスニア出身の新人ギタリスト、マリス・ヴァラジックの良い仕事っぷりも特筆モノで、彼の鮮烈なGソロがフィーチュアされた、スケール感とゴージャスな雰囲気を纏って駆け抜けていくOPトラック①、このバンド流の様式美に則った劇的なメロディ展開が堪能できるアルバム表題曲③、ノリ良くキャッチーな⑪は、何れも本編の要石となる重要曲だ。
それ以外にも、哀愁に満ちた曲調とスティーヴ・ルカサーの名演が感動に拍車を掛けるバラード④、GRAND ILLUSION節が心地良い哀メロ・ナンバー⑤(ソロを取るのは名うてのセッション・ギタリスト、ティム・ピアーズ)等、耳惹かれずにはいられない秀逸な楽曲が並ぶ本編は、名盤『VIEW FROM THE TOP』にも迫るクオリティの高さを誇る。
アンダースが制作を手伝ったと言うデーモン小暮のソロ・アルバムも早く聴いてみたいなぁ。


GRAND ILLUSION - Ordinary Just Won't Do ★★★ (2011-12-05 23:56:25)

プロデューサーに、ジャーマン・メロパワ界の大御所トミー・ニュートンを招きソリッドに仕上げられたサウンド・プロダクション、それに⑧のようなパワフルな疾走ナンバーを収録する等、これまでになくギター・オリエンテッドでハード・ロッキンな作風がファンの間で賛否両論を巻き起こした'05年発表の3rdアルバム・・・と言われていますが、個人的には全く違和感なく「良く出来たGRAND ILLUSIONのアルバム」として親しんでいる1枚。
例えばOPナンバー①は、今までになくGサウンドが強調されたイントロにこそ一瞬不安を煽られるものの、ピーター・スンデル(Vo)が歌う強力なフックの効いたサビメロの素晴しさや、もう1人のVo.ペア・スヴェンソンの存在を活かし、分厚く折り重ねられたボーカル・ハーモニーの華麗さは紛うかたなきGRAND ILLUSION印。
清涼飲料水のCMに使えそうなぐらい爽やかな②、エモーショナルな盛り上がりが感動を呼ぶバラード⑤、洗練された哀メロが駆け抜けていく⑫etc・・・と、後に続く楽曲も、アンダース・リドホルム(B)のメロディ・メイカーとしてのセンスが冴え渡る逸曲揃い。
折角の収録曲の質の高さも、詰め込み過ぎ(全13曲は多過ぎます)が仇となり焦点がボヤけ気味なのが勿体ないものの、本作がこのバンドならではの力作であることは間違いなし。


LIV MOON - GOLDEN MOON ★★★ (2011-12-04 19:26:17)

才色兼備のフロント・ウーマン、アカネ・リヴ嬢のセミヌード写真を戴くジャケット・アートワークの色香に誘われ、ついフラフラと高価な初回限定版の方を購入してしまった、LIV MOON'11年発表の2ndフル・アルバム。
頭4曲はその彼女の麗しき歌声と、新メンバー大村孝佳(G)らのテクニカルな演奏が活かされたWITHIN TEMPTATIONやNIGHTWISHに通ずる(?)ダークでドラマティック、且つ荘厳な雰囲気漂うHMナンバーが連続するが、更に聴き進めていくと中盤以降は、ダンサブルなビートやポップで小洒落たアレンジなんかも取り入れられた、HR/HMの枠内のみに留まらない楽曲も用意されているので、ヘヴィ・メタリックなテイストを希求する向きには注意の必要があり。
とは言え、ウージェーヌ・ドラクロワの名画『民衆を導く自由の女神』を題材に取って雄々しく疾走する名曲⑧や、優美で芝居がかった曲展開がQUEENを彷彿とさせる⑪、淡々と刻まれるリズムの上に凛として玲瓏なメロディが乗せられた⑭等を筆頭に、本編後半に並べられた楽曲もクオリティは十二分に高く、何よりこのバンドの「貌」たるアカネ嬢の歌唱がエクセレント。元タカラジェンヌという出自を持つ御方ゆえシンガーとしての基礎能力がズバ抜けており、時に神々しく、時に妖艶に、時にコケティッシュに・・・と、表情豊かに様々な魅力を振りまく彼女のゴージャスな歌声はまさしく至宝だ。
まぁでも、もうちょっと収録曲数は絞って欲しかったと思わなくもないですが。


Vision - Vision - Sail Away ★★★ (2011-12-04 19:24:14)

侘しげな雰囲気を発散する叙情バラードの名曲。
コ二ー・リンドの(ちょっと頼りないが)
泣きの入った歌声と、一音一音を丁寧に紡ぐ
ラーズ・エリック・マットソンのGプレイが
曲の持つ哀愁を効果的に増幅してくれています。


GRAND ILLUSION - View From The Top ★★★ (2011-12-03 02:16:58)

哀感を伴ったキャッチーなメロディ、歌心に長けたGと北欧のバンドらしい透明感を演出するKey、そして伸びやかでハイテンションなVoの存在が映えるメロディアスHRサウンドという、従来の音楽性を素直に継承しつつ、この2ndアルバム('02年)ではツインVo体制が活かされた立体的なボーカル・ハーモニーの増強や、リズム・パートのポップな躍動感の拡充等が図られた事により、一層のスケール感と壮麗さを獲得。
その成果の程は、分厚いボーカル・ハーモニーがレイヤー状に積み重ねられていくクライマックスが圧巻のOPナンバー①から早くも全開で、何より緊迫感溢れるヴァースから、心洗われるような開放感を伴ったサビメロへと至る劇的なメロディ展開に思わずガッツポーズ決めたくなる鮮烈な逸品④をハイライトとする、アルバム前半の隙のない流れにはぐぅの音も出ませんて。
後半がマッタリ気味だったデビュー作の反省を踏まえ、今回はアップテンポの名曲⑩を終盤に配置する等、より起伏に富んだ構成が取られている点もグッド。(曲順設定にはBURRN!!誌の藤木氏も1枚噛んでる模様)
「バンドの最高傑作」の評判に違わぬ力作です。


GRAND ILLUSION - The Book of How to Make It ★★★ (2011-11-30 22:19:23)

00年代にデビューを飾ったメロディアスHRバンドの中でも、頭抜けたインパクトを放っていた4人組――と言っても実体はアンダース・リドホルム(B、Key)、ピーター・スンデル(Vo)、ペア・スヴェンソン(Vo)のレコーディング・プロジェクト的なニュアンスが強い――が'01年に発表した1stアルバム。
北欧らしい冷やかな哀感を伝えるメロディを、壮麗なボーカル・ハーモニーと透明感を湛えたドラマティックなアレンジに包んで聴かせてくれるメロハー・サウンドが本作のセールス・ポイントで、特に、ピーターが持ち前の張りのあるハイトーンを駆使して歌う、鮮烈にしてキャッチーなサビメロの素晴しさはアルバムのハイライト。
しばしば「メロハーを歌うには声が暑苦しくてクドイ」と評されてしまう彼氏なれど、個人的にはこの歌いっぷりの良さを断固支持。全身全霊を込めて振り絞られ、一直線に伸びていくパワフルなハイトーンVoにはグッと胸締め付けられるエモーションが宿り、中でも爽快な②と劇的なアルバム表題曲⑤はメロディ愛好家なら聴かずには済ませられない秒殺ナンバーですよ。
本作はGRAND ILLUSIONのカタログの中では比較的マッタリとした内容で、アルバム後半になるとやや息切れ感が漂う点が残念なれど(それでも並のバンドよりは遥かに聴かせてくれますが)、ともあれ①~⑤の流れのためだけにでも購入する価値が大いにある1枚なのは確か。


UNIVERSE - Universe - Weekend Warrior ★★★ (2011-11-29 21:07:54)

名曲“ROLLIN' ON”の強烈なインパクトに
掻き消されがちですが、これも“ROLLIN~”と
タメを張る名曲だと思います。
GとKeyがユニゾンで刻むリフのカッコ良さよ。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - Star of the Masquerade ★★★ (2011-11-29 21:01:53)

シャープなリフ・ワークから、
美しくドラマティックなユニゾン・プレイまで
流麗にこなすツインGが主役を張る
スピーディなラスト・ナンバー。
“仮面劇の主人公”なる大仰な邦題に
名前負けしていない名曲です。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - No Losers ★★★ (2011-11-29 20:58:47)

ダーク且つ甘美なメロディを豊かに奏でる
2本のGに牽引される形で、ドラマティックに
展開していくアルバム中盤の山場的名曲。
雄々しい男性コーラス・パートが非常に印象に残りますね。


PROUD - Fire Breaks the Dawn - Echoes From the Past ★★ (2011-11-29 20:53:29)

邦題は“記憶のかなたへ”
歌唱力はそれ程でもないが魅力的なメロディを歌うVoと
流麗なメロディを奏でるツインGが見事なコンビネーションを
披露するサビメロが秀逸です。


筋肉少女帯 - シーズン2 ★★★ (2011-11-26 21:54:45)

吉田仁美版『DESTROYER』(?)といった趣きのイラストがアートワークを飾る、再結成第2弾スタジオ作にして、'09年発表の14thアルバム。
前作『新人』はヘヴィ・メタリックな色合いが強く打ち出された快作でしたが、今回もその傾向は継承されており、橘高文彦(G)のみならず本城聡章(G)や内田雄一郎(B)らも、優れたメロディ・センスはそのままにエッジの効いた楽曲の数々を提供、HR/HMリスナーが聴いても十二分に楽しめる内容に仕上げてくれているのが嬉しい。
個人的には三柴理(Key)の妙なるピアノの調べが存分にフィーチュアされている点もツボで、特に、タイトル通りの哀愁漂わせたメロディがパワー・メタリックに疾走する“ドナドナ”、別プロジェクトでリリースされた名曲のセルフ・リメイク“踊る赤ちゃん人間”、リリカルな歌詞と劇的な曲調が相互に補完し合う“1000年の監視者”、長谷川浩二(Ds)の凄腕ぶりも際立つプログレッシブな“ゴッド・アングル part2”、そしてフィナーレを壮大に締め括る“ツアーファイナル”etc・・・といった楽曲の数々は、大槻ケンヂ(Vo)のエキセントリックなパフォーマンスと楽器陣のハードな演奏が、凛として美しいピアノ・サウンドとハイレベルな融合をみた心震える逸品。
『新人』同様、HR/HMファン向け入門編としてもお薦めできる1枚です。


SKELETONWITCH - Forever Abomination - Reduced to the Failure of Prayer ★★ (2011-11-26 01:03:32)

Voはデス/ブラック・メタル風味ですが
曲調自体はスラッシュ・メタルそのもの。
豪快に疾走するDsと、メロディアスな
Gソロが良いアクセントとなっています。


SKELETONWITCH - Forever Abomination - Of Ash and Torment ★★★ (2011-11-26 01:02:10)

ヘヴィ・メタリックに疾走するGリフのカッコ良さで
勝負あった!となる、アルバム前半のハイライトを飾る
スピード・ナンバーの名曲。


SKELETONWITCH - Forever Abomination - Cleaver of Souls ★★★ (2011-11-26 01:00:21)

北欧デス/ブラック・メタルとスラッシュ・メタルと
正統派HMのハイブリッドという、このバンドならではの音楽性の
(現時点における)最高到達地点とでも言うべき名曲。


筋肉少女帯 - UFOと恋人 ★★ (2011-11-23 21:33:26)

インターネット登場以前、アルバムのヒットには必須だった「タイアップ曲」を多数収録しているせいか、はたまた全体的にコミック・ソング色が強くHR/HMテイストが控えめなせいか、従来作と聴き比べた際、アクや毒が弱く小粒な仕上がりの印象が否めない'93年発表の8thアルバム。
尤も、一捻りも二捻りも加えられた技有りアレンジの数々や、耳を捉えるキャッチーなメロディ、それにアコギ/Keyを効果的に用いたドラマティックな曲展開など、例えそれが盆踊り音頭だろうがGS風ペケペケ・サウンドだろうが、随所に「おっ」と思わせてくれるフックを仕掛けた作曲センスの冴えは相変わらず抜群。
ヘンリー・マンシーニの名曲に日本語詞を付けてカヴァーした“ひまわり”、本城聡章(G)のメロディ・メイカーとしての才能の煌きが感じられる“君よ!俺で変われ!”、憂鬱でドラマティックな“パレードの日、影男を秘かに消せ!”、ロック・バンドの本音をあけすけに歌い上げる“タイアップ”etc・・・と、優れた楽曲を指折り数え挙げていったら「なんだ、本作も秀作なんじゃん」との結論に落ち着いた次第。
そして勿論、メタル者なら橘高文彦(G)作曲の様式美HMナンバー“くるくる少女”と“アンクレット”もお聴き逃しなきよう。


筋肉少女帯 - 断罪!断罪!また断罪!! ★★ (2011-11-23 00:23:11)

昭和特撮風味漂う実写版「オロカメン」(ジョージ秋山!)のジャケット・アートワークと、押しの強いアルバム・タイトルが強烈なインパクトを放つ'91年リリースの6th。
全6曲収録(6枚目だから?)というEPクラスの控えめなボリュームに反して、聴き終えた後には十二分な満腹感に浸れる高カロリー仕様な本作は、中毒性の高いサビメロが一種トランス状態を引き起こす代表曲“踊るダメ人間”を手始めに、朗らかに狂っている(太田明の小気味良いパーカッションも秀逸な)“猫のおなかはバラでいっぱい”、そこから間を置かずに繋がっていく展開が非常にドラマティックで効果的な、橘高文彦(G)のペンによる劇的な疾走ナンバー“パブロフの犬”、そして、決して上手くはないがそれ以上のサムシングを備えた大槻ケンヂの絶唱と、仄暗く澱んだ感傷的な旋律が猛烈に感情に訴えかけて来るスロー・ナンバー“どこへでも行ける切手”(アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の元ネタの一つってのは良く知られた話)等、一騎当千の優れた楽曲がズラリ集う。
尤も、ノーマルなHR/HMアルバムを期待して手を出すと思わずCDを叩き割りたくなるであろう、アクの強い作風は毎度変わらずですが。


筋肉少女帯 - サーカス団パノラマ島へ帰る ★★ (2011-11-21 20:33:24)

筋肉少女帯ファンにとっては4th、メタル者にとっては橘高文彦(G)が本格的に曲作りに関与し始めた記念すべき最初のアルバム。
祝祭の非現実的な賑々しさと、それが過ぎ去った後に残される一抹の寂寥感を捉えた作風に、コンセプト作よろしく全編にサーカスとピエロ(道化者)のイメージが散らされた本作。凝った装丁が施されたブックレットはまるでメルヘンチックな絵本の如きだが、収録されている楽曲のタイトルは“電波ブギー”に“元祖 高木ブー伝説”etc・・・。
アクの強い独創的な音世界はかなり聴き手を選ぶものの、橘高の流麗なGプレイを得たことでサウンド全体のHM度は急カーブを描いて跳ね上がり(元々HR色は濃いめのバンドでしたが)、取り分け、パワーヒッター太田明の重く豪快なドラミングが映える“23の瞳”や“また、会えたらいいね”、そして中盤にアバンギャルドなジャズ調セクションを挟み込んで突っ走る必殺の様式美ナンバー“詩人オウムの世界”は、HR/HMファンなら思わず「おっ」と身を乗り出すカッコ良さが光る逸品。
ラストに控える“元祖 高木ブー伝説”なんてタイトルからして色物臭さが漂うが、実際に聴いてみると、これが野放図なエネルギーに満ちた演奏や凝ったアレンジ、ドラマティックな曲展開が初期KING CRIMSONを思わせたりもする、バカバカしくもエキセントリックな名曲なのだ。(筋少版“21世紀の精神異常者”か?)


RIOT V - Immortal Soul ★★★ (2011-11-20 20:48:14)

紆余曲折はあったものの結局ト二ー・ムーアがシンガーの座に出戻り、名盤『THUNDERSTEEL』リリース時のラインナップ(勿論、マイク・フリンツも健在)でレコーディングが進められ、'11年に発表されたニュー・アルバム。
ここ数年のトニー・ムーアの歌声には衰えの兆候が見受けられたので(例えば大村孝佳のソロ作とか)、「そんなんでパワー・メタル路線に戻って大丈夫かよ・・・」と懐疑的にならざるを得なかったのですが、ところがどっこい、息の合ったツインGと、名手ボビー・ジャーゾンベクが叩き出すパワフルなリズムに乗って、トニーの朗々たる――衰えなんぞ微塵も感じさせない――歌声が疾走するOPナンバー“RIOT”が切れ味鋭く始まった瞬間、そうした不安は跡形もなく吹き飛ばされてしまいました。流石バンド名を関する自信作だけのことはあり、数ある“THUNDERSTEEL”風疾走曲のなかでも、この曲は本家に迫る勢いのカッコ良さ。またリーダー・トラックとして先だっての来日公演や、東日本大震災のチャリティー・アルバムでも披露されていた“WINGS ARE FOR ANGELS”や、より表現力を増したVoの歌唱が映える哀愁度満点のHRナンバー“FALL BREAK ME”も、同曲に匹敵するインパクトを放つ名曲。
中には、折角のシリアスな曲調をおちゃらけたサビメロで崩してしまう楽曲もあったりして、パワー・メタル・スタイルへの回帰を意識する余り少々肩に力が入り過ぎてる感が無きにしも非ずですが、しかし間違いなく、ここ数年ではベストの1枚じゃないかと。


ANTERIOR - Echoes of the Fallen - Venomous ★★ (2011-11-18 21:03:22)

地響き立てて突進する、アルバム中最もストレートで
アグレッシブな疾走ナンバー。
勿論、IRON MAIDENの遺伝子を受け継ぐ
印象的なGハーモニーを聴くことも出来ます。


ANTERIOR - Echoes of the Fallen - Blood in the Throne Room ★★★ (2011-11-18 21:00:37)

スピーディ且つアグレッシブな曲調に併せて
鮮烈に弾きまくる2本のGの美味しさといったら。
しかも無意味な速弾きではなく、ちゃんと考え抜かれた
ドラマティックでメロディアスなソロを聴かせてくれる点も
評価ポイントです。


ANTERIOR - Echoes of the Fallen - To Live Not Remain ★★★ (2011-11-18 20:58:25)

前作より格段にダイナミズムを増した
(ヘヴィ・メタリックになった)音作りの下、
起承転結がばしっと決まったドラマティックな曲展開が、
アルバムの出来の良さすら確信させてくれます。


SKELETONWITCH - Forever Abomination ★★★ (2011-11-17 23:16:51)

魅力的だが垢抜けなかった2ndを聴いた時は「好みだけど間違っても売れないバンドだよな」とか失礼千万なことを確信してましたが(申し訳ない)、前作がUSチャートで健闘し予想外の好セールスを記録する等、蓋を開けてみれば、NWOTM界隈の出世頭的な躍進振りを刻むに至ったオハイオ出身の5人組、'11年発表の4thアルバム。
実際、荒涼感や禍々しさはそのままに、デビュー当時の線の細いチープさ、アングラ臭が見事に払拭された本作は、デス/ブラック風味の咆哮を轟かせるVoにしろ、オールドスクールなスラッシュ・メタル由来の刻みの細かいGリフ&豪快に疾駆するリズム、それに正統派HM然としたメロディアスでドラマティックなツインGにしろ、逞しさや存在感が格段にUP。
これはプロデュースを手掛けたマット・ハイドの功績のみならず、メンバー・チェンジや過酷なロード生活を通じてバンドがそのポテンシャルをしっかりと引き上げたからに他ならず、例えば、ひしめく疾走曲を差し置いてメロディアスでキャッチーなミッド・チューンが本編のOPを飾っている辺りも、彼らの「勢いだけが俺達の武器じゃないぜ?」という自信の表れのように感じられます。
北欧メロデス/ブラック・メタルと80年代のスラッシュ・メタルを足して、正統派HMのエッセンスで割ったような②③⑧⑪を筆頭に、聴いているだけで思わずグッと力瘤るエキサイティングな名曲を数多く収録した、SKELETONWITCH入門編としてもお薦めできる力作。


VOW WOW - Mountain Top ★★ (2011-11-16 22:40:24)

LAに拠点を移したVOW WOWが、ニール・マーレイの後任Bとしてマーク・グールドを、プロデューサーに巨匠ボブ・エズリンをそれぞれ起用してレコーディング作業を行い、'90年に発表した6thアルバム。
アメリカ・マーケットへの進出を念頭に置いて制作されたというだけあって、共作者にはマーク・スローターらが名前を並べ、前作『VIBE』に比べるとメロディよりもアメリカン・メタル風味の豪快さが強調された内容に仕上がっている一方、あれもこれもと詰め込み過ぎた結果、長大に膨れ上がってしまった本編は通して聴くと散漫な印象が無きにしも非ず・・・といったところなのだが、こうして久々に接し直してみると、1曲1曲の完成度の高さには「流石VOW WOW」と唸らされるモノがありました。
壮大なコーラスに圧倒される“MOUTAIN TOP”や、モダンでファッショナブルな“SPEED”、渋い泣きっぷりが絶品の“LOVE SOMEONE”と洗練された“I WANT YOU”というタイプの異なるバラード2曲、それにキャッチーな先行シングル曲“TELL ME”(この曲は英国で録音され、Bもニール・マーレイが担当している)といった楽曲は、このバンドにしか作り得ない存在感を放つ。
それだけに、本作を最後に解散してしまった事が惜しまれます。(近年、再始動の動きも見られますが)


VOW WOW - Vibe ★★★ (2011-11-15 22:32:55)

'88年リリースの5thアルバム。
判り易い疾走ナンバーが姿を消し、ミッド・テンポの楽曲主体でまとめられた本編を初めて聴いた時は「随分マッタリとしちゃったなぁ」と思ったものですが、よくよく聴き込めば、多少地味な楽曲にも必ず耳を捉えるフックが仕掛けられており、総合的な完成度の高さでは傑作だった前作『Ⅴ』にも全く引けを取らない出来栄え。
特に、魂揺さぶる人見元基の熱唱と、山本恭司の濃厚なエモーション背負ったG、厚見玲衣の壮麗なるKeyワークが、新見俊宏&ニール・マーレイが叩き出す山あり谷ありの劇的なリズムに乗ってドラマティックに展開していく“FADE AWAY”は、かの“SHOCK WAVES”と同種の感動を味わわせてくれるVOW WOW屈指の名曲です。
また、哀愁を湛えて歌う山本のGが涙腺に沁みる“I FEEL THE POWER”、タメの効いた泣きの叙情バラード“THE BOY”、キャッチーなポップ・メタル・ソング“ROCK ME NOW”、思わず踊りたくなるスウィンギンな“TALKIN'BOUT YOU”辺りは、楽曲の完成度の高さと、益々円熟味を増したメンバーのパフォーマンスとが相俟って、実に胸に残る逸品に仕上がっている。
個人的には、VOW WOWのカタログの中では本作と前作『V』、それに1st『BEAT OF METAL EMOTION』がアルバム・ベスト3かな。


ANTERIOR - Echoes of the Fallen ★★★ (2011-11-13 17:13:58)

てっきり解散したものとばかり思っていましたが、どっこい健在だったANTERIORの2ndアルバム。しかもこれが、元MENDEEDのスティーヴ・ニクソン(G)ら新メンバーを補充しつつ、積極的にツアーやライブ活動を行う等して地道に研鑽に励んでいたらしく、4年以上の長期ブランクがちゃんと作品のクオリティに反映された充実作に仕上がっているのだから素晴しい。
デビュー作ではIRON MAIDENはもとより、SHRAPNELメタル辺りからの影響も感じさせる、テクニカルなツインGが乱れ咲くメタルコア・サウンドを聴かせてくれていたが、今作ではそのメタルコア分が一気に減退。これまで以上に緩急とドラマ性が盛り込まれた曲展開や、より劇的且つメロディックに絡み合うツインGが搭載された楽曲は、最早オールドスクールな正統派HMそのものと言って決して過言ではないような?
イントロのみでバッチリ掴まれるOPナンバー①や、2本のGが無駄に弾き倒すのではなくメロディの組み立てにも冴えを発揮してくれる②、エピック調の盛り上がりに胸熱の③、インスト曲⑥から繋がっていくスピーディでドラマティックな本編中盤の山場たる名曲⑦、スラッシーな疾走ナンバー⑨等、収録曲のキャラ立ちも前作より明確だ。
Voは相変わらず怒号スタイルなれど、ツアーを潜り抜けて体得したシャウトの迫力は前作の比じゃないし、何より昨今流行のクリーンVoに脇目も振らない咆哮一本槍の頑固さに逆に好感を持ってしまいましたよ。
バンドは早くも来日公演が決定しているようなので、今回はアルバムがクオリティに見合った成功を収めてくれると良いなぁ。


VOW WOW - V ★★★ (2011-11-12 19:55:41)

'86年リリースのライブ盤『HARD ROCK NIGHT』を一区切りとして、レディング・フェスティバル参戦を含む本格的な英国進出、オリジナル・メンバー佐野賢二(B)の脱退とニール・マーレイの加入等、激動の時代を迎えていたVOW WOWが'87年に発表した4thフル・アルバム。
“SHOT IN THE DARK”の如きヘヴィ・メタリックな疾走ナンバーや“SHOCK WAVES”級の超名曲が見当たらない代わりに、収録各曲のメロディやアレンジはこれまで以上に丹念に練り込まれ、粒が揃った本編は前作『Ⅲ』を大きく凌駕するクオリティの高さ。
スリリングに切り込んで来る“SOMEWHERE IN THE NIGHT”や、哀愁に満ちた“THE GIRL IN RED”、猛烈に泣かせに掛かる劇的なバラード“CRY NO MORE”といった「これぞメガロック!」な楽曲で堪能出来る、各メンバーの硬軟自在のパフォーマンスは相変わらずの見事さですが、今回、特にその良い仕事っぷりが光るのは厚見玲衣のKeyワークで、彼の流麗にして華やかな演奏は楽曲の叙情性とドラマ性底上げに大きく貢献。中でもUKチャートにおいても好リアクションを得たという先行シングル曲“DON'T LEAVE ME NOW”はその筆頭に挙げられる名曲。ジョン・ウェットンが作詞とプロデュースを手掛けているだけあって、どこかASIA的な響きを持つキャッチーな哀メロが心地良いったら。アルバムのハイライト・ナンバーじゃないでしょうか。
個人的には、デビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と並んでVOW WOWの最高傑作に推したい1枚ですね。


VOW WOW - III ★★★ (2011-11-10 22:46:40)

印象的なKeyリフを纏ってシャープに疾走する“SHOT IN THE DARK”と、国産HR/HM系バラードの最高峰と評すべき逸品“SHOCK WAVES”という二つの名曲を収録し、ファンからも「HMバンド」VOW WOWの代表作として高い人気を誇る'86年発表の3rdアルバム。
アメリカンな色合いが強く打ち出されていた前作『CYCLONE』に比べ、メロディの湿り気やドラマ性といったブリティッシュ・テイスト(日本のバンドですが・・・)の大幅回復が図られた本作には、曲名通りのアーバンで洗練された雰囲気が心地良い“NIGHTLESS CITY”や、哀愁のHRナンバー“SIGN OF THE TIMES”、劇的にラストを締め括るバラード“PAINS OF LOVE”といった優れた楽曲が顔を揃えているわけですが、やはり何と言ってもトドメとなるのは、“SHOT IN THE DARK”と“SHOCK WAVES”という超ド級の名曲の存在。
特に、壮絶に泣きまくるG、魂を燃焼させるような絶唱を振り絞るVo、全編を壮麗且つ悲壮に彩るKey、そして熱く激しく脈動するリズム隊とが一体となって、呼吸困難を催さんばかりの息苦しい盛り上がりを演出する“SHOCK~”は、何度聴いても涙ちょちょ切れる至高の逸品。
未だこの名曲を聴いた事がないHR/HMリスナーは、確実にミュージックライフで大損ぶっこいてますよ!


VOW WOW - Cyclone ★★ (2011-11-08 23:04:08)

個人的に、この2ndアルバム('85年)に今ひとつ地味な印象が付き纏うのは、我が愛するデビュー作『BEAT OF METAL EMOTION』と、ファン人気が特に高い名盤『Ⅲ』との間に挟まれている時期的な問題以外にも、例えばバラードの小曲“NEED YOUR LOVE”とインスト曲“ECLIPSE”からメドレー形式で繋がって行く“SIREN SONG”が、ストレートなロックンロール・ナンバーで肩透かしを食わせられる事に象徴されるよう、VOW WOWのカタログの中にあってドラマ性や叙情性が控え気味な、どちらかと言えばアメリカンな色合いが強く打ち出された作風も影響しているのかな?と。
尤も、歌詞が全曲英詞で統一され、前作に僅かに残っていたドメスティック臭が一掃された本作は「事前の耳打ちなしで聴いたらまず日本のバンドとは思わない」、VOW WOW独特のバタ臭い個性がしっかと確立された重要な1枚であり、決して退屈な内容と言うわけではない。
インストの小曲を経てスタートする、アグレッシブで切れ味の鋭いバンドの代表曲“HURRICANE”や、人見元基のソウルフルな熱唱が映える“LOVE WALKS”、重厚にして豪快な“ROCK YOUR CRADLE”、大陸的な乾いた哀愁漂わすバラード“YOU KNOW WHAT I MEAN”は、このバンドならではの魅力が如何なく発揮された名曲ですね。


VOW WOW - Beat of Metal Motion ★★★ (2011-11-07 22:30:32)

BOW WOW改めVOW WOWが'84年に発表したデビュー作。
曲作りにおいてイニシアチブを握るの山本恭司(G)で、バンドの屋台骨をソリッドに支えるのは佐野賢二(B)と新見俊宏(Ds)のリズム隊、ついでに一部楽曲は日本語詞で歌われている等、音楽的な方向性自体はBOW WOW時代(名盤『ASIAN VOLCANO』辺り)とほぼ同一なのに、にも関わらずサウンドのスケール感が以前より一回りも二回りも大きく感じられるのは、新メンバーの人見元基(Vo)と厚見玲衣(Key)の存在がモノを言っているからに他ならない。(・・・多分)
殊にBOW WOWとVOW WOWの差別化という点において、プログレ・ハード・バンドMOONDANCER出身という、厚見の壮麗にしてドラマティックなKeyプレイが果たした貢献は大きく、その加入効果は名曲揃いの頭3曲から早くも覿面に表れている。
そして勿論、本作(というかこのバンド自体)を語る上で欠かす事の出来ない、人見元基のパワーと表現力兼備の日本人離れした歌声も強力だ。特に、彼のVoと山本のGが猛烈に咽び泣く“SLEEPING IN A DREAMHOUSE”は、これ以降完璧に脱臭されていく歌謡曲の残り香も感じられる劇的なバラードの逸品で、この名曲をクライマックスに据え、OPナンバー“BREAK DOWN”からラス曲“BEAT OF METAL EMOTION”まで捨て曲一切なしの本作こそ、個人的にはVOW WOWのカタログの中でも最も愛して止まない1枚だったり。


X-RAY - SHOUT! ★★ (2011-11-03 01:04:23)

専任Key奏者として藤山高浩をメンバーに加え5人編成となったX-RAYが(前作『TRADITION BREAKER』との間にEP『OUTSIDER』のリリースを挟んで)、'84年に発表した3rdフル・アルバム。
華やか且つキャッチーなKeyサウンドが加わった結果、X-RAYのカタログ史上、最もライトな内容に仕上がった本作は、殆ど「ハードポップ・ソング」と表現しても差し支えない“ANYDAY!ANYTIME!”のような元気溌剌なノリの楽曲も収録。流石にやり過ぎたと思ったのか、次作『STRIKE BACK』(名盤)では若干の軌道修正が図られHRテイストが再増量されていたが、個人的には“ANYDAY!~”は大好きな曲だし、本作も優れたアルバムとして愛聴させて頂いている次第。
少なからず1stや2ndを覆っていた垢抜けない雰囲気が完全に払拭され、万人にアピールし得るメジャー感を獲得した本編には、従来のハードネスと今作ならではのポップな新味が巧みに融合された“STARDUST WAY”、前2作を大きく上回る藤本朗の卓越した歌唱が圧巻のバラード“TELL ME ABOUT YOURSELF”といった、嘗てない洗練された空気を漂わす名曲の数々を収録。
また、これらの楽曲においてフラッシーに弾きまくりつつも、要所ではメロディをしっかりと聴かせてくれる湯浅晋の緩急を心得たGプレイも心の琴線に触れまくりですよ。


X-RAY - TRADITION BREAKER ★★ (2011-11-01 22:30:50)

デビュー作から僅か半年足らずという短いタイムスパンで制作、発表された2ndフル・アルバム。それにしても、この頃のバンドのアルバム・リリース間隔の短さには驚かされますね。凄まじいまでの生き急ぎっぷりですよ。
PLAYBOY風(?)のモロ出しジャケット・アートワークが物語る通り、当時盛り上がりを見せ始めていたLAメタルからの影響が大胆に取り入れられた本編は、ワイルドでアメリカンなノリの良さが大幅増量。
未だ荒削りな部分を残しつつも、冴え渡る湯浅晋のG、ハイトーンに安定感が出てきた藤本朗のVo、Gばりにメロディアスに歌う臼井孝文のBに、パワフルに暴れ回る高橋和久のDs・・・と、着実な向上を刻むメンバーのパフォーマンスに支えられた楽曲は、一層豪快且つダイナミックな仕上がり具合を聴かせてくれるが、その一方で、湿り気が薄れてしまったサウンドからは少なからず大味感も漂って来ていて、この辺りは痛し痒し。
とは言え、アグレッシブなOPナンバー“QUESTION”やクっサい泣きのバラード“DAMZEL”なんかは前作に収録されていてもおかしくない出来だし、何より爽やかな躍動感も加味されたラスト・ナンバー“LAST SHOW TIME”はこのアルバムならではの魅力を湛えた強力な名曲と言えるのではないでしょうか。


X-RAY - 魔天 HARD SECTION ★★ (2011-10-31 22:43:51)

若干17歳の天才ギター・プレイヤー、湯浅晋とハイトーン・シンガー、藤本朗の二枚看板を擁する関西出身のHMバンドが'83年に発表した1stアルバム。(ちなみに本城美沙子がバックVoとしてゲスト参加してます)
次作ではアメリカンな色合いを増量し、3rd以降は専任Key奏者を加えて作風が一気に垢抜けて行った彼らだが、このデビュー作で聴くことが出来るのは、いかにも新人らしい荒々しさと関西のバンドならではのコテコテ感を伴った、まさしくこの時代(80年代前半)の王道を行くジャパメタ・サウンド。思わずコブシが回るアルバム表題曲“HARD SECTION”なんて、このアルバムでしか聴くことが出来ないタイプの楽曲じゃないでしょうか。
エネルギッシュな疾走ナンバーと、どっぷりと哀愁を湛えたミドル・ナンバーの二本立てからなる本編を個性的に彩るのは勿論湯浅のGプレイ。緩急自在のメロディの組み立てが冴え渡る彼のGソロは、既にこの時点でスペシャルな存在感を発揮してくれていますね。
高音域に余裕が感じられない藤本のハイトーンVo等、荒削りで垢抜けない印象は免れぬ内容ながら、楽曲は粒揃いで満足度は十分に高い。個人的にも、X-RAYのアルバムなら4th『STRIKE BACK』と並んで本作が一番好きです。


BLIZARD - Hard Times - Cryin' for Your Heart ★★★ (2011-10-30 00:45:26)

前曲“TOO LATE TO LOVE YOU”と同じく
アコギをフィーチュアした叙情HRナンバーなれど
爽やかな“TOO~”とは逆を行く
物悲しいメロディが胸を締め付ける名曲。
Voも巧みに楽曲の悲哀を増幅していて
デビュー作と聴き比べると歌唱力の向上に
目を(耳か)瞠りますね。


BLIZARD - Hard Times - Too Late to Love You ★★★ (2011-10-30 00:41:11)

乾いた音色で紡がれるアコギによって醸し出される
大陸的な爽やかさと、懐古の情を刺激する
感傷的なメロディが心地良い1曲。


BLIZARD - Hard Times - Boy ★★★ (2011-10-30 00:35:40)

ライブのエンディングを飾るにはピッタリの
エネルギッシュでワイルドな疾走ナンバー。
奔放に弾きまくりつつもメロディの組み立てに
冴えを感じさせる松川のGソロが素晴しいです。


HOLY MARTYR - Invincible - Zatoichi ★★★ (2011-10-29 00:01:45)

ジャケットにもイラストが描かれている事からも、
彼らの思い入れの深さが伺えますね。
実は『座頭市』は(水戸黄門と同じく)かつてアニメ化された事があり、
その主題歌を英語でカバーしたのがこの曲・・・と言われたら
思わず信じてしまいそうになるぐらい、昭和のヒーロー・アニメばりの
勇ましさを誇る疾走ナンバー。


HOLY MARTYR - Invincible - Sekigahara ★★ (2011-10-28 23:57:45)

ラウドに打ち鳴らされるドラムが全体を牽引する、
パワー漲る疾走ナンバーで、メンバー曰く
「先の大震災で被害を受けた日本に捧げた」
楽曲なのだか。嬉しいじゃありませんか。


HOLY MARTYR - Invincible - Takeda Shingen ★★ (2011-10-28 23:55:12)

榎本孝明扮する上杉謙信のアジと鬨の声からスタートするが、
曲名は“武田信玄”という不思議さよ。
とまれ楽曲自体は非常にカッコイイ。
風林火山の旗印の下、破竹の快進撃を続ける武田軍の
攻勢をそのまま楽曲化したかのような、
アグレッシブで好戦的な曲調にメタル魂がメラメラと燃え上がります。


HOLY MARTYR - Invincible - Shichinin no Samurai ★★★ (2011-10-28 23:45:39)

元ネタは言わずと知れた黒澤明の名画『七人の侍』ですね。
和風序曲“THE SOUL OF MY KATANA”からドラマティックに展開し、
タイトルに相応しい勇猛さとヒロイズムを撒き散らしながら疾走する、
IRON MAIDENからの影響も色濃く香る本編のハイライト・ナンバーの一つ。


HOLY MARTYR - Invincible - Ghost Dog ★★★ (2011-10-28 23:41:57)

『葉隠れ』を愛読し、侍にリスペクトを捧げる
黒人ヒットマンの生き様を描いたジム・ジャームッシュ
監督作品『ゴースト・ドッグ』に着想を得ているミドル・チューン。
引っ掛かり気味に展開するキャッチーなサビメロが非常に秀逸で、
個人的にはアルバムで一番のお気に入り。


HOLY MARTYR - Invincible ★★★ (2011-10-27 23:36:16)

勝新太郎(!)が描かれたアートワークと、メンバーの歌舞伎風隈取メイク、それに“7人の侍”“武田信玄”“関が原”“座頭市”etc・・・といった曲名からも察せられる通り、日本の時代劇のエッセンスが大胆に取り入れられたサウンドに苦笑を誘われる方は多い事かと存じますが(俺もちょっと笑った)、どっこい彼らは真剣だ。
時に和風の旋律を絡ませつつ、IRON MAIDENや独産メロパワ・メタルからの影響を根っこに据えて、ヒロイックに疾走する収録楽曲のカッコ良さは実際かなりのものであり、堅苦しい歴史の教材からではなく、エンターテイメントの王様たる映画からの影響がダイレクトに反映された本編は、サウンド・トラックばりのスケール感やドラマ性を有している上に、何よりすこぶるキャッチー。(これは躍動感溢れるリズムを刻むタイトなDsの貢献度大)
侍かぶれの殺し屋の生き様を描いたオフビートなアクション映画に着想を得ている“GHOST DOG”、本編中最もIRON MAIDENからの影響が色濃く滲むドラマティックな“SHICHININ NO SAMURAI”、好戦的な曲調にメタル魂が燃え上がる“TAKEDA SHINGEN”、怒涛の如く押し寄せるパワー・チューン“SEKIGAHARA”、それにまるで昭和アニメの主題歌ばりの勇壮さで疾走する“ZATOICHI”といった名曲の数々をもって、彼らは自分たちが色物バンドでないことを見事に証明してみせている。
本作(3rdアルバムらしい)が日本でヒットして、是非来日公演が実現してくれる事を願います。


HOLY MARTYR (2011-10-27 23:33:50)

バンド名は「ホーリー・マーター」と読む。
90年代半ばにイタリアはミラノにて結成されたパワー・メタル・バンドで、
結成の音頭を取ったリーダーのイエノ・スピガ(G)は、WARLORD、OMEN、
MANILA ROAD、ATTACK、更には日本の凱旋MARCHといったバンドからの
影響を公言する、かなりグッと来るセンスの持ち主。
勇壮な史劇を題材に取り上げた1st『STILL AT WAR』('07年)や
コンセプト作でもあった2nd『HELLENIC WARRIOR SPIRIT』('08年)が
ヨーロッパ圏を中心に好評を博し、日本の歴史(というよりも時代劇)の
要素を曲名や歌詞、そして曲調に大胆に取り入れた'11年発表の3rd『INVINCIBLE』
(邦題は『天下無敵の戦士』)で、満を持して日本デビューを飾った。


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- ★★★ (2011-10-26 22:53:49)

HR/HM史に輝く名曲の数々を、国内ミュージシャン達がカヴァーする人気企画『STAND PROUD!』シリーズ第5弾の主役に起用されたのは、現GALNERYUSの小野正利(Vo)。同シリーズでシンガーがメインに据えられたのって今回が初めてじゃなかろうか?
HR/HMファンなら一度は聴いた事があるであろう有名曲中心の無難な選曲で、アレンジに関してもオリジナル・バージョンを尊重しての完コピが基本ゆえ、ぶっちゃけ「小野正利によるカラオケ大会」的なノリが無きにしも非ずな本作ですが、個人的にはこの人のカラオケなら金払ってでも聴きたいぐらいなので全く問題なしですよ。
特に、“LADY OF WINTER”(CRIMSON GLORY)や“TONIGHT I'MFALLING”(TNT)、“LOVEDRIVE”(SCORPIONS)辺りは「歌えばハマるだろうなぁ」とは思っていましたが、実際、想像以上のハマりっぷりを聴かせてくれて思わず頬が緩む最高の出来栄え。
また、選曲はベタなれど小野のシンガーとしての資質と、楽曲の方向性がガッチリ噛み合っているJOURNEYの“OPEN ARMS”なんかも胸打たれる逸品に仕上がっているのではないかと。
小野正利という名シンガーの実力を存分に堪能できる充実した内容を誇る1枚。次は是非、産業ロック系の楽曲に特化したカヴァー・アルバム(もしくはソロ作)をばお願いしたい。


BLIZARD - Hard Times ★★★ (2011-10-25 21:58:41)

アルバムを重ねる毎にマイナー臭を薄れさせ、洗練の度合いを高めていったBLIZARDゆえ、このWARNER MUSIC在籍時代最後の作品となった'86年発表の4thアルバムに至っては、思わず一緒に歌いたくなる明朗なコーラスと、アリーナ・ロック調のスケール感を有するOPナンバー“HARD TIMES”を皮切りに、全編が最初から最後まで、メジャー感溢れる溌剌として爽快なポップ・メタル路線で統一されている。
“SHADE OF BLUE”みたいな、歌謡ロック調の情念揺らめく楽曲が姿を消してしまった点は残念だが、表現力を増し、もはや余裕と貫禄すら感じさせる下山成二郎のVoに、「和製ランディ・ローズ」との評価に相応しい鮮烈な輝きを放つ松川敏也のGプレイ(リズムGの村上孝之も良い仕事してます)、そしてメタリックな重量感とノリ良さを併せ持つリズム隊によって作り出される垢抜けた収録楽曲の質の高さは、完璧に初期作を凌駕。
本作に捨て曲は一つもないが、中でも哀愁のHRナンバー“LOOKIN' FOR YOU,LOOKIN' FOR ME”、爽やかに掻き鳴らされるアコギが心地良い“TOO LATE TO LOVE YOU”、同じくアコギを用いながら“TOO~”とは逆を行く物悲しさ漂う“CRYIN' FOR YOUR HEART”、そしてまさしく「RUNNING WILD」を地で行くエネルギッシュな疾走ナンバー“BOY”といった名曲が連続する本編後半は出色の出来栄え。
前作『HOT SHOT!』と共にBLIZARDの最高傑作の一つに推したい力作です。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 - Fallin' angel (罠に落ちた天使たち) ★★★ (2011-10-23 00:08:59)

メンバーが2ndアルバムの自信曲に挙げていると聞きますが、
実際、ゴリゴリのHMに留まらぬ、BLIZARDというバンドが備えた
幅広い音楽的才能が見事に発揮された名曲。
アルバムのOPでも序曲として用いられたポップな浮遊感を湛えた
キャッチーなコーラス・メロディや、スケールの大きな曲展開は
確かにプログレ方面からの影響も感じさせてくれますね。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 - Love Don't Stay ★★★ (2011-10-23 00:05:59)

デビュー作から格段の進歩の跡が伺える
下山成二郎の歌声が主役を張るバラード。
流石、喉を潰すだけ歌い込んだだけの事はあります。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 - Burning Sky ★★ (2011-10-22 23:57:01)

2ndアルバムの中では最も勇ましく
ヘヴィ・メタリックな疾走ナンバー。
鋭く切り込んで来る松川の才気迸るGはもとより、
硬質なBラインもカッコイイっす。


BLIZARD - 暗黒の警鐘〜KAMIKAZE KILLERS MY TEARS EVAPORATE〜 ★★ (2011-10-22 23:51:06)

BLIZARDは後期の作品しか知らなかったので、後追いで初期作に触れた時は、ド直球にヘヴィ・メタリックな作風にかなり驚かされた覚えがあります。'84年発表のこの2ndアルバムなんて、日章旗があしらわれたジャケットにタイトルからして『KAMIKAZE KILLER』ですからね。KAMIKAZEでKILLER・・・くっ付けりゃいいってもんじゃない気もしますが、ともかく主張したい事はビンビンに伝わってくるタイトルですよ。
尤も内容に関して言えば、いきなり美しいアカペラ・コーラスで幕が開く事からも分かる通り、早くもガチガチのHM路線からは脱却が図られており、重厚な“THE SECOND DIAMOND”に“DEAD OR ALIVE”、そして勇ましい疾走ナンバー“BURNING SKY”等の硬派なHMソングで要所を引き締めつつも、ボーカル・ハーモニーとメロディの増量がなされた本編は、ミッド・テンポを中心に意欲的に幅広いタイプの楽曲が取り揃えられているのが特徴。
バラード“LOVE DON'T STAY”は喉を潰すほど歌い込んだという下山成二郎のシンガーとしての進歩がハッキリと刻まれたドラマティックな出来栄えだし、スケールの大きな曲展開と浮遊感を湛えたポップなコーラスがプログレ方面からの影響を伺わせる“FALLIN' ANGEL”も、本作ならではの名曲だ。これらの楽曲を生み出すだけでなく、鮮烈なGプレイをもって華やかな彩りを加える松川敏也(G)の存在も相変わらず圧倒的輝きを放っている。
デビュー作から確かな経験値の上積みが感じ取れる1枚ではないでしょうか。


GALNERYUS - Phoenix Rising - Future Never Dies ★★★ (2011-10-21 23:06:36)

ガチガチにメタリックなハイテク全開のアグレッシブな曲調と
J-POP風味の爽快なポップ・フィーリングを湛えたメロディの
組み合わせがユニークな味わい。
この曲は日本語詞で正解ですね。


GALNERYUS - Phoenix Rising - No More Tears ★★★ (2011-10-21 22:59:40)

この1曲を聴くためだけにでもアルバムを買う価値はあった!
と、思わず聴きながら天を仰ぎ見てしまった絶品のバラード。
“YOU’RE MY ONLY”を数倍ドラマティックにしたような曲調で
日本語詞ゆえ小野の歌唱も一層ダイレクト且つエモーショナルに
迫ってきます。
Gとヴァイオリン、そして小野のVoが泣きまくる余りに切なくも
美しいサビメロに思わず絶句。沁みるわー。


HURRY SCUARY - Break It up - Nothin' New ★★★ (2011-10-20 22:13:01)

バラードの小曲だけど、実はアルバムの中でも
1、2を争うぐらいお気に入りのナンバー。
この曲における南 安秀のマイルドな歌声は素晴しい!
英詞の発音に難があるようですが、
こちとら英語が大の苦手なので無問題。


HURRY SCUARY - Break It up - Reaching for the Sun ★★★ (2011-10-20 22:09:28)

松澤浩明流の“EYE OF THE TIGER”って感じでしょうか。
北欧的な透明感を湛えた哀メロが胸を打ちます。


HURRY SCUARY - Break It up ★★★ (2011-10-20 22:01:35)

TERRA ROSAと並んで、関西圏を代表する様式美HMバンドとして勇名を馳せたHURRY SCUARYが'88年に発表した唯一のフル・アルバム。
映画のサントラとしての役割も背負わされた作品ゆえ、元MAKE UPの天才メロディ・メイカー、故松澤浩明&河野陽吾ら外部から招聘されたライター陣も楽曲を提供しているため本編にコテコテの様式美HM色は薄く(音楽的には間違いなくそっち路線なのだが)、Keyの使い方からコーラスの重ね具合に至るまで、スマートな洗練が施された作風はどちらかと言えば関東出身バンドに近しいノリ。
そういう意味ではバンドの真価が発揮されたアルバムとは言い難いのかもしれないが、とは言え、本作が美旋律と哀メロに満ち溢れた捨て曲皆無の名盤である事は疑う余地のない事実。取り分け、中間英明の華やかにしてドラマティックのGプレイは、劇的なリフ・ワークからフラッシーなGソロまで随所で眩い輝きを放っており、また一方で、バラード“NOTHIN' NEW”を筆頭に素晴しく伸びやかな歌声を披露する南 安秀(Vo)や、安定感抜群のリズム隊等、決して中間の存在のみが突出した一発芸バンドではないことも彼らの強みだ。
ただ余りにスマートな佇まいゆえ、TERRA ROSA程のインパクトの強さを持ち得ておらず、この辺がアルバム1枚で解散へと至った要因でもあるのかな・・・と思ったりも。


STRYPER (2011-10-18 22:11:47)

“IN GOD WE TRUST”を聴けなかった事だけが残念でしたが
HR/HMシーン屈指の三声ハーモニーの美しさと、
“SOLDIERS UNDER COMMAND”を筆頭とする必殺の名曲の連打の前に、
多少の不満も綺麗さっぱり洗い流されてしまいました。
ライブでもマイケル・スウィートの美声には
全く陰りが感じられませんでしたね。


TERRA ROSA (2011-10-16 21:16:14)

数年前にリユニオンしたという噂を見聞きしましたが
新作発表に至っていないのが残念でなりません。


KROKUS (2011-10-16 01:56:22)

今年はKROKUS(とSTRYPER)目当てでLOUD PARK 11に参加してまいりました。

前座のAMARANTHEが終わった途端、若人が一斉にスタンディング・スペースから
引き上げてしまったため、アリーナ内の客数が少々寂しいことになっていた点と
(代わりにメンバーを間近で拝む事が出来て嬉しいような悲しいような)
期待していた名曲“HEADHUNTER”が聴けなかった点は残念でしたが、
それ以外は概ね満足行くライブだったんじゃないかな、と。・・・まぁファンの欲目ですが。
(Gの1人が病気で急遽帰国したとかで、マンディ・メイヤーが
UNSONICと掛け持ちで助っ人参加してました)

セットリストはやはり『HEADHUNTER』と『METAL RENDEZVOUS』からの選曲を中心に
組み立てられており、個人的には“TOKYO NIGHTS”を生で聴けたことが嬉しかったなぁ。
いやそれにしてもマーク・ストレイスの歌いっぷりの良さと来たら、
ルックスは完全にお爺ちゃん風味入っているというのに、歌声は全く衰えていない
どころか、上記2作品を発表した頃より明らかに上手くなっていて驚かされましたね。


TERRA ROSA - 刹那の甘露—SASE— ★★ (2011-10-14 21:43:29)

ギタリストを今井芳継にチェンジして'90年に発表するも、残念ながらラスト作となってしまった3rdアルバム。
1stのリマスター盤を買い直したら、解説でウリ川本氏が本作について「TERRA ROSAは作品を重ねる毎に音楽性を拡散させた。特に3rdは×」と批判気味に書いていたが、いやいや、んな事はないでしょう。今回もミステリアス且つ重厚なOPナンバー“刹那の甘露”を手始めに「これが様式美HMでなくて何なのか?」と言いたくなる程バリバリのそっち系路線を猛進していますよ!
・・・というか、自分の中では「TERRA ROSA=和製様式美HMそのもの」という図式が確立しているので、彼らが演った音楽がそのまま様式美HMとして認定されるんですけどね。(猪木/一休さん的に言うなら「踏み出せばその一歩が道となる」みたいな)
前2作に比べると楽曲のクオリティにバラつきが見られる点こそ惜しまれるものの、今井のGと岡垣正志のKeyがよく歌うインスト曲“A TERRIBLE DREAM”や、畳み掛けるようなサビメロが印象的な“A SNAKE IN ONE'S BOSOM”、そしてラストに控えし必殺の疾走ナンバー“SHOVE OFF FOR NAUGHT”等は流石の完成度。また後にシングル・カットもされた“火の中の影”は、従来のTERRA ROSAらしさとキャッチーなメロディとが融合をみた、本作ならではの名曲ではないかと。


TERRA ROSA - Honesty ★★★ (2011-10-13 23:15:22)

ギタリストを三宅庸介から鈴木広美にチェンジして'88年に発表された2ndアルバム。(正式ドラマーとして元MARINOの板倉淳も加入している)
その新Gの腕前が如何なく発揮されたインスト序曲“ME 262”、それに続く軽快且つ劇的な疾走ナンバー“DO YOU GO AS YOU ARE?”を聴いただけで本編のクオリティの高さは確信出来るが、個人的には、赤尾和重(Vo)の歌唱力が大幅UPしている点が何よりの評価ポイント。
男と聴き紛うばかりの迫力を誇っていた反面(昔彼女の名前を「かずしげ」と間違って読んで、男だと思い込んでいた事は内緒だ)、ドスを効かせようと力み過ぎて音程と表現力に堅さも感じられたデビュー作に比べ、今回は、力強さや歌謡曲ばりのコブシの効き具合はそのままに、歌い回しがよりナチュラルな伸びやかさを獲得しており、収録楽曲のクオリティの底上げに大きく貢献。
“湖底のヴィジョン”クラスのインパクトを放つ名曲は見当たらないまでも、同時に捨て曲も見当たらない本編は流石TERRA ROSAといったところで、鋭角的なGリフが疾走する“Mr. FREELANCE”、美しいインスト曲“セント・エルモの灯”から繋がっていく11分越えの大作ナンバー“EVELYN”辺りは、赤尾はもとよりバンドの成長の跡が如実に刻まれた逸品じゃないかな、と。


TERRA ROSA - The Endless Basis ★★★ (2011-10-12 23:04:32)

日本が誇る様式美HMの雄・・・というよりも、寧ろ「和製様式美HMそのもの」と言った方が手っ取り早い気すらするTERRA ROSA、'87年発表の1stアルバム。(まずMANDRAKE ROOT RECORDSからリリースされ、その後新たにGやB、Keyの一部等を録り直してジャケットも差し替えた新装盤が、メジャーのKING RECORDSから再リリースされた)
頻発するメンバー・チェンジにもめげることなく、バンドとしてのポテンシャルを高め続けて来た強者だけに、本デビュー作の時点で既に、RAINBOW/DEEP PURPLEからの多大なる影響と、日本の(というか大阪の?)バンド独特のコブシの効いたメロディ・ラインとの組み合わせからなる、劇的且つコテコテな様式美HMサウンドの完成形を耳にすることが出来る。
聴き馴染んだ現在はともかく、昔は赤尾のクドイ歌唱が苦手だったんだけど、足立裕二作曲の“FRIDAY'S FREE FAIR”や、アルバム表題曲“THE ENDLESS BASIS”、そして10分近くに及ぶ大作ナンバー“もの言わぬ顔”といった楽曲の魅力は、彼女のコブシ回りまくりの歌声に依るところ大だし、何より、ドラマティックに疾走する曲展開に乗って、赤尾のVo/三宅庸介のG/岡垣正志のKeyがスリリングに火花を散らす名曲“湖底のヴィジョン”をハイライトに、捨て曲なしの本編のクオリティにはそうした好き嫌いを捻じ伏せるだけの説得力が宿る。
「TERRA ROSAの最高傑作」との評価に違わぬ1枚。


HELLOWEEN - Unarmed - Best of 25th Anniversary ★★★ (2011-10-11 22:03:12)

今更購入して聴いてみたのですが、こりゃ素晴しい作品ですね。
70人編成のオーケストラとオペラティックな男女混成コーラスを加えて、元々ドラマティックだった楽曲が一層壮麗且つシンフォニックに蘇った“ THE KEEPER'S TRILOGY(守護神伝3章を一つに編曲したアルバムのリーダー・トラック)や、バラード“FOREVER & ONE”“A TALE THAT WASN'T RIGHT”といった名曲のリアレンジ・バージョンを聴くためだけにでも購入する価値が大いにある本作だが、そうした大仰な仕上がりの楽曲はどちらかと言えば少数派で、本編の大半はアコースティカルだったりバラード調だったりと、肩の力を抜いた軽快なアレンジが施されたナンバーが占めている。
HELLOWEENのコミカルな側面が打ち出された作風には賛否が分かれるやもしれませんが、別にメロディまで能天気になってしまったわけではなし。サックスが景気良く吹き鳴らされる“DR.STEIN”、アコーティック化された事により叙情性がいや増した“IF I COULD FLY”、女性Voも取り入れて見事にお洒落なポップ・ソングへと変換された“EAGLE FLY FREE”辺りを聴くにつけ、こうした陽性なアレンジが施された事で逆に元曲のメロディの良さが浮き上がってきたように感じられる次第。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE - WAYFARING MAN ★★★ (2011-10-09 02:09:52)

これこれ。こういう坂本英三の熱唱が映える、
劇的且つ胸締め付ける哀愁を帯びた
メロディ展開がないと、ANTHEMのアルバムを
聴いた気がしませんね。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE - THE SIGN ★★★ (2011-10-09 02:07:55)

柴田直人のBとKeyがリード楽器の役割を果たす
異色曲だが、その上に乗る硬派な哀愁を帯びた
メロディは紛うかたなきANTHEM印。
アルバムOPナンバーにして、個人的には
本編のハイライト・ソングの一つですね。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE - CODE OF THE SILENCE ★★★ (2011-10-09 02:05:05)

アルバム収録曲としても、清水昭男作曲のインスト・ナンバーとしても
ハイライト・ソング級の存在感を放つ名曲。
繰り返される勇壮なテーマ・メロディに、思わずメタル魂が燃え上がります。


ANTHEM - HERALDIC DEVICE ★★ (2011-10-09 02:00:15)

こっちが「新生ANTHEM」だの「復活ANTHEM」だの言っている間に、当のバンドは順調にアルバム・リリースを重ねて本作で早13作目に到達。再結成してからは6枚目のフル・アルバムということで、気が付けば、あと1作で前期ANTHEMの作品数に並ぶところまで来てしまった。随分あっという間な気がするのはバンドの活動がそれだけ順調だった証でしょうね。
で。肝心のアルバムの内容に関しては、ANTHEM以外の何者でもないHMサウンドを展開しつつ、タフネスよりもメロディ重視という11th『IMMORTAL BIND』以降の方向性が今回も堅持されており、また、減少傾向にある昭和歌謡メタル的なクサメロよりも、洗練されたスマートでキャッチーなメロディが多く聴かれる辺りも近作の例に倣う。
それゆえ、柴田直人のB主導で突っ走るOPナンバー“THE SIGN”や、その勢いを引き継いでハジける“CONTAGIOUS”といった、まさしく「今」のANTHEMの魅力が凝縮された名曲を除くと、全体的にやや薄味な仕上がりの印象。
即効性に乏しい点は物足りなくも感じられるのだが、そうは言っても、猛烈な哀愁に思わず呻き声を上げてしまう“WAYFARING MAN”のような楽曲もちゃんと収録されており、決してメロディのクオリティが下がってしまったわけではない。
あと、個人的に本編で推しておきたいのが清水昭男(G)作曲の“CODE OF THE SILENCE”。作品毎に彼のペンによるインスト曲が収録されるのは再結成ANTHEMのお約束だが、その中でもこの曲の完成度はピカイチ。劇的且つ勇壮なテーマ・メロディに心震わされる度に「ソロ・アルバム作ってみない?」なんて思ったりもする次第。


ANTHEM - Black Empire - Emptiness World ★★ (2011-10-08 01:15:37)

ヘヴィに刻まれるリフ&リズムの上を華麗に舞う
サビメロの、何と哀しくキャッチーなことよ・・・