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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6901-7000

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6901-7000
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Мастер(Master) - Talk of the Devil - Heroes ★★★ (2012-01-02 23:06:49)

イントロの刻みを聴いただけで
「あ、こりゃ名曲だ」と思わせてくれる1曲。
吐き捨て型にタイプ・チェンジしたVoが
この曲ではメロディアスに歌っているので
パワー・メタル・テイストが強く感じられます。
劇的に絡み合う2本のGもカッコイイ。


Мастер(Master) - Talk of the Devil - Paranoid ★★★ (2012-01-02 23:09:02)

BLACK SABBATHの代表曲のカヴァー。
多分、欧米市場を意識して収録したと思われるが、
これが非常にハマッていてナイスな出来栄え。
原曲をテンポアップして正統派HM色を
増強したナイス・アレンジが堪能できます。


Мастер(Master) - Talk of the Devil - Talk of the Devil ★★★ (2012-01-02 22:58:55)

シンフォニックな序曲“INTRO GOLGOTHA”と
セットで楽しみたい高速スラッシュ・ナンバー。
ブルーワーカーでも使ったんかい?というぐらい
前2作にくらべると楽曲がビルドアップされていて、
吐き捨て型Voとリフ&リズムのコンビネーションは
『ARISE』を発表した頃のSEPULTURAを思わせます。


Мастер(Master) - Мастер ★★ (2011-12-27 07:22:05)

初期ARIAのメンバーが「もっとスピーディでアグレッシブなサウンドを追求したい」という欲求のもと結成したバンドの'88年発表のデビュー作。
IRON MAIDENやJUDAS PRIESTら西側バンドからの影響を衒いなくモロ出しにしつつ、刻み目の粗いGリフと畳み掛けるリズムが猛ラッシュを仕掛けてくる疾走曲に関しては、実際「スラッシュ版ARIA」といった趣きが強く感じられるのだが、Voはしっかりとメロディを歌っており、またARIA同様2本のGが豊かに紡ぐメロディが全編を劇的に彩っているため、例えば同郷のスラッシャーSHAH辺りと比べると、もっとずっとメロディアスでパワーメタル寄りの(聴き易い)サウンドがその持ち味。
と言うか本作に関しては「あれもこれも演りたい」という衝動が先走り過ぎて、メロパワ風味のエピック・ソングから、果てはアリーナ・ロック調のアンセムまであったりと(⑥はARIAのカヴァー)、やや焦点が絞り切れていない印象もあり。
それでも、アグレッシブに切り込んで来る①②③の冒頭三連打、そしてラストをシャープに〆る⑨等はこのバンドが秘めたポテンシャルの高さが如実に伝わるカッコイイ出来栄えだし、チャーチ・オルガンの冷厳な音色に導かれて始まるバラード⑤が醸し出す、クラシカルで荘厳な雰囲気なんて「これぞロシアン・メタル!」と思わず膝を打つ素晴しさですよ。


Мастер(Master) - Мастер - Мастер ★★★ (2011-12-27 22:35:50)

「俺達はこんなサウンドが演りてぇンだ!」
というメンバーの宣言でもある、
デビュー作のOPナンバーにしてバンドのテーマ・ソング。
チリチリのGリフにテンション高めのGソロが、
「スタスタ」という2ビートに乗って軽快に突っ走る、
ストレートなスラッシュ・ソングながら
どこか寒々しい雰囲気が伝わってくるのがこのバンドならでは。


Мастер(Master) - Мастер - Руки прочь ★★★ (2011-12-27 22:43:51)

曲名の読み方すら分かりませんが(3曲目です)、
これがどうして、アルバムのハイライト・ナンバーと言っても
過言ではない名曲なのです。
スラッシュと言うよりはパワー・メタル寄りの疾走ナンバーで、
朗々と歌うVo、シベリアの地に降り積もった雪を
踏み締めるようなザクザクとした質感のGリフ、
印象的なラインを刻むBの活躍っぷりがカッコイイっす。


Мастер(Master) - С петлёй на шее ★★★ (2011-12-29 00:37:36)

JUDAS PRIESTやIRON MAIDENといった先達からの影響を咀嚼し、タイト且つソリッドに引き締まった楽曲の数々が小気味良く疾走するサウンドは、正統派HMテイストも色濃かったデビュー作から格段にスラッシュ・メタル色が増強されている'89年発表の2ndアルバム。
一応英語タイトルも付けられてはいるものの、歌詞は相変わらず全編がロシア語で、歌詞カードを埋めるキリル文字はビタ一文読むことが出来ませんが、威勢の良いアグレッシブな音楽性と、巻き舌バリバリの勇壮なロシア語のマッチングは非常に良好で違和感は皆無・・・というか、この取り合わせの妙こそ彼らの重要な個性である!と断言しておきたい。
軽薄なドラム音(イヤフォンを通すと《ぽよ~ん》《ぽよ~ん》というマヌケな残響音が聴こえる)を筆頭に、貧相なサウンド・プロダクションは「嗚呼、ソ連製・・・」ってなもんですが、そうした弱点を差し引いても、冷気を孕んで冒頭からラストまでスピーディに畳み掛けて来る硬質な収録曲のカッコ良さにはテンションが上がるというもの。中でも、東欧バンド独特の哀愁を隠し味に、ファンファーレ調の導入部から激烈な疾走へと転じる⑤はMASTER屈指の名曲の一つ。
次作以降は、よりグローバルなサウンドへとその音楽性を変化させていく彼らだが、個人的にはこの頃の作風に最も郷愁をそそられるますね。


Мастер(Master) - С петлёй на шее ★★★ (2012-01-02 23:15:41)

東欧系のバンドを探す場合、
YAHOOオークションが便利かもしれないですよ。
そっち系に強いお店が商品を大量出品していて
安価での購入が可能です。

かくいう自分も、MASTERの4th以降のアルバムを
購入しようかどうか思案中なんですよね。


Мастер(Master) - С петлёй на шее - Hе хотим ★★★ (2011-12-30 00:45:33)

チリチリとした音色で刻まれるGリフに
畳み掛けるような疾走感と、
本編が格段にスラッシュ色を増したことを
告げるOPナンバー。
でもVoはちゃんと歌っているし、
ツインGの絡みもメロディックでドラマティック。


Мастер(Master) - С петлёй на шее - Боже, храни нашу злость ★★★ (2011-12-30 00:43:25)

インスト曲“WHEN I'LL DIE・・・”と、
ファンファーレ調のイントロを前置きに
疾走を開始するスピード・ナンバー。
勇ましくもどこか物悲しさが漂う
MASTER独特のパワー/スラッシュ・サウンドの
完成形を提示した名曲。
但しこの曲は特に音が悪い。(特にドラム)


下山 武徳 - The Power of Redemption ★★★ (2020-07-13 23:53:49)

'19年にアコースティック・ソロ『WAY OF LIFE』をリリースしたばかりのSABER TIGERの下山武徳が、今度はストレートなHMサウンドを追求した新作ソロ・アルバムを矢継ぎ早にリリース。但し、作曲までがっつり関わっていた『WAY~』に対し、本作では山本恭司(G)、山下正良(B)、横関敦(G)、本間大嗣(Ds)、島紀史(G)、SYU(G)ら、手練れのミュージシャン達をバックに起用し、シンガーとして楽曲を「歌う」ことに専念。例えるならばFRONITERS RECORDS方式(?)のソロ・アルバムに仕上がっています。
そうした作りに文句があるかと言えば、滅相もございません。尋常ならざる熱量迸る下山のパワフルな歌声の素晴らしさは言うに及ばず、収録曲はいずれも流石の完成度の高さ。中でもYUHKIが作曲しSYUがGを弾く「GALNERYUS with 下山武徳」の趣き漂う華麗なる疾走ナンバー①、EARTHSHAKAERの石原慎一郎のペンによるヘヴィでメロディアスな③、横関のGとYUHKIのピアノがドラマティックな曲調に華を添える⑤、タメの効いた盛り上がりっぷりが中村達也(BLINDMAN)らしい⑦、そして山本恭司との競演ゆえか、どことなく下山のディストーション・ボイスが人見元基っぽく聴こえる劇的な泣きの逸品⑨等は、参加メンバーそれぞれの持ち味がバチバチと化学反応を起こした、特に印象深い出来栄えを誇っています。ネオクラシカルな疾走ナンバーもあったりするのですが、そっち系は野太い声質のこの人にはハマらなかったなぁと。十分良い曲なんですけどね。
予算や時間的にかなり制限があったそうなので、本作が売れまくって、今後第2弾、第3弾…と実現していくことを切に期待する次第。


下山 武徳 - The Power of Redemption - Whisper in the Dark ★★★ (2020-07-14 23:45:07)

山本恭司作曲。イントロからGが咽び泣き、下山も情感たっぷりに歌い上げて
アルバムのフィナーレを劇的に飾るバラードの逸品。
バックを支える山本、山下昌良、本間大嗣という、ある意味ドリームチーム的
顔触れの演奏も文句なし。だんだん下山のVoが人見元基っぽく聴こえてきますよ。


加瀬竜哉 (2012-03-04 20:27:00)

加瀬さん、お亡くなりになられたようですね・・・。
『SISTER LEESA』は大好きな作品だったので、
もっとソロ・アルバムが聴いてみたかったなぁ。


加瀬竜哉 - Make It Shine Vol.1 - Cecilia ★★ (2008-05-20 00:27:43)

『SISTER LEEASA』の初回盤についてきた
カセット・テープに収録されている、哀愁のHRナンバー。
猛烈な「男泣き」を発散する坂本英三の歌唱が映える名曲で、
オムニバス・アルバム『MAKE IT SHINE VOL.1』でも
聴く事が出来るが、そちらはリミックス音源となっている。
これを書くに当たって、両者の違いを聴き比べてみようと
思ったんだけど、カセット・デッキがとうとう
ぶっ壊れてしまって、それも叶わず・・・。


加瀬竜哉 - Sister Leesa ★★ (2008-04-27 14:13:00)

マルチ・ミュージシャン 加瀬竜哉が、'92年に発表したソロ・アルバム。「インヴォルグのお店」繋がりか、
現ANTHEMの坂本英三が、ゲストVoとして全面参加しているの事が本作の「売り」の1つで、ANIMETAL始動前のこの時期、
タクシーの運ちゃんや、メガネドラック店員の職を転々とする等、セミ・リタイア状態(?)にあった彼の
灼熱の歌声が聴ける作品として、発表当時、個人的にかなり重宝した1枚でもある。
ANTHEM程へヴィ・メタリックな音楽性ではないものの、加瀬が作り出す楽曲の数々は、爽やかなポップ・チューン④、
哀愁を帯びたミディアム・テンポのHRナンバー⑤、ブルージーな⑥、柔和なバラード⑦、よく歌うGをフィーチュアした
ハーフ・インスト・ナンバー⑪・・・と、曲調はバラエティに富み、しかも強力なフックと哀メロ満載で聴き応え十分。
流石に、プロデューサーとしてもキャリアを積んでいる人物だけあって、Gのみが出しゃばり過ぎることなく、
全体のバランスと楽曲最優先の姿勢が貫かれた内容に、自己満足的な色合いは皆無。
坂本も作品のカラーに合わせてか、心持ちリラックスした感じの歌唱を披露していて、一方で、アルバムの幕開けを飾る
バリバリのHMチューン①においては、アグレッシブで雄々しいVoを披露する等、そのメリハリの効いた歌いっぷりは、
間違いなく、彼のキャリアのベスト・ワークの1つと言えるのでは。
ジャパメタ臭の希薄な、洗練された正統派HMアルバムに仕上がっているので、洋楽志向のリスナーにもお薦めできる1枚。
なお初回盤は、Tシャツと、ボーナス音源“CECILIA"を収録したカセット・テープが封入されたBOXセット仕様だった。


加瀬竜哉 - Sister Leesa - Magic ★★ (2008-04-29 22:43:25)

軽快に弾む曲調と、哀愁のメロディが見事にマッチした、
キャッチーなハード・ポップ・ナンバー。
リラックスした歌声を聴かせる坂本英三のVoと、
加瀬竜哉の曲作りの才能、両者の能力の幅広さを
きっちりと証明する名曲。


加瀬竜哉 - Sister Leesa - Rock the Planet ★★★ (2008-04-29 22:53:35)

個人的に、“THE SINNER OF LOVE"と並んで
アルバムのハイライト・チューンだと思っている
ミドル・テンポのHMナンバー。
流麗な加瀬のGプレイの素晴しさも然る事ながら、
やはりこの曲最大の聴き所は、憂いに満ちたメロディを
力強く歌い上げる、坂本英三の胸を焦がすかのような熱唱っぷり。
楽曲自体、ちょっとANTHMっぽい仕上がりのような?


加瀬竜哉 - Sister Leesa - Sister Leesa ★★ (2008-04-29 22:58:08)

加瀬竜哉がオール・インスト・アルバムを作っても、
必ずや傑作をモノにするであろう事を証明する、
本編ラストを締め括るハーフ・インストゥルメンタル・チューン。
坂本英三のVoがなくとも、加瀬のよく歌うGプレイが
しっかりとその不在を補っていて、全く物足りなさを覚えることはない。


加瀬竜哉 - Sister Leesa - The Sinner of Love ★★★ (2008-04-29 22:38:12)

アルバムのOPを飾るに相応しい、スピーディなHMナンバー。
スリリングなG、疾走するリズム、そして何より
雄々しい歌メロを堂々と歌いこなす、坂本英三の
灼熱のVoが素晴しいったらありゃしない。
やはり、この手の曲を歌わせたら、この人の右に出る者なし。
華麗にしてドラマティックなサビメロのカッコ良さも特筆モノで、
まさに、この曲のためだけにアルバムを買う価値がある名曲でしょう。


凱旋MARCH (2011-07-23 23:23:07)

BRAVE BOMBERの作品をCD化して欲しい・・・。


凱旋MARCH - 大行進 ★★★ (2019-03-24 21:35:49)

雑誌等でデモテープが高評価を得ていたにも関わらず、メンバーの脱退が相次ぎ解散を余儀なくされたBRAVE BOMBER。「音を聴いてみたかった…」と残念がってたら、リーダーの齋藤正寿(Vo)を中心に新たに凱旋MARCHとしてリ・スタートを切ってくれました。本作はデビューEP(’98年)に続き、'03年に満を持して発表された1stアルバム。
音楽性は齋藤の野太く男臭いVoを軸に、好戦的且つパワフルに刻まれるリフ&リズム、重厚な地響きコーラスとが火の玉となって突き進む非常にオス度の高いパワー・メタル。昔ならACCEPTや2nd~3rd期のMANOWAR、今だったらエピック・バトル・メタル勢を引き合いに出して語りたくなるスタイルなれど、それを軍歌風味で料理してみせたのが、欧米のバンドとは異なる凱旋MARCHならではの強烈な個性になっています。
勇壮な曲調やメロディから「軍歌メタル」とも評された…と書くと、イデオロギー論争喧しい昨今「右翼バンドなの?」と誤解されそうですが、本作において彼らが歌い上げているのは他者への攻撃等ではなく、ストイックに己を律し聴く者を鼓舞せんとする応援団的姿勢。「軍歌メタル」というカテゴライズに眉を顰める向きには「男塾メタル」としてお薦めする次第。
オッス!オッス!と猛々しく突進するスピード・ナンバー③④⑨、聴いているだけで筋肉が鍛えられるような錯覚を覚える⑤、大仰且つ怒涛の盛り上がりを呈する⑥、あるいはバンドのテーマ曲で10分越えの大作⑩といった闘魂荒ぶる楽曲の数々を前にすると、70分オーバーという胃もたれ起こしそうな収録時間すらも「このやり過ぎ感こそが魅力よ…」とポジティブに評価したくなってしまうのだから不思議です。押忍!


凱旋MARCH - 大行進 - 大行進 ★★★ (2019-03-24 21:46:37)

「むぅ…、この名曲はまさしく凱旋MARCHの“大行進”!」「知っているのか、雷電?!」
と思わず『男塾』風の会話を交わしたくなる、雄々しくマッシヴ、
バンカラ風味の増量されたACCEPTといった趣きで突進するスピード・ナンバー。
随所で炸裂する応援団風コーラスが楽曲を力強く盛り上げてくれています。


梶山章&下山武徳 - Into the Deep ★★ (2008-07-29 22:39:00)

梶山章(G)と下山武徳(Vo)という、日本屈指の実力派ミュージシャン2人がタッグを組んだ、ジャパニーズHMファンには
かなりグッとくるプロジェクトが、'08年に発表した1stアルバム。とは言え、出来上がった作品は
「ジャパメタ」という狭い括りを必要としない、立派に世界水準のクオリティを誇る内容に仕上がっているわけなんだが。
それにしても、劇的なイントロからハードにスタートする①を聴くにつけ、梶山がここまでアグレッシブな楽曲を
手掛けたのって、PRECIOUS以来じゃなかろうか?相変わらず「華」を感じさせるGプレイも冴えまくっているし、
ジョー・リン・ターナーとの一連のコラボ作品や、森川之雄とのGOLDBRICKを楽しみつつも、
「またバリバリにHM寄りのサウンド・スタイルを追求してくんないかなー」等と思っていた身にとっては嬉しい限り。
勿論、まかり間違っても、様式美HMを追求したりしているわけじゃないが、攻撃的でスピーディな②や、リズミックに
飛び跳ねるように疾走する⑨、下山の幅広い表現力を備えた歌声が堪能できる⑩、ミステリアスに刻まれるGリフが
印象的な⑪、そして、憂いを帯びたメロディが駆け抜けていく、本編屈指の名曲の⑫といった楽曲は、
思わず「これよ、これ!」と身を乗り出してしまう、へヴィ・メタル然としたカッコ良さに満ち溢れていて、かなり魅力的。
ここまで完成度が高いと、中盤にもう少しインパクトの強い曲が欲しかったとか、贅沢も言ってみたくなるものの、
ともあれ、本作以降の作品やライブ活動にも、大いに期待の高まる力作に仕上がっていることは確か。
ところで、クレジットが載っていないのだけど、BやDs、Keyは誰がプレイしているのだろうか?


喜屋武マリーWITH MEDUSA - First Live ★★★ (2023-01-30 23:11:51)

「オキナワン・ロックの女王」こと喜屋武マリーが、’81年にマリーWITH MEDUSA名義でCBSソニーから発表した1stアルバム。
デビュー作がいきなりのライブ・アルバムですよ。’81年4月に大阪厚生年金会館で行ったパフォーマンスの模様が収録されていて、「初っ端からライブ盤て…予算がなかったの?」と少々不安に思ったりもしますが、ベトナム戦争下の沖縄で、米兵相手に歌唱力に磨きを掛けていったというマリー姐さんの実力は、ライブという実戦の場だからこそ存分にその真価を発揮してくれています。(レコード会社がそれを狙っていたのかどうかは分かりませんが)
セットリストは日本語詞のオリジナル曲と、レオ・セイヤーの“星影のバラード”、BLONDIEがヒットさせた“夢みる№1”といった洋楽アーティストの楽曲のカヴァー半々で構成。英詞の歌い上げはお手の物といった感じですし(MCも寧ろ英語の方が流暢に聴こえるぐらい)、BADFINGERの哀愁の名バラード③、パット・ベネターのエネルギッシュなHRチューン⑧、アルバムの締め括り役を担う初期HEARTの代表曲⑩といったパンチの効いた名曲の数々を、時に情感込めて切々と、時にパワフルに歌いこなしていく様には、大向こうから「よっ、和製ジャニス・ジョプリン!」との掛け声がかかりそうな、堂々たる貫禄と説得力が漂っています。まぁそうしたカヴァー曲の素晴らしさが際立っている分、オリジナル曲の印象の薄さが悪目立ちしてしまっている点は如何ともし難いのですが…。
ともあれ、これが1stとは思えぬ気迫漲る歌唱に圧倒される1枚であることは間違いありません。再評価の機会の到来とCDの再発を是非に。


筋肉少女帯 - The Show Must Go on ★★ (2014-11-22 19:55:32)

ふらっとCD屋に立ち寄ったら、発売されているのが目に入った筋肉少女帯の最新アルバム。「江戸川乱歩全集」等の仕事で知られる柳瀬茂画伯のイラストをジャケットに使用しているのが、如何にもこのバンドらしいチョイスですね。
攻めまくりのピアノ・プレイが、「5人目の正式メンバー」的存在感を放つ三柴理の援護射撃のもと繰り出される、橘高文彦(G)謹製の様式美HMナンバー3曲・・・テクニカルなGリフが印象的な“ゾロ目”、心霊主義をネタに取ったおもろくも切ない“霊媒少女キャリー”、HM版“みつばち”とでも言うべき“恋の蜜蜂飛行”の素晴らしさは今更ここで主張するには及ばず。
今回はそれ以外にも、コミカルに始まったかと思えば、中盤では“FAST AS A SHARK”ばりのゴツいGリフが刻まれる“オーディエンス・イズ・ゴッド”や、ヤケクソ気味に突進する“みんなの歌”、エンディングを賑々しく締め括る“ニルヴァナ”等、本城聡章(G)もアグレッシブな楽曲を提供。全体的にメタル度が高めなのは、ポップな方向に振れてた前作の反動でしょうかね?
ここに更に、中年ロッカーは身につまされるバラード“月に一度の天使(前/後編)”から、大槻ケンヂが特徴的なヘタウマVoで朗々歌い上げるエディット・ピアフの名曲“愛の賛歌”カヴァーまで、バラエティ豊かにしてユニークな楽曲が顔を揃えることで、本編は最後まで集中力を途切れさせません。
HR/HMリスナーにも、かなり取っ付き易く感じられる1枚ではないかと。


筋肉少女帯 - UFOと恋人 ★★ (2011-11-23 21:33:26)

インターネット登場以前、アルバムのヒットには必須だった「タイアップ曲」を多数収録しているせいか、はたまた全体的にコミック・ソング色が強くHR/HMテイストが控えめなせいか、従来作と聴き比べた際、アクや毒が弱く小粒な仕上がりの印象が否めない'93年発表の8thアルバム。
尤も、一捻りも二捻りも加えられた技有りアレンジの数々や、耳を捉えるキャッチーなメロディ、それにアコギ/Keyを効果的に用いたドラマティックな曲展開など、例えそれが盆踊り音頭だろうがGS風ペケペケ・サウンドだろうが、随所に「おっ」と思わせてくれるフックを仕掛けた作曲センスの冴えは相変わらず抜群。
ヘンリー・マンシーニの名曲に日本語詞を付けてカヴァーした“ひまわり”、本城聡章(G)のメロディ・メイカーとしての才能の煌きが感じられる“君よ!俺で変われ!”、憂鬱でドラマティックな“パレードの日、影男を秘かに消せ!”、ロック・バンドの本音をあけすけに歌い上げる“タイアップ”etc・・・と、優れた楽曲を指折り数え挙げていったら「なんだ、本作も秀作なんじゃん」との結論に落ち着いた次第。
そして勿論、メタル者なら橘高文彦(G)作曲の様式美HMナンバー“くるくる少女”と“アンクレット”もお聴き逃しなきよう。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - サーチライト ★★ (2008-09-14 19:42:54)

メロディックなG、豪奢なKey(ピアノ)、個性の塊のようなVoとが
掛け合いを繰り広げながら、終盤へ向かってグイグイと
テンションを高めていく、筋肉少女帯でしか作り得ない大作ナンバー。
妙にポップでキャッチーなテーマ・メロディとは裏腹に、
全体を貫く異様に張り詰めた緊張感が、
10分近くに及ぶ長尺を全く意識させない。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - 機械 ★★★ (2008-09-14 19:33:48)

本城聡章がこれまで手掛けてきた楽曲の中では、この曲が一番好きかも。
静と動の対比の効いた劇的な曲展開、メタリックなGリフの
カッコ良さも然る事ながら、溢れ出るような憂いに満ちた、
大槻ケンヂの歌うメロディがとにかく強力無比。
テクニック的にはとても上手いシンガーとは言えない人だが、
そうした小手先の部分を遥かにブッ千切った、
個性と説得力には凄まじいものがあります。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - 小さな恋のメロディ ★★★ (2008-09-14 19:25:35)

劇的なイントロを聴いただけで一発K.O.。
スピーディな曲調に乗っかる、大槻ケンヂの絶唱が胸を締め付ける、
橘高文彦のペンによるヘヴィ・メタリックなスピード・チューン。
この曲を聴いてつくづく思うのは、大槻ケンヂも歌が上手くなったなぁ
ということ。


筋肉少女帯 - きらきらと輝くもの - 僕の歌を全て君にやる ★★★ (2008-09-14 19:38:13)

哀感とキャッチーさが程好くブレンドされたメロディが、
軽やかに駆け抜けていく哀愁のハード・ポップ・ナンバー。
橘高文彦の曲作りの上手さが光る名曲で、良い意味でメジャー感漂う、
取っ付き易さがその最大の魅力。


筋肉少女帯 - エリーゼのために ★★ (2008-11-09 20:29:00)

個人的に、初めて購入した筋肉少女帯のアルバムであり、ここに収録された名曲“スラッシュ禅問答"を聴き、
その重厚なGリフ、パワー・メタリックな疾走感、そして劇的な曲展開の余りのカッコ良さにノックアウトされて以来、
「筋肉少女帯って色物バンドかと思ってたけど、違うんだなぁ」と、彼らを見直す切っ掛けともなった'92年発表の7thアルバム。
メロディ無視で畳み掛けてくる、大槻ケンヂの歌うというよりも「朗読する」といった感じの歌唱スタイルや、
HMのみならず、プログレ、パンク、ファンク、ポップスといった様々な音楽からの影響がごった煮された
クセの強い収録曲は、かなり好き嫌いが分かれるものの、随所で発揮されるメロディ・センスの良さ
(特にキャッチーなサビメロ作りの上手さ)と、凝ったアレンジの数々で、不思議と最後まで聴き通せてしまう本作。
中でも、前述の名曲⑦はもとより、中間部のドラマティックな展開が秀逸な猛烈アジテーション・ソングの④や、
橘高文彦のブライアン・メイばりのGプレイと、大槻ケンヂが自殺志願の彼女に捧げる為に書いたというリリカルな歌詞が
胸を打つ感動的なバラード⑧辺りは、HMファンが聴いてもグッとくる要素を備えたナンバーに仕上がっているんじゃないかな、と。
全曲お薦め!とまではいかないまでも、とりあえず④⑦⑧の為だけにでも本作にトライしてみる価値は大いにある・・・と思う。


筋肉少女帯 - エリーゼのために - スラッシュ禅問答 ★★★ (2008-11-09 20:40:41)

スラッシュと言うよりもパワー・メタルといった感じの曲調だが、
重厚なGリフ、怒涛の突進力、ドラマティックな曲展開と、
カッコいいものはカッコいい。
中原中也の「サーカス」を引用した歌詞も印象に残る。


筋肉少女帯 - エリーゼのために - 生きてあげようかな ★★★ (2008-11-09 20:44:51)

ほんわか和み系の曲調に混ぜられた、ひとつまみの哀愁と、
リリカルな歌詞が胸を打つバラード。
橘高文彦のブライアン・メイを彷彿とさせるGプレイも良いねぇ。


筋肉少女帯 - キラキラと輝くもの ★★ (2008-09-14 18:13:00)

牧歌的な曲調の中に、一抹の寂しが忍ぶ小曲①から繋がっていく、猛々しいイントロに一発KOされる、
必殺のスピード・ナンバー②(確か深夜アニメの主題歌にもなっていた筈)、本城聡章がこれまで手掛け来た楽曲の中で
トップクラスのお気に入り、激しくも美しい劇的なハード・ナンバー③、憂いに満ちたポップなメロディが
駆け抜けていく、橘高文彦ならではの魅力に溢れたアルバム表題曲④、メロディックなG、豪奢なKey(ピアノ)、
そして、歌詞も歌メロもまさに「大槻ケンヂ節」としか言いようのない個性的な歌声で畳みかけるVoとが、掛け合いを繰り広げながら
テンションをグイグイ高めていく10分近くに及ぶ大作⑤・・・といった、優れた楽曲がズラリ揃ったアルバム前半の聴き応えが
半端じゃない、漫画家・高橋葉介の手によるカラフルなジャケット・アートワークが目印の、'96年リリースの11thアルバム。
異様にヘヴィ・メタル度が高い前半の反動か、⑥以降は和み系且つクセの強い楽曲が並び
(逆に言えば、より筋肉少女帯らしいのは後半と言えるかもしれんけど)、そのせいか個人的には、本作自体の印象は
筋少のディスコグラフィーの中ではさほど強いものではないのだが、ともあれ、前半に並ぶ名曲群を聴くためだけでも、
購入する価値は大いにある1枚。とは言え廃盤なのか・・・。勿体無いなぁ。


筋肉少女帯 - サーカス団パノラマ島へ帰る ★★ (2011-11-21 20:33:24)

筋肉少女帯ファンにとっては4th、メタル者にとっては橘高文彦(G)が本格的に曲作りに関与し始めた記念すべき最初のアルバム。
祝祭の非現実的な賑々しさと、それが過ぎ去った後に残される一抹の寂寥感を捉えた作風に、コンセプト作よろしく全編にサーカスとピエロ(道化者)のイメージが散らされた本作。凝った装丁が施されたブックレットはまるでメルヘンチックな絵本の如きだが、収録されている楽曲のタイトルは“電波ブギー”に“元祖 高木ブー伝説”etc・・・。
アクの強い独創的な音世界はかなり聴き手を選ぶものの、橘高の流麗なGプレイを得たことでサウンド全体のHM度は急カーブを描いて跳ね上がり(元々HR色は濃いめのバンドでしたが)、取り分け、パワーヒッター太田明の重く豪快なドラミングが映える“23の瞳”や“また、会えたらいいね”、そして中盤にアバンギャルドなジャズ調セクションを挟み込んで突っ走る必殺の様式美ナンバー“詩人オウムの世界”は、HR/HMファンなら思わず「おっ」と身を乗り出すカッコ良さが光る逸品。
ラストに控える“元祖 高木ブー伝説”なんてタイトルからして色物臭さが漂うが、実際に聴いてみると、これが野放図なエネルギーに満ちた演奏や凝ったアレンジ、ドラマティックな曲展開が初期KING CRIMSONを思わせたりもする、バカバカしくもエキセントリックな名曲なのだ。(筋少版“21世紀の精神異常者”か?)


筋肉少女帯 - サンフランシスコ - タチムカウ-狂い咲く人間の証明- ★★★ (2008-11-12 21:48:38)

猛烈アジテーション・ソング。
大槻ケンヂの書いた秀逸な歌詞の素晴しさも然る事ながら、
心中を支配する恐怖心を捻じ伏せて、
精一杯の虚勢を張って戦いを挑む心意気を見事に表現した、
本城聡章のメロディ・センスに乾杯。


筋肉少女帯 - シーズン2 ★★★ (2011-11-26 21:54:45)

吉田仁美版『DESTROYER』(?)といった趣きのイラストがアートワークを飾る、再結成第2弾スタジオ作にして、'09年発表の14thアルバム。
前作『新人』はヘヴィ・メタリックな色合いが強く打ち出された快作でしたが、今回もその傾向は継承されており、橘高文彦(G)のみならず本城聡章(G)や内田雄一郎(B)らも、優れたメロディ・センスはそのままにエッジの効いた楽曲の数々を提供、HR/HMリスナーが聴いても十二分に楽しめる内容に仕上げてくれているのが嬉しい。
個人的には三柴理(Key)の妙なるピアノの調べが存分にフィーチュアされている点もツボで、特に、タイトル通りの哀愁漂わせたメロディがパワー・メタリックに疾走する“ドナドナ”、別プロジェクトでリリースされた名曲のセルフ・リメイク“踊る赤ちゃん人間”、リリカルな歌詞と劇的な曲調が相互に補完し合う“1000年の監視者”、長谷川浩二(Ds)の凄腕ぶりも際立つプログレッシブな“ゴッド・アングル part2”、そしてフィナーレを壮大に締め括る“ツアーファイナル”etc・・・といった楽曲の数々は、大槻ケンヂ(Vo)のエキセントリックなパフォーマンスと楽器陣のハードな演奏が、凛として美しいピアノ・サウンドとハイレベルな融合をみた心震える逸品。
『新人』同様、HR/HMファン向け入門編としてもお薦めできる1枚です。


筋肉少女帯 - ステーシーの美術 ★★ (2008-08-24 21:28:00)

大槻ケンヂ(Vo)のフェバリット・ムービーである『ゾンビ』を題材にとった、切なくも激しい、珠玉の名曲
“再殺部隊"を収録した、'96年発表の10thアルバム。(アルバム・タイトルは「グレーシー柔術」のもじりだとか)
橘高文彦(G)の存在に釣られて筋肉少女帯のアルバムを集めるようになった身ゆえ、どちらかと言えば彼らの作品は
アルバム単位よりも楽曲単位で楽しませて貰う事の方が多いのだが、その中にあっても本作は、↑上で別の方が
仰っておられる通りメロディの充実度がなかなか高く、筋少のアルバムの中でも、かなりお気に入りの1枚だったりする。
名曲中の名曲⑤をハイライトに、超個性的な歌唱法で攻撃的に畳み掛けてくる大槻ケンヂのVoに圧倒される②、
どこかノスタルジックな雰囲気が漂うポップ・チューン③、暗く悲しげな前半から、後半に向けて怒涛の盛り上がりっぷりを
みせる劇的なバラード⑦、内田雄一郎が作曲したとは思えぬ、へヴィ・メタリックな疾走ナンバー⑩・・・と、
聴き応え十分の楽曲が数多く並ぶ。随所に取り入れられ、本編の叙情性を増幅しているストリングスの存在も
非常に効果的だし、ブルース・リーの代表作『ドラゴン 怒りの鉄拳』テーマ曲のカヴァーを、最初と最後に配した構成もナイスです。
(また、シングル曲④には、東京スカオーケストラパラダイスと、作家の綾辻行人が客演している事も付け加えておこう)
とりあえず、様式美HMを愛するメタル・ファンなら、名曲⑤は聴かずに死ねませんぜ。


筋肉少女帯 - ステーシーの美術 - リテイク ★★★ (2008-08-24 22:03:28)

ストリングスをフィーチュアした、ダークでメランコリックな
前半も胸に沁みるが、圧巻は怒涛の盛り上がりっぷりを聴かせる後半。
特に、尋常ならざるテンションで畳み掛けてくる
大槻ケンヂのVoの圧倒的迫力は白眉。


筋肉少女帯 - ステーシーの美術 - 再殺部隊 ★★★ (2008-08-24 22:01:06)

大槻ケンヂの『ゾンビ』愛が伺える1曲。
起承転結が完璧に決まった曲展開、ネオクラシカルなGソロ、
リリカルな歌詞、テクニック的な優劣を遥かにブッちぎって
聴く者を圧倒する大槻ケンヂのVo・・・
個人的には、筋肉少女帯で最も好きなナンバー。


筋肉少女帯 - レティクル座妄想 ★★ (2008-11-23 02:11:00)

サイケなジャケット・アートワークに、HR/HM、パンク、ポップス、プログレ等、様々な音楽ジャンルからの影響が
闇鍋状態の楽曲、そして、希代のストーリーテラー・大槻ケンヂが歌い綴る独創的な歌詞世界・・・と、筋肉少女帯という
バンドの魅力が非常に判り易い形で凝縮された、彼らの代表作として名高い'94年発表の9thアルバム。
収録曲の完成度の高さも然る事ながら、本作の肝はやはり「歌詞」。普段、歌詞なんぞメロディのツマぐらいにしか
思っていない自分ですら、妄想、電波、猟奇、幻想、終末、アングラ、死への憧れ、過剰な自意識が乱れ飛び交う、
ダークでリリカル、かつエキセントリックな歌詞世界には強烈なインパクトを受けざるを得ない。
しかも、そうした猛毒を有した歌詞を、親しみ易いキャッチーなメロディに包んで届けてくれるのだから凶悪極まりない。
こんなんを10代の頃に聴いていたら、確かに人生狂わされてたかもしらんわなー。
特に、思春期を拗らせた文系少年のインナースペースの炎上っぷりを描いた痛過ぎる名曲②、橘高文彦のペンによる様式美HMナンバー⑤、
ドロリとした世界観を、フック満載のメロディで軽やかに歌い上げる⑥、戦犯として処刑された日本兵の遺書を引用した
重厚壮大な⑧、舞踏のリズムに乗って激走する、「ポルカ・メタル」とでも言うべき劇的な⑨といった楽曲は、
唯一無二の歌詞世界とハイクオリティな楽曲とが高い次元で融合を果たした、本編の大きな聴き所ではないかと。
投票数の多さが示す通り、まさに筋肉少女帯入門編にうってつけの1枚。


筋肉少女帯 - レティクル座妄想 - ノゾミのなくならない世界 ★★★ (2008-11-23 02:18:01)

舞踏のリズムで突っ走る、ポルカ・メタルとでも言うべき
スピード・ナンバーの名曲。作曲は勿論、橘高文彦。
大槻ケンヂの実体験を元にした、
ファンの心理を鋭く突いた歌詞も印象に残る。


筋肉少女帯 - レティクル座妄想 - ワダチ ★★ (2008-11-23 02:21:02)

重く、暗く、壮大な70年代型HRナンバー。
戦犯として裁かれ、処刑された日本兵の遺書を引用したという
歌詞が、強いインパクトを残す1曲。


筋肉少女帯 - 筋少の大車輪 - サボテンとバントライン ★★ (2008-11-10 23:12:50)

サボテンと猫だけが友達という、
文系の孤独な少年テロリストの短い生涯を、
壮大かつポジティブな曲調で綴った名曲。
明るさの中から滲み出す、ひと匙の哀愁が胸に沁みます。


筋肉少女帯 - 月光蟲 ★★ (2008-11-10 23:02:00)

後に、再結成アルバム『新人』でリメイクされる事となる名曲“イワンのばか"を収録し、沼田元氣の手による奇怪な
ジャケット・アートワークといい、アングラ臭が濃密に匂ってくる歌詞世界といい、ドロッとネガティヴな雰囲気の漂う楽曲の
数々といい、筋肉少女帯のカタログの中でも、一際、ダークな(と言うか「病んでる」)作風を誇る'90年発表の5thアルバム。
収録楽曲は、やはり正統派HMとはかなり距離を感じさせる捻くれた味わいだし、とてもじゃないが「キャッチー」と言い難い
仕上がりなんだけど、聴けば聴くほど、この奇妙な味わいがクセになってくるのだから不思議だ。
アグレッシブなGリフとリズムが畳み掛けてくる①、シュールな歌詞と、橘高文彦の流麗なGソロが耳を惹く②、
鬱々としたバラード③、孤独な少年テロリストの短い一生を、やたら壮大且つポジティブな曲調で綴った④、
ミステリアスでメロディアスな女性Voとのデュエット・ナンバー⑤といった楽曲が並ぶ、アルバム前半の聴き応えも
然る事ながら、やはり本作のハイライトは⑨。凍てつくロシアの大地を想起させる寒々としたメロディを纏って、
橘高のネオ・クラシカルなGが疾走する様はガッツポーズ物のカッコ良さを誇る。全様式美HMファン必聴の名曲でしょう。
筋肉少女帯の作品の中では、ダークであると同時にハードな作風ゆえ、HMリスナーにも比較的取っ付き易い内容の1枚と言えるかも。


筋肉少女帯 - 月光蟲 - イワンのばか ★★★ (2008-11-10 23:07:14)

ロシアの凍土を彷彿とさせる、寒々としたメロディが
疾走する様式美HMチューンの名曲。
橘高文彦の流麗且つネオ・クラシカルなGソロに痺れた!
聴いてると、何だか無性にコサックダンスが踊りたくなる1曲。
踊れんけど。


筋肉少女帯 - 公式セルフカバーベスト 4半世紀 ★★★ (2014-05-24 01:10:14)

セルフ・カヴァー盤の類は、余程ドラスティックな編成替えのあったバンドぐらいしか手を出さない方針なのですが、結成25周年を記念して発表された本作は買って正解でした。
無論、リレコ・バージョンがオリジナルを上回るようなことはなく。衝動性や焦燥感といった、若さ故に生み出し得た要素はどうしたって薄まっているのですが、他方、歳月を経たからこそ醸し出せる表現力の深み/ワビサビに関しては、顕著な進化の跡が刻まれています。
アレンジがよりメロディアスに、へヴィ・メタリックにストレッチされている点も好印象を促進する大きな要因で、中でも特筆すべきは、正式メンバー顔負けの仕事っぷりで、唯一無二の大槻ケンヂのVo、構築美に富む橘高文彦のテクニカルなGに次ぐ、「第三の男」として見せ場を攫う三柴理(Key)の存在。新曲①②で披露する流麗な指捌き(尚①でタイコ叩いているのは太田明)、奔流の如き荒れ狂う⑩の速弾き、そして代表曲として知られる④⑨では、オリジナルVerにはない華麗なるソロを展開・・・と、リリカルに、豪快に、楽曲内を縦横無尽に駆け巡る三柴のドラマティックなピアノ演奏は、自分のようなピアノ信者でなくとも胸を打たれること必至かと。
名曲“機械”(語りパートが削られているのは残念)や“再殺部隊”も収録されているので、HR/HMファン向け入門盤としても使える1枚、かも。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 ★★ (2008-11-12 21:32:00)

漫画家・小林源文の代表作の1つ『CAT SHIT ONE』のイラストを用いたジャケット・アートワークが目を惹く、
筋肉少女帯のとりあえずのラスト作となった、'97年発表の12thアルバム。(前作の高橋葉介に
次作の浅田弘幸と、これで漫画家の手によるジャケットが3作続いた事になるわけだ)
美醜の対比が鮮やかなブルータルなOPナンバー①、力強く憂いに満ちたメロディが秀逸な②、水木一郎の猛烈に「引き」の
入ったシャウトが、壮大且つヒロイックな曲調を盛り上げる先行シングル曲⑦、“戦え!何を!?人生を!"ばりの
猛烈アジテーション・ソング⑧、筋肉少女帯のその後の運命を見越していたかのような歌詞が意味深な⑪といった
優れた楽曲を数多く手掛けた、本城聡章(G)のソングライターとしての才能がキラリと光りを放つ本作。
その一方で、出来の良い曲とそうでない曲の差がハッキリと表れてしまっている辺りは、
やはり末期バンド内の雰囲気の悪さが反映されてしまった結果なのかどうか。
ともあれ、本城聡章のメロディ・センスの良さが堪能できる、上記の楽曲の聴くだけでも十分満足感は得られるし、
何より、橘高文彦(G)の手による高速ハードポップの名曲③も収録されているしで、個人的には決して嫌いじゃない1枚。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 - 221b戦記 ★★★ (2008-11-12 21:52:04)

声優の神谷明や宮村優子が参加していることで話題になった
ナンバーながら、やはり主役は水木一郎御大の
猛烈に「引き」の入ったシャウト。
元々ヒロイックでドラマティックな雰囲気を備えた楽曲を
より一層盛り上げてくれています。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 - カーネーション・リインカネーション ★★ (2008-11-12 21:41:15)

ブルータル極まりない曲調の中から浮かび上がってくる、
中盤の叙情的でドラマティックな曲展開が演出する
美醜の対比が鮮やかな印象を残す「最後の聖戦」OPナンバー。


筋肉少女帯 - 最後の聖戦 - 境目のない世界 ★★★ (2008-11-12 21:37:18)

「最後の聖戦」のハイライトを飾る、
橘高文彦印の憂いに満ちた哀メロが疾走する
高速ハード・ポップ。
ハードさとポップさのバランスが絶妙な名曲。


筋肉少女帯 - 新人 ★★ (2008-08-31 17:19:00)

恩讐を乗り越え再結成を果たした筋肉少女帯が、'08年に発表した待望のニュー・アルバム(通算13枚目)。ちなみに、全盛期を支えた
ドラマー・太田明は不参加のため、元DEAD ENDの湊雅史ら、複数の助っ人ミュージシャンを起用して、レコーディングは行われている。
で、肝心の内容の方は、「HR私小説」とも評される大槻ケンヂの唯一無二な歌詞世界と、個性的な歌唱スタイル、
橘高文彦の構築美に溢れたGプレイ、そして一筋縄ではいかない楽曲群と、解散前の作風をしっかりと継承しつつも、今回はかなりHMテイストが
前面に押し出されていて、彼らがここまでメタリックなアルバムを作ったのって、初めて(もしくは『月光蟲』以来)なんじゃなかろうか?
特に、バンドのHM面を一手に担う橘高文彦が、過去最多となる4曲を提供していることが本作の「肝」で、しかもそれが名曲“イワンのバカ"の
リメイク③、哀愁のHRナンバー④、荒々しい曲調と、リリカルなピアノの調べの対比も鮮やかなスピード・チューン⑨、物悲しくも攻撃的な⑪・・・と、
その何れもが、アルバムのハイライト・チューンと言っても過言ではない完成度の高さを示しているのだから、何をか況や。
また、バンドの創作面を支えるもう1人のG・本城聡章も、今回は⑫を筆頭に、メロディックかつアグレッシブな
楽曲を数多く提供。本編のヘヴィ・メタル度数の向上に、大きく貢献している点も見逃せないポイントかと。
ただその分、作風から嘗てのような「クセの強さ」が薄れているため、筋肉少女帯未体験のリスナーに取っ付き易い反面、
コアなファンには、薄味で物足りなく感じられる可能性が無きにしも非ずで、熱心なリスナーであればある程、
賛否がハッキリと分かれているのも、確かに理解できなくもないような。
とは言え、個人的には本作の完成度の高さを断固支持。バンドの最高傑作候補として、多くのメタラーに一聴をお薦めしたい所存であります。


筋肉少女帯 - 新人 - ヘドバン発電所 ★★★ (2008-08-31 19:31:02)

13thアルバム「新人」のハイライトを飾るスピード・ナンバー。
アグレッシブな曲調と、リリカルに閃くピアノの調べの対比が、
楽曲の劇的さを一層引き立てています。
あと、『レティクル座妄想』収録の名曲“ノゾミのなくならない世界"の
テーマ・メロディが、ところどころで引用されているのも印象に残る。


筋肉少女帯 - 断罪!断罪!また断罪!! ★★ (2011-11-23 00:23:11)

昭和特撮風味漂う実写版「オロカメン」(ジョージ秋山!)のジャケット・アートワークと、押しの強いアルバム・タイトルが強烈なインパクトを放つ'91年リリースの6th。
全6曲収録(6枚目だから?)というEPクラスの控えめなボリュームに反して、聴き終えた後には十二分な満腹感に浸れる高カロリー仕様な本作は、中毒性の高いサビメロが一種トランス状態を引き起こす代表曲“踊るダメ人間”を手始めに、朗らかに狂っている(太田明の小気味良いパーカッションも秀逸な)“猫のおなかはバラでいっぱい”、そこから間を置かずに繋がっていく展開が非常にドラマティックで効果的な、橘高文彦(G)のペンによる劇的な疾走ナンバー“パブロフの犬”、そして、決して上手くはないがそれ以上のサムシングを備えた大槻ケンヂの絶唱と、仄暗く澱んだ感傷的な旋律が猛烈に感情に訴えかけて来るスロー・ナンバー“どこへでも行ける切手”(アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の元ネタの一つってのは良く知られた話)等、一騎当千の優れた楽曲がズラリ集う。
尤も、ノーマルなHR/HMアルバムを期待して手を出すと思わずCDを叩き割りたくなるであろう、アクの強い作風は毎度変わらずですが。


筋肉少女帯 - 蔦からまるQの惑星 ★★ (2011-11-28 20:08:52)

ヘヴィ・メタリックな作風のアルバムが連続した反動なのか、一転してコミック・バンド的な味わいが強く打ち出されている(ような気がする)'10年発表の15th。別に筋肉少女帯にストレートなHR/HMサウンドは求めていないので、アグレッシブな内容じゃなかったからと言ってガッカリすることはないのだが、今回はこれといった強力なキメ曲が本編に見当たらず、また全体的にメロ
ディも弱いかな?と(特に本編後半)。
そういう意味では7th『UFOと恋人』辺りとの共通点を感じたりもする1枚なのだが、『UFO~』がよくよく聴けば個々の楽曲自体は良く出来ていたのと同様、本作もまた、Key奏者(というよりピアニスト)三柴理の華麗なる指捌きが炸裂する“家なき子と打点王”や、中世風のお城が建ちそうな程の構築美に溢れた“爆殺少女人形舞1号”(いずれも作曲は橘高文彦)等、ドラマティックな名曲の存在が確認できるし、あと今作は作詞面の充実振りが特筆モノ。
きっとバンドの実体験に違いない『スパイナル・タップ』的な泣き笑いナンバー“アウェー イン ザ ライフ”、読み切り少女漫画として通用しそうな“あのコは夏フェス焼け”、流転するこの世の中で、あの日2人で見た夕暮れ時の海の美しさだけは永遠だった・・・ってな甘酸っぱい歌詞に赤面&胸キュン(笑)な“若い子とドライブ~80'sから来た恋人~”は、歌詞カードを読んでいるだけで十二分に楽しめてしまう、稀代のソング・ライター、大槻ケンヂの筆致が冴え渡る秀作。
評価は割れそうだが、しっかりと個性が主張された作品であることは確か。


金谷幸久 - Cry for the Moon ★★★ (2015-04-17 22:42:19)

金谷幸久(G)が『EAU ROUGE』以来、実に20年振りに発表した2ndソロ・アルバム。
名曲“AWARENESS OF ONENESS”収録の前作はなかなかの力作でしたが、シンガーにX-RAY~EBONY EYESの藤本朗、Key奏者に元TERRA ROSAの岡垣正志を招いてレコーディングされている今作もまた、「昭和」の薫りがツーンと鼻腔を突く関西風様式美HMサウンドが徹底されており(何せ収録曲の半数近くがEBONY EYESの楽曲のリメイクだ)、クオリティ面でも一歩も引けを取らない出来栄え。
歌謡曲的な歌詞世界、コブシを効かせたシンガーの歌い回し、そしてGとKeyのテクニカル且つコテコテな掛け合いまで、昨今の垢抜けたJ-METAL的洗練とは一切無縁の脂っこい作風は、人によっちゃ胃もたれ起こす危険性ありありですが、個人的には行きつけのラーメン屋レベルでしっくり来る味わい。
今となってはこうした音をクリエイト出来るミュージシャンの方が少数派ですし、痒いところに手の届くクッサクサな歌メロに悶絶させられる和製様式美メタルの真骨頂というべき疾走曲①③(全く衰えを感じさせない藤本の歌いっぷりにも感動)を聴くにつけ、「絶滅してしまう前に一刻も早くこの音を無形文化財に指定して保護すべきっすよ!」と、ワンカップ片手にクダ巻きたくなる1枚。


金谷幸久 - Cry for the Moon - Dirty But So Beautiful ★★★ (2015-04-19 00:50:21)

イントロで溜めを作ってから疾走を開始する
劇的な曲展開、コブシが回る歌メロ、GとKeyの
ドラマティックなコンビネーションetc・・・と、
和製様式美メタルの醍醐味が詰まった本編ハイライト。
悶絶モノの歌メロを堂々歌い上げる
藤本朗の衰え知らずの歌唱力にも脱帽です。


金谷幸久 - Cry for the Moon - Happy Wedding ★★★ (2015-04-19 00:44:00)

前曲のインスト・ナンバー“LOVE AND HATE”のエンディングを
ぐぅ~と引っ張ってから、ドカンと炸裂するイントロの
ドラム・パターンが“KILL THE KING”風で笑顔になってしまう
虹色疾走曲。


金谷幸久 - EAU ROUGE ★★ (2008-12-20 11:19:00)

元EBONY EYESの様式美HMギタリスト、金谷幸久が'95年に発表した1stソロ・アルバム。
当時はEBONY EYESの事も、彼がどんなミュージシャンなのかも知らずに、帯に書かれた「紫の神々が失ってしまった
熱き虹色の輝きを継承するメロディカル・ギタリスト」なる大仰なキャッチコピーと、元TERRA ROSAの赤尾和重(Vo)に
岡垣正志(Key)、元WOLFの黒木政彦(G)&堀江睦男(Ds)、そしてマルチ・ミュージシャンの加瀬竜哉(B)といった、
豪華なゲスト勢の顔触れに釣られて本作を購入したのだが、これが正解。テクのひけらかしに終わらない、
しっかりと構築された叙情フレーズを丁寧に奏でる金谷のGプレイを中心に、まさにこの面子が奏でるに相応しい、
コテコテのジャパニーズ・・・というか関西風様式美HMサウンドが、頭から尻までギュッと詰め込まれた1枚であった。
赤尾が歌い、岡垣がKeyを弾いているという事で、非常にTERRA ROSA度が高い内容ながら、↑上で失恋船長さんが
指摘されている通り、赤尾のVoがイマイチ精彩を欠くため(テンションが低いのは、雇われ仕事だからなのか、声が衰えたのか)
歌入りのナンバーよりも、劇的に疾走する③、しっとりとアコギが爪弾かれる序曲⑥から繋がっていく、
10分近くに及ぶドラマティカルな大作⑦、情感豊かに紡ぎ出される哀メロが胸を締め付けるラス曲⑩といった
インスト・ナンバーの方が、より魅力的に聴こえてしまうのが何とも勿体無い。
とは言え、彼女の歌の上手さは相変わらずだし、何より本作は、赤尾のパワフルなVo、金谷と黒木のスリリングな
ツインGの絡み、流麗なKey、そしてタイトなリズム隊とが激しく火花を散らして疾走する⑨の存在に尽きます。
個人的には、本作の魅力を凝縮したかの如きこの名曲が聴けただけで、アルバム購入代金の元は取れたというもの。


金谷幸久 - EAU ROUGE - A WARENESS OF ONENESS ★★★ (2008-12-20 11:22:22)

アルバムのハイライトを飾るスピード・ナンバー。
この曲のみ、本編の他の曲とはテンションが一段階違う印象を受けますね。
赤尾のVo、金谷と黒木のGも良いけれど、個人的に一番良い仕事を
していると思うのは、流麗なKeyでしょうか。


金谷幸久 - EAU ROUGE - HERE'S THE TIME(BLOOD TYPE PURPLE!!) ★★★ (2008-12-20 11:28:49)

タイトルからしてニヤけてしまう、ドラマティックなインスト・ナンバー。
10分近くに及ぶ長尺を飽きさせない、起承転結がきっちり決まった
曲展開と、メロディアスに「歌う」金谷のGプレイが素晴しい。
岡垣のKeyのサポート振りもナイス。


金谷幸久 - EAU ROUGE - SUNSET'95 ★★★ (2008-12-20 11:35:33)

EBONY EYES時代の名曲をセルフ・リメイク。
「ネオ・クラシカル」とは異なる、良い意味でアナログな
フィーリングを湛えたクラシカルなインスト・ナンバー。
泣きまくる金谷のGに星三つを進呈。


五人一首 - 死人贊歌 ★★★ (2021-06-22 01:18:55)

前作『内視鏡の世界』リリースから10年以上音沙汰がなく、てっきり解散したじゃないかと思っていた五人一首が’20年に発表した、バンドの健在をアピールする3rdアルバム。
例えブランクが空こうとも、しかと見据えられた方向性にブレはなく、鼓膜を引っ掻くように刻まれるVOIVOD辺りを彷彿とさせるGリフに、大作主義の下、技巧を凝らして万華鏡の如く綴られる複雑怪奇な曲展開、その上で炸裂するグロウルとクリーンなトーンによる歌い上げをアングラ演劇の主演女優みたいなテンションで行き来する、思わず「女・大槻ケンヂ」と呼びたくなる個性的なVoとが目まぐるしく交錯する、例えるなら初期筋肉少女帯と人間椅子を足して2で割ってプログレ・メタルのエッセンスを振りかけたようなサウンドは、相変わらず独特極まる音世界を構築しています。
あと、個人的に彼らの作品を購入する最大の動機となったのが、時にリード楽器の役割も果たす勢いで大々的にフィーチュアされているピアノの存在でして。楽曲の耽美性、抒情性を増幅するだけに留まらず、美しさの裏側に潜む狂気や禍々しさも炙り出さんとするその雄弁な活躍ぶりに痺れますよ。特にOPナンバー①は、魔空空間に引きずり込まれた宇宙刑事の気持が追体験できるような(?)このバンド独自の混沌たる個性が濃厚に渦巻く名曲です。
もうちょいキャッチーな部分が出てくると尚良いんじゃないかと思う反面、聴き込みを擁するこの重層さは十分魅力足り得ているので、変にキャッチーにすると折角の個性が薄らいでしまう気もするしなぁ、と。何はともあれ、待ち続けたファンの高まりきった期待にきっちり応える力作であることは間違いない1枚です。


五人一首 - 死人贊歌 - そして無に帰す ★★★ (2021-06-22 23:56:34)

心を打つ儚げな美しさから、神経を逆撫でるような混沌まで
さながら万華鏡の如く1曲の中で様々に曲想が移り変わっていく
アルバムの魅力を集約したかの如きOPナンバー。
各メンバーの多重人格的なパフォーマンスもそうした雰囲気を
的確に盛り立ててくれていますよ。


高浜裕輔 ★★ (2008-01-20 16:16:00)

数々のセッションや、FOR COLLECTION等のバンド活動を経て
梶山章率いる様式美HMバンドPRECIOUSに加入したキーボーディストで、
メンバーの脱退などでPRECIOUSの活動が休止した'91年に
DANCERの藤本泰司(G)、MARINOの大谷レイヴン(G)、ANTHEMの坂本英三(Vo)、
WOLFの松本龍以(Vo)ら、豪華ゲスト・ミュージシャンを迎えて、
ソロ・アルバム『PROTOTYPE』を発表している。現在は何をやってるんでしょうかね?
尚、『PROTOTYPE』は1度廃盤になった後、'94年に藤本泰司人気を当て込んで
日本クラウンから再発されたが(ジャケットが酷い)、現在はそちらも廃盤の様子。
高品質なヘヴィ・メタル・アルバムなので、何とか復刻して欲しいところなのだが・・・。


高浜裕輔 - PROTOTYPE ★★ (2008-01-20 15:36:00)

梶山章率いる様式美HMバンド、PRECIOUSのキーボーディストだった高浜裕輔が、藤本泰司(G)、大谷レイヴン(G)、
坂本英三(Vo)、松本龍以(Vo)ら豪華ゲスト・ミュージシャン陣を迎えて制作、'91年に発表したソロ・アルバム。
ソロといっても、超絶技巧が炸裂するテクニカルなインスト物ではなく、アンサンブルを重視した楽曲志向の作風で、
全曲、高浜が作曲を手掛けたメロディックな正統派ジャパメタ・チューンの数々は、聴き応え十分。
楽曲の基盤を支える、高浜の華麗なKeyワークも然る事ながら、きっちりと自身の個性を活かした仕事っぷりを聴かせる
ゲスト・ミュージシャン達の良い仕事っぷりが特筆モノで、アルバムに全面的に参加し、①のソロを筆頭に
期待通りの緩急自在のGワークを披露している藤本や、本編随一の名曲と言うべきスピーディなHMナンバー⑫で、
スリリングなGプレイを披露する大谷レイヴンも素晴しいが、中でも光っているのは、元WOLFの松本龍以。
やはりこの人は歌がメチャウマ。あと、松本のVoをWOLF以外で聴く事が出来るのは本作だけ(だよね?)というのもポイントかと。
しかも、劇的極まりないなアルバムOPナンバー①、アップテンポのメロディック・ロック・チューン③、
Keyリフのカッコ良さがガッツポーズ物の疾走曲⑩と、彼が歌っている楽曲のクオリティ自体も
文句なく高いのだから、何をか況や。(対照的に、坂本英三のVoは艶に乏しく精彩を欠く)
PRECIOUS、DANCER、MARINO、ANTHEM、WOLFといったバンドのファンにもお薦めできる1枚。
それにしても、酷過ぎる再発盤のジャケはもう少しどうにかならんかったのか・・・。


高浜裕輔 - PROTOTYPE - AMOUR ★★★ (2008-01-20 15:44:07)

序曲“CUSTOMARY"から繋がっていく、アルバムのOPナンバー。
力強い曲調の上に乗る、確かな歌唱力でもって
憂いを帯びた歌メロを歌う松本龍以のVoと、
藤本泰司の緩急を備えた劇的極まりないGソロが
とにかく絶品。


高浜裕輔 - PROTOTYPE - FIRE AWAY ★★★ (2008-01-20 15:54:20)

イントロ代わりのインスト曲“NIGHTMARE"を経て、
冒頭のKeyリフがスタートした瞬間にガッチリと掴まれる
スピーディな様式美HMチューンの名曲。
松本龍以の雄々しい歌唱、藤本泰司のメロディアスなG、
楽曲を華麗に彩る高浜裕輔のKey、起承転結を備えた曲展開と
いずれの要素も非常に素晴しい。


高浜裕輔 - PROTOTYPE - STRAY DOG ★★★ (2008-01-20 16:06:44)

アルバムのラストを締める、スピーディな様式美HMナンバー。
華麗に楽曲を彩る高浜裕輔のKeyワーク、女性Vo吉越由美の
力強い歌声も絶品だが、それ以上の存在感を放つのが
グイグイと胸を締め付けるメロディを連発して、
時にVo以上に雄弁に「歌う」大谷レイヴンのG。
個人的にはこの曲が、アルバムで一番好きかな。


山本恭司 - ELECTRIC CINEMA ★★★ (2021-08-18 23:39:37)

日本HR/HM界の至宝、山本恭司(G)が渡英してレコーディングを行い、'82年に発表した2枚目のソロ・アルバム。驚くべきはBOW WOW名義での最終作となった8th『WARNING FROM STARDUST』とほぼ同時進行で制作が進められていたことで、僅か1か月足らずの内にこんだけハイクオリティなアルバムを2枚も仕上げているのですから、当時の山本の創作意欲はどんだけ神懸っていたのかと。
バックを固めるのはシングル1枚を残して消滅した幻のNWOBHMバンドLAST FLIGHTのメンバー。正直「そんなよう知らん連中起用して大丈夫?」と不安を感じなくもなかったのですが、実際に聴いてみるとこれが確かな歌唱力を有するVo(後にALASKAに参加するロバート・ホーソーン)といい、多彩な演奏の引き出しを持つKey(ゲイリー・ムーアとの活動で知られるトミー・アイアー)といい、実に堂々たるパフォーマンスで山本をバックアップ。特に親交を深めたトミーの才能に感服した山本がわざわざ彼のためにインスト曲“SATURN”を書き下ろした…というエピソードからも、メンバーの実力の程が窺い知れるのではないでしょうか。
仄かにプログレ・ハードの匂いも感じられるOPナンバー①、濃厚に泣き倒すドラマティックなバラード④、一転してポップ&キャッチーに弾む⑥、ヴァンゲリス風味漂うスペーシーな⑧辺りは、このコラボレーションが生み出した最良の結果が刻まれたアルバムのハイライト。この組み合わせであと2、3枚はアルバムを聴いてみたかった。
本作リリースから間もなく、BOW WOWはVOW WOWと名を変えることとなりますが、音楽的にはちょうどBとVの架け橋的な仕上がりと相成った1枚です。


山本恭司 - ELECTRIC CINEMA - JUST CAN'T TAKE IT ★★★ (2021-08-20 00:53:24)

K溌剌とはじけるロック・チューン。
山本自身がアルバム『ELECTRIC CINEMA』について
「音楽的な転機となった作品」と語っている通り
後のVOW WOW時代へと繋がっていく要素も感じられる
Keyを活かしたキャッチーな仕上がりです。


山本恭司 - GUITAR MAN ★★★ (2020-07-16 00:37:18)

レコード会社主導で歌謡ロック路線へと舵を切ったBOW WOWが、’80年に発表した問題作『GLORIOUS ROAD』と、タモリ倶楽部のソラミミスト、安斎肇がジャケット・デザインを手掛けている’81年発表の『HARD DOG』、永井豪原作の特撮人形劇(人呼んでスーパー・マリオラマ)『Xボンバー』のサウンドトラックとして制作された'82年発表の『組曲Xボンバー』、ままならぬバンド活動で溜め込んだストレスを発散するような快作に仕上がったソロ『HORIZON』(’80年)という4枚の作品から、ギター教材用に編集・選曲されている、山本恭司(G)の80年代初頭の波乱万丈な歩みを振り返るのに重宝するベスト盤。
こちとらオリジナル・アルバムは一通り揃えていますし、いくら収録曲が山本自身の手によってリマスタリングされていると言っても、「やはりベスト盤の購入はスルーの方向でひとつ」…とか思いながら収録曲目をチラ見してビックリ。なんとTVドラマ『新ハングマン』の主題歌であり、シングルとして'83年にリリースされるも、長らくアルバムには未収録だった名曲“絆 FOREVER”が収録されているではありませんか!前言撤回。この壮絶な泣きのバラードをもう一度聴けるというだけで、ファンなら本作を購入する価値が大いにあるというものですよ。
その“絆~”以外にしても、『HORIZON』収録曲がカッコイイのは勿論のこと、歌謡ロック時代のBOW WOWもこうして聴くと十分良い曲を書いてくれていたことが分かりますし、『Xボンバー』の軽快な主題歌“SOLDIER IN THE SPACE”にも心躍るもの有り。単なる企画盤とは決して侮れない1枚です。


山本恭司 - GUITAR MAN - 絆 FOREVER ★★★ (2020-07-16 23:52:27)

シングルのみで発表され、アルバムには長らく未収録だった
(既にマスターテープは失われており、再録には相当な苦労があった模様)
幻の名曲にして、歌もギターも泣きまくる慟哭のバラード。
子供の時分、TVドラマ「新ハングマン」のEDから流れてくるの聴いて
「良い曲だ」とは思っとりましたが、当時は特に演奏しているバンドの
ことまでは意識してなかったので、あとでBOW WOWの曲だと知った時は
結構な驚きでしたよ。


紫 - IMPACT ★★★ (2021-09-23 01:19:48)

ジョン・ロード愛迸るハモンド・オルガン、リッチー・ブラックモア風のギター(但しこちらはツインG編成)、イアン・ペイスばりにスウィングするドラム…「日本のDEEP PURPLE」と評され、70年代オキナワンロックの盛り上がりを語る上で欠かすことの出来ない重要バンド、ジョージ紫率いる「紫」が’76年に発表した2ndアルバム。
アメリカ軍キャンプにて米兵相手に実戦経験を積んだ本格派ゆえ、紫の名を不本意な意味で有名にしてしまった城間正男の罪状はともかく実力は間違いない骨太なVoを始め、メンバーの鍛え上げられたパフォーマンスと研ぎ澄まされたテクニックに「部屋に篭って勉強しました」的な線の細さや借り物感は皆無。DEEP PURPLE型HR路線を1stアルバム同様に疾走しつつ、今作は日本のバンドらしい木目の細かいアレンジ/沖縄のバンドならではのメロディ・センスといった独自性をトッピングすることで、前作以上によりハッキリと自身のアイデンティティーを主張した仕上がりとなっています。
緊迫感とキャッチネスを同居させたOPナンバー①や、GとKeyがスリリングに火花を散らしながら駆け抜けていく④、そして何より6分という長尺の中に、プログレッシブ・ロックからの影響も伺わせる変幻自在でドラマティックな曲展開、奔放に繰り広げられる楽器陣の掛け合い、更に沖縄民謡“なんだ浜”のメロディまでブチ込んだ⑤は、沖縄の青い空と澄んだ海が脳裏に広がるような、彼らの神髄がスパークする唯一無二の名曲ですよ。
上り調子の勢い漲る作品だっただけに、これを最後に突如解散してしまったことが惜しまれます。(後に再結成してくれたとはいえ)


寺田恵子 (2013-02-22 22:02:15)

SHOW-YAのフロント・ウーマン。'91年に同バンドから脱退後はソロ・アーティストへと転身し、ヒット作『BODY & SOUL』を手始めに、'03年までに6枚のアルバムを発表。
LOUDNESSのニ井原実、EARTHSHAKERの西田昌史らと結成した西寺実('08年)等のサイド・プロジェクトをこなしつつ、現在は'05年に再結成を果たしたSHOW-YAで絶賛活動中。


寺田恵子 - 悪い夢 ★★★ (2013-02-22 22:04:08)

寺田恵子(Vo)が、カルメン・マキにリスペクトを捧げた'94年発表のカヴァー・アルバム。(SHOW-YA時代に“私は嵐”とか演ってましたもんね)
SHOW-YA作品はベスト盤ぐらいしか持っておらず、彼女のソロ作に至ってはまともに聴いたことすらなかったので、本作については「どらどら、お手並み拝見」と物凄い上から目線で聴き始めたのですが、これがそうした高飛車な態度をクロスカウンターで粉砕する出来栄え。
カルメン・マキ&OZのドラマティックな楽曲を中心に選り抜かれた選曲はツボをしっかりと押さえている上、岡野はじめ、是永巧一、鈴木亨明らが手掛けたアレンジもオリジナル版を尊重(70年代HR的な泥臭さはだいぶ薄まっていますが)。それに何と言っても、あの難曲“崩壊の前日”すら見事に歌いこなす、寺田恵子嬢の力強い歌いっぷりが本編の白眉!
声域/声量/表現力と、テクニック的に優れているのは勿論のことなのですが、何よりパンチの効いた姐御系の声質がカルメン・マキの楽曲をカヴァーするのに打ってつけ。例え歌が上手くても(声が)優等生タイプだと、ここまでハマらなかったろうからなぁ。
ちなみに、個人的にはアルバム表題曲でもある“悪い夢”が本作のハイライト。アコギを取り入れたアレンジの上手さも然ることながら、この曲のみ5X時代からの選曲で、5Xのアルバムが入手困難だった当時、非常に重宝した記憶が有ります。


寺田恵子 - 悪い夢 - 悪い夢 ★★★ (2013-02-24 22:02:38)

二度の逮捕を経て麻薬禍から抜け出した
カルメン・マキが自身の心情を綴った渾身の一編で
5Xのデビュー作『HUMAN TARGET』収録曲。
基本に忠実でありつつ、オリジナル版にはない
アコギを導入して独自色も主張する好カヴァー。
元々の楽曲の良さと相俟って、寺田嬢がアルバム表題曲に
選出したのも納得のカッコ良さ。


寺田恵子 - 悪い夢 - 崩壊の前日 ★★★ (2013-02-24 21:35:43)

カルメン・マキ&OZの2nd『閉ざされた町』収録曲。
歌いこなすのはかなり難しい楽曲だと思うのですが、
メインの演奏にワンテンポ間を置いて歌メロを
追っ付けていく歌唱法まで見事に再現した
寺田恵子のパフォーマンスに痺れます。
ちなみに、ギタリストとして大谷令文が参加。


柴田直人 (2013-11-11 23:16:01)

言わずと知れたANTHEMの大黒柱。「ANTHEM=この人」といっても決して間違いではありません。
あと柴田直人と言えば、当時せっかく友達が「これ、柴田直人のプロジェクトが手掛けてるらしいよ」と言って貸してくれたのに、ゲーム音楽にあまり興味が持てなかったので碌すっぽ聴きもせずに返してしまったことを今更悔やんでいる『ドラキュラ・バトル』のサントラの再発を是非ともお願い致します。太田カツ(G)も参加してたんでしたっけ。


柴田直人 (2013-11-13 22:35:37)

柴田直人プロジェクトが4枚もリリースされていたとは
全く知りませんでした。やっぱり色んな方向にアンテナを
張ってないと見逃す作品が出てきますねぇ。


柴田直人 - STAND PROUD! Ⅱ ★★★ (2013-11-11 23:18:57)

ANTHEMの柴田直人(B)をフィーチュアした企画アルバム『STAND PROUD!』シリーズ、'97年発表の第二弾。
屍忌蛇が手掛けた第一弾が、主に80年代に生み出されたHR/HM王道の名曲をカヴァーしていたのに対し、もう一世代上の柴田直人はLED ZEPPELIN、DEEP PURPLEの2大巨頭を筆頭に、70年代HRやKING CRIMSON等のプログレ・バンドを中心にカヴァー。統一感はまるでないが、ジャンルに縛られないこの幅広さこそが70年代ロックの奥深さにして醍醐味。前作が自分で作ったお好みテープ感覚で聴くことの出来るアルバムだったとするなら、本作は先輩から貰った音楽の教科書って感じでしょうかね。無論、名曲揃いな上に参加ミュージシャンも豪勢なんで「お勉強しましょう」的な堅苦しさは絶無なんですが。
プロデューサーとしても優れた手腕を揮うお人だけに、本作でも参加ミュージシャンの才能を(技能的にも物理的にも)見事に引き出していて、例えばBAD COMPANYの名曲“READY FOR LOVE”をエモーショナルに歌い上げる下山武徳(SABER TIGER)には、それまで持っていた「暑苦しい声のシンガー」という負のイメージを一変させられましたし、更にトドメは人間国宝・人見元基(Vo)を引っ張り出して、LED ZEPPELINの“貴方を愛しつづけて”を熱唱させていること。ハッキリ言って本作は、この号泣モノのへヴィ・ブルーズを聴くためだけに購入しても損はないと断言したいほどの破壊力。
個人的に『STAND PROUD』シリーズでは本作が一番のお気に入りです。


小野正利 - The Voïce -Stand Proud!- ★★★ (2011-10-26 22:53:49)

HR/HM史に輝く名曲の数々を、国内ミュージシャン達がカヴァーする人気企画『STAND PROUD!』シリーズ第5弾の主役に起用されたのは、現GALNERYUSの小野正利(Vo)。同シリーズでシンガーがメインに据えられたのって今回が初めてじゃなかろうか?
HR/HMファンなら一度は聴いた事があるであろう有名曲中心の無難な選曲で、アレンジに関してもオリジナル・バージョンを尊重しての完コピが基本ゆえ、ぶっちゃけ「小野正利によるカラオケ大会」的なノリが無きにしも非ずな本作ですが、個人的にはこの人のカラオケなら金払ってでも聴きたいぐらいなので全く問題なしですよ。
特に、“LADY OF WINTER”(CRIMSON GLORY)や“TONIGHT I'MFALLING”(TNT)、“LOVEDRIVE”(SCORPIONS)辺りは「歌えばハマるだろうなぁ」とは思っていましたが、実際、想像以上のハマりっぷりを聴かせてくれて思わず頬が緩む最高の出来栄え。
また、選曲はベタなれど小野のシンガーとしての資質と、楽曲の方向性がガッチリ噛み合っているJOURNEYの“OPEN ARMS”なんかも胸打たれる逸品に仕上がっているのではないかと。
小野正利という名シンガーの実力を存分に堪能できる充実した内容を誇る1枚。次は是非、産業ロック系の楽曲に特化したカヴァー・アルバム(もしくはソロ作)をばお願いしたい。


小野正利 - Vs ★★★ (2022-09-01 00:01:46)

《カヴァー・アルバムじゃない。VSアルバムだ。》との帯惹句を目にして「言葉の意味はよう分からんがとにかく凄い自信だ」と呟いた、現GALNERYUSのフロント・パーソン小野正利が、デビュー25周年を記念して洋楽カヴァーを中心にレコーディングを行い(GALNERYUSのメンバーも参加)、'16年に発表した2枚組ソロ・アルバム。
前作『THE VOICE -STAND PROUD-』(’11年)の感想を書いた際に「次は産業ロックに特化したカヴァー・アルバムをお願いしたい」と記したのですが、本作でその願いが概ね叶う形に。DISC-1には主に90年代以降のヒット曲を、DISC-2にはBON JOVI、JOURNEY、VAN HALEN、ケニー・ロギンスといった80年代の音楽シーンを象徴するようなアーティストのヒット曲をメインに配して、それを小野が衰え知らずの美声を生かして伸びやかに歌い上げるという構成。マライア・キャリーやセリーヌ・ディオンの楽曲を、ここまで違和感なくハイトーンVoで歌いこなせる男性シンガーは、他にそうはいませんて。
個人的には、やはり思い入れのある楽曲が並ぶDISC-2の方を聴き直す頻度が高く、特にピアノ・バラード風にアレンジすることで抒情性がいや増したBON JOVIの“LIVIN’ ON A PREYER”は、秀逸なカヴァー…もといVSアレンジになっているのではないかと。あと小野の名を一躍知らしめたデビュー・シングル“YOU’RE THE ONLY”もセルフ・カヴァーしていて、随分と久々に聴き直しましたけどやはり胸打つ名バラードだなぁとつくづく実感させられた次第で。
質・量ともに大満足な一作。次は邦楽の名曲に挑戦か?


小野正利 - Vs - Livin’ On A Prayer ★★★ (2022-09-02 00:12:37)

飽きるほど聴いてきたBON JOVIの代表曲を、ピアノ主体のバラード風にアレンジ。
透明感と叙情性を増した曲調に小野のクリスタルな美声がマッチして
アルバムのハイライト級の輝きを放つ逸品に仕上がっています。


聖飢魔II - 1999 BLACK LIST [本家極悪集大成盤] - FIRE AFTER FIRE ★★★ (2008-08-12 23:35:20)

イントロのシャープなGリフだけでノックアウトされてしまう、
必殺のスピード・ナンバー。
てっきりダミアン浜田作曲だと思ってたけど、
ジェイル大橋の手による楽曲だったんですね。やるなぁ。


聖飢魔II - 1999 BLACK LIST [本家極悪集大成盤] - 地獄の皇太子 ★★ (2008-08-12 23:16:48)

序曲“魔王凱旋"から繋がる、
初期・聖飢魔Ⅱの魅力を判り易く伝える様式美HMナンバー。
線の細さが微笑ましい1st収録バージョン、
カッコ良さ大幅増のリメイク・バージョン、
どちらも味わい深く、捨て難い。


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY ★★ (2008-08-12 22:06:00)

エリック・アダムスばりの大仰さを誇る、デーモン小暮のシアトリカルなVo(ルックスは和製キング・ダイアモンドだが)、
随所で劇的なハモりっぷりを聴かせてくれるツインG、そして、デビュー作より格段にダイナミズムを増したリズム隊・・・と、
初期・聖飢魔Ⅱの集大成的作品と呼ぶに相応しい内容に仕上がった、'87年リリースの2ndアルバム。
バンドの創始者(でも既に脱退済み)ダミアン浜田が手掛けた、ドラマティックな様式美HMチューンの数々も、
ますます磨き上げられて、その完成度を高め、荘厳でクラシカルな序曲①に導かれてスタートするアルバム表題曲②に始まり、
ダイナミックで物騒なメタル・アンセム風の③から、中期BLUE OYSTER CULTに通じる詩情を漂わせた美しい④、
“切り裂きジャック"のタイトル通り、鋭利なGプレイに痺れる⑤を経て、聖飢魔Ⅱというバンドの魅力を端的に表した彼らの代表曲⑥、
妖しく不気味な⑦、そして、ラストをアグレッシブに締め括る、猛烈なスピード・ナンバー⑧に至るまで、全編、これ一切の捨て曲なし。
CDのみのオマケとして、曲の頭にはデーモン小暮による愉快かつホラーな「語り」が、あたかも辻説法の如く(閣下談)収録されていて、
本編に濃密に漂うサタニックな雰囲気の盛り上げに大きく貢献している。これぞまさに「デーモン新歌劇」!
今の耳で聴き直すと、サウンド・プロダクションの弱さは如何ともし難いものの、聖飢魔Ⅱというバンド名から
想起されるイメージを全く裏切らない収録曲の数々は、彼らのアルバムの中でも1、2を争うクオリティの高さを誇り、
個人的には、聖飢魔Ⅱ未体験者には先ず本作をお薦めしたいぐらいお気に入りの1枚。ジャパメタ史に残る名盤でしょう。


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY - JACK THE RIPPER ★★★ (2008-08-12 23:33:00)

まさにタイトル通りな、鋭利な刃物を思わせるGプレイが
非常にカッコイイ。劇的極まりないGソロも◎。
やはりメタル・バンドたるもの、一度は「切り裂きジャック」を
ネタに曲を作らないとね(笑)。


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY - THE END OF THE CENTURY ★★★ (2008-08-12 23:27:29)

名盤のOPを飾るに相応しい名曲。
クラシカルな序曲を経て、華麗なツイン・リードGが
劇的に疾走を開始する場面は、何度聴いてもガッツポーズ物の
カッコ良さですよ。
デーモン小暮の歌メロの魅力も素晴しい。
(まだちょっと線が細いけどね)


聖飢魔II - THE END OF THE CENTURY - 悪魔の賛美歌 ★★★ (2008-08-12 23:30:17)

美しく儚くも、どこか歪んだ詩情を漂わせた曲調が、
中期BLUE OYSTER CULTを彷彿とさせる名曲。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 ★★ (2008-08-17 18:08:00)

徹底的にヘヴィでアグレッシブな『恐怖のレストラン』発表したかと思えば、珍作『PONK!』でファンを引っ繰り返らせたりと、
イマイチ方向性の定まらない活動を繰り広げてきた聖飢魔Ⅱが、いよいよ間近に迫った1999年を意識してか(?)、
再び、彼ららしいデーモニックな風格漂う、王道HM路線へと軌道修正を図って制作した、'96年発表の9thアルバム。
バンドの代表曲“地獄の皇太子"にオマージュを捧げた①で幕を開ける本編の構成や、聖飢魔Ⅱの創始者・ダミアン浜田、
ジェイル大橋(G)といった、バンド初期の構成員がアルバム制作に関わっている事からも、
原点回帰の姿勢は明らかで、特に、ダミアン浜田が作詞・作曲を手掛けた②⑤⑥は、ダークな歌詞世界といい、
妖しく叙情的、かつドラマティックなメロディといい、1stや2ndの頃を思わせる内容に仕上がっていて、
初期・聖飢魔Ⅱの様式美HM路線を愛する我が身には、聴いていて思わず頬が緩むというもの。
だが、何より特筆すべきは、現メンバーが手掛けた楽曲が、ダミアンの楽曲の完成度を完全に上回っているという点で、
良くも悪くもマイナーな雰囲気漂うダミアンのそれらに比べ、現メンバーの手による楽曲は、本編のハイライトたる名曲①や、
パワフルに疾走する③、ムーディでメロウな④、ギャロップするリズムが勇壮さを煽る⑩を筆頭に、メジャー・アクト然とした
堂々たる貫禄と洗練を感じさせ、もはや聖飢魔Ⅱというバンドが、完全にダミアンの影響下から脱して、独自の個性を確立している事を
今更ながら実感させてくれます。(勿論、声域/声量/表現力の兼ね備えた、デーモン小暮のVoの素晴しさも相変わらず)
最初から最後まで、アルバム全編、捨て曲は一切なし。個人的に、ここまで楽曲が粒揃いなのは、
2nd『THE END OF CENTURY』以来ではないかと思う。聖飢魔Ⅱ入門編として、まさに打ってつけの1枚と言える名盤。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - GREAT DEVOTION ★★★ (2008-08-17 22:25:47)

9th『メフィストフェレスの肖像』において、
最もヘヴィ・メタリックなカッコ良さを発散する疾走チューン。
クールなGリフに一発ノックアウト!


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - HOLY BLOOD 〜闘いの血統〜 ★★★ (2008-08-17 22:19:45)

メイデンばりにギャロップするリズムが勇壮さを煽る、
『メフィストフェレスの肖像』のラスト・ナンバー。
正直、あのアルバムはボーナス・トラックなしで、
この曲で終わっておいた方が美しかったような・・・。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - メフィストフェレスの肖像 ★★★ (2008-08-17 22:23:10)

ダミアン浜田の手によるアルバム・タイトル・トラック。
暗くマイナー調のメロディと、美しいアコギを効果的に取り入れた
ドラマティックな曲展開が、バンド初期の様式美HM路線を
思い起こさせる、まさにダミアン印の名曲。


聖飢魔II - メフィストフェレスの肖像 - 地獄の皇太子は二度死ぬ ★★★ (2008-08-17 22:17:19)

タイトルからして、原点回帰の姿勢がビンビンに
伝わってきて期待させられるが、実際、その期待が
裏切られることはない。
名盤のOPを飾るに相応しい名曲。


聖飢魔II - 恐怖のレストラン ★★ (2008-08-14 19:15:00)

作品を重ねる毎にメタル色が薄れ、洗練されたHRバンドへと変化していった聖飢魔Ⅱが、久々に原点回帰を志向し、
デーモニックなコンセプトを前面に押し出して制作・発表した、'92年リリースの7thアルバム。
原点回帰と言っても、別に1stや2ndアルバムの頃のような、様式美HMスタイルに戻ったわけじゃなく、
重厚なGリフに絡む呪術的なリズムが、禍々しい雰囲気を演出するOPナンバー①に代表されるように、歪んだ音色で
荒々しくシュレッドされるGリフ、重く叩きつけられるようなリズム、そして、いつになくヒステリックな歌唱を響かせる
デーモン小暮のパワフルなVo・・・と、その作風は、数ある聖飢魔Ⅱのアルバムの中でも、断トツのバイオレントさを誇る。
ダークなヘヴィネスが強調され、従来の聖飢魔Ⅱの作品において顕著だった「遊び」や「笑い」の要素が極力抑えられた
シリアスな楽曲は、けっこう真剣に恐ろしく(③④とか)、まさに「ホラー・メタル」の面目躍如といった感じ。
但し、今回は上で別の方が仰っている通り「オカルトっつーよりも、スプラッター」なノリゆえ、かなり好き嫌いが分かれるし
(ジャケット・アートワークもスクリーミング・マッド・ジョージ氏が手掛けている)、初期のような劇的なメロディも、
中期のようなキャッチーなメロディも聴く事が(あんまり)出来ないので、その辺は覚悟して挑むべし。
美しくも不気味なインスト⑥を序曲に、血も凍る女性の絶叫からスタートする、ハイテンションな狂気を撒き散らす⑦や、
閣下の驚異的にブルータルなVoをフィーチュアして突っ走る、ダークでパワフル、それでいて正統派へヴィ・メタリックな
カッコ良さも兼ね備えた激烈スピード・チューン⑨、ゴシカルな雰囲気を漂わせた、10分以上に及ぶオペラティックな大作⑩など、
聖飢魔Ⅱの暗黒面を代表する名曲を数多く収録。このサイトでは評価が割れているようなれど、個人的には
彼らのオリジナル・アルバムを集め始める切っ掛けともなった作品であり、非常に思い入れのある1枚。力作。


聖飢魔II - 恐怖のレストラン - ギロチン男爵の謎の愛人 ★★★ (2008-08-15 01:04:39)

この曲が切っ掛けで、それまで色眼鏡で見ていた
聖飢魔Ⅱに対する視線が一変。
禍々しさを撒き散らして疾走するリズムの上に乗る、
デーモン小暮のストロングなVoと、
ヘヴィ・メタリックなGリフのカッコ良さは筆舌尽くし難い。
「ヘヴィ・メタル!」とのシャウトと共に
Gソロが走り出す場面も最高です。


聖飢魔II - 恐怖のレストラン - 殺しの現場!! ★★★ (2008-08-15 01:14:39)

ぶん回されるように刻まれるリフ&リズムに、
凄まじいアグレッションを誇るデーモン小暮のVoが
一丸となって突っ走る、異常なまでにハイテンションな
エネルギーに満ち溢れた、狂気の名曲。


聖飢魔II - 聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる ★★ (2008-08-09 20:51:00)

現在よりも、ヘヴィ・メタルという音楽様式にファンが強い拘りを持っていた(=洒落が通じない)時代に、
早過ぎるデビューを飾ってしまった為、BURRN!!で0点を獲得する等、かなり手厳しい評価を受けた事で知られる
聖飢魔Ⅱの笑撃・・・もとい、衝撃の1stアルバム。
後期・聖飢魔Ⅱと比べてしまうと、サウンド・プロダクションは冴えないし、実力派Voとして鳴らす
デーモン小暮閣下の歌声も、まだまだ青さを残しているしで、初めて本作に触れた時は、
正直なところ「何だかチープだなぁ」との印象を受けなくもなかった・・・が、しかし。
聖飢魔Ⅱの創始者にして、デビュー時には既にバンドから脱退済みだったダミアン浜田殿下が手掛けた、
ドラマティック&サタニック、且つ笑えるHMナンバーの数々は、0点どころか非常に高得点モノのクオリティを誇っており、
特に、聖飢魔Ⅱの代表曲の1つと言うべき、序曲①を経て幕を開ける疾走チューン②(この曲のみ閣下が作曲を担当)や、
本編のハイライトを飾る、全6楽章からなる悪魔組曲⑥は、様式美HMファンなら必聴の名曲と断言できる出来映え。
ちなみに両者は、後にリ・レコーディングされてベスト盤『1999 BLACK LIST 極悪集大成盤』にも収録されたが、
カッコ良さ大幅増の前者はともかく、後者は、最も愉快な最終楽章“BATTLER"がカットされてしまっているので、
ベスト盤を聴いてこの曲が気に入った人は、本作のチェックも怠らないように宜しく。


聖飢魔II - 聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる - 悪魔組曲作品666番ニ短調 ★★★ (2008-08-12 23:23:10)

荘厳、ダーク、クラシカル、ファニーでドラマティック・・・と、
初期・聖飢魔Ⅱの魅力が全て詰め込まれた、10分以上に及ぶ大作組曲。
後にリメイクされたが、最も笑える最終章“BATTLER"が
カットされてしまっているので、
個人的には1stアルバム収録バージョンがお気に入り。