'87年発表の4th『V』の中から4曲に、ゲイリー・ムーアやCHEAP TRICKとの仕事で知られるエンジニア、イアン・テイラーの手によるミックスを施し同年クリスマスに発表されたミニ・アルバム。ちなみにリーダー・トラックであるジョン・ウェット提供の名曲“DON’T LEAVE ME NOW”はロング・バージョンとリミックス・バージョンの2種を、“DON’T TELL ME LIE”はロング・バージョンを、“CRY NO MORE”と“BREAK OUT”はリミックス・バージョンをそれぞれ収録する全5曲構成。 楽曲の素晴らしさに関してはアルバム『V』の項目をご参照頂くとして、本作と『V』を熱心に聴き比べたことがないため、イントロからして明らかに変わっている“DON’T LEAVE~”以外は、アルバム・バージョンとの差異は正直「分かったような分からないような」レベルの不届き者なのですが、とりあえず全体的に厚見玲衣のKeyサウンドが前面に出て、よりゴージャス感を強調した音作りが目指されていることは流石に伝わりました。逆に今聴くと80年代然としたプロダクションに時代を感じてしまう気も…いやいや。この辺は聴く人の趣味嗜好の問題でしょう。 いわゆる「ファン・アイテム」であり、既に『V』を持ってる人がわざわざ購入する必要がある作品かどうかは微妙なところですが、優れた楽曲を超人揃いのメンバーが全力でパフォームしているのですから、質の高さは保証できる1枚なのは間違いありません。
'07年発表の2nd『CEASE FIRE SAVE YOUR ROUNDS』以来、音沙汰がなかった愛知出身の4人組が、久々にリリースした3曲入りシングル(’18年発表)。ディスクユニオンで買ったら特典として2曲の未発表曲入りCD-Rが付いてきたので、実質5曲入りEPと言えなくもないか? 『CEASE~』は、全7曲で収録時間が20分弱と、かなりクロスオーバー・スラッシュ方面にはっちゃけた内容だったと記憶しておりますが、本作も一発録りっぽいラフな音質といい、Gリフのササクレ感や、突っ走った時に放たれるアグレッションといい、ジャンルとしては間違いなくスラッシュ・メタルで括れるサウンド。ただ、男臭い発声のVoがメロディを追っかけ(OUTRAGEの橋本直樹と似たタイプ)、時にMOTORHEADに通じる埃っぽさを身に纏わせた楽曲はパワー・メタル…というよりも、80年代初頭のスラッシュ・メタル誕生数歩手前のHM的な感触も有り。 また、勢いに任せてガムシャラに畳み掛けるのではなく、曲によってはプログレ・メタルばりの緩急を仕込んだ曲展開や、適度に隙間を活かしたリフ&リズムの組み立てで抜けの良さを演出したりする手腕、それでいてあれこれ詰め込み過ぎてとっ散らかった印象はなく、それらがちゃんとバンドの個性として消化されている辺りは流石キャリアの長いバンドだけのことはあるなぁと。 継続的な活動と、ニュー・アルバムの発表への期待を高めずにはいられない1枚。
楽曲の題材選びから、全身に血塗れメイキャップを施したメンバーの扮装まで、「ホラー・スラッシュ」を標榜するスウェーデンの5人組が'17年に発表した5thアルバム。 キレッキレなGリフ、機動力に富むリズム、メロディも追えるハイピッチVoという、抜群の安定感を誇るパフォーマンスがスクラムを組み、ランニング・タイム2~3分台とタイトにまとめ上げられた高速ナンバーが次から次へと畳み掛ける、速戦即決のスラッシュ・メタル…という基本スタイルは勿論継続。但しGソロが殆ど聴かれなかったり、前作『4:RISE OF THE MOSHERS』に比べるとややクロスオーバー方面に揺り戻されている感有り。 ヘドバンに興じてるうちにアッという間に聴き終っているという、頭よりも体で楽しむタイプの作品であり、1曲1曲のインパクトはそれほどでもない…かと思いきや。歌詞のテーマに『バーニング』『13日の金曜日PARTⅡ』『ローズマリー』『ゾンビ3』etc.といった1981年に撮られたホラー映画の名作(もしくはポンコツだけど愛される迷作)を取り上げることで、各曲のキャラ立ちを明快にしてしまうという仕掛け。ジャンル映画ファン的には、『バーニング』のバンボロって誰だよ?とか、『ローズマリー』のトム・サヴィーニの殺人芸術は見事だったなとか、思わず1曲毎に語りたくなってしまいますよ。楽曲的には、アルバム全体のテーマ曲でもある①、炸裂感に溢れたサビメロにアガる④、「キ・キ・キ…マ・マ・マ…」コーラスまで組み込んだ⑤、歌えるVoが活かされた⑧、歌詞的にも曲調的にも見事にハマったDEATHのカヴァー⑮辺りのカッコ良さが特に印象的。 次はもうちょい早いペースで出してね、と思わずお願いしたくなる充実作です。
BAD COMPANYを解散させたポール・ロジャースと、LED ZEPPELINを解散させたジミー・ペイジのご両人が、多発性硬化症を患うロニー・レーン(元FACES)のために開催されたベネフィット・コンサートを切っ掛けに意気投合。その後立ち上げたTHE FIRMが’86年に発表した2ndアルバムにしてラスト作となったのがこちら。 ペイジが弾き、ロジャースが歌う…こいつぁ凄いことになりそうな予感!とパンパンに膨らんだファンの期待を他所に、デビュー作で提示されたのはZEP色の薄い、シンプルで飾り気のないブルーズ・ロック。バブルに浮かれる80年代真っ盛りのロック・シーンにおいては、「地味」「期待外れ」と芳しい評価を得られなかったと聞き及びますが、後追いリスナーな上に、そもそもZEPには殆ど思い入れがないボンクラゆえ(BAD COMPANYは大好きなのですが)「ポール・ロジャースの上手い歌が聴ければいいか」ぐらいの過度な期待をせずに購入したことが奏功したのか、本作も十分楽しむことが出来ましたよ。 特にメロウに揺らめくヒット・チューン③や、後半から踊り出すピアノがバドカンの名曲“RUN WITH THE PACK”を思い起こさせる④といった、ブリティッシュ・ロックならではの哀愁と、ロジャース先生絶品の歌唱が堪能できる楽曲はバッチグー。また草原を吹き抜ける一陣のそよ風の如き⑩におけるペイジ御大のGプレイも実に味わい深く美味。 音質やアレンジ面を含め、同時代のヒット作に比べると圧倒的に華のない作風ではありますが、お陰で今聴き直しても時代性を意識せずに楽しむことができるという、ある意味タイムレスな魅力を持った(?)1枚ではないかと。
ドイツはブレーメン出身の5人組、’97年発表の3rdアルバム。1st『TASTE IT』(’92年)を雑誌の輸入盤レビューで見かけバンドの存在自体は知っていましたが、音までは聴いたことがなく、ましてや彼らが日本デビューまで飾っていたなんて全然知りませんでしたよ。 ここに託されているのは、武骨で勇壮、とてもPANTERA症候群が世界的に蔓延していた90年代後半の作品とは思えぬ、トゥー・マッチ・ピュアなパワーメタル・サウンド。独産でパワーメタルというと即座にHELLOWEEN型が連想されますが、本作の主たる影響源はACCEPTとIRON MAIDEN。ウド・ダークシュナイダーによく似たVoの金属質なシャウトや、雄々しいバンカラ・コーラス、屈強なリフとリズムのコンビネーション等、特にACCEPTからの影響は色濃く、OPナンバー①の歌詞に“RESTLESS AND WILD”なんてフレーズが登場したり、民謡調のメロディを奏でるGソロを伴いパワフルに突っ走る②が“FAST AS A SHARK”風だったりと、バンド側もその辺には自覚的なのではないかと。 ハキハキとキャッチーに駆け抜ける③、緩急を効かせた④、テーマ・メロディが耳に残る⑥のようなメイデン型の楽曲のカッコ良さもイイですし、静と動の対比がドラマティックな⑤、女性ファンをウットリさせるよりムサ苦しい野郎共に涙を流させるバラード⑦、ツインGの泣きっぷりにグッと来る⑫…と、「これぞHM!」な楽曲が目白押しの本編を聴くと、Voにもうちょいパワーが欲しいなんて些細な注文はどうでもよくなるってもんです。 思わずネットで探して帯付の中古盤を買い直してしまうぐらい、出来の良さに感心させられた1枚。もっと早くこの連中のことを知っていれば応援できたのになぁ。
その昔、帯付の中古盤が安く売られていたので「ビクターが出してるし、ジャーマン・メタルかな」ぐらいのテキトーな認識で購入してみたら、聴いて吃驚。思わぬ完成度の高さに瞠目させられた1枚であります。尚CHROME MOLLYはドイツではなくイギリス北西部レスター出身。本作は’88年発表の3rdアルバム…ではなく、解説によればメジャー・デビュー用に1st『YOU CAN'T HAVE IT ALL…OR CAN YOU?』(’85年)収録曲の幾つかにリミックスを施し、そこに未発表曲を加えて再構成した特別編集盤とのこと。 音楽性は一言で言えばポップ・メタル。ただ本場アメリカの芯からネアカなその手のバンドに比べると、こちらはやはり英国産。溌剌とハジけきれていないというか、いまいち垢抜けない印象で、雑誌では「どっちつかず」「中途半端」と酷評されていましたっけ。ただ今にして思うのは寧ろ、その洗練され過ぎないどっちつかずな部分こそが、このバンドならではの個性だったのではないか?と。ハーモニー重視のアメリカンなポップ・メタル・テイストと、ブリティッシュHM然とした湿ったメロディやハードネスの融合という試みが、本作では結構上手く機能しているんですよ。ピアノの瀟洒な味付けが効果的な②、愁いを帯びたメロディが駆け抜ける⑤、キャッチーなんだけど明るくはなりきれない⑨、ドラマティックなバラード⑩等、噛めば噛むほど旨み成分が染み出してくる楽曲が本編には揃っていて、中でもメタリックに刻まれるGリフが、透明感を湛えた哀メロと共に疾走する②はほんのりNWOBHMの薫りも漂ってくるCHORME MOLLY屈指の名曲。 この文章を書くにあたって久し振りに聴き直してみて、オランダのHELLOISEに通じる魅力を感じた次第。Voの歌い回しや声質がどことなく似ているせいかな?
ジェフ・ウォーターズ自身が担当する国内盤解説を読み「最初期ANNIHILATORの雰囲気がある作品」とのお言葉に、聴く前から期待値がMAXまで跳ね上がった'17年発表の新作。 何せ1曲目のイントロからして“ALICE IN HELL”風でニヤリとさせられますし、以降もスラッシュ・メタル然とした突撃ナンバーあり、抒情バラードあり、シアトリカルな曲展開を有する楽曲あり…と、本編は非常にバラエティに豊んだ仕上がり。原点回帰が志向されたサウンドの中を水を得た魚の如く縦横無尽に泳ぎ回り、聴き手の情緒を不安定する、美しくも不穏なアルペジオを巧みに織り交ぜたジェフの高速Gプレイも、唯一無二のセンスを携えて益々冴え渡っていますよ。 イントロの一捻りから激烈な突進へ転じる①、美しいメロディと凄惨な歌詞の歪んだコントラストが秀逸な④、本編ハイライトに推したい劇的な疾走曲⑦、“BRAIN DANCE”タイプのトリッキーな⑩等、なるほど確かに収録曲は初期3作を思わせる要素が確信的に散りばめられているのですが、ジェフ自らマイクを取るVoの声質がダークなため、作品全体も仄暗い色合いが強まって聴こえるという点では、本作に一番近いのは4th『KING OF KILL』じゃなかろうかと。彼のシンガーとしての力量に不足はないものの、今作の場合はもうちょい声質にエキセントリックな「色」のついたシンガーが歌った方が、楽曲が持つ豊かな色彩をより活かせたのではないかなー?と思ったり思わなかったり。 …等となまじ出来が良いだけに重箱の隅を突きたくなりますが、近年屈指の力作であることは間違いない1枚。ただ「不振を完全払拭」という国内盤帯の惹句はバンドに失礼じゃないかね、君ィ。
デビュー以来破竹の快進撃を続けて来たEARTHSHAKERが、国産HR/HMバンドとして初めて日本武道館という檜舞台で行ったライブの模様を収めた’86年発表の実況録音盤。メジャー・デビューから僅か3年足らずで武道館に辿り着いてしまったのですから、当時の彼らにどんだけ勢いがあったか分かろうというものですよ。ちなみに以前のCDは容量の関係上数曲カットされてしまっていましたが、現行バージョンはLPに準じた2枚組仕様に戻っていますので、安心してお買い求め下さい。 収録曲は永川敏郎(Key)が正式メンバーとして加入し、音楽性が拡散し始める5th『OVERRUN』以前の初期4作からチョイス。つまり「哀愁のメロディ」と「独特の歌詞世界」とを大切にした歌謡HRチューンばかりがセットリストに並ぶ上に、シンフォニックなOP序曲に導かれて、のっけから劇的に炸裂するのが名曲中の名曲“MORE”ですよ。そりゃあーた、ハートを鷲掴まれないわけがない。 以降も、大合唱を巻き起こす“RADIO MAGIC”“COME ONE”を始め、個人的に愛して止まない“THE NIGHT WE HAD”や、今にもチャイコフスキーの“序曲1812”が聴こえてきそうな(?)工藤義弘のドラム・ソロを組み込んだ“流れた赤い血はなぜ!”から“記憶の中”に“FUGITIVE”まで、名曲・代表曲の数々が目白押し。これらを聴くと、西田昌史のVoにしろ石原慎一郎のGにしろ、一音一音に「歌心」を込めるバンドの姿勢が、ライブという場であっても全くブレていないことがビンビンに伝わって来ますよ。 EARTHSHAKER入門盤として下手なベスト盤に手を出すぐらいなら、まず本作をどうぞ。
これまで未発表だったデモ音源やライブ映像、それに現在では入手困難なEXPLOTION RECORDS発のオムニバス盤『HEAVY METAL FORCE』に提供した楽曲等を、蔵から引っ張り出して来て柴田直人(B)監修のもと取りまとめた、CD2枚・DVD1枚からなる正に『OFFICIAL BOOTLEG』の名に相応しい作品。この手の高価なBOXセットは、資料価値に釣られて大枚はたいて購入するも、その行為自体に達成感を覚えてしまい、結局本編は大して聴かずに放置という本末転倒なことになりがちで、本作もしばらく棚で埃を被ってしまっていたのですが、EP『READY TO RIDE』の再発を切っ掛けに初期ANTHEMに対する情熱が再燃。ここ暫くは毎日のように聴いている次第で。 特にANTHEM初代フロントマンにして、ジャパメタ愛好家からは藤本泰司(G)率いるDANCERのシンガーとして有名な前田“トニー”敏仁が歌う“WARNING ACTION!”や“WILD ANTHEM”といった名曲や、完全未発表のDisk-B③④、更には中間英明(G)擁する編成でのライブDisk-A⑦⑧⑨まで聴けてしまうという大盤振る舞いは最大のトピック。これらに耳を傾けていて、自分の本作購入動機が上記楽曲群聴きたさだったことを今更思い出したぐらいですよ。トニーに関してはDANCER時代は「線の細いハイトーン・シンガー」との印象だったのですが、ここでのパワフルな歌いっぷりは柴田御大をして「エグイ」と言わしめるだけのことはあるな!と。余談ながら、彼が歌う“WILD ANTHEM”は何となくDANCERの名曲“BLUE FIRE”に通じるものがあるような、ないような? あと、できれば『HEAVY METAL FORCE』シリーズの再発も是非お願いしたいところであります。
バンド自身のプロデュースでレコーディング作業を行い’85年に発表された、初見時に思わず「ダサッ」と呟いてしまった若気の至り感溢れるジャケットと、レーベル面に印刷された《今やパワー・メタル全開!A面に針を落とした瞬間からもうインパクトの連続!成長したアンセムの怒涛のようなサウンドにメタルゾンビも逃げ出す!?》という昭和センス爆発のひょうきん(死語)な叩き文句が目印の5曲入りEP。 長らくCD化が待望され続けたレア・アイテムで、内容は福田洋也(G)のペンによるキャッチー&ワイルドな“READY TO RIDE”と、終盤に繰り出される扇情的なGフレーズにグッとくる疾走ナンバー“SHED”という2曲の新曲に、1st『ANTHEM』収録曲である“STEELER”“ROCK’N ROLL STARS”“LAY DOWN”の英詞バージョンを加えた全5曲からなる構成。新曲・既発曲共に若さ漲るパワー・メタル・ナンバーばかりで、今聴くとコーラスの軽さといい、音質のラフさといい、坂本英三のVoの青さといい、どうしたって微笑ましさが先立つ部分がありつつも、この火傷しそうな熱さ、空回り上等の前のめりな爆発力には、やはり問答無用でメタル魂に火を点けられてしまいますよ。 収録曲はどれも1stや2ndのリイシュー盤でボーナス・トラックとして聴けてしまうため、現在では音源としての貴重度はそれほどじゃないかもしれませんが、やはりファンとしちゃEP単品でちゃんと所持したかったところなので、今回のCD化はまさに快挙。ありがとう、ネクサス!
全米チャート最高18位、全英チャート最高7位にランクインしたファンキーな名曲“BLACK BETTY”(ジョニー・デップ主演映画『ブロウ』でも印象的な使われ方をしていました)のシングル・ヒットで知られるNYの4人組が、'78年に発表した2ndアルバム。 RAM JAMに関しては“BLACK BETTY”しか知らず、もしかして一発屋?ぐらいにさえ思っていたのですが、国内盤再発を機に本作にも手を出してみたら、いやいやいや、とんでもねぇ。HR/HMリスナーにとっちゃ寧ろこっちの方が重要作じゃねえか!という。 いかにも70年代HR然としたグルーヴを纏った、土の匂い漂わす豪快なロックンロールという基本的ノリは前作を踏襲しつつ、今回は楽曲がよりハード&タイトに引き締まっています。吼えるG、唸るB、轟くDs、その上でハスキー声で熱っぽく歌うVoとがダイナミックに交錯するサウンドは、曲によっては(⑥とか⑨とか)「これもう殆どHMじゃね?」と思わされることもしばしば。特に重厚な曲調に抒情的に奏でられるピアノがアクセントを加えるドラマティックな“TURNPIKE”と、RAINBOWの名曲“KILL THE KING”を埃っぽくしたような疾走ナンバー“HURRICANE RIDE”は、'78年にしてNWOBHMに先んじてしまった感溢れるアルバムのハイライトですよ。 現在は1st『RAM JAM』と2nd『PORTRAIT OF THE ARTIST AS A YOUNG RAM JAM』が2㏌1仕様の便利なベスト盤が安価で入手可能ですので(自分が買ったのもこれ)、そちらをどうぞ。代表曲“BLACK BETTY”や、後にジョーン・ジェットがカヴァーした“TOO BAD YOUR BIRTHDAY”とかもまとめて聴けちゃいますしね。
60年代に“GREEN TAMBOURINE”で全米№1の座を獲得したLEMON PIPERSのメンバーだったビル・バートレット(G)を中心にニューヨーク・シティで結成。 ’77年にシングル“BLACK BETTY”(レッドベリーのカヴァー)が全米チャート17位、全英チャート8位のヒットとなり、デビュー・アルバム『RAM JAM』も全米チャート34位にランクインというまずまずの成績を収める。 しかし、ジミー・サントロ(G)が曲作りの主導権を握り、よりハード且つメタリックなサウンドを聴かせるようになった2nd『PORTRAIT OF THE ARTIST AS A YOUNG RAM』(’78年)は、その出来栄えに反して全く鳴かず飛ばずで、バンドはその後間もなく解散。メンバー達も表舞台から姿を消している。