VENOMの『WELCOME TO HELL』がSHM-CD化された際、ファンの方が「何という資源の無駄遣い」と自虐的に書いているのを読んで笑ってしまったのですが、イングヴェイ的には、さしずめこのアルバムがそれに該当する・・・のではないかと。 数年前、リマスター&SHM-CD化に釣られて本作の紙ジャケ盤を買い直したのですが、スピーカーの前にぼろいカーテンが垂らされているような筋金入りの低音質に劇的な改善は見受けられず(多少なりとも良くなってはいますが)、「やっぱ元が悪過ぎるとリマスターにも限界があるよなぁ」と溜息をついた次第。 しかし多くの方々が指摘されている通り、ここに収められた楽曲はメチャ強力。どんどん洗練されていく次作以降に比べ、全編を分厚く覆うダーク且つマイナーな雰囲気と、パワー・メタル的なササクレた攻撃性を孕んだネオクラ・チューンの数々は、いずれも甲乙付け難い名曲揃い。 取り分け、本編中盤に並べられた3曲、後にVITAL REMAINSもカヴァーした禍々しくサタニック、それでいて劇的な“DISCIPLES OF HELL”、前作では精彩を欠いたジェフ・スコット・ソートの見(聴)違えるような熱唱振りと、タイトルに相応しい勇壮な曲調に思わず荒ぶる“I AM A VIKING”、“序曲1383”から繋がりGとKeyが火花を散らす“ANGUISH AND FEAR”は、初期・北欧様式美HM路線の最高峰と言うべき至高の逸品にして、このアルバムでしか聴くことの出来ないタイプの楽曲ではないでしょうか。 音質の酷さがあってなお輝きを失わない、個人的には最高傑作と名高い3rd『TORILOGY』よりも聴き直す機会の多い1枚です。
イングヴェイ・マルムスティーンが1枚看板を背負って、HR/HMシーンに打って出た記念すべき作品なれど、インスト物はあまり嗜まない身ゆえ、彼のカタログの中では比較的手が伸びる率は低め。 正確にはジェフ・スコット・ソートが歌う楽曲も2曲ほど収められてはいるのですが、どちらもイングヴェイなら片手間に書けちゃいそうな小粒な楽曲の上、今でこそ実力派シンガーとして鳴らすソートの歌声もこの頃はかなり青臭い感じで、それが印象の残らなさに拍車を掛けています。尤も、もしこのレベルの楽曲がポッと出の北欧メタル・バンドのデビュー作に収録されていたら、「期待の大型新人登場!」と大騒ぎしたに違いありませんが。 歌入りナンバーの影が薄い理由は他にもあって、その最たるものが、美旋律とネオクラシカルなドラマに彩られたインスト曲のインパクトのデカさ。現在でもライブの重要なレパートリーである“BLACK STAR”や“FAR BEYOND THE SUN”、ARCATLAZZ時代に既に披露されていた“EVIL EYE”、そしてイングヴェイが単なる速弾ギタリストではなく、立派な「アーティスト」であることを証明する“ICARUS DREAM SUITE OPUS 4”・・・細部まで徹底的に練り込まれた、これら強力無比なインストの名曲を前にすれば、そりゃ並の歌入りナンバーじゃ存在感を掻き消されちまうわな、と。 イングヴェイがインスト曲主体のアルバムを作ったのは本作が最初で最後ですが(企画盤とオーケストラとの共演は除く)、ここまでやり切っていればそれも納得です。
金は出し渋るくせに、アルバム制作にはあれこれと口出したがるPOLYDORの横車によって、英国の曇天を思わせた1st『THE OFFICIAL BOOTLEG』に比べると、(快晴とまではいかないまでも雲間からお日様が覗く程度には)ライト&ポップな方向へとその作風が変化を遂げた'83年発表の2ndアルバム。 ライブならではの熱気と勢いも加味されていた前作と続けて聴くと、和やかさ大幅増の楽曲の変貌振りに驚かれるかもしれません。(両アルバムに収録されている⑥⑧の違いを聴き比べてみるのも一興かと) 尤も、『THE OFFICIAL~』に先んじデビュー・シングルとしてリリースされたキャッチーな名曲“酒と薔薇の日々”や、Keyを上手に取り入れた12インチEPの作風からも明らかな通り、元来ポップ・センスには長けていたバンドゆえ、個人的にはこのサウンド・スタイルも十分「有り」。リューベン・アーチャーの英国人シンガー然とした滋味を湛えた歌声、泣きや哀愁は薄れたものの相変わらずフラッシーなローレンス・アーチャーのGプレイは今回も好調ですよ。 「捨て曲なし」とまではいきませんが、ゲスト参加のマーク・スタンウェイ(MAGNUM)が持ち前の上品且つ華やかKeyプレイで高揚感を演出する“LOVE LETTERS”や、キラキラと眩い“TURNING IN CIRCLES”、仄かに哀愁を帯びたコーラス・ワークが印象的な“GIRL”等は本作ならではの名曲。
NWOBHMの親子鷹(義理ですが)ことリューベン・アーチャー(Vo)とローレンス・アーチャー(G)が中心となって結成。STAMPEDEというバンド名は、彼らがそれ以前に在籍していたジミー・ベイン率いるWILD HORSESからヒントを得て名付けられたとのこと。 '82年にPOLYDOR RECORDSからシングル“DAYS OF WINE AND ROSES”を発表してデビュー。翌年にはライブ盤兼1stアルバムの『THE OFFICIAL BOOTLEG』を、'83年にはMAGNUMのKey奏者マーク・スタンウェイのセッション参加を仰いでレコーディングされた2ndフル『HURRICANE TOWN』を相次いでリリースするも、結局その他多くのNWOBHM勢同様、最後までレーベル側のサポートに恵まれずバンドは解散。 父・リューベンは堅気の道を選び、息子・ローレンスはその後フィル・ライノットのGRAND SLAMや復活UFOに参加。'92年にはUFOの一員として来日も果たし、その模様はライブ盤『LIGHTS OUT IN TOKYO』で聴くことが出来る。 そして'09年。STAMPEDEはまさかの復活を果たし、'11年には3rdアルバム『A SUDDEN IMPULSE』を発表。
リッチー・ブラックモア(G)の理想とする音楽を追求するべく、これまで妥協なきメンバー・チェンジと大胆な作風の変化を繰り返してきたRAINBOWでしたが、前作『DIFFICULT TO CURE』で掴んだ音楽的方向性と商業的成績に相当の手応えを感じたのか、'82年発表の本6thアルバムでは「大衆性を増したメロディアスHR」というサウンド・スタイルを、変化させるのではなく、より「掘り下げる」という方法論が選択されています。 『闇からの一撃』というイカした邦題ほどガツンと一撃される名曲(これまでのアルバムには必ずその手の楽曲が1、2曲は存在していた)が見当たらないため、RAIBOWのカタログの中では日陰者の地位に甘んじている(?)作品ですが、個人的には『DIFFICULT~』以上の愛聴盤。 印象的なソロを連発するリッチーのGプレイ等、前作より心持ちハードな方向へと揺り戻された作風を象徴するかのような、疾走感溢れる“DEATH ALLEY DRIVER”と“BRING ON THE NIGHT”、ジョー・リン・ターナー(Vo)が歌うに相応しいメロハー・チューン“STONE COLD”や、うっとりと聴き惚れるブルージーなバラード“TEARIN' MY HEART”、やっぱりラストはこうでなきゃファンも納得しないでしょ?とばかりにドラマティックにアルバムを締め括ってくれる“EYE OF FIRE”etc・・・と、「山椒は小粒でピリリと辛い」を地で行く本編は捨て曲なしのクオリティ。 ・・・って、何だかアルバム毎に「捨て曲なしのクオリティ」と書いているような気がしますが、実際、RAINBOWのアルバムに捨て曲は存在しないのだから仕方ない。
最強ドラマー、コージー・パウエルが遂に加入。イカした楽曲を彩る、イカしたGにイカしたVo、イカしたDsとイカしたアートワーク、オマケに『虹を翔る覇者』というイカした邦題まで、あらゆる点において突き抜けたカッコ良さを提示してくる'76年発表の2ndアルバム。 この歴史的名盤に関しては、既に色々な方が色々な賛辞を寄せて下さっているので今更付け加えられることなど余りありません。(でも大好きなアルバムなんで無理矢理にでも語らせて貰うわけですが) アルバム後半に鎮座まします2篇、重厚長大な“STARGAZER”と、RAINBOW版“BURN”といった趣きの“A LIGHT IN THE BLCAK”は、後々そのエッセンスをフォロワー・バンド群が再利用しまくる名曲中の名曲ですし(特に前者)、やや地味なイメージで語られがちなA面収録曲にしても、スペーシーだったりノリノリだったりキャッチーだったりとバラエティ豊かな楽曲が揃っており、そのクオリティの高さは無類。 リッチー・ブラックモア(とロニー)の中世音楽趣味が全く希釈されずに溢れ出す作風なので、人によってはあまりの濃厚さに胸焼けを覚えるかもしれません。ゆえに、このバンドの入門編としては、より整理され、整合性を高めた次作『バビロンの城門』をお薦めしますが、個人的には「RAINBOW」の名を聞いて想起するサウンドは間違いなくここに集約されています。 様式美HR/HMバンド、RAINBOWの最高傑作に推したい1枚。
リッチー・ブラックモア(G)以下、グラハム・ボネット(Vo)、コージー・パウエル(Ds)、ロジャー・グローヴァー(B)、ドン・エイリー(Key)という、知名度的には歴代最強の布陣で制作、'79年に発表された4thアルバム。 特異な歌声と、短髪、グラサン、それに勝新ばりのノーパン主義(時にチャックを閉め忘れて息子がコンニチワする仕様)を貫く独特のファッション・センス等、前任者のロニーとは何から何まで異なるグラハムの存在と、更に突き詰められたカラッと抜けの良いアメリカンHR志向が発表当時こそ戸惑いを持って受け止められたものの、現在では(当サイトでの人気の高さからも伺える通り)「RAINBOWならではの魅力を備えた名盤」として高く評価されている本作。 何せ、ロニーとは別ベクトルで暑苦しさMAXのグラハムの青筋声と、骨太なコージーのドラミングが全編を彩る以上は単なるポップ・アルバムにはなりようがない。リッチーのメロディ・センス及びGプレイも相変わらずオーラ全開ですよ。 荘厳な“EYE OF THE WORLD”と、スピーディな“LOST IN THE HOLLYWOOD”という2大様式美HRチューン以外にも、現在ではグラハムの持ちネタ・・・じゃなくて持ち歌として親しまれる“ALL NIGHT LONG”、初めて聴いた時は「げっ」となったものの今では大好きなポップ・ソング“SINCE YOU BEEN GONE”、隠れた名曲としてファン人気の高い“DANGER ZONE”etc・・・といった具合に、語ろうと思えば全曲について語れてしまうぐらい本編は捨て曲なしの充実ぶりを提示。 個人的に、RAINBOWで一番好きなアルバムとして愛聴させて貰っている作品です。
ドラマーをポール・ボスタフからジーン・ホグランにチェンジして'12年に発表された最新スタジオ作。 てっきりジーンの攻撃的なドラミングを活かした押せ押せの作風に仕上がっているものとばかり思っていたのですが、実際のところ、本作の主役は野太くもメロディアスに「歌う」チャック・ビリーのVo。 例えばブラスト・ビートが導入されている②のような楽曲にしても、聴き終えてドラム以上に印象に残るのは、一層の拡充が図られている彼の歌メロといった按配です。 前作までに培ってきた、スラッシュ・メタルならではの鋭角的疾走感と、エクストリーム・メタル然とした図太いヘヴィネスを十二分に保ちつつも、TESTAMENTなりの「聴かせる姿勢」が追求されているサウンドは、現代版『PRACTICE WHAT YOU PREACH』(もしくは『SOULS OF BLACK』)と言った趣きで、ラストに『PRACTICE~』タイトル・ナンバーのリメイクが収められている事もその象徴のような? 個人的に3rdアルバムは余り好きではないので、そういう意味では不完全燃焼感を覚えなくもないのですが、ジーンの爆発的なドラミングを推進剤に、チャックの武骨且つ勇壮なVo、アレックス・スコルニックの流麗なGソロ、そしてエリック・ピーターソンとの劇的なツインGハーモニーが怒涛の如く突進する④や、ドラマティックなヘヴィ・バラード⑥等、彼らにしか作り出し得ぬ名曲も抜かりなく収録している辺りは流石。 何より本作は、こうした作風だからこそビルボード・チャートにおいて(別の方が仰られているような)好成績が残せたのではないかと思う次第。
GRAND MAGUS、'04年発表の2ndアルバム。 勇猛でドラマティックなエピック・メタル・サウンドにノックアウトされて以来彼らの作品を集めるようになりましたが、本作で聴くことが出来るのは、シケシケな音作りに、引き摺るよう刻まれるGリフと、重々しくのたうつリズムによって構成された真性ドゥーム・メタル・サウンドで、流石にこの辺りまで遡ると最近作とは大きく音楽性が異なります。 と言っても完璧に断絶しているなんてことはなく、きっちりと今へと至る連続性は確保されており、ヨーロッパの「闇」を纏ったドラマティックな曲展開の素晴しさも然ることながら、やはり本作の肝となるのは、ダルさなぞ微塵も感じさせない熱い歌声と、猛烈な「気」を放つ入魂のGプレイで本編を彩るJ.B.のの骨太な存在。エモーションの乗ったGソロにハート鷲掴みな③、後のエピック・メタル路線の萌芽が垣間見える⑤、ヘヴィ・メタリックなGリフがアップテンポに刻まれる⑥、圧し掛かるようなヘヴィネスが荘厳な空気も運んでくる⑦等は、彼のダイナミックなパフォーマンスと楽曲自体の質の高さが相俟って、聴き応え満点の名曲に仕上がっております。
FEAR FACTORYやCHANNEL ZEROのメンバーも輩出しているベルギー出身の名門(?)スラッシュ・メタル・バンドが、'86年にROADRUNNER RECORDSから発表したデビュー作。 強気なアルバム・タイトルが示す通り、同時期に登場したベルギアン・メタル勢の中でも一際アグレッシブな音楽性を標榜していた彼らが本作において披露するのは、ヒステリックな金切りVoに、2本のG(時にはトリプルG)が刻む、ドリルでコンクリートをハツッてるようなGリフ、それにバタバタと忙しないリズムとが一心不乱に突っ走る、小細工無用、ド直球のスラッシュ・メタル。 攻撃的な演奏やテンション高めな疾走感はSLAYERの『SHOW NO MERCY』、荒削りながらもリフ/リズム・チェンジを組み込んでダイナミズムも演出しようと頑張る曲展開はMETALLICAの『KILL 'EM ALL』、刺々しい割に存外キャッチーなGリフがEXODUSの『BONDED BY BLOOD』をそれぞれ彷彿とさせるハイブリッド・サウンドは、清々しいほどストレートに「80年代スラッシュ・メタル」していて、聴いていると猛烈に郷愁をそそられてしまいます。 これぞ!という強力な名曲を生み出しえなかったことが、本作(とバンド自体)がスラッシュ・メタル史に埋もれてしまった理由の1つと推察しますが、とは言え、収録各曲は押し並べて良く出来ており、少なくともスラッシャーならこれを聴いて失望する人はまずおりますまい。 まるで「80年代スラッシュ・メタル」という言葉を、そのまんま音楽として具現化させたかのような1枚です。
WHITE WOLF(もう新作は作らんのでしょうか)のカム・マクレオドをプロデューサーに起用してレコーディング作業を行い、'10年にリリース。バンドの世界レベルでの知名度向上に大きく貢献した1stフル・アルバム。 思わず苦笑を誘われるジャケット・アートワークや、締まりに欠けるサウンド・プロダクションの質はデビューEPと五十歩百歩な感じですが、一方でスラッシュ・メタルばりの鋭角さで刻まれるGリフや、流麗且つ劇的に乱舞するツインGの切れ味、勇壮さをいや増したコーラス・ワーク等、収録楽曲のクオリティは目に見えてパワーアップ。バンドが前のめりな勢いよりも整合性を意識し始めたことがハッキリと伝わってくる本編は、こうなると、声質はやや甘めながらも確かな歌唱力で楽曲の雄々しさや、ドラマ性の底上げに一役買ってくれる歌の上手いフロントマンを擁している点も活きて来ます。 特に、勢いで誤魔化すことなく聴かせきるドラマティックな④は、正統派HMバンドの諸先輩方からの影響を咀嚼吸収しつつ、STRIKERというバンドならではの個性も加えて仕上げられたアルバムのハイライトと言うべき名曲です。 NWOTHM好きなら聴いて損なしの充実作。
結成に当たっては、後にプロデューサー/ソングライターとして名を馳せるブルース・フェアバーンやジム・ヴァランスといった面々も関わっていた、カナダはバンクーバー出身の老舗ロック・バンドが'78年に発表した、日本デビュー作でもある2ndアルバム。(邦題は『永遠の輝き』) 彼らが大きな成功を収めるのは'79年に発表された3rdアルバム『ARMAGEDDON』以降ですが、内容に関して言えば本作のクオリティも決してそれらに引けを取りません。 何を置いてもまずVoとKey、それに美しいハーモニーを最優先にする、PRISMというバンド名に相応しい煌きを湛えたハードポップ・サウンドは、HR/HMファン的には柔和過ぎて刺激に乏しい音かもしれませんが(これでも彼らのカタログの中ではハードな方なのですが)、親しみ易いポップなメロディに、磨き抜かれたアレンジと歌心を伴った演奏によって形成される楽曲の数々は、問答無用で耳を捉えるサムシングが備わっています。 ジム・ヴァランスがロドニー・ヒッグス名義で提供したBEATLES風アコギ・バラード“YOU'RE LIKE THE WIND”、少女漫画チックに甘やかな“TAKE ME AWAY”、青空へ向かってどこまでも舞い上がっていくような高揚感に心躍る“SEE FOREVER EYES”、そして本編のハイライト、感傷的な泣きメロに満ちたバラード“YOU'RE MY REASON”は、STYX、BOSTON、E.L.O.辺りがイケル口の方なら、知らずに過ごしてはいけない名曲ですよ。
メイン・ソングライターの1人であり、強いスラッシュ嗜好の持ち主だったプリーチャー(G)が脱退し、バンドの舵取り役が完全にロックン・ロルフ(Vo、G)へと委譲された'85年発表の2ndアルバム。 そのためスラッシュ・メタル的な前掛りの攻撃性は薄れてしまいましたが、その分、音作りはグッと引き締まり、サウンドに宿る硬質感や重量感、それにスケール感は倍増。ロックン・ロルフも前作以上にメロディアスに、雄々しく歌い上げるようになった本編は、これにてようやく、エピカルで勇壮な「パイレーツ・メタル」路線への戸口に立ったとの印象を受けます。中でもACCEPT風(FAST AS A SHARK?)のGリフが疾走するパワフルな⑤、そしてライブでのコール&レスポンスが容易に想像できる剛直なラスト・ナンバー⑨は名曲。 ただ作品全体としては、構成の妙よりも力押しに終始するスタイルに大きな変化はなく、となると押せ押せのテンションの高さが影を潜めた分、↑上の方が指摘されている通りに少々冗漫に感じられる場面が目に付くのも確か。 良く出来たアルバムではあるのですが、同時に、バンドが過渡期にあったことを感じさせてもくれる1枚でしょうかね。