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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2801-2900

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - 時系列順 2801-2900

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FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory - Gold 'n' Glory ★★★ (2015-04-09 23:25:26)

ACCEPT辺りに通じる、いかにもドイツ産パワー・メタル然とした
重厚なミッド・チューンですが、サビメロから滲み出す
「戦う漢の哀愁」とでも言うべき憂いを帯びたメロディに
ハッと胸を打たれます。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory - A Million Hearts ★★★ (2015-04-09 23:19:40)

Gが切々と紡ぐメロディにグッとくる男泣きバラード。
巧いだけでは決して醸し出せない「味」を湛えた
ハイミィ・ミークスのオヤジの哀愁を伝える
歌唱も胸に沁みます。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory - Don't Feel Hate ★★★ (2015-04-09 23:11:59)

プログレッシブ・ロックに始まり
ハードブギーを経て、FAITHFUL BREATHが
HMに辿り着いたことを物語る
鋭利にしてキャッチーな5thアルバムOPナンバー。
キメフレーズからソロまで
Gが非常に良い仕事してますね。


FAITHFUL BREATH - Gold 'n' Glory ★★★ (2015-04-08 23:12:13)

人に歴史あり。と言っても、RISKのハイミィ・ミークス(Vo、G)の過去に興味を持つHR/HMファンが日本にどんだけいるのかっつー話ですが。
RISKの前身として知られるFAITHFULL BREATHは、70年代にプログ・ロック・バンドとしてスタートを切るも、アルバムを重ねる毎にアグレッシブに研ぎ澄まされて行き、ウド・ダークシュナイダー&マイケル・ワグナーをプロデューサーに迎えた'84年発表の本作(5th)では、コスプレ姿も勇ましいルックスから雄々しく突き進む楽曲まで、いよいよ立派なヴァイキング・メタル・バンドへと(RUNNING WILDよりも一足お先に)変貌を遂げるに至りました。
まぁジャケットをよく見りゃ、ガレー船の竜は富永一朗先生(お笑いマンガ道場)が描いたような面してたり、船内に張られたテントが紅白模様だったり、そもそも船が空飛んでたりと、アバウト極まりないヴァイキング像だったりするんだけども。心意気は十二分に伝わって来るので無問題。
何より、メロディックなツインGの援護射撃の下、ハイミィがガラッパチに歌い上げる収録楽曲が、そんな些事への拘りを忘れさせてくれる素晴らしさなのですよ。鋭角的なGリフとキャッチーなメロディの組み合わせが秀逸なOPナンバー①や、無心でフィスト・バンギングに興じたくなる⑥、炸裂感溢れる③⑧等のアッパーな楽曲も最高なのですが、ACCEPTばりの掛け声コーラスに血沸き肉踊る②、戦いにくたびれた中年親父の哀愁漂うバラード④、勇ましさの中に落とし込まれた憂いにグッと来る⑤といった、ミドル/スロー・チューンもハートにズドンと突き刺さる出来栄え。
全8曲で収録時間は30分台、不器用でも簡潔明瞭にHMの魅力を謳い上げた1枚。MAUSOLEUM RECORDSからのリリースは伊達じゃない!と。


TURBO - Dorosłe dzieci - Szalony Ikar ★★★ (2015-04-07 22:43:57)

畳み掛けるようなイントロだけで
鼓動が早まるのを感じます。
あとBが結構派手に動き回ってるのもナイス。
語感の堅いポーランド語が勇壮な曲調に
マッチしていますし、そのVoとツインGとが
ユニゾンしながら疾走する様の何とカッコイイことよ。
でまたそこで紡がれるメロディが
東欧的哀愁を背負っているのがたまらんわけで。


ALIEN - Shiftin' Gear - In The Dead Of Night ★★★ (2015-04-07 22:35:35)

リリシズムが薄れた代わりに
よりスポーティに躍動感を増しつつ、
キャッチーなメロディのフックにも抜かりがないという
2ndアルバム屈指の出来栄えを誇る名曲。


TURBO - Dorosłe dzieci ★★★ (2015-04-06 22:40:30)

ポーリッシュ・メタルの雄、TURBOの記念すべきデビュー作。
'82年発表作品で、東欧出身で、歌詞は全編ポーランド語で、ヒゲ面のメンバーが大ハシャギしてるジャケットも垢抜けない感じで。「どらどら、田舎メタルを楽しませて貰おうかい」等と物凄い上から目線をキープしながら聴き始めたら・・・。OPナンバー①の疾走感溢れるイントロのカッコ良さだけで、さながら、舐めきってたシャーク堀口の猛攻に震え上がる関拳児のような心境に陥ってしまいましたよ。(分かり難い例え)
長い活動期間を通じて音楽性を徐々に変化させて行ったTURBOですが、ここではNWOBHMの流れを汲むJUDAS PRIEST型正統派HMをプレイしており、最初は奇異に響くポーランド語の歌詞も、聴き進む内に堅い語感がこの勇ましげな音楽性にジャストフィット。何よりも東欧調の心寂しいメロディを奏でながら、ビシバシとユニゾンを決めまくるツインGの活躍っぷりにゃメタル魂がメラメラと燃え盛りまっせ。
2本のGとVoが一体となって駆け抜ける様にアガりまくる名曲①、痙攣気味に繰り出されるテーマ・メロディが印象的な④、TURBO版“EXCITER”と評したくなる⑦といったハードな楽曲のみならず、叙情インスト③、東欧印の侘しさ漂わすバラード⑤、70年代HRを思わすメランコリックな⑨のようなメロウな楽曲も、哀愁をたっぷり塗して聴かせきる緩急自在のパフォーマンスからは、これがデビュー作の新人バンドとは思えぬ貫禄さえ既に感じられます。
同時期に発表された西側諸国のHR/HMバンドの名盤と比較しても一歩も引けを取らない力作ですよ、これは。


ALIEN - Shiftin' Gear ★★ (2015-04-04 00:28:36)

デビュー作『ALIEN』がヒットをかっ飛ばすも、その後は増大するレコード会社からのプレッシャーと過酷なツアーに耐えかね、看板シンガーを始めメンバーの離脱が相次ぎ、崩壊の瀬戸際まで追い詰められていたALIENが、'90年に最後っ屁として放った2ndアルバム。
そのためジャケットにクレジットされているのはトニー・ボルグ(G)と、二代目フロントマンのピート・サンドベリ(Vo)のみで、他のパートはセッション・ミュージシャンを起用。Dsに至ってはドラム・マシンで済ませていることからもバンド内部の混乱した状況が伝わってきますが、内容の方は、これが決して悪くない。
殊に、ピートの甘くウェットな歌声をフィーチュアして溌剌と躍動する⑤は、ALIENの新生面をアピールする魅力的な名曲。この曲に限らず、Keyが後方へ下がり、全体的に逞しさを増した(飽くまで前作比の話ですが)楽曲や音作り等は、ハード・ロッキンなソロ・アルバムを作りたかったのにレコード会社からの要請で本作制作に取り掛かざるを得なかったトニーの意向が反映された結果なのでしょうかね。
北欧ハードポップの名盤だった前作と比べてしまうと、メロディの煌きやリリシズムが渋く落ち着いてしまった感は否めませんが、それでも本作が、これを最後に解散するバンド(その後再編して復活)が作ったとは思えぬ充実っぷりを誇っている点には、素直に脱帽させられる次第。


KREYSON - Anděl na útěku(Angel on the Run) - Kreyson ★★ (2015-04-01 22:51:06)

当時、和田誠氏がDJをしていたラジオ番組で
流されていた記憶がありますが、
確かにキャプテンが好きそうな
ジャーマン・メタル風味のパワー・チューンであります。
ちなみにバンド名のコールから始まるイントロは
ロックン・ロルフのアイデアなのだとか。


KREYSON - Anděl na útěku(Angel on the Run) - Fade Out ★★★ (2015-04-01 22:37:45)

JUDAS PRIESTばりの劇的なイントロの時点で
顔がにやけますが、こういうスピードナンバーを
アルバムのケツに持って来るセンスにも
「よし、合格!」と
駆け寄って肩叩いてやりたくなりますね。


KREYSON - Anděl na útěku(Angel on the Run) ★★ (2015-03-31 21:21:13)

チェコスロバキア出身という物珍しさと、美麗なアートワーク――チェコのお城じゃなくてフランスのシャンボール城だけど――に釣られ購入した、ラン・クレイソン(Vo)率いる5人組が'91年に発表した1stアルバム。(正確には、'90年にチェコ語で制作されたした1stのリレコ作品だとか)
RUNNING WILDの名作『DEATH OR GLORY』に彼が参加した縁で、ロックン・ロルフが共同プロデュースを(あとコーラスとGソロとアルバム解説も)担当していることでちょっぴり話題になった本作は、そのサウンド自体に東欧っぽさは薄め。むしろ、OPにバンドのテーマ曲“KREYSON”を配置するコテコテな構成や、歌い易いコーラス・ワーク等からは、独産バンドの影響がちらつく正統派HMを演っています。あえて東欧テイストを探すならば、作品全体を包み込むどこか透明な空気感と、前述のOPナンバーにて醸し出される、クラシカル且つ荘厳なドラマがそれっぽいかな?と。
ポップ・センスが冴えてる“DEEP IN THE NIGHT”のようなタイプの楽曲も収録する等、全体的に卒なくまとまっていてイモ臭さはない代わりに、これといって突き抜けた個性も感じられない点は痛し痒し・・・。というわけで、数年前にもう売ろうと決意して中古屋に持ち込んだのですが、「30円」と鑑定されてしまい、じゃあいいやと持ち帰ってきました。そんな消費税の足しにもならない安値で手放すにゃ、ラストに収められたJUDAS PRIEST型疾走ナンバー“FADE OUT”はカッコ良過ぎるってもんですよ。


REVOLUTION SAINTS - Revolution Saints - You're Not Alone ★★★ (2015-03-29 22:18:24)

国内盤には、ゲスト参加したアーネル・ピネダがリードVoを担当したバージョンと、
ディーンがリードVoを取った2バージョンが収録されている、
“HERE FOREVER”と並んでアルバムのハイライトを演出する名バラード。
ここでもダグ・アルドリッチが、音数に頼らなくてもグッと前に迫り出して来る
Gソロで、ただでさえエモーショナルな曲調に一層感動的な華を添えてくれています。


REVOLUTION SAINTS - Revolution Saints - Here Forever ★★★ (2015-03-29 22:12:23)

ビデオクリップが作られていることからも
バンドのこの曲に対する自信の程が伺える、
悲壮美に彩られた名バラード。
ディーン・カストロノヴォが熱唱するあまりに悲しいサビメロと
それを援護射撃するダグ・アルドリッチのクイクイと
涙腺に沁みこんで来るGプレイに滂沱の如く涙が溢れ出しますよ。


REVOLUTION SAINTS - Revolution Saints ★★★ (2015-03-29 00:16:34)

ファンの間では歌の上手さが語り草になっていたディーン・カストロノヴォ(Ds)が、遂にガッツリとフロントマン役を担ったプロジェクト(ご本人曰く、バンド)のデビュー作。
これまでもJOURNEYのライブやアルバムで、その実力の程を垣間見せて来た彼氏ですが、こうして改めて聴くと本当に上手い。音程が正確とか高い声が出せるとかの基礎能力どころの話ではなく、曲に託されたエモーションを、余すところなく聴き手に届けられるレベルの上手さ。ゲスト参加して③でリードVoを取っているアーネル・ピネダと比較しても何ら遜色がないのだから、完全に「ドラマーの余技」レベルを超えてますよ。
そんなディーンが、FRONTIERS RECORDSお抱えの腕利きライター勢による、会心のメロディック・ロック・ナンバーの数々をエモーショナルに歌い上げるわけですから、もう勝ちは約束されたも同然。事実、胸が潰れんばかりに感動的な年間ベスト・チューン級の名曲③⑧を聴けば、本作が「もしやJOURNEYのアルバム以上の出来栄え?」と評判を得るのにも納得ですよ。
脇を固めるジャック・ブレイズ(B,VO)とダグ・アルドリッチ(G)のサポートぶりも実に的確。ジャックはともかく、これまでこの手の音と接点がなかった(よね?)ダグまでもが、③のソロを筆頭に、ニール・ショーンが憑依したかのようなGプレイでこちらを泣かせに掛かって来ます。⑤なんてまるでニール本人のよう・・・と思ったら、これは本当にご本人の手によるものでした。
とまれ、捨て曲なしの大傑作。メロハー愛好家ならば、何は差て置き、押さえといて損のない1枚ではないかと。


REVOLUTION SAINTS (2015-03-29 00:12:07)

WILD DOGSの一員としてデビューを飾り、その後数々のバンドを渡り歩き、ニール・ショーンにその才能を認められて現在はJOURNEYに籍を置く名ドラマー。
重さとキレを兼ね備えたパワー・プレイから、主張控えめのAOR/産業ロック向けドラミングまでこなせて、しかも歌唱力は本職顔負けという、歌って踊れる(?)オールラウンド・プレイヤーで、その評判に着目したFRONTIERS RECORDSのバックアップのもと、メロディックHRプロジェクト/バンド、REVOLUSION SAINTSではとうとうフロントマン・デビューまで飾ってしまった。
ただ、最近はパワー全開のドラミングを聴かせてくれる機会はめっきり減ってしまっていて残念。忙しくて断ったというWILD DOGSの再結成には是非参加して欲しかった・・・。


Millennium - Millennium - The Devil Rides out ★★ (2015-03-27 23:31:32)

挑みかかるように刻まれるGリフ&リズムの
コンビネーションがメタル魂を高揚させます。
威勢良く弾きまくる2本のGの援護射撃のもと
後にTORANAGAで活かされるパワー・メタリックな
アグレッションの萌芽を聴き取ることも可能
・・・かも。


Millennium - Millennium - The Traveller ★★★ (2015-03-27 23:21:56)

Gが情感豊かに紡ぎ、Voが切々と歌う哀愁のメロディに泣き
ついでに郷愁をそそる垢抜けない雰囲気でも泣けるという
一粒で二度美味しい名バラード。


Millennium - Millennium ★★★ (2015-03-26 00:09:48)

ラルフ・サントーラ率いるフロリダのメロディック・メタル・バンド・・・ではなく、NWOBHM末期に活動していたUKビリンガム出身の5人組が、'84年に残した唯一作。
シンガーのマーク・ダフィは、後にパワー/スラッシュ・メタル・アクトTORANAGAに加わってメジャー・デビューを飾ることになるのですが、ここではエコーの掛かり具合といい、暗過ぎず/明る過ぎず/ハジけきれない歌メロの拾いっぷりといい、「マイナー・クラスのNWOBHMシンガー」を体現するかのような、ヘタウマ感溢れる絶妙な歌唱を披露していて思わず頬が緩みます。
音楽性の方もそれに倣ってか、印象的にハモりながらドンヨリ湿ったメロディとリフを紡ぐツインGから、早歩きのテンポで進むリズム、そして派手なキメ曲より、コトコト長時間じっくりと煮込んだような、華はないけど味は十分な楽曲の連なりで聴き手を引き込む構成まで、もうド真ん中のNWOBHMスタイルを踏襲。じめじめした泣きが炸裂するバラード“THE TRAVELLER”や、TORANAGAに通じるパワー・メタル要素も垣間見える“THE DEVIL RIDES OUT”のカッコ良さ等はなかなかのモノですよ。
海の向こうじゃLAメタルが華やかな盛り上がりを見せてたこの時期、彼らがアルバム1枚きりで活動を停止してしまったことも無理からぬことと、思わず納得してしまうぐらいの垢抜けなさですが、だがしかし。なればこそ愛さずにはいられない好盤でもあるわけで。


CLOVEN HOOF - Dominator - Road of Eagles ★★★ (2015-03-23 00:31:40)

他の収録曲と若干趣きを異する、
完全にエピック・メタル路線が取られた本編ラス曲。
時に語り、時に朗々歌い上げる
大仰な曲調に対して一歩も引かない
シンガーの実力者っぷりが堪能できる名曲です。


CLOVEN HOOF - Dominator - Fugitive ★★★ (2015-03-23 00:26:12)

勇壮なバッキングの上に、憂いを帯びつつも、
どこか透明感漂わす歌メロが乗っかり
アグレッシブだけど押し付けがましくないという
英国産メタル独特の醒めた雰囲気も形成する疾走ナンバー。


CLOVEN HOOF - Dominator - Reach for the Sky ★★★ (2015-03-23 00:15:34)

正統派HMのカッコ良さを体現する
イントロのGメロディだけでやられますが、
ブリティッシュな憂いを湛えた歌が入ってくると更に良い。
シャウトに逃げずに、丁寧にメロディを歌い上げる
シンガーの大変素晴らしい仕事ぶりに星3つ。


CLOVEN HOOF - Dominator - Rising Up ★★★ (2015-03-22 23:56:32)

見(聴)違えるように逞しく生まれ変わった
新生CLOVEN HOOFを猛烈アピールするOPナンバーにして
ACCEPTばりのパワフルさを誇る疾走曲・・・と思ったら
中盤で“FAST AS A SHARK”風Gリフがちらり登場。


F.K.U. - Where Moshers Dwell ★★★ (2015-03-19 23:21:11)

メンバーの気合の入ったコスプレ姿から、ブックレットに載せられた「MISTRESS OF MOSH AGENT」誕生秘話を描いたコミック、あと歌詞は勿論のこと、D.R.I.をパロったロゴマークまで、ホラー映画とクロスオーバー・スラッシュへの深い愛情を示す、FREDDY KRUEGER'S UNDERWEARことF.K.U.が'08年に発表した3rdアルバム。
本家『エルム街の悪夢』でフレディ役を演じたロバート・イングランドによる、芝居がかった前口上で雰囲気たっぷりにスタートを切る本作は、全16曲で収録時間は30分台、瞬間風速ナンバーを収録し、Gソロも殆どなし・・・と、典型的クロスオーバー・スラッシュ・スタイルを採用。その一方で、例えば②③④⑧⑨⑯といった楽曲に明らかな通り、ラリー・リーサルのメリハリの効いた歌唱や、鋭くエッジの切り立ったマシンガンGリフと、緩急を飲み込むアタッキーなリズムは正統派スラッシュとして存在感を主張しまくり。特にGソロ有りの本編最速ナンバー④は「サイレン音を取り込んだ楽曲にハズレなし」という自説を補強してくれる名曲ですよ。
国内盤も出た4thが気に入った人なら、必ずや本作もピンと来るはず。


F.K.U. - 4: Rise of the Mosh Mongers ★★★ (2015-03-18 23:23:31)

「フレディの下着」なる人を食ったバンド名や、ジョージ・A・ロメロの『ランド・オブ・ザ・デッド』を思わせるアートワーク、それに映画や尽きせぬスラッシュ愛を題材に取った歌詞のアイデアが物語る通り、「ホラーとスラッシュ・メタルの融合」をコンセプトに掲げたスウェーデンの4人組が'13年に発表した4thアルバム。
瞬間風速ナンバー“THE UBERSLASHERS”シリーズを含む全20曲もの楽曲を擁する等、クロスオーバー・スラッシュの薫りをそこかしこに漂わせつつも、全体を見渡せば、タイトな中にも緩急を飲み込んだダイナミックな曲展開や、ソロでもきっちり自己主張するメタリックなG、そしてメロディも歌えるハイトーン・シンガーの存在等、ここに来てますます正統派のメタルへと接近。例えば②なんて、勇壮なサビメロがジャーマン・パワーメタルを彷彿とさせるほどですよ。
映画のOPを思わせる大仰なイント①がくっ付けられた、スラッシュ・アンセムちっくな曲調に気分が高揚する②、抑えた前半から解き放たれたように爆発的疾走へと転じる後半が血管ブチ切れモノのカッコ良さな⑰は、特にこのバンドの魅力全開の逸品。
4枚目にして漸く国内盤のリリースが実現したこともあり、F.K.U.入門書にするなら先ずは本作からどうぞ。


F.K.U. (2015-03-18 23:21:41)

S.O.D.の活動に触発され、'87年に結成されたという古参スラッシュ・メタル・バンド。
現メンバーは、元MIDAS TOUCHのパトリック・スポロング(B)、DARKANEのローレンス・マックローリー(Vo)、WUTHERING HEIGHTSのテディ・モーラー(Ds)、LOST SOULSのピーター・ランス(G)と腕利き揃い。その代償として継続的な活動を行うことが難しかったようなれど、過去にリリースした4枚のスタジオ・アルバムは何れも高評価を獲得し、'13年発表の4th『4:RISE OF THE MOSH MONGERS』では待望の日本デビューも飾っている。


HADES - If at First You Don't Succeed '98 - I Too Eye ★★★ (2015-03-17 21:58:07)

技巧を強く意識している2ndアルバムの中にあって
前作に通じる破れかぶれな威勢の良さ漂う
ハイテンションなスラッシュ・ナンバー。
耳を劈くハイトーンVoに、荒れ狂うG、
ゴリゴリ鳴りまくるBと畳み掛けるDsと
全パートが青筋立ててパフォームしてる姿が
目に浮かぶようですよ。


HADES - If at First You Don't Succeed '98 - Opinionate! ★★ (2015-03-17 21:49:31)

音作りや、緩急を飲み込んだ曲展開のお手本は
あからさまに『MASTER OF PUPPETS』を発表した頃の
METALLICAですが、それが悪いことかと言えば
ここまでカッコイイ曲に仕上げてくれたんなら、まぁ良いかと。
元々、技巧を凝らすタイプのバンドであり、
何よりアラン・テッシオのハイトーンVoが乗れば
それなりに個性が醸成されますしね。


HADES - If at First You Don't Succeed '98 ★★ (2015-03-15 23:15:13)

物憂げなイントロから反転攻勢に出るOPナンバー①が、当時『MASTER OF PUPPETS』をリリースして飛ぶ鳥落とす勢いだったMETALLICAからの影響があからさまでちょっと笑う。また硬質なスラッシュ・ビートが怒涛の如く畳み掛ける⑦も秀逸・・・といった具合に、ことほど然様に「スラッシュ風味のパワー・メタル」だった1stに比べ、1歩も2歩もスラッシュ・メタル方向へ踏み込んだ作風に仕上がっている、'88年発表の2ndアルバム。
その一方、前作で既に大作曲に挑むチャレンジ精神を発揮していたバンドゆえ、今回はアレンジや曲展開に凝り、緩急のコントロールを意識する等、より「聴かせる」姿勢も鮮明化。スラッシーな攻撃力と風変わりなメロディとが同居する⑩や、ハムレットをテーマに取り上げた組曲⑪⑫は、そうした彼らの意欲の賜物と言えましょうか。ただそうなると、ハイパーに歌いまくるアラン・テッシオ(Vo)の低~中音域における音程の甘さが気にならなくもないのですが・・・。
ともあれ、これを最後にバンドが解散するとは思えない「やる気」漲る1枚。(まぁ、その後再結成するわけですけどね)


BERNIE MARSDEN - And about time too - Still the Same ★★★ (2015-03-14 23:01:09)

イントロだけでグッとくる
文句なしのアルバム・ハイライト・ナンバー。
哀愁が溢れ出すバーニーの歌声とGプレイ、
ドン・エイリーが物悲しげに奏でるピアノ、
徐々に熱量を高めていくコージーのドラムとが
終盤に向けて盛り上がっていく様は
息苦しいほどに感動的。


BERNIE MARSDEN - And about time too - Love Made a Fool of Me ★★★ (2015-03-14 22:51:03)

バーニー・マースデンと、ボビー・ダズラーこと
デイヴィッド・カヴァデール共作のポップ・チューン。
弾むようなキャッチーな曲調に、バーニーのVoと
歌心溢れるGプレイが映える映える。
バックを固めるのはコージー・パウエル&ニール・マーレイの
鉄壁リズム隊に、Key奏者のドン・エイリーという面子。


BERNIE MARSDEN - And about time too - Song for Fran ★★★ (2015-03-14 22:45:24)

しっとりとした泣きに満ちた叙情インストナンバー。
こういう曲を弾かせたらバーニー・マースデンは絶品すな。
ちなみに他の参加メンバーは
ジャック・ブルース(B)、ドン・エイリー(Key)、
サイモン・フィリップス(Ds)という布陣。


BERNIE MARSDEN - And about time too ★★★ (2015-03-14 01:39:57)

初期WHITESNAKEに多大なる貢献を果たした名ギタリスト、バーニー・マースデンが'79年に発表した初のソロ・アルバム。
そのバーニーの人徳が為せる業か、デイヴィッド・カヴァデール、ジョン・ロード、イアン・ペイスを筆頭に、白蛇人脈に連なる錚々たる面子がアルバム制作に協力。例えソロといえども己一人が目立つことを良しとせず、参加メンバーの見せ場にも気を配ったアンサンブル重視の作風も、そうした彼の人となりを表しているかのようです。
尤も、“お前が本命”なるナウい邦題を冠されてしまったOPナンバー①がアルバムの方向性を示す通り、当時流行のメロハー路線が敷かれている本作にWHITESNAKE色は薄め。音作りやアレンジは少々時代を感じさせ赤面を誘われなくもないですが、それでも聴けば聴くほど惹き込まれてしまうのは、バーニーの味わい深い歌声&泣きを発するGプレイ、脇を固めるミュージシャン達の的確な仕事振り、それに収録楽曲の素晴らしさゆえでしょうか。
本編に捨て曲は見当たりませんが、中でも胸躍るポップな③と、号泣モノのバラッド⑤は出色。どっちもドラム叩いてるのがコージー・パウエルってのも評価ポイントですよ。「もっとロックして欲しい」という方は、ジャック・ブルース、ドン・エイリー、サイモン・フィリップスらが火花散らすインスト曲⑨をどうぞ。
まさに《待ってたぜバーニー!遅かったぜバーニー!今からお前が本命さ!》(帯タタキより)な1枚。


BERNIE MARSDEN (2015-03-14 01:37:27)

UFOやWILD TURKEY、BABE RUTH、COZY POWELL'S HAMMER、PAICE, ASHTON, LORD(PAL)等、数々のブリティッシュHRバンドを渡り歩き、そしてWHITESNAKEへの参加でキャリアを決定的なものとしたイギリス人ギタリスト。本名はバーナード・ジョン・マースデン。
'81年発表の2ndソロ『LOOK AT ME NOW』の国内盤が'98年に初CD化された際、買い逃してしまったまま今に至るので、ぼちぼちCDの再々発をお願いしたいところなのですが・・・。


HADES - Resisting Success - Masque of the Red Death: I. Red Death / II. The Prince's Masterplan / III. The Masquerade: The Twelfth Hour / Return of the Red Death ★★ (2015-03-12 22:19:53)

エドガー・アラン・ポーの『赤死病の仮面』を題材に取り上げ、
3部構成、10分に迫る大作ナンバー。
派手に自己主張する各セクションの見せ場や
まるで90年代のモダン・ヘヴィネスを先取りしたかのような
(要するにBLACK SABBATH風)スロー・パートを織り交ぜつつ
大仰に展開していく楽曲は、アイデアが先行し過ぎて
やや冗長な出来栄えなれど、意気込みは大いに買える。
頑張ったで賞。


HADES - Resisting Success - Nightstalker ★★★ (2015-03-12 22:09:18)

ブルージーなイントロからスタートするので意表を突かれますが、
思わず一緒に叫びたくなるコーラスをフィーチュアした本編は
勇ましくもキャッチーな出来栄え。そのイントロだけでなく、
インストパートでは猛烈な勢いで弾き倒し、
アラン・テッシオのハイトーンVoと真っ向張り合う
Gの暴れっぷりも堪能できるパワー・チューン。


HADES - Resisting Success - Legal Tender ★★★ (2015-03-12 22:02:47)

2分ちょっとのランニング・タイムの間中
鋭利に研ぎ澄まされた殺傷力満点のGリフが
ぶん回され続ける通り魔的スラッシュ・ナンバー。
いや、カッコ良い。


HADES - Resisting Success ★★★ (2015-03-11 23:44:48)

『BORN TO METALIZE』や『METAL MASSACRE Ⅵ』等のオムニバス盤に参加して名を上げたニュージャージー出身の5人組が、'87年に放ったデビュー作。
ラフい音質、耳を劈くハイトーンVo、ザリザリとした音色で粗挽きリフを刻むG、ドライヴするBに突っ込み気味に駆け巡るDsが、テンションも高く一塊に押し込んで来るサウンドは、こいつらが『METAL MASSACRE』シリーズに参加してたのも当然よな、ってな80'S アメリカン・パワー/スラッシュ・メタル街道を爆走しています。
中でも、やはり聴きモノなのはアラン・テッシオのVo。後にWATCHTOWERに参加して、バカテク揃いのメンバー相手に一歩も引かない飛び道具みたいな歌唱でマニアを仰け反らせた彼氏ですが、ここでもその実力の片鱗を味わうことができる・・・というか、こっちの方が歌メロがキャッチーで取っ付き易いぐらいですよ。
荒々しい攻撃性に満ちた①、鼓膜に突き刺さるように高速回転するGリフが秀逸な③、アーシーなイントロを経てキャッチー且つ猛々しく突き進む⑤なんて、そのアランのみならず、メンバー全員が青筋立ててパフォームしてる姿が目に浮かぶようで好感度大。かと思えば10分に及ぶばんとする3部構成の組曲⑩もあったりするので油断できません。
個人的にHADESの作品では、出たとこ勝負の前のめり感が横溢する本作が一番聴き返す機会が多いかな?と。


ALCATRAZZ - Dangerous Games - Only One Woman ★★★ (2015-03-10 22:20:08)

言わずと知れたグラハムの代表曲。
つか、グラハム歌うまっ!
テクよりもキャラクター勝負の愛すべき個性派シンガー的
扱いを受けることの多いやっさんですが
ここで聴かせる伸びやかでエモーショナルな歌声は
紛うかたなき実力派シンガーのそれ。
聴き惚れますよ。


ALCATRAZZ - Dangerous Games - Dangerous Games ★★★ (2015-03-10 22:01:33)

都会的な哀愁を帯びたイントロだけで
「おっ」と身を前に乗り出させるアルバム表題曲。
“デデデ、デンジャラス”なコーラスは
キャッチーで、思わず反芻したくなる魅力が備わっていますね。
GとKeyの的確な仕事ぶりも特筆に値しますよ。


ALCATRAZZ - Dangerous Games - Ohayo Tokyo ★★★ (2015-03-10 21:52:59)

グラハムが、例によって大口開けて
「オ・ハ・ヨ~、ト~キォ~♪」と
青筋浮かべながら熱唱してる姿が思い浮かび、
ほっこりした気分になれる名曲。
一度でいいから生で聴いてみたいのですが・・・
一緒にコーラス歌っちゃうよ。


ALCATRAZZ - Dangerous Games ★★★ (2015-03-10 00:02:29)

前任者達に比べると、名前からして既に押しが弱い感じの三代目ギタリスト、ダニー・ジョンソンを迎え、'86年に発表された3rdアルバム。
こちらのサイトの獲得ポイントが厳然と示す通り、ALCATRAZZのカタログの中では断トツの低人気。それ以前に「3rdは聴いたことない」と、のたまうHR/HMファンも多いと聞く不遇の1枚で、斯く言う自分も本作の購入動機は、バンドのファンだからというより「“OHAYO TOKYO”が聴いてみてぇ」が主な理由だった気が・・・。
小洒落たHRナンバー②や、デデデ、デンジャラス!キャッチーな⑥、歌の上手さに聴き惚れる⑧、哀愁の⑨、本編中最もヘヴィな⑩等、前2作のような「個性的なHR/HM」というより『孤独のナイト・ゲームス』辺りに通じる「普遍的な歌物ロック」の魅力を湛えた収録楽曲は、(↑上で多くの方が仰られてる通り)決してクオリティは低くありません。
そして何より本作は⑤ですよ。グラハムが、あの特徴的な青筋声で「オ・ハ・ヨ~、ト~キョ~♪」ってな暢気な歌詞を熱唱するギャップだけで、聴く者を百発百中で笑顔にする、みんなが笑ってるお日さまも笑ってるレベルの名曲。それでいてポップなメロディや立体的なコーラスワークにはNEW ENGLANDを彷彿とさせるフックも備わっていて、単なるネタ曲と舐めたもんじゃない。
まぁ、良い出来だよ!地味だけど・・・とか、いきなりカヴァー曲①で幕が開く構成はどうかな・・・とか、語る上でやたら語尾に「・・・」がついてしまう作品ではありますが、しかし聴き込めば聴き込む程に味わいを増すスルメ盤であることも確か。聴かずに済ますのは勿体無いですよ。


GRAVESTONE - Victim of Chains ★★★ (2015-03-08 23:50:40)

20世紀のU.D.O.を支えた名手マティアス・ディート(G)を輩出したことで知られるジャーマン・メタル軍団、'84年発表の1stアルバム。・・・と長らく思っていたのですが、最近になって実はこれ以前にも2枚ほどスタジオ・アルバムをリリースしてたと知り吃驚。まぁそっちにはマティアスは未参加で、音楽性も全く異なるプログレ/70年代HR路線だったらしいのですが。
ともあれ、心機一転の再出発作となった本作で炸裂するのは、墓石ばりの硬質さで刻まれるGリフ&リズムが、勇ましくもムサ苦しく突き進む、HELLOWEEN登場以前の独産パワー・メタルのど真ん中を行くサウンド。しかもありがちなACCEPT路線ではなく、SCORPIONS路線なのがミソ。
リフ/リード両面において華を感じさせるマティアス・ディートのGプレイも、本編から大味感を払拭するのに大きく貢献。特にパワー・メタル版“BLACKOUT”とでも言うべきOPナンバー①と、泣きを伴って熱く激しく盛り上がる④、そして⑥におけるセンス溢れるGソロを耳にすれば、U.D.O.時代「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と評された彼の卓越した演奏技術が既に完成の域に達しつつあることがよく分かります。(今じゃミュージシャン稼業から足を洗って法律関係の仕事してるって話は本当でしょうかね。)
「発情したカイ・ハンセン」チックな声質のVoが独特過ぎて好悪が分かれそうな所ではありますが、U.D.O.やSINNERといったマティアスが渡り歩いたバンド群が気に入った方ならば、こちらも押さえておいて損はなし、というか積極的に押さえるべし!な1枚。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell - 100 MPH ★★★ (2015-03-07 09:39:34)

タイトルや歌詞は勿論のこと、シャープ且つメロディアスに
動き回り、ハモリまくるGがNWOBHMを彷彿とさせる
ストレートなHM賛歌。ストレート過ぎて逆に意表を突かれました。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell - Nadsokor ★★ (2015-03-07 09:35:06)

ドッカンドッカンと力の限りブッ叩かれるドラムが
リード楽器役を担い、そこに薄っすらと被る
「オ~オ~オ~」というお経みたいなコーラスが
エピック・メタルな雰囲気を盛り上げます。
中盤で突如、哀愁に満ちたメロディを奏で始める
Gソロも良いアクセント。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell - Chaos Descends ★★★ (2015-03-07 09:27:50)

「数ヶ月便秘が続いてる人inトイレ」みたいな呻き声からスタート。
BLACK SABBATHを野蛮にした感じのGリフ、
制御不能な奇声Voと、ドカドカ打ち鳴らされるドラムが
豪快に渦を巻いてうねるまくる様がド迫力のエピック・ソング。


CIRITH UNGOL - One Foot in Hell ★★ (2015-03-06 00:14:48)

『指輪物語』に着想を得て「キリス・ウンゴル」を名乗った4人組、'86年発表の3rdアルバム。
MANILLA ROADと並んでエピック・カルト・メタルの最重要バンドと目されるだけあって、ここに渦を巻くのは、HR/HMシーンが華やかに浮き足立ってた超バブリーな時期に(しかもカリフォルニアで)制作されたとは俄かに信じ難いほど、暗くてジメジメ湿気ってキャッチーさ絶無のバーバリックなHMサウンド。ルックスも含めて、もう清々しいくらい女の子からきゃーきゃー言われそうなモテ要素ゼロ。
一口にエピック・メタルと言っても、例えばMANOWARがメロディやアレンジといった同ジャンルの構成要素一つ一つを丹念に磨き上げた宝石だとすれば、こっちは武骨な原石を無造作にゴロンと提示してる感じ。そもそも端から宝石になど興味はなく、「原石であること」に価値と誇りを見出しているというべきか。
アルバム後半、ガクっとテンションが落ちてしまうのが玉に瑕ですが、好戦的なBLACK SABBATHといった趣きの②、ドカスカ喧しいDsが全体を牽引する④、NWOBHM風味満点の疾走ナンバー⑤、勇ましさと哀愁を両立させたGに聴き惚れる⑥といった楽曲が並ぶ前~中盤だけでも、アルバム代の元は十分に回収できます。相変わらず音程に無頓着に喚き倒す爬虫類系Voも、ここまで貫き通されると「立派な個性」と認めざるを得ないわけで。
破天荒な迫力に(好き嫌いはさておき)思わず気圧されること請け合い1枚ですよ。


FLOTSAM AND JETSAM - No Place For Disgrace 2014 ★★★ (2015-03-04 23:37:27)

'88年発表の2nd『NO PLACE FOR DISGRACE』のリレコーディング・アルバム。切腹ジャケットがオリジナル盤と比較して「使用前」「使用後」状態になっているのが面白くて、つい購入してしまいましたよ。(タイトル直訳と思しき「不面目者に居場所はありません」なる怪しげな日本語が載っているのもポイント/笑)
よりドラマティックに、よりメロディアスに。ジェイソン・ニューステッド脱退というピンチが、逆に残されたメンバーの潜在能力をフルに引き出す好結果へと繋がった名盤『NO PLACE~』の素晴らしさ、殊に、殆ど完璧と言っていい頭4曲の流れの隙のなさについては今更語るまでもなし。なので今作とオリジナル盤の差異について述べさせて貰うと・・・基本的に何も変わっていない(笑)。勿論プロダクションは現代的に進化していますが、アレンジに関しては原典を尊重。これを「だったらオリジナル聴けばいいじゃん」と取るか、歳月を経ても全く衰えを感じさせないメンバーの力量に感服するかは聴き手次第。個人的には、深みも表現力もかつての比じゃないエリックAKの歌声に感服させられましたね。
スラッシュ/パワー・メタル好きなら必聴盤と言っても過言じゃない『NO PLACE~』(もしくはFLOTSAM & JETSAM自体)を未だ聴いたことがないという方は、とりあえず本作から試してみるのも良いのではないでしょうか。


Y & T - Contagious - I'll Cry for You ★★★ (2015-03-02 23:13:27)

アルバム『CONTAGIOUS』を聴いて
「まぁ、ポップなY&Tも悪くないと思うな、ぼかぁ」
と言いつつも、あのアルバムで一番聴き返す頻度が高いのは
デイヴ・メニケッティの面目躍如たる骨太で濃厚な
泣きが溢れ出すこのインストの名曲なのですから
「口では何のかんの言っても、体は正直やのぉ」と。


Y & T - Contagious ★★ (2015-03-02 23:06:13)

キッチュなイラストからシンプルなデザインへと、アートワークが随分と落ち着いた'87年発表の6thアルバム。前2作のジャケットをボロカスに罵って来た身には歓迎すべきこと・・・と思いきや、これはこれで何だか大人し過ぎて物足りなく感じてしまうんだから、我ながら度し難い。
で、アートワークの変化と共に音楽性の方にも変化が。メタル・バンドとしてのY&Tの屋台骨を支え続けて来た名ドラマー、レオナード・ヘイズが去ったことで、サウンドは一気にポップ路線へと傾斜。OPナンバー①なんてHEY!HEY!HEY!なイントロからOH~OH~OH~なサビに至るまで、あからさまに当時のメインストリーム・ロックからの影響が打ち出されています。
ケヴィン・ビーミッシュの手掛けた洗練された音作りや、全編に亘って厚く敷き詰められたハーモニー、あとジミー・デグラッソの脇に徹したドラミングの印象もあり、楽曲はこれまでに比べ淡白な仕上がり。「油彩画を期待してたら水彩画だった」的なこのタッチの変化に戸惑い、咀嚼するまでにかなり時間を要した作品ではあるのですが、よくよく聴けば、前述の①にしてもそれ以外の楽曲にしても、デイヴ・メニケッティの歌とギターは冴えまくっていますし、哀愁に満ちた③⑤⑥なんて彼の面目躍如。そして満を持してラストで炸裂する、タイトル通りの濃厚な泣きが溢れ出すインスト曲⑩の素晴らしさよ。欲を言えば歌入りで締めて欲しかったところではありますが・・・。
結論としましては「味付けが薄かろうが濃かろうが、美味い料理は美味い」ということで。


PHANTOM'S OPERA - Following Dreams ★★★ (2015-03-01 10:33:13)

Key奏者のジャック・ヤング('08年に他界してたと知り驚いた)によって結成され、BON JOVIのティコ・トレースやアレック・ジョン・サッチ、PROPHETのディーン・ファザーノ、更にはSYMPHONY Xのマイケル・ロメオら著名なメンバーを輩出して来た「ニュージャージー州の虎の穴」ことPHANTOM'S OPERAが、'98年に発表した3rdアルバム。
ミカエル・アンダーソン風の甘口Vo、ブライアン・メイからの影響も露わにメロディアスに踊るG、カラフルで包容力に満ちたKey、それらによって生み出される、丸みを帯びて親しみ易い叙情メロディや、繊細にして壮麗なハーモニーを立体的に配置し、ドラマティックな曲展開に載せて聴かせてくれるサウンドは、完全に初期QUEEN路線。当時いち早く自分達のことを評価してくれた日本を意識してか、いきなり日本語詞によるメルヘンチックな序曲“AI TO YUME NO SEKAI”で幕が上がる構成(ラストを締める10分近い大作曲からも「ゴキゲンヨ~アリガト~♪」なる日本語が/笑)等もちょっとQUEENっぽいかも。
きっちりとHR/HM然としたエッジも効かせた楽曲はアメリカン・プログレ・ハード調の感触も宿していて、特に派手なドラム・フィルから始まる②、舞踏曲の如くステップ踏みたくなる③、LAST AUTUM'S DREAMが演りそうな北欧メロハー風の⑤、シアトリカル且つドラマティックに組み上げられた長編ナンバー⑫等は、このバンドの個性が明確に刻印された名曲です。
流石に70分近い収録時間だと途中でダレなくもないのですが、それでも本作が力作であることを疑う余地はありません。


SATAN'S HOST - Metal From Hell - Hell Fire ★★★ (2015-02-26 23:29:41)

「色物バンドと思って舐めんなよ?」
というバンドの主張が込められた
アルバムのクライマックスを飾るエピック・ソング。
緩急を取り入れたドラマティックな曲展開や
派手に動き回るBはIRON MAIDENからの影響大。
そしてここでもシンガーの全力投球な熱唱が耳を惹きますね。


SATAN'S HOST - Metal From Hell - Metal From Hell ★★★ (2015-02-26 23:25:25)

クセの強い楽曲が並ぶ本編にあって
このストレートな疾走ナンバーのキャッチーな
カッコ良さは逆に目立っています。
メタル!メタル!フロム・ヘル!


SATAN'S HOST - Metal From Hell - King of Terror ★★★ (2015-02-26 23:21:12)

哄笑したかと思えば、朗々歌い上げたりと
ハリー・コンクリン・・・もといLEVIATHAN THISIREN(笑)の
ハイテンションなパフォーマンスが圧巻。
相変わらず、アンサンブルをガン無視で好き勝手やりまくりな
バックの演奏にもまったく力負けていませんよ。
野蛮且つ大仰な曲展開に時折挿入される“オ~オ~オ~”
という勇壮なコーラスは『INTO GLORY RIDE』や
『HAIL TO ENGLAND』の頃のMANOWARを彷彿とさせたりも。


SATAN'S HOST - Metal From Hell - Black Stelé ★★★ (2015-02-26 23:14:00)

ひたすら青筋立てて歌いまくるVo、
テレコで録ったような劣悪な音質のせいで
何弾いてんだか判然としないG、
モタってんだか走ってんだかさっぱりなマイペースDsとが
アンサンブルを彼方に置き去りにして好き勝手暴れ回り、
そこにオカルト/ホラー映画風の大仰なコーラスが
ぶち込まれているという、コクに満ちた(というかコクしかない)名曲。
チープっちゃチープですが、聴き終えた後、
「なんか凄いもん聴いたなぁ」という気分にさせられます。


SATAN'S HOST - Metal From Hell ★★★ (2015-02-25 23:05:40)

コロラド州ボウルダー出身のサタニック・メタル・バンド、'86年発表のデビュー作。
初聴時は、オーディエンス録音の海賊盤と聴き紛う低劣な音質と、全メンバーが「他パートのことなんざ知らねぇよ」とばかりに、好き勝手荒れ狂うOPナンバーのアバンギャルドっぷりに「何じゃこりゃ?」とドン引きしてしまいましたよ。
しかしこうして改めて対峙すると、それ以上に耳奪われるのは、禍々しさと荘厳なドラマ性を併せ持ち、最もエピカルだった2nd~3rd期のMANOWARに、イタリアン・オカルト/ホラー映画のサントラを強引にトッピングしてしまったかの如き楽曲の劇的さ。特に、高圧的歌唱で大仰な雰囲気を盛り上げるハリー・コンクリン(Vo)が良い仕事しまくりで、流石JAG PANZERにTITAN FORCEにこのバンドと、カルト・メタル街道一筋に歩んで来られた御仁だけのことはあると。
そもそも、エリック・アダムスばりのパワーVo、厄いリフを騒々しくハジくG、独特過ぎるタイム感で派手に暴れ回るリズム隊は、崩壊寸前のようでいて実は均衡を保ってるようにも聴こえ、このギリギリ綱渡り感が異様な迫力を放つ②⑤は、唯一無二の個性が黒光りする邪教メタルの名曲。スピーディに炸裂する③や、SATAN'S HOST流“審判の日”といった趣きの⑧のカッコ良さも只事じゃありませんて。
はっきりと聴き手を選ぶ作品なれど(本当に音が悪い)、まさしく「カルト」な魅力が詰まった1枚です。


WARDRUM - Messenger - After Forever ★★★ (2015-02-23 23:56:27)

テクニカルなGリフが目まぐるしく繰り出される
イントロに続いて、憂いを帯びて絶妙に
展開していく歌メロが走り出した時点で
「よし、名曲!」と太鼓判押したくなましたよ。
灼熱系シンガーの熱唱、指弾きならではの
エモーションが乗ったGソロも効果的に楽曲を
盛り立ててくれます。


WARDRUM - Messenger ★★★ (2015-02-22 23:39:12)

指弾きオンリーのノー・ピック主義を貫く個性派ギタリスト、コスタ・ヴレトを擁するギリシャ出身の4人組が'14年に発表した3rdアルバム。
既に比較対象として名前が挙がっている通り、本作で志向されているのはIMPELLITTERIやNOCTURNAL RITES等に通じる正統派メロディック・メタル。Voのヤニス・パパドプロスも、ロブ・ロック、ジョニー・リンドクヴィストの系譜に連なる灼熱パワー・ボイスの持ち主で、彼の胸焦がす熱唱をフィーチュアした本編のサウンドは、IMPELLITTERIの屈強さにNOCTURNAL RITESの叙情性を加えたような仕上がり・・・とでも申しましょうか?
加えて、このアルバムをスペシャルな地位へと押し上げているのが、聴き手の琴線を揺さぶりまくるメロディの組み立ての巧さ。殊に、痒いところに手の届く歌メロの魅力には辛抱堪らんものがあり、③⑦⑧⑨⑩といった楽曲における劇的なメロディ展開の連続には、思わず風呂上りに冷えたビール飲んだ時のような「っかぁー!」ってな悶絶声が漏れてしまいますよ。
当然それ以外にも捨て曲・埋め曲の類は見当たらず、何より、パワー/スピード/メロディという「HM三種の神器」を併せ持つ⑤は、全国津々浦々のメロパワ・メタル愛好家を感涙に咽ばせるレベルの名曲。これほど強力なアルバムの日本盤が、レコード会社曰く「悲しくなるぐらい売れなかった」とは・・・。


LONGINUS - World - No Fate ★★★ (2015-02-20 23:53:27)

昭和の熱血ロボット・アニメの主題歌ばりの
熱さで駆け抜ける、アルバムのハイライト・ナンバー。
「熱唱」との表現がぴたりハマるシンガーの歌唱、
勇ましさと表裏一体の哀愁漂うGソロも胸に響きます。


LONGINUS - World - バリバリ軒のうた ★★★ (2015-02-20 23:48:44)

恋愛アドベンチャー・ゲームの挿入歌らしく、
タイトルや歌詞はコミック・ソング風ですが、
だからと言って舐めてかかると、
特濃スープで火傷間違いなしの
キャッチー且つストロングなHMナンバー。
バ!バ!バ!バリバリ! 


LONGINUS - World ★★★ (2015-02-19 23:48:05)

「ANTHEMファンなら聴いて損なし」との評価にずっと気になってたLONGINUSの2nd『WORLD』('13年)を漸く購入。で、これが噂に違わぬ快作でしたよ。
頑健なリフを刻み、熱き血潮迸るソロを奏でるGと、走るにせよ歩むにせよ、地に足を踏ん張って、頭振るのに丁度良いテンポを維持するリズム・セクションが、歌謡曲に通じる哀愁のメロディ羽織って突き進む、思わず「夕焼けの土手に佇む番長」の姿を幻視する鋼鉄サウンドは、前評判通り『BOUND TO BREAK』を発表した頃のANTHEMを彷彿。
これを猛烈に後押しするのが、太く明瞭な発声で劇画チックなメロディを堂々歌い上げるシンガーの存在。勇ましさと哀愁が交錯する疾走ナンバー①④⑩や、Keyも交えて重厚且つメロディアスに迫り来る⑤等は、口先で歌うのではなく、腹の底から熱い塊を吐き出すような彼の熱唱が映える映える。中でも、身の内で燻るメタル魂にガソリン注入される④は「ジャパニーズ・へヴィ・メタル斯くあるべし!」な名曲です。
・・・とか言いながら、個人的に本作で最も印象に残ったのは、(架空の)ラーメン屋バリバリ軒のテーマ曲⑪だったりして。タイトルや歌詞はコミック・ソング調ですが、中身は真性HMナンバー。舐めて掛かると火傷する特濃っぷりで、単なるボーナス・トラックの枠を超えて本編の良いアクセントになってくれています。
注釈一切無用、HM以外の何者でもないHMアルバムをお求めの諸兄にお薦めの1枚。


METROPOLIS - The Power of the Night ★★★ (2015-02-18 00:02:39)

母国カナダのミュージック・シーンにおいて殿堂入りを果たすシンガー/ソングライター、スタン・メイズナー(最近だとマイズナー表記)が、キム・ミッチェルとの活動で知られるピーター・フレデッド(Vo)と組んで立ち上げたニュー・プロジェクトの唯一作('00年)。
実のところプロジェクトとしての実体はなく、彼らが暇を見ては80年代からコツコツと作り溜めて来たものの発表する機会がなかった楽曲の蔵出し音源集らしいのですが、でもこれだけ出来が良ければ細かい経緯なぞどうでもいいよねと。
ポジティブなフィールに満ちた曲調に、仄かな哀愁入りメロディを振りかけた、実にカナディアンな(?)サウンドは、スタン・メイズナーのスタジオ・アルバムと同一路線を行くキャッチーに洗練されたポップ・ロック。歌だけピーターに任せ、それ以外は作曲/アレンジ/演奏/プロデュースまで一人でこなしてる点も同じ。重厚なプロダクション等、本作の方がちょっぴりHR/HM方面に寄せてる感じが無きにしも非ずですが、飽くまでほんの少し。
③⑤⑦⑪といったところを手始めに、心ニクイほどサウンドにフックを行き渡らせる、メロディ職人の曲作りの手腕の冴えに満腹な1枚であります。


ACID REIGN - Obnoxious ★★ (2015-02-16 23:30:24)

メイン・カラーがピンクという、スラッシュ・メタル・アルバムにあるまじき配色のアートワークを見た途端「こりゃアカン」と頭を抱えてしまった、'90年発表の3rdアルバム。しかも1曲目からミドル・チューンだよ、おい・・・。
というわけで当時はあまり良い印象を持てなかったのですが、殆ど十数年ぶりぐらいに聴き直してみれば、これが普通に良く出来たスラッシュ・アルバムに感じられ、おや?と。速度を落として展開を重視し、大作化に拍車の掛かった楽曲や、これまで以上にメロディを意識しているVo等からは、90年代に突入したスラッシュ・シーンの潮流の変化を感じないわけにはいきませんが、しかしながらミッド・テンポの①さえもテンション高く聴かせ切ってしまう、バンドの曲作り/パフォーマンスの熟達振りは大したもの。自殺した青年の日記を歌詞として抜粋するメランコリック且つ劇的な③なぞは、90年代だからこそ生み出し得た名曲と言えましょうや。
あと個人的に本作を語る上で忘れ難いのが⑤。ドン・コスカレリのカルト作『ファンタズム』を題材に、デビューEPの『サイコ』に続いて彼らのホラー映画愛が炸裂した逸品で、二部構成、10分に迫る長尺をアイデア満載で畳み掛ける本編のハイライト・ナンバーですよ。
(結果論なれど)これを最後に解散したACID REIGNの有終の美を飾った1枚でした。


CRISIX - The Menace - Brutal Gadget ★★ (2015-02-15 22:48:08)

ジム・キャリーの「マスク」が歌詞の元ネタかな。
基本はアゲアゲな高速スラッシュ・ナンバーですが、
思わず踊り出したくなるファニーなグルーヴが
良いアクセントとなっています。


CRISIX - The Menace - Ultra Thrash ★★★ (2015-02-15 22:43:58)

叙情イントロから爆走へと繋がっていくという
METALLICAの"FIGHT FIRE WITH FIRE”から
連綿受け継がれるスラッシュ・メタルの様式美を体現した
バンドの代表曲であり、決意表明でもある名曲。


ACID REIGN - The Fear ★★ (2015-02-15 11:37:09)

斜陽の時を迎えていた80年代末期の英国HR/HMシーンにおいて、独特の音楽性とコメディ方面に振り切ったライブ・パフォーマンスをもって「UNITED KINGDOM APPLE CORE」なるブランドを確立、人気を博したヨークシャー出身の5人組スラッシャー、'89年発表の1stフル・アルバム。ちなみにそのUK APPLE COREが何を意味しているのかは今もって不明。誰か教えて下さい。
アルバム・タイトルでもある『FEAR』をコンセプトに据え、デビューEP『MOSHKINSTEIN』の作風を引き継ぐ一方で、手っ屁からスタートする本編は(そうしたジョーク・センスも含めて)よりクロスオーバー・スラッシュ色を増強。緩急を意識しつつも全体的にスピード感の底上げが図られたサウンドを支えるのは、後にCATHEDRALに加入することになるマーク・ラムゼイ・ワートン(Ds)のドラミングで、彼がジャストなノリで叩き出す硬質なビートが、ツタツタと突っ走った時の気持ち良さにはクセになるものが有りますよ。
これといった決め曲には乏しい印象ですが、収録曲の粒は十分揃っていますし、ACID REIGN未体験のスラッシュ・メタル・ファンに入門盤としてお薦めするなら、やはり本作が最適でしょうかね。


HARMONY - Theater of Redemption ★★ (2015-02-14 00:20:26)

'08年屈指の名曲“INNER PEACE”でこっちに強烈なインパクトを焼き付けながらも、その後はとんと音沙汰がなかったマーカス・シグフリードソン(G)率いるHARMONYから、久々に届けられた新作アルバム。
前作では、その“INNER PEACE”1曲のみのゲスト参加に留まっていた元LOST HORIZONのダニエル・ハイメン(Vo)が今回は正式参加。全曲で自慢の強靭な喉を披露していることもトピックな本作ですが、音楽性の方は、これまでの疾走感溢れるネオクラ・パワー・メタル路線から若干の軌道修正有り。
全編を冷え冷えと彩るミスティックなメロディは健在なれど、スピードダウンした代わりにエピカルでプログレッシヴな大作感を強調した感じの楽曲は、昨今の欧州メタル・シーンの嗜好を踏まえた仕上がり。クラシカルな疾走チューン⑪が日本盤用ボーナス・トラック扱いなことからも、バンドの基本姿勢は明らか。
KAMELOT風味のエキゾチックなメロディが妖しげに踊る④、悲壮感の充満した曲調にダニエルの熱唱が映える⑤、バンドのテーマ曲とも言えなくもないキャッチーな⑩等、この路線の楽曲もそれはそれで魅力的なのですが、今回は“INNER PEACE”級の決め手には欠ける印象。前作でアレンジの肝となっていた、指先から零れ落ちていくようなピアノの美旋律が殆ど聴かれなくなってしまったことも、その感じてしまう要因かなぁと。質は十二分に高いんですけどね。


CRISIX - The Menace ★★★ (2015-02-12 23:22:07)

2nd『RISE・・・THEN REST』の出来の良さに感心し、遡って購入した'11年発表のデビュー作。
タイトな演奏、シャープな切れ味、カラッと歯切れの良い疾走感とが小細工無用で畳み掛ける、これまたULTRA FUCKIN' THRASHな会心作で、敢えて次作との相違点を挙げるならば、こっちの方が(デビュー作ゆえ)前のめりな勢いが先行気味で、プロダクションもラフ。あとIRON MAIDEN由来の劇的なツイン・リードGも控えめかな?と。
尤も裏を返せば、このジャンルの基本により忠実な作風とも言えるわけで、馬鹿騒ぎするメンバーの写真をコラージュしまくったブックレットも「スラッシュ・メタルあるある」で微笑ましい1枚であります。
叙情インスト①を助走に大跳躍するバンドの代表曲②や、③⑦⑪といったキレキレの高速スラッシュ・ナンバーを基軸に、正統派HM的ドラマ性も携えた⑤⑪、ノリノリで躍動する⑧、次々に展開していく⑨といった楽曲で巧みに起伏の作り出された本編(メロディックなリードGが華を添えます)は、60分オーバーという長尺にも関わらず、殆ど中弛みを感じさせません。まぁ、収録時間はもっと絞り込むべきだと個人的には思いますけども。ともあれ、この曲作りの上手さは素直に賞賛されて然るべきですよ。
スラッシャーなら「2ndより好き」という人がいても全く不思議ではない充実作。


ACID REIGN - The Fear / Moshkinstein ★★★ (2015-02-11 09:35:36)

ハワード・H・スミス(Vo)は後にスタンダップ・コメディアンに転身、更にギャリー“ギャズ”ジェニングス(G)、アダム・レハン(G)、マーク・ラムゼイ・ワートン(Ds)らがCATHEDRAL結成に参画する等、数奇な経歴を辿ったことで知られる英国のスラッシュ・メタル・バンド、'88年発表のデビューEP。(タイトルはモッシュ+フランケンシュタインの造語か)
ハードコア上がりのバンドですが、クロスオーバー・スラッシュの匂いは微々たるもの。Gはメタリックに弾きまくってますし、展開の持ち込まれた収録楽曲の尺も長め(この手の音にしては)。何せインスト曲③まで演ってるぐらいのもので、あえてその手の要素を探すなら歪んだBサウンドぐらいのもんかなぁ?と。あ、ブリブリ鳴りまくるのB主導で突っ走る⑥は痛快な名曲ですよ。
初めて聴いた時は、青臭いVoと、デビュー作にしちゃ覇気に欠けるサウンドにあまり感心しなかったのですが、時を経てリトライしてみれば、英国産スラッシュ・メタルの滋味がじわじわ浸透。特に、映画『サイコ』にオマージュを捧げた④は、スラッシーな攻撃性と、Keyまで取り入れた怪奇な雰囲気とが一体となって突進する、このバンドの風変わりな個性が刻印された逸品ではないかと。
6曲収録と言えども、聴き終えた後の満足度はかなり高め。個人的にACID REIGNのカタログの中ではこれが一押し。


BATTLE BEAST - Unholy Savior ★★ (2015-02-09 23:54:22)

LOUD PARKでのライブ・パフォーマンスが絶賛され、ぐっと評価が高まっている絶好のタイミングでリリースされた3rdアルバム。
国内盤の解説を山崎智之氏が担当していて「我々のBATTLE BEASTが~」とか熱筆を振るってるのを読むと、この手の音を茶化してたBURRN!!誌時代からの変貌振りに、一体どういう心境の変化だ?と思わず首を捻りたくなる・・・という私的心象はどうでもいいとして。肝心の本作、相変わらず良く出来ています。
冒険アニメの主題歌のような①、先行配信され賛否両論を呼んだダンサブルな⑤、それにバラードも複数曲収録する等、前2作に比べると「濃さ」を抑制した分、普遍性と分かり易さの拡充に努めて勝負に出た!との印象を強く受ける本作。これが思惑通りヒットに繋がるかどうかは現時点では未知数ですが、取り合えず前述の楽曲はどれも良く出来てます(ちょっと小粒だけど)。
②④⑩等、勇壮さ/しなやかなキャッチネス/Keyによる煌びやかなアレンジを伴うBATTLE BEAST節全開な楽曲も勿論健在で、それらを支えるのは、歌唱力もルックスも貫禄マシマシのノーラ・ロウヒモ嬢(嬢というか、もはやゴッド姐ちゃんクラスの佇まい)。本作はある意味、「前任者との比較」という呪縛から解き放たれて、より伸び伸びと多彩な表現力を駆使して歌いまくる彼女の歌声を味わう為のアルバム・・・と言えなくもないような?
それと今回も『ベルセルク』へのトリビュート・ソング④が収録されていて、これで3作連続。本当に好きなんだなぁと。三浦健太郎も折角こんなに熱心なファンが海外にいてくれるんだから、いつまでも休載してないで早く続きを描いてあげておくんなさい。


STAN MEISSNER - Undertow - I Don't Believe It's Over ★★ (2015-02-08 23:48:08)

穏やかに始まり、徐々に熱っぽく盛り上がっていく
2ndアルバム収録曲の中では比較的ロックしているナンバー。
印象的なフックを作り出すKeyが良い仕事してますよ。


STAN MEISSNER - Undertow - River of Fire ★★★ (2015-02-08 23:45:53)

ヒット・シングルとなったのも納得な
爽やかで洗練されたポップ・チューン。
伸びやかに全編を彩るサックスの音色が
非常に効果的。ラテン・ミュージック風の
リズム・ワークは、スタン・メイズナーが
ニュー・メキシコを旅行した時に思い付いた
アイデアが元になっているのだとか。


SAHARA(KOREA) - Self Ego - Until You Know Me ★★★ (2015-02-07 23:37:08)

2ndアルバムの終幕を飾る名バラード。
猛烈な泣きを発散するサビメロには
滂沱の涙誘われまくりで、そこに被さるピアノの旋律と、
後に続くGソロがこれまた泣ける。
韓国語の歌詞が気になる人もいるかもしれませんが、
個人的には母国語で歌ったからこそ
ここまでエモーショナルな仕上がりになったと思う次第。


SAHARA(KOREA) - Self Ego ★★★ (2015-02-07 23:18:43)

「ネオ・コリアン・ハード・ロックの旗手!」なる惹句を付けられて日本デビューを飾った韓国・仁川出身のKey奏者を含む5人組が、'97年に発表した2ndアルバム。
猛烈な哀愁を発散する「泣き声」の持ち主であるシンガーの歌唱と、複雑精緻な曲展開も澱みなくこなす高度な演奏技術を身に付けた楽器陣を基軸として、そこに韓国産らしい、濃い口の情念渦巻くメロディの味付けを加えた神秘的且つドラマティックなプログレ・メタル・サウンドは、時節柄、やっぱりDREAM THEATERからの影響は大。
クオリティの高さは認めつつも、個人的にはあまり入れ込むタイプの音じゃないのですが、にも関わらず長年本作を手放すことなく手元に置き続けて来たのは、本編ラストに鎮座まします名曲“UNTIL YOU KNOW ME”の絶大な存在感ゆえであります。入魂のハイトーンが胸を締め付けるシンガーの熱唱のみならず、Gもピアノも泣いて泣いて泣きまくる、いつ何時聴いても鼻の奥にツーンと来るこのソウルフル(韓国だけに・・・ってやかましいわ)な名バラードを聴くためだけにでも、本作は購入する価値があります。本当に。勿論プログレ・メタル好きなら尚のこと。
国内盤は既に廃盤になって久しいですが、中古盤なら3桁価格からの購入が可能ですので、泣きメロに目のない方は是非一度お試しあらんことを。


SAHARA(KOREA) (2015-02-07 23:14:29)


ドイツやアメリカのHMバンド・・・ではなくて、韓国は仁川にて結成された5人組。
未聴の1st『THE SEVEN YEARS OF DROUGHT』('93年)ではネオクラシカル路線のHRを演っていたそうですが、続く2nd『SELF EGO』('97年)ではDREAM THEATER影響下のプログレ・メタル・サウンドを披露。これが輸入盤市場で話題となり、後にテイチクから国内盤もリリースされ日本デビューを果たしている。
尚、その際の雑誌インタビューの受け答えにおける腰の低い好青年っぷりは、スウェーデンのTAD MOROSEに匹敵するものがあったとかなかったとか・・・。


SHEELA - BURNED DOWN - RENO ★★★ (2015-02-07 01:58:51)

これは本当に名曲。
あと数年早く発表されていたら
ヒット・チャートを賑わしてたって
不思議じゃなかったのですが・・・。
個人的にアルバム自体は期待していた方向性とは
異なったのですが、この名曲の哀愁っぷりには、
期待以上のものがありましたよ。


STAN MEISSNER - Undertow ★★★ (2015-02-05 23:26:09)

有名アーティストへの楽曲提供のみならず、自ら制作したソロ・アルバムも母国のヒット・チャート上位へ送り込んで数々の音楽賞を受賞する等、80年代から確固たるキャリアを築き上げて来たカナダ人シンガー/ソングライター、スタン・メイズナーが'92年に発表した3rdアルバム。
作詞/作曲/プロデュース/エンジニア/歌から楽器の演奏に至るまで、ほぼ独力でレコーディングされている本作において綴られるのは、お洒落でポップなメロディアス・ロック。HR/HMリスナーの耳には少々刺激不足やもしれませんが、聴いているだけで日々の疲れが癒されていくような収録曲の数々は、どれもこれもカナダの音楽シーン殿堂入りを果たす天才メロディ・メイカーの匠の技が堪能できる逸品揃いです。グレン・バートニック(STYX)との共作曲で、サックスをフィーチュアしたヒット・シングル②と、軽やかなKeyリフが曲調にフックを作り出す⑨なんて、メロディ愛好家に無差別でお薦めしたくなる哀愁の名曲ですよ。都会の夜を思わす洗練されたサウンドと、青を基調にまとめられたアートワークのマッチングの良さも秀逸。(本人はあまり気に入ってないようですが)
国内盤には『逆流』なる邦題、というか副題?が付けられてましたが、むしろ非常に心地良くスムーズに聴き通せる1枚ではないかと。


STAN MEISSNER (2015-02-05 23:24:27)

TVドラマや『13日の金曜日』等の映画サントラ、セリーヌ・ディオンにエディ・マネーといった有名アーティスト、メタル者的にはTRIUMPH、エリック・クラプトン、リー・アーロン、ALIASへのヒット曲の提供、更には自ら制作した3枚のソロ・アルバム――デビュー作『DANGEROUS GAMES』('83年)、母国のAORチャート年間第一位を獲得した大ヒット曲“ONE CHANCE”を収録する2nd『WINDOWS TO LIGHT』('86年)、現時点で最後のソロ作である3rd『UNDEWTOW』('92年)――もチャート上位へ送り込む、書いて良し歌って良しの売れっ子カナダ人シンガー/ソングライター。
ピーター・フレデッドとMETROPOLIS名義で制作した『THE POWER OF THE NIGHT』('00年)以外にこれといった音源を発表していないのが残念。


CRISIX - Rise... Then Rest - Rise…Then Rest ★★★ (2015-02-04 23:34:37)

アルバムのOPナンバーにして、
タイトな演奏が生み出す痛快な疾走感と
そこに勇壮な彩りを加えるIRON MAIDEN型ツインGの威力に
「これ聴いてアガらんスラッシャーはおらんでぇ!」
と、つい強弁したくなるルバムのハイライト・ソング。
ミドル・パートで醸成されるしなやかなグルーヴも気持ち良し。


CRISIX - Rise... Then Rest - Frieza the Tyrant ★★★ (2015-02-04 23:15:56)

フリーザ!フリーザ!カカロット!カカロット!
な「ドラゴンボール」トリビュート・ソング。
単純にスラッシュ・ソングとしても十分カッコイイですし
曲中で、番組のアバンでよく流れてたBGMのメロディを
再現する等、芸の細かいアレンジからも
「ああ、本当に好きなんだな」ということが伝わってきて
好感が持てますよ。


91 SUITE - Times They Change - Wings of Fire ★★★ (2015-02-03 23:34:04)

メロディの潤いとフックを失うことなく
よりハードさを増量するという試みが
ぴたりとハマった、2ndアルバムの魅力を
体現したかのような名曲。
コンパクトに締まったGソロからも
センスの良さが迸ってます。


91 SUITE - Times They Change - Hopes and Dreams ★★★ (2015-02-03 23:06:55)

アルバムでも1、2を争う秀曲。
涼やかな爽快感を湛えたサビメロが絶品で
スペインのバンドというよりも
北欧のバンドに通じる透明感も美しい。


CRISIX - Rise... Then Rest ★★★ (2015-02-02 21:45:23)

スペイン・バルセロナ出身の若き5人組スラッシャーが'13年に発表した2ndアルバム。
バンドの代表曲であり、決意表明でもある“ULTRA THRASH”を聴いて彼らに興味を持ち、折りよくリリースされた本作を購入。飾り気のないソリッドな音作りの下、高速Gリフ&リズム&ハイピッチVoがハキハキと畳み掛け、ツイン・リードGが劇的なメロディ・ワークでアクセントを加えるサウンドは、茶漉しで不純物を完全除去したかのような高純度スラッシュ・メタルっぷり。思わず顔も綻びますよ。
ついでに、アグレッシブでありながら陰に篭ったところがない、飲めや騒げやな陽性のノリの良さが支配的なのはお国柄かな?とも。
躍動感溢れるアッパーな突進力を前面に押したて、クライマックスでは2本のGがIRON MAIDENばりのドラマティックな絡みを披露してくれるOPナンバー①に血の沸かないスラッシャーはいないと思いますが、日本人的に気になるのは⑥。タイトルからも分かる通り『ドラゴンボール』の名悪役フリーザについて歌っていて、繰り返し聴いてるとだんだんVoの声が中尾隆聖っぽく聴こえて来る・・・こともなくはない。
次作で日本デビューを飾ってもおかしくない逸材っぷりが発揮された好盤です。


CRISIX (2015-02-02 21:43:40)

スペインの首都バルセロナを拠点に活動する5人組スラッシュ・メタル・バンド。
'08年、スラッシュ・メタルとコミックブックを愛する(『スポーン』『X-MEN』『ドラゴンボール』を題材に取り上げる歌詞から推察)メンバーらによって結成。元々はCRYSYSを名乗って活動をスタートするも、ゲーム会社CRYSISとの法的なトラブルを避けるために、今のバンド名へと改名。
'11年にKAIOWAS RECORDSから1st『THE MENACE』でデビュー。更に'13年に発表視した2nd『RISE・・・THEN REST』は日本の輸入盤市場でも好評を博した。


SANVOISEN - Exotic Ways - Under Permission ★★ (2015-01-31 11:01:35)

摩訶不思議な動きのするエキゾチックなメロディを
余裕を持って朗々歌い上げるシンガーの歌唱に
耳を奪われてしまう疾走系ナンバー。
ヴァゲリス・マラニスは、近年はスタジオでの裏方仕事が
メインのようですが、もう歌は唄ってないんでしょうかね。


SANVOISEN - Exotic Ways - Time Is Not ★★★ (2015-01-31 10:52:03)

RAINBOWの名曲“RAINBOW EYES”を思い出すバラード。
哀愁に満ちたメロディの素晴らしさも胸を打ちますが
何よりヴァゲリス・マラニスの歌唱が白眉。
濃厚な泣きを発散するハイトーンVoにゃ涙目にならざるを得ませんて。


91 SUITE - Times They Change ★★★ (2015-01-30 23:47:15)

廃盤の1stがプレミア価格で取引される等、メロハー愛好家の間で根強い人気を誇るスペインの5人組が'05年に残した2ndアルバムにして最終作。
日本盤こそ出ませんでしたが(当時の所属レーベルが国外での活動に協力的でなかったせいだとか)、ドメスティックな色合いよりも、むしろ北欧のバンドに通じる透明感と哀愁が美味しいメロディック・ロック・サウンドは、変わらぬ品質の高さを提示。
美しい序曲①の余韻を、ハードなGの調べが覆す②のカマしっぷりが物語る通り、今回はGの存在感をグッと強調。全体のハードネスの底上げを図ると共に、この手のアルバムにありがちな弱点「メリハリ不足」解消に着手しています。それでいてメロディは大味に堕することなくしっかりと潤いを保持。で、またギタリストのイヴァン・ゴンザレスが良いソロを弾くんですよ。彼のコンパクトに練り上げられたGソロは、ヘスス・エスピンの甘くエモーショナルな歌声と共に、間違いなく本編のハイライト。
南欧出身とは思えぬ憂いに満ちた②から、フラッシーなGソロが駆け巡る⑤、心洗われるような清涼感が溢れ出す⑧、哀メロとハードネスが会心の融合をみた⑩といった名曲が要所に配置され、全14曲収録というボリューミーな内容にも関わらず中弛み一切なしの力作。BURRN!!の藤木記者が1stより高評価したって話も「確かに」な1枚ですね。


THE BRAVE - Battle Cries - Running All My Life ★★★ (2015-01-29 22:20:15)

アメリカン・ロックらしいヴァースから始まって、
哀愁が滲むコーラス~ブリッジにかけて
盛り上がっていくタイプの楽曲が多い本編にあって、
この曲は冒頭から哀愁と泣きに満ち溢れています。
でまた、哀愁を増幅するクラウス・マイネ似の
声質のシンガーの熱唱が大変素晴らしいのですよ。


THE BRAVE - Battle Cries ★★★ (2015-01-28 23:13:32)

LAを拠点に活動していたツインG編成の5人組が、プロデューサーにディノ&ジョンのエレファンテ兄弟、ミキサーにニール・カーノンを迎えて'92年に発表したデビュー作。
所属レーベルはPAKADERM、歌詞はバリバリのジーザス・クライスト賛歌・・・とくれば明らかな通りのクリスチャン・メタル・バンドで、演っているサウンドも、STRYPERが切り開いたメロディとハーモニーを最重要視するメロディック・ロック。グランジ/オルタナ旋風吹き荒れる当時のアメリカでは既に時代遅れ扱いされてた音ですが、クリスチャン・ミュージック・シーンという一種の特殊空間が、こうした80年代風味満点のサウンドを生き延びさせてくれたわけですね。
流石にSTRYPERほどの神々しさは備わっていませんけど、このバンドはとにかくサビメロ作りが上手い。例えばOPナンバー①なんて、ヴァースは土の薫りさえ漂って来そうな感じなのに、コーラス・パートからブリッジにかけてはぐっと哀愁が滲み、美麗なハーモニーと強力なフックに彩られたメロディが高いヒット・ポテンシャルを感じさせてくれる仕上がり。比較対象にクラウス・マイネが挙げられているシンガーの歌唱に聴き惚れる憂愁のバラード④は、取り分けインパクトを放つ名曲ですよ。
輸入盤市場での好評を受けて後にアルファから国内盤がリリースされたのも、このクオリティなら当然の話よな!な1枚。


THE BRAVE (2015-01-28 23:07:36)

テキサスからサクセスを夢見てロサンゼルスへ出て来たメンバーらによって、80年代半ばに結成されたクリスチャン・メタル・バンド。
元KANSASのジョン・エレファンテに見出され、PAKADERM RECORDSと契約を結び、'92年に1st『BATTLE CRIES』でデビュー。80年代風味満点のメロディックHRサウンドが好評を博し、同作は'93年に日本でもリリースされた。
しかし時は暗黒の90年代。この手の音のバンドが順調に活動できる筈もなく、時流を意識した感じの2nd『TRUST』リリース後にはシーンからフェードアウト・・・。
という文章を書くに当たって調べてみて、何とバンドが女性シンガーを迎えて再結成、'14年には3rd『RISE』を発表していると知って驚いた。ネット上で配信されている音源をちょっと聴きましたが、結構良い感じでしたよ。


DAMIEN THORNE - The Sign of the Jackal - Hell's Reign ★★★ (2015-01-27 22:38:59)

聴衆を煽りまくるニュルンベルク党大会での
ルドルフ・ヘスの演説からスタート。
ナチス・ドイツについて歌った歌詞に合わせて、
蠢くGリフと押し寄せるリズム、その中から
突き抜けて来るハイトーンVoが禍々しい空気を
醸成する、アルバム屈指の名曲ではないかと。


PANZER - Send Them All to Hell - Mr. Nobrain ★★ (2015-01-25 22:49:41)

挑発的な歌詞に反して、適度にノリの良い曲調と
合唱を誘うコーラスが印象的。
ドイツのバンドらしい「聴かせる」メロディアスな
Gソロも良い感じですよ。


PANZER - Send Them All to Hell - Death Knell ★★ (2015-01-25 22:37:41)

猛々しい迫力に満ちた曲調と
闘争心を煽り立てるメロディが
ジャケットに描かれた戦車の如く進撃する
アルバムのOPに相応しい疾走ナンバー。
これぞ独産鋼鉄サウンド。


EDWIN DARE - Cantbreakme ★★ (2015-01-25 22:25:31)

しれっと実家のCD棚に並んでたんだけど、果たしていつ購入したのか全く記憶が定かでない(そんなんばっか)、アメリカはオハイオ州出身の4人組が'96年に発表した2ndアルバム。
ソロ作も発表しているハイテク・ギタリスト、ジェフ・コールマンを頭に、ジェフ・テイト型ハイトーンを響かせるVoから、躍動感溢れるBラインを閃かせるケヴィン・チャウン(後にARTENSIONに参加)ら、メンバー全員がテクニシャン揃いな上にルックスもイケてる。しかも演ってる音楽が、当時アメリカでは死に体だったテクニカルな正統派HM・・・とくれば、スター性は十分(少なくとも日本では)。BURRN!!誌じゃ早くからカラーページにインタビューが載ったりもしたのですが、にも関わらず大きな成功を収めることが出来なかったのは、やっぱり楽曲(メロディ)のフックの弱さが原因だったかなぁ?と。
それでも、火の吹くような速弾きを炸裂させ、返す刀でムーディなフレーズも奏でてみせるジェフの流麗なGプレイは耳のご馳走ですし、各メンバーの達者なパフォームが角張った緊迫感を醸成する①③⑤⑨辺りは「ヴィタリ・クープリのいないARTENSION」みたいな味わいも有り。ラテン・フレーバーが隠し味のバラード④や、ファンキーなリズムと哀愁のメロディがギリギリのバランスで綱渡りしてるような⑧とかは、結構好きで繰り返し聴いてしまう佳曲なのですが・・・。
ARTENSIONとかCRIMSON GLORYとかがイケる方にトライして頂きたい1枚かな?


PANZER - Send Them All to Hell ★★ (2015-01-24 01:47:47)

DESTRUCTIONのシュミーア(Vo、B)と、ACCEPTのハーマン・フランク(G)、ステファン・シュヴァルツマン(Ds)という、ジャーマン・メタル・シーンのベテラン勢が鋼鉄合体したニュー・プロジェクト、PANZERのデビュー作。('14年発表)
スラッシュ・メタルとパワー・メタルのあいのこ的音楽性という、ファンがこの三者の顔合わせに期待する音が先ずはきっちりと押さえられている本作。但し、泥と硝煙に塗れて鈍い光を放つサウンドは、より剛直たらんとする姿勢が前面に押し出されているため、ACCEPTのメロディアスな側面や、DESTRUCTIONの狂性まではフォローされておらず。そのせいか少々地味・・・というか、聴き手の想定の範囲内に収まってしまっているようなもどかしさを覚えなくもない。贅沢な話ですが。
それでも、牙を失うことなく従来よりもメロディアスな歌唱を披露するシュミーアのVoと、ガッチガチに鍛え上げられたリフ&リズムの苛烈な絨毯爆撃が、闘争心を煽るメロディを纏って地響き立てて進撃する楽曲は、猛々しい疾走ナンバーから重厚なミッド・チューンまで、どれもまさしくバンド名「PANZER」な地で行く出来栄え。加えてキャッチーなノリの良さも兼ね備えて、リリック・ビデオも制作されたという⑥が個人的には特に気に入ったかな。
後は「このバンドならでは!」の代表曲を生み出すためにも、是非ともプロジェクトの継続をお願いしたいところであります。


PANZER (2015-01-24 01:39:24)

ACCEPTとしての活動の合間に、何か他にやれないものかと考えたハーマン・フランクとステファン・シュヴァルツマンが、DESTRUCTIONの首領にして古くからの友人のシュミーアに声をかけて取り合えず曲作りを行ってみたところ、これが思った以上の手応えがあり、プロジェクトは一気に本格始動。
NUCLEAR BLASTとも契約を結び、独HR/HMシーンのビッグ・プロジェクトとして期待感が高まる中、プロデュースはバンド自身が、ミキシングとマスタリングを元POLTERGEIST~現GURDのV.O.パルヴァーが担当する形でとんとん拍子でレコーディング。
期待を裏切らぬパワー・サウンドが託されたデビュー作『SEND THEM ALL TO HELL』は、満を持して'14年にリリースされた。


TYRANEX - Unable to Tame - Into Darkness ★★★ (2015-01-21 22:52:49)

アルバムのラストに、高速回転するドリルの如きGリフを
フィーチュアして、本編屈指のアグレッションを
撒き散らすファスト・チューンを持ってくる
攻めの姿勢に好印象。


TYRANEX - Unable to Tame - Invasion of Evil ★★★ (2015-01-21 22:44:26)

大仰なイントロだけで期待が高まりますが、
目まぐるしく回転するGリフと、せかせか疾走するリズム、
そして思わず一緒に叫びたくなるキャッチーなコーラスと
このバンドの旨みが凝縮されている逸曲。
ツインGのキメのフレーズ等はIRON MAIDENからの
影響も垣間見えます。


TYRANEX - Unable to Tame ★★★ (2015-01-20 21:48:21)

女スラッシャー、リネア・ランドステッド(Vo、G)率いるスウェーデンのバンドが'14年に発表した2ndアルバム。
そのリネア嬢。「有無を言わせぬ迫力で聴き手を捻じ伏せる」っつーよりは「一生懸命頑張ってんなぁ」と微笑ましさが先立つVoはまだまだ発展途上な印象ですが(伸びしろは十分)、クリエイトする楽曲に関しては、既に並の野郎じゃ太刀打ち出来ない才能が迸りまくってます。
めまぐるしく回転して、行く手を遮るあらゆるモノに風穴を開けんとするドリルの如きGリフと、スウェディッシュ・デス色皆無で突っ走るドライで高機動のリズム・ワーク。これらを組み合わせ、そこに初期IRON MAIDENからの影響を振りかけた感じの好戦的でササクレたサウンドは、アメリカのSENTINEL BEAST辺りを思い出す、スピード・メタルとスラッシュ・メタルの中間を行くスタイル。
切り裂くように吹き荒れるリフとリズムとヒステリカルなハイピッチVo。荒っぽいだけでなく、一緒に叫びたくなるキャッチーさも有したコーラスが挑発的に突貫するラスト3曲は特に出色の出来栄え。
30分台と、この手のアルバムに相応しい潔さでまとめられた本編を象徴するその名曲っぷりに、スラッシュ・メタル・ファンとしちゃ胸を熱くせずにはいられませんよ。有望株。


TYRANEX (2015-01-20 21:46:46)

女性メンバーを擁するスラッシュ・メタル・バンドも然程珍しくなくなった昨今、スウェーデンはストックホルムから日本デビューを飾ったリネア・ランドステッド率いるTYRANEXも、そうした有望株の一つ。
結成は'05年。流動的なメンバー・チェンジに、デモ音源の制作からライブ活動まで、新人バンドのお約束メニューを一通りこなした後、'11年にフランスのINFERNO RECORDSから1st『EXTERMINATION HAS BEGUN』でデビューを飾る。
本邦見参作ともなった『UNABLE TO TAME』は通産2枚目のフル・アルバムで、こちらはスウェーデンのBLACK LODGE RECORDSからリリースされている。(国内盤はスピリチュアル・ビーストから発売)


NOZOMU WAKAI'S DESTINIA - Requiem for a Scream ★★★ (2015-01-18 18:49:37)

レコード会社に豪華なゲストをお膳立てして貰った新人ギタリストのデビュー作・・・かと思いきや、ゲスト陣は自身で培ってきた人脈の賜物だという、確かな経験とキャリアを誇るミュージシャン、若井望(G)主導プロジェクトのデビュー作。
ギタリストとしての実力の程は「再結成BLIZARDに松川敏也の代役として抜擢された」というエピソードからも明白。ソロ・アルバムだとしても無駄にしゃしゃらず、プロデューサー的視点とアンサンブル重視の姿勢を貫き、それでいて印象的なメロディを豊かに紡ぎ出す華とテクを併せ持ったGプレイは、自然とサウンドの中から浮上して眩い輝きを放ちます。
そんな彼氏がクリエイトする楽曲がまた、往年のジャパメタ・テイストを濃厚に受け継いでて(当人的にも拘りがあるご様子)、こちとら琴線揺さぶられまくりですよ。良い意味で予想通りに展開してくれる歌メロとかね。
ビシバシとタイトな演奏を叩き込むリズム隊の援護射撃の下、ロブ・ロックの灼熱ボイスを乗せてアルバム表題曲に相応しい存在感とパワフルさで迫り来る①、様式美HMの権化の如き曲調と、この手の楽曲とは縁のなかった森川之雄の組み合わせが新鮮な②、そして凛として響き渡る小野正利のハイトーンが楽曲の突き抜け感を増幅する③という冒頭三連打の名曲っぷりが証明する通りの、充実の完成度にぐうの音も出ない1枚。
これからの活動に大いに期待致します。