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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6601-6700

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火薬バカ一代さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 6601-6700
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WARRIOR - Ancient Future - All I Need ★★★ (2019-09-13 00:33:13)

WARRIORの1stデモに収められていた3曲の名曲のうちの一つ。
“FIGHTING FOR THE EARTH”と“DAY OF THE EVIL”は
デビュー・アルバムで聴けましたが、この曲だけはスルーされていたので
ここに収録されているのはありがたい。(但し日本盤のみの収録)
良く伸びるハイトーンVoや、ツインGによる劇的な盛り上げっぷりが
『運命の翼』を発表した頃のJUDAS PRIESTを彷彿とさせる逸品です。


WARRIOR - Ancient Future - Learn to Love ★★★ (2019-09-13 00:19:08)

パラモア・マッカーティのVoとロイ・ZのエモーショナルなGを両軸に
じっとりと湿度高めで盛り上がっていくドラマティックなバラード。
このレベルの楽曲を収録予定だったことからも、幻に終わった
2ndアルバムの完成度の高さが窺い知れるというものです。
発表して欲しかった…。


WATCHTOWER - Control and Resistance ★★ (2022-07-05 01:19:58)

ボビー・ジャーゾンベクの弟で、超絶テクニカル・ギタリストのロン・ジャーゾンベクを中心に腕に覚えのある面子によって結成。後続のインテレクチュアル・スラッシュ・メタル勢に多大な影響を与え、DANGEROUS TOYSに加入するジェイソン・マクマスター、DON DOKKENへの参加で注目を集めたビリー・ホワイト等も在籍していたテキサス出身の4人組WATCHTOWERが'90年にNOISE RECORDSから発表した2ndアルバム。
当時「プログレッシブなスラッシュ・メタル」と聞いて、展開を積み重ねてドラマを醸成していくQUEENSRYCHE的なメロディアスで劇的な音を期待していたのですが、飛び出してきたのはジャズ/フュージョンをブーストさせたような、変拍子と複雑なリズム・パターンとトリッキーなフレーズがマシンガンの如く叩き込まれる奇天烈なサウンド。ロンのGプレイは流麗極まりないものの、哀愁や泣きの成分はほぼ皆無で、唯一、元HADESのアラン・テッチオ(Vo)のハイトーンは猛烈なHMテイストを発散していますが、全体としては一般受けする要素はほぼゼロ。というかそもそも一般受けなんて眼中にないスタイル。
当初は「複雑にするための複雑さ」にイマイチ乗れず、というかそれに関しては今も大差ないのですが、G、B、Ds、Voの各パートが「俺が」「いや俺が」とばかりに主役の座を巡って映画『アウトレイジ』ばりに仁義なきバトルを繰り広げる様は緊迫感に満ち溢れ、楽曲よりも、むしろ演者に集中するとより楽しめる類の作品であると最近になって気が付いた次第。キャッチコピーつけるなら《全員達人。》といったところか。
メタル者的には1stの方が取っ付き易いかな?尋常じゃないくらい音が悪いのですが。


WESTWORLD - Cyberdreams ★★★ (2013-12-14 00:24:20)

来日公演も行う等、着実にバンドとしての地歩を固めたWESTWORLDが'02年に発表した3rdアルバム。
この時期、メロディアスなサウンドを売りにしてたバンドがアルバム・タイトルに突然「CYBER」とかブっ込んで来た日にゃ、それだけで嫌な予感を抱かずにはいられませんでしたが、前作以上にモダンな方向へ振れた作風を提示してくるのでは・・・とのこちらの危惧を他所に、ここではファンがバンドに期待する「らしさ」と、新しいことを試みたいというミュージシャン・サイドの欲求とが上手くバランスを取ったサウンドが提示されていて、ほっと一安心。
例えばOPナンバー①は、横ノリのGリフとリズムは確かにへヴィではあるものの、その上でトニー・ハーネルが歌い上げるメロディは前2作に勝るとも劣らぬ切ない哀愁を発散。緊迫感を湛えたヴァースから一転、サビでは雲が晴れるような爽やかさを伴って展開する④、熱くダイナミックに盛り上がっていく⑤、バラード作りの巧さに定評のある彼らの手腕が光る⑥、それにTNT風味溢れるラスト・ナンバー⑪といった、このバンドならではの個性が刻印された名曲も収録。
本作をもってWESTWORLDとしての方向性を完全に確立したにも関わらず、これがラスト作になってしまったのが残念でなりません。


WESTWORLD - Cyberdreams - Look to See ★★★ (2013-12-14 00:40:06)

1st収録の“HEART SONG”、2nd収録の“LIMBO”
そしてこの曲と、彼らのバラード作りの上手さには
アルバム毎に泣かされっぱなし唸らされっぱなしですよ。
高音域から滲み出す哀愁が涙腺を直撃するトニー・ハーネルのVo、
アコギ爪弾かせても最高なマーク・リアリのG、
あと叙情性を効果的に増幅するKeyも良い仕事してますね。


WESTWORLD - Skin ★★ (2013-12-12 22:53:35)

デビュー作が好評を得たことに気を良くして、レコーディング・プロジェクトから正式なバンドへと昇格を果たしたWESTWORLDが、'00年に発表した2ndアルバム。
味も素っ気もないアルバム・タイトルとアートワークに嫌な予感を覚えつつCDを再生してみれば、のっけの①から流れ出すのは、ダウナーな横ノリを伴って刻まれるリフ&リズム、それにエフェクトの掛けられたトニー・ハーネルのVo・・・。爽やかさや開放感が減退し、気だるげなへヴィネスが増強された、如何にも90年代の音楽的流行に寄り添った内省的な作風は、恐らくトニー主導で導入が進められたものと推察されますが、では本作が退屈な駄盤かと言えばさに非ず。
イントロで「うへぇ」となる楽曲にしても、ヴァースやサビメロ、ブリッジには必ずや胸を打つ哀愁のメロディが控えており、水彩絵の具で描かれた名画の如き泣きのバラード④以降は、雲間から陽光が差し込むようにダークな雰囲気はどんどん薄れていきます。ラストは往年のTNTを彷彿とさせる⑪で締め括られるので、聴後感も良好。
劇的な曲調にパワフルな歌唱がよく映える、本作ならではの名曲⑤に強く表れている通り、トニーのモダンさを好む性質と、マーク・リアリの素朴なメロディ・センス&円熟のGプレイとが、ギリギリのバランスの上で綱引きを行っているような感覚を覚える、実にスリリングな(?)1枚。


WESTWORLD - Skin - Limbo ★★★ (2013-12-12 23:32:17)

切々と歌い上げるトニー・ハーネルのVoも
良いのですが、この名バラードの白眉は間違いなく、
静かに、しかし狂おしいほどに咽び泣く
マーク・リアリの入魂のGソロでしょう。
聴く度に顔がくしゃおじさんみたくなってしまいますよ。


WESTWORLD - Westworld ★★★ (2013-12-10 23:58:20)

RIOTでの活動に生涯を捧げた故マーク・リアリ(G)が、TNTのトニー・ハーネル(Vo)と共に立ち上げた唯一(だよね?)のサイド・プロジェクト、WESTWORLDが'98年に発表したデビュー作。
共通項があまり思い浮かばない組み合わせでしたが、結果的に提示された作品は、マークの持ち込んだハード・ロッキンなエッジと哀愁のメロディ、トニーが持ち込んだモダンなアメリカン・ロックのエッセンスとが見事に化学反応を起こした仕上がりで、よもやこのタッグから、ここまで良質なメロディアスHRアルバムが生み出されるとは思いませんでしたよ。
トニーが、自身に求められる期待にきっちり応えた(80年代の)TNT風味溢れるOPナンバー①、マークの円熟の域に入ったGプレイが光る⑤⑥⑩辺りは、このプロジェクトの真骨頂と言うべき楽曲。そしてクリアに伸びていく開放感溢れる歌声と、エモーショナルなメロディ・センスという両者の魅力が絶妙な融合をみた名曲④は、「あぁ、このアルバムを買って良かった」と思わせてくれる極上のバラードです。
TNTの最終作『REALIZED FANTASIES』にイマイチ満足行かなかったという方は、これ聴いて溜飲を下げるのも一興かと。


WESTWORLD - Westworld - Heart Song ★★★ (2013-12-11 22:16:22)

ハイトーンだけでなく表現力にも冴えをみせる
トニー・ハーネルのVoから、ここぞという場面で
炸裂するマーク・リアリの情感豊かなGソロ、
タメと間を生かしたジョン・オライリーのドラミング、
それに哀愁を倍増させるアコギとストリングス・アレンジまで
全ての要素が「泣きな~さぁ~い~」と語りかけて来るような
ドラマティックな名バラード。


WHEELS OF FIRE - Begin Again ★★★ (2020-11-23 23:49:09)

現WHITESNAKEのミケーレ・ルッピに師事した実力派シンガー、ダヴィデ・バービエリ率いるイタリア出身の5人組HRバンドWHEELS OF FIREが'19年に発表した3rdアルバム。昨年末に帯・解説付の輸入盤がBICKEE MUSICから発売されていたので「年が明けたら買おう」と呑気に構えていたら、それから1~2か月足らずであっという間に廃盤になってしまい慌てましたよ。どう考えても早過ぎるのですが一体どうしたことか。
80年代風味満点の溌剌としたポップ・メタル・アルバムだった1st、より成熟しメロディアスになった2ndときて、本作で披露されているのはちょうど両作の中間ぐらいに位置するメロディック・ロック・サウンド。ポップな中にも哀愁がまぶされたメロディと、この手の音にお似合いの、ちょっと鼻にかかったハイトーンでエネルギッシュに歌いまくるVo、それにコンパクトにまとまった良ソロをテクニカルに繰り出すGにより華やかに彩られた本編は、ボーナストラック含めて捨て曲なし。前作から7年という長期間のブランクをものともしない、相変わらず卓越した曲作りのセンスが光るハイクオリティな仕上がりです。まぁダヴィデは活動休止期間中も多数のプロジェクトを掛け持ちしていたようなので、それも当然っちゃ当然なのですが…。中でもピアノのイントロからスタートするドラマティックなバラード⑤や、フックを満載にして疾走する⑨等は、今が80年代ならヒット・チャートを賑わしたっておかしくない本編のハイライト・ナンバーですよ。
過去2作の美味しい所取りとも言える充実作なので、WHEELS OF FIRE入門盤代わりに強くお薦めする1枚…って、もう廃盤か。願・再発。


WHEELS OF FIRE - Begin Again - For You ★★★ (2020-11-24 22:50:51)

ピアノ好きの身としては、ポロポロと奏でられる
ピアノの美しいイントロだけで期待感が高まってしまいますが
哀愁が溢れ出すサビメロの素晴らしさといい、情感迸るGソロといい、
その後のドラマティックな盛り上がりっぷりは
そうしたこちらの性癖(?)にしっかりと応えてくれるものです。


WHIPLASH - Insult to Injury ★★ (2006-11-21 23:00:00)

歌える専任Voの加入に伴い、疾走感よりもメロディを重視した作風への変化が賛否両論を呼んだ、'89年発表の3rdアルバム。
スピードとメロディのバランスが絶妙だった前作を愛する身には、この変化は歓迎出来るモノではなく、
1、2回聴いたきりでCDを売っ払ってしまった記憶があるのだが、リマスター盤が出回り始めたのを期に
改めて購入して聴き直してみたら、これが案外悪くない。というか、とても良い。
インスト曲⑨は、彼らがスピードに頼らずとも素晴しい曲が書ける事の証明のようなものだし、
従来のスラッシュ路線を踏襲した激烈な⑥⑪、「日本が原爆落されたのは自業自得だぜ~」と歌う歌詞はともかく、
曲自体は正統派へヴィ・メタリックで非常にカッコイイ(唸りをあげるBがナイスな)②等、
しっかりとした練り上げの感じられる名曲・佳曲が目白押し。
ただ皮肉な事に、練り上げ過ぎが原因で楽曲の即効性が落ちてしまっているのもまた事実なわけなのだが・・・。
取り合えず、スルメ盤として根気強く付き合って頂きたい1枚である。


WHIPLASH - Power and Pain ★★★ (2016-05-10 23:21:07)

ポータロ(Vo、G)、ボノ(B)、スカグリオン(Ds)という、スリー・トニーズによって結成されたニュージャージー州パセーイク出身の爆走トリオ・スラッシャーが、'86年にROADRUNNER RECORDSから発表したデビュー作。
清々しい迄にインパクト勝負なバカジャケといい、テレコ録音と聴き紛う低音スカスカなしょんぼりプロダクションといい、ひたすら疾走に次ぐ疾走で強引に押し通る作風といい、「わざと狙ってやってます」的養殖モノとは一線を画する、ピッチピチの天然系80年代型スラッシュ・メタル・テイストが、ここにはギュッと凝縮されています。
特に、16分の刻みに載せてドリルの如く抉り込んで来るGリフのカッコ良さは本作の白眉。一緒に叫びたくなる“WAR MONGER”や、ラストを激烈に〆る“NAILED TO THE CROSS”といった、まさしくバンド名を地で行くWHIPLASH(鞭打ち)な猛進ぶりが愉快痛快な突撃ナンバー、そして名曲“METAL THRASHING DEATH”に至っては、スラッシュ脳丸出しな曲名/鋭利且つキャッチーなGリフ/キャラの立ったドラミングと、三拍子揃った「B級スラッシュ斯くあるべし!」なバンドの代表曲ですよ。
また、攻めの姿勢に終始する本編に対して、Gソロが意外なぐらいメロディアスに組み立てられているのも本作のチャーム・ポイント。シャウト一発からスタートするOPナンバー“STAGE DIVE”を手始めに、随所を彩るGソロのピロピロっぷりが効果的に楽曲のテンションを高めてくれています。
正直、チープ極まりない作りは相当に聴き手を選ぶところではありますが、ツボにハマれば一生モノの1枚になること間違いなし。


WHIPLASH - Power and Pain - Power Thrashing Death ★★★ (2016-05-10 23:27:34)

タイトルだけで高得点を差し上げたくなります。
ペラッペラな音質、高速回転するドリルみたいなGリフ、
ドカスカ感溢れるアタッキーなリズム、
あとへったくそなVoとがやけくそ気味に突貫する
B級スラッシュ・メタルかくあるべし!な名曲。
ピロピロ弾きまくるGソロまで、今聴くと全てが愛しい。


WHIPLASH - Ticket to Mayhem ★★★ (2006-11-20 22:45:00)

ニュージャージー出身の爆走トリオ・スラッシャー、'87年発表の2ndアルバム。
プアーな音質さえもブッちぎるGリフのカッコ良さと、タコメーターが振り切れんばかりの疾走感が際立っていた1st『POWER AND PAIN』に対し、今回はスピード・ナンバーで畳み掛ける基本姿勢はそのままに、重厚感を増したサウンド・プロダクションの下、バラードリーな③や、ドラマティックな曲展開を聴かせる⑧のような楽曲を収録することで本編の流れに緩急を演出。ガムシャラな突撃精神を抑制し、作品全体の完成度を見据えた姿勢にバンドの成長ぶりが見て取れます。(それを喜ぶか、悲しむかは人それぞれ)
前作ではメロディもへったくれもなかったVoが、本作ではヘシャゲ声なりに「歌って」いて、WIPLASH流バラードと呼べそうな③における歌唱は、なかなかどうして聴かせてくれます。また、これまで以上に印象的なメロディで斬り込んで来るGも、非常に良い仕事をしている事を付け加えておきたいところ。
スラッシュ・アルバムとしての魅力は前作に軍配が上がるでしょうが、名手TJ・スカグリオーネ(Ds)をSLAYERに引き抜かれる(しかもデイヴ・ロンバートがすぐに出戻った為、TJはあっという間にお払い箱となった)というトラブルにもめげず、直ちに体勢を立て直して発表されたガッツ溢れる本作だって決して舐めたもんじゃない。
というか「WHIPLASH初めて聴く」という初心者には、まず本作をプッシュしたいところですよ。個人的には。


WHITE HEART - Hotline ★★★ (2023-09-14 00:35:51)

GIANTでの活躍や、プロデューサー業でも知られるダンとデヴィッドのハフ兄弟、数々のグラミー賞に輝くゴードン・ケネディ、トミー・シムズといった腕利きメンバー達が在籍していたことで知られるナッシュビル出身のAORバンド、WHITEHEART。本作はダン・ハフが脱退し、その後任にゴードン・ケネディが加わるという編成替えを経た彼らが'85年に発表した3枚目のフル・アルバムとなります。
ダンの抜けた穴を着実に埋めるゴードンのHR志向と、アメリカにおけるHR/HM人気の爆発的な盛り上がりを推進剤に、本作で披露されるサウンドも過去2作に比べると一気にハードネスが増強。といってもいきなりゴリゴリのメタル・バンドに変貌するはずもなく、AORがハードポップになって程度の差異ではあるものの、躍動感溢れるOPナンバー①、後に続くキャッチーな②という冒頭の畳み掛けが如実に物語る通り、HR/HMリスナーにとっては相当に取っつき易い内容に仕上がっていることは間違いありません。
ハードさを増したからといってメロディのフックが疎かになっていない点も、流石メロディ職人が揃ったバンドだけあって、一般的にはほんわか和み系バラード③が代表曲として人気が高いそうですが、個人的にはシンセを生かしてリズミカルに駆け抜けていく⑤、メンバー全員が歌える強みを生かした⑥、80年代アクション映画の主題歌に起用されていても違和感のない⑩といった、ハードめな楽曲の方に心惹かれましたよ。
本国アメリカのファンの間ではWHITEHEARTの最高傑作と評されるのも納得の1枚。GIANTが気に入った方ならトライする価値は十分にあるのではないでしょうか。


WHITE HEART - Hotline - Keep Fighting the Fight ★★★ (2023-09-15 01:16:20)

アクション映画の主題歌に起用されていても違和感のない
印象的なKeyリフと張りのある歌声が映えるアルバムのラスト・ナンバー。
本編のエンディングをハード・ナンバーで締め括るバンドは信用できますね。


WHITE HEART - White Heart ★★★ (2023-10-11 00:48:16)

近年はプロデューサー業でも腕を振るう、ビリー・スマイリー(G)とマーク・ガースミール(Key)を中心に結成。ダン(G)とデヴィッド(Ds)のハフ兄弟を筆頭に、多彩な音楽ジャンルで活躍するタレントを数多く輩出してきた「ナッシュビルのTOTO」こと名門WHITE HEARTが、’80年に発表した記念すべき1stアルバム。
多作ぶりで知られ、その時々によって音楽性を変化させてきたWHITE HEARTですが、本作で聴けるのは、親しみ易い柔和なメロディ、安定した演奏力を生かしたシャレオツなアレンジ、それに美しいボーカル・ハーモニーに彩られた(良い意味で)典型的なCCM系AORサウンド。ゆえにゴリゴリのメタル者にとっては多少刺激に乏しい内容であることは否定しえないものの、本編開幕を軽やかに飾るキャッチーな①や、高いヒット・ポテンシャルを感じさせるバラード⑤等、フックの効いた楽曲の素晴らしさは、このデビュー作の時点で既に傑出しています。
随所でコシの効いたGプレイを差し込み、単なるBGMに留まらぬ存在感を発揮するダン・ハフが、後の売れっ子セッションマンとしての片鱗を早くも伺わせてくれれば、これ1枚きりでバンドを去ってしまうスティーヴ・グリーン(Vo)も、張り良し/伸び良し/艶良しの強力ハイトーンVoで、本作の完成度を更に一段階引き上げ。ポップな高揚感に満ちた曲調と絶妙なメロディ展開が劇的に躍動する④なんて、両雄のポテンシャルが十全に発揮された名曲中の名曲。クリスチャン・メタル好きなら聴かずには死ねませんて。
WHITE HEARTの代表作として人気を集めるのも納得の名盤ですね。


WHITE HEART - White Heart - He's Returning ★★★ (2023-10-13 00:47:49)

ポップな高揚感を湛えた曲調に、絶品のグラデーションを描くメロディ、
それにメンバーほぼ全員が歌える強みを生かした華麗なボーカル・ハーモニーに
彩られたドラマティックなアルバムのハイライト・ナンバー。
WHITE HEART屈指の名曲です。


WHITE LION - Big Game ★★★ (2017-01-25 23:18:42)

’89年発表の3rdアルバム。注目を集めた1st『華麗なる反逆』でホップ、全米チャートTOP10圏内を射程に収めた2nd『PRIDE』でステップと来て、いよいよ本作で栄光に向かって大ジャンプを決める…筈が、HR/HMシーンの潮流の変化もあってか思ったほど飛距離(チャート・アクション)が伸びぬまま着地。結果的に上り調子だった前2作の勢いに影を落とす形となったため、漠然と「コケた作品」との印象が付きまとっていたのですが、メタル・バブル爛熟期の当時ならともかく、バブル熱が冷めきった今にして思うと、全米チャート最高第18位という成績は立派に健闘してる方だったよなぁと。
音楽的には、ウェットなヨーロピアンHRと、カラッと明るいアメリカン・ロックの割合が7:3ないし6:4ぐらいだった前2作に比べ、マイケル・ワグナーが手掛けた音作りからしてブライトな今回は、その比率が1:9ぐらいで完全に逆転。中には本編をハード且つドラマティックに締め括る⑪みたいな楽曲もあるにはあるものの、作品全体を支配するのはやっぱり、アメリカ市場での更なる躍進を見据えたポップ・メタル・カラーという。
そんな中で気を吐くのがヴィト・ブラッタの「歌う」リードG。ノリノリの⑦、爽やかなバラード⑧、ドラマティックな⑪といった秀曲において、フラッシーだったりメロディアスだったり情感に溢れてたりと、各曲調にマッチした多彩なGプレイを提供。中でもポップな名曲①における絶品に構築されたGソロは必聴ですよ。(評価が割れがちなマイク・トランプのVoも、こうしたハーモニー重視の作り込まれたサウンドには実によく馴染みます)
なぜ多くのマニアが、このギタリストのミュージシャン稼業からの引退を惜しむのか。その理由を解するのに打ってつけの1枚ではないでしょうか。


WHITE LION - Big Game - Cry for Freedom ★★★ (2017-01-26 23:24:26)

カラッと明るいハードポップ色を強めた3rdアルバム内にあっては
やや異色な、仄かに漂う欧州HR風味が美味な本編ラスト・ナンバー。
ムーディに抑えた前半を経て、中盤で一瞬熱を帯びた演奏を閃かせて
聴き手の胸をハッと突くヴィトのGプレイがここでも光っています。


WHITE LION - Big Game - Goin' Home Tonight ★★★ (2017-01-26 23:18:39)

草原を吹き抜ける一陣のそよ風の如き
爽やかなアルバムOPナンバー。
音楽雑誌にて
「足りない音も、余分な音も、一つとしてない名演」
と評されたヴィト・ブラッタのGソロが
皆さん激賞されている通りの素晴らしさ。


WHITE LION - Fight to Survive ★★★ (2016-02-22 23:27:35)

名盤『PRIDE』('87年)の影に隠れて、イマイチ存在感の薄い'85年発表のデビュー作。
アメリカでは鳴かず飛ばずだったWHITE LION人気に、日本とイギリス先行で火が点く切っ掛けとなった1枚で、それもその筈。本作において志向されているのは『PRIDE』以上に欧州志向が強く滲むHMサウンド。重厚にしてドラマティックな③や、メロウな前半からメタリックな疾走へと転じる曲展開にアドレナリンが放出される⑤、スパニッシュ・タッチのイントロから勇壮な三連リズムへ突き進む⑨といったエッジの効いた楽曲は、“華麗なる反逆”“勇者チェロキー”“バルハラへの道”etc…と、エピック・メタルばりに大仰な邦題に負けない鋼鉄魂を感じさせます。これはバンド随一のメタルヘッドだったというオリジナル・ドラマー(作品発表前に脱退済み)が、本作レコーディング当時は曲作りの主導的立場にあったせいなのかな?と。
甘さより粗さの目立つサウンドは「もしこのままだったら後のサクセスはなかったろう」と思わなくもないですが、でもそこが良いんだろ!と。高いヒット・ポテンシャルを感じさせる②のようなタイプの楽曲や、OPナンバー①のイントロだけで「モノが違うぜ」と思わせてくれる、お城が建ちそうなぐらい構築美に溢れたヴィト・ブラッタのGプレイも既に健在だったりと、よく聴けば、実は次作での大ブレイクに対する布石はバッチリです。
個人的には2ndと同じぐらいお気に入りの力作。


WHITE LION - Fight to Survive - El Salvador ★★★ (2016-02-23 22:42:33)

確かにイングヴェイっぽさを感じます。
(同年に発表されてるので単なる偶然でしょうが)
WHITE LION版“DISCIPLES OF HELL”みたいな。違うか。
ヴァースにうっすらと被さる「アーアーアー🎵」コーラスが
勇壮さを煽る、メタル色の強い1stの中にあって
1、2を争う名曲ではないでしょうか。
“エルサルバドルの悲劇”なる邦題も良い。


WHITE LION - Mane Attraction ★★★ (2021-01-05 23:58:00)

80年代の絶頂期を謳歌していたバンド群が、新たな波の到来で路線変更や解散を余儀なくされていった90年代。WHITE LIONもプロデューサーにリッチー・ズィトーを迎えて制作、'91年に発表した本4thアルバムを以て一旦その歴史に幕を下ろすこととなりました。
プロデューサーの人選からして、前作『BIG GAME』以上にポップ路線を突き詰めた仕上がりになっているかと思いきや、本作ではメロディの魅力は生かしつつ、極力装飾を排した音作りの下、ヘヴィなGが全体を引っ張る90年代仕様のサウンドを提示。マイク・トランプも時に荒れ声を駆使して荒々しい側面を披露しています。ただそうなると、これまでは分厚いハーモニーに覆われることで気にせずに済んでいた、声の表情の乏しさやパワー不足が悪目立ちしている印象が無きにしも非ずという。
反面、それをフォローするように存在感を発揮しているのがヴィト・ブラッタで、ブルージーな⑪を始めバラード系の楽曲における、1つの音で10を語るGプレイには悶絶せずにはいられません。またこうしたメロウな曲においてはマイクの歌唱も存分にポテンシャルを発揮。メロディの抒情性を効果的に増幅してくれていて、やはり得難いシンガーであることを印象付けます。中でもシングル・カットされた哀愁の名曲②、静と動を切り替えながらドラマティックに盛り上がる⑦、日本語の「サヨナラ」まで飛び出す⑫は、バンドの新たな魅力を提示することに成功した逸品ですよ。
WHITE LIONは長いこと80年代の作品しか触れずに来ていたので、後年マイク中心で再編された復活作(5th)を聴いてそのハードな作風に吃驚したのですが、3rdと5thの間に本作があると、その変化も必然であったと遅まきながら理解できた次第で。


WHITE LION - Mane Attraction - Broken Heart ★★★ (2021-01-06 23:37:27)

評価が割れがちなマイク・トランプのVoですが、
こうした哀愁に満ちた楽曲を歌うと、独特の枯れ声が
メロディの抒情性を一層際立たせてくれて実に良い。
1stの頃より確実に表現力も増しています。
ヴィト・ブラッタの泣きのGソロは、どちらもバージョンも
「最高」以外の形容詞が思い浮かびません。


WHITE LION - Mane Attraction - Warsong ★★★ (2021-01-06 23:44:42)

90年代的ヘヴィネスを伴った重厚なミッド・チューン。
鉄と鉛、血も涙もないといった風情の前半から一転、
突如堰を切ったように泣きが溢れ出す、中盤での劇的な転調と、
ヴィトの胸を締め付けるエモーショナルなGソロが
落涙モノの素晴らしさですよ。


WHITE LION - Pride ★★★ (2013-02-26 23:42:56)

“WAIT”(8位)と“WHEN THE CHILDREN CRY”(3位)という2曲のヒット・シングルを生み出し、アメリカだけで200万枚以上を売り上げたWHITE LIONの自他共に認める最高傑作、'87年発表の2ndアルバム。(プロデュースはマイケル・ワグナー)
当初は先入観から「どうせLAメタルだから能天気なんだろ?いいよ、俺は」と及び腰だったのですが、実際に聴いてみれば、本作はそうした思い込みをまるっと覆される見事な出来栄え。(我ながらこのパターンが多い)
ザラついたハスキーな声質のマイク・トランプが歌うメロディや、エディ・ヴァン・ヘイレンばりのフラッシーさ&エモーショナルな表現力を併せ持ったヴィト・ブラッタのGプレイが発散するウェットなヨーロピアン風味と、思わず合唱を誘われるキャッチーなサビメロに、美しいハーモニーといったアメリカンな味わいとがバランス良く配合されたサウンドは、能天気どころか、6対4ぐらいの割合でヨーロピアン風味の方が勝っていますよね、これ。
特に、ヴィトの劇的な構築美を湛えたGプレイが映える冒頭3曲の流れ、そしてハードにして繊細、且つドラマティックな5曲目“LADY OF THE VALLEY”は、イントロからして猛烈な求心力を発揮するWHITE LION屈指の名曲ではないかと。
幅広い層のHR/HMファンにアピールし得る魅力を備えた名盤です。


WHITE LION - Return of the Pride ★★★ (2019-12-06 01:24:24)

「トランプったらドナルドじゃなくてマイクだろ」…というファンの期待に応え(?)、マイクトランプを中心に再編されたWHITE LIONが’08年に発表した復活の5thアルバム。
名手ヴィト・ブラッタ(G)の不参加は残念極まりないですが、そうは言ってもアルバム・タイトルは『RETURN TO THE PRIDE』ですからね。こりゃ彼らの代表作たる2nd『PRIDE』(’87年)に通じるサウンドが託されているに違いない…と胸ワクで聴き始めてみれば、荘厳なイントロに続いて流れ出して来るのは、Gがハードにうなり、ヘヴィ且つドラマティックに押し出して来る大作ナンバー①。思わず同名異バンドのアルバムを買ってしまったかとジャケットを二度見してしまいましたよ。
この曲に限らず、アルバム全体がかつてない程にヘヴィ・メタリックにストレッチ。無論ポップなノリの良さが感じられる楽曲も散見はされるもものの、ソリッド(というか素っ気ないというか)なプロダクションと、マイクの荒れた歌声――加齢による衰えのせいなのか、敢えてそうしているのかは判然としませんが――もそうした印象を後押ししてます。
かようにキャッチーなポップ・メタルを期待していた層にうっちゃりを食らわす内容ではあるのですが、じゃあ本作に失望したかといえば、さにあらず。メロディの憂いといい、曲展開のドラマ性といい、1st『華麗なる反逆』を更にHM寄りにしたようなサウンドは「いやこれ十分にありでしょ!」と思わされるカッコ良さ。特に①⑥のエピック・メタルとすら評したくなる重厚な魅力には痺れまくった次第でして。
本作以降、バンドの動きが全く伝わって来なくなってしまったのが残念で仕方ないったら。


WHITE LION - Return of the Pride - Battle at Little Big Horn ★★★ (2019-12-08 23:21:55)

7分以上の長尺、Bが唸り、Dsが重々しくリズムを刻み、2本のGが勇壮な旋律を高らかに奏で
その上で憂いを帯びたメロディをマイク・トランプが荒れ声で歌い上げるという
何やらエピック・メタルの薫りすら漂ってくる重厚な大作ナンバー


WHITE LION - Return of the Pride - Sangre de Cristo ★★★ (2019-12-08 23:15:28)

荘厳なコーラスに鐘の音が被さる重厚なイントロに
「はて?俺はWHITE LIONのアルバムを聴いている筈なのだが」と
思わずCDジャケットを二度見したくなるハード且つ劇的なOPナンバー。
とはいえ、8分に及ぶ長尺をテンション緩めることなくドラマティックに
語りきる楽曲は、これはこれで非常にカッコイイ。
ヴィト・ブラッタの不在は惜しまれるものの、これ聴くと
新Gの仕事ぶりにケチをつける気には毛頭なりませんよ


WHITE SISTER - White Sister ★★★ (2021-01-13 23:42:11)

クリスチャン・メタルっぽいバンド名ですが別にそんなことはないらしいバーバンク出身の4人組。多くのLAメタル勢が、まずクラブ・シーンで鎬を削った後、自主制作音源を作成してレコード会社の反応を伺う…ってなルートを辿ったのに対し、彼らはいきなりメジャーのEMIから'84年に本1stアルバムを発表して華々しいデビューを飾っています。
抒情的なメロディを配し、適度な緊迫感を湛えたサウンドは「明るく楽しいLAメタル」のイメージとは趣きを異するものの、さりとてNWOBHMからの影響を感じさせる地下室臭の類も皆無。キレのあるハイトーンVo、歯切れ良くリフを刻むG、早過ぎず遅過ぎず自然と聴き手をノらせるリズム、そして美麗なボーカル・ハーモニーとを伴う楽曲からは、既に堂々たるメジャー感が漂ってきます。取り分け、時にポップに/時にドラマティックにサウンドを彩り、リードVoまで取ってしまうKey奏者の活躍は本作の肝。これにはプロデューサーがGIUFFRIAのグレッグ・ジェフリアってことも関係しているんでしょうかね?
大きなヒットには恵まれず、これ1枚きりでメジャーからドロップしてしまったバンドゆえ「これぞ!」という強力なキメ曲は見当たりませんが、華麗なシンセサイザーを前面に押し出し、例えるなら初期BON JOVIが気持ち正統派HMに寄ったような収録曲の数々はいずれも粒揃い(⑤のみ毛色が異なりますがこれは外部ライター提供曲)ゆえ、大した瑕ではありません。特に冒頭4曲のカッコ良さは最高ですよ。
一度CD化されたきりで既に廃盤の国内盤には5,000円オーバーのプレミアが付いてしまっているので、1日も早いリイシューが望まれる、LAメタルの隠れた名盤。


WHITE SISTER - White Sister - Don't Say You're Mine ★★★ (2021-01-14 23:44:54)

心地よい疾走感を伴うリズムに乗って、
ウェットなメロディを歌うハイトーンVo、
分厚いコーラスで包まれたキャッチーなサビメロ、
それに80年代感バリバリな音色のシンセが、
スペーシー且つドラマティックに曲展開を盛り上げる
アルバムの掴みに相応しい名曲。


WHITE SISTER - White Sister - Straight From the Heart ★★★ (2021-01-14 23:53:48)

LAメタルらしいエッジの効いたGリフに、ハイトーンVoの
歌う哀愁のメロディが絡む。泣きを湛えたGソロといい、
印象的なオブリを入れて来るシンセに、美麗なハーモニーといい
開幕早々にアルバムの完成度を確信するに十分な名曲です。


WHITE SPIRIT - Right or Wrong ★★★ (2022-11-08 01:10:51)

ヤニック・ガーズ(IRON MAIDEN)や、後にBAD COMPANYに加入する故ブライアン・ハウ(Vo)、現TANKのミック・タッカー(G)も在籍していたWHITE SPIRITが残した幻の2ndアルバムを、ジェフ・スコット・ソート、スティーヴ・オーヴァーランド、リー・スモールといった仕事人シンガー達のサポートを得てリ・レコーディングした作品。ブライアンとミック在籍時期の楽曲はコンピ盤『60 MINUTES PLUS』で1曲だけ聴いたことがありましたけど、まさかアルバム丸ごと聴ける日が来ようとは…。音源発掘に尽力してくれたメル・ピアソン(Key)とミックには足を向けて寝られませんね。
当時メジャー・レーベルとの契約を企図して制作されているだけあって、ここには例えば“CEETAH”みたいなNWOBHM然とした疾走ナンバーは見当たりませんが、元々ゴリゴリにメタリックな音楽性のバンドではなかったので落胆には当たらず。むしろプログレ・ハード的感触も漂わすKeyを活かしつつ、現代テクノロジーを駆使して可能な限り修復されたブライアン在りし日の熱唱が映える収録楽曲の数々は、ブリティッシュHMらしい重厚感を宿した①(Voを取っているのはジェフ)、ブライアンのエモーショナルな歌唱が哀メロの魅力を引き立てる⑤、リーのパワフルなVo、メル・ピアソンのKeyとミック・タッカーのGの掛け合いが劇的な盛り上がりを演出する本編のハイライト⑦、スティーヴのVoが流石のハマりっぷりを呈するブライアン在籍時代のBAD COMPANYのカヴァー⑨…と、時の試練に余裕で打ち勝つだけのクオリティを誇る逸品が並んでいます。
本作を聴くと、現在制作中だという完全新作への期待も俄然高まるというものですよ。


WHITE SPIRIT - Right or Wrong - Don't Say No ★★★ (2022-11-09 00:20:59)

Voはリー・スモールが担当。雄々しくドライブする曲調に憂いを帯びた
メロディが乗っかったブリティッシュHMの旨みに満ちた名曲です。
曲展開をドラマティックに盛り上げるメル・ピアソンのKeyが良い仕事してます。


WHITE SPIRIT - White Spirit ★★★ (2011-08-27 22:25:10)

ヤニック・ガーズ(G)のキャリアの原点、英国はニューカッスル出身の5人組HMバンドが唯一残したフル・アルバム。
この頃のヤニックは、ルックスのみならずギタリストとしてもコンポーザーとしても「リッチー・ブラックモアのそっくりさん」として知られ、実際、本作に収録されている楽曲もDEEP PURPLE/RAINBOWからの絶大なる影響をベースに組み立てられているのだが、そこにスピーディなGプレイや、垢抜けないメロディを熱唱するヘタウマVoといった「いかにもNWOBHM」な要素、そしてWHITE SPIRITのもう1人の主役と言うべき、変幻自在の演奏で多彩に楽曲を色付けるメル・ピアソンのKeyサウンドが絡み、せめぎ合う事で、80年代HMと70年代HRの落とし子的味わいを漂わす、このバンド独特の音楽性が形成されている。
ハードなGとスリリングなKeyが火花を散らす①⑤⑥、URAIAH HEEP辺りを引き合いに出して語りたくなるスペーシーで劇的な②④、心地良くポップな③、そしてプログレッシブ・ロックばりの構築美を備えた10分以上に及ぶ大作ナンバー⑦・・・と、高品質且つ多彩な楽曲がズラリ揃ったNWOBHM史に残る名盤たる本作を聴けば、「ヤニック・ガーズ?ああ、IRON MAIDENで一番影が薄いギタリストね」という認識の人(今時いねぇか)も平伏せざるを得ない筈。
あと、ボーナストラックとしてデビュー・シングル収録の名曲“CEETAH”が収められているのも嬉しいところです。


WHITE SPIRIT - White Spirit - Fool for Gods ★★★ (2011-08-27 22:32:07)

スペーシーでドラマティック。
プログレッシブ・ロックや70年代HRからの影響が
最も色濃く反映された大作ラスト・ナンバー。
作曲センス、劇的極まりないGプレイ等、
ヤニックの才能が如何なく発揮された名曲かと。


WHITE SPIRIT - White Spirit - Midnight Chaser ★★★ (2011-08-27 22:27:51)

アルバム収録曲の中では最もNWOBHMらしい
ハードなGリフをフィーチュアした疾走ナンバー。
中間部のスリリングなKeyソロはDEEP PURPLEの
“HIGHWAY STAR”を思わせますね。


WHITE WOLF - Endangered Species ★★ (2009-05-19 22:10:00)

B級チックな鼠(狼か)のイラストから一転、巨匠ヒュー・サイムが手掛けた美麗なジャケット・アートワークへの
グレードアップが端的に物語る通り、30万枚を売り上げた前作『STANDING ALONE』の成功を受け、潤沢なレコーディング資金を
得て海外レコーディングを行う等、『STANDING~』に比べ格段に洗練の度合いを高めた、'86年発表の2ndアルバム。
お洒落(当時)なアレンジが取り入れられ、ポップ化が押し進められた代わりに、泣きのメロディやドラマ性、
ハードロック的なエッジが失われてしまった作風には若干の不満を覚えなくもないが、ドン・ウィルクの伸びやかで
パワフルなVo、カム・マクレオドの良く歌うG、攻めの姿勢は失われたが相変わらずアレンジの重要な鍵を握るKey、
そして分厚いボーカル・ハーモニー等、1stアルバムで披露したWHITE WOLFならではのメロディアスな
HRサウンドの美点は不変。取り分け、切ないフィールを醸し出すVoに、GとKeyがブルージーに泣きまくる
劇的なバラード⑤は、前作に収録されていてもおかしくない名曲だ。
序盤に地味めな楽曲が並び「掴み」には失敗しているものの、絵に描いたようにポップでキャッチーな⑥⑧、
メロディ作りとVoの上手さが光る⑦、キビキビと展開する末期RAINBOWか、はたまた再結成DEEP PURPLEかといった趣きの⑩等、
後半はクオリティが尻上がりに上昇。MAGNUMの名曲“JUST LIKE AN ARROW"のカヴァー④が、違和感なく本編の流れに
馴染んでいるように、中期MAGNUMとの共通点も感じられるメロディアスHRの好盤に仕上がっている。
所属レコード会社のゴタゴタに巻き込まれ、本作を最後に解散してしまった事が惜しまれる1枚。(後に復活したわけですが)


WHITE WOLF - Endangered Species - She ★★★ (2009-05-19 22:20:09)

全体的に洗練され、ポップ化が進んだ2ndアルバムの中にあって
この曲の濃厚な泣きっぷりは一際インパクトを放つ。
切々と叙情メロディを歌い上げるドン・ウィルクのVo、
エモーショナルな泣きメロを豊かに紡ぎ出すカム・マクレオドのG、
どちらも感動的なまでの素晴しさ。


WHITE WOLF - Standing Alone ★★ (2009-05-18 22:48:00)

カナダはヴァンクーバー出身の5人組HRバンドが、'84年にRCA RECORDSより発表した1stアルバムにして彼らの最高傑作。
リリース当時こそ日本盤が発売されたものの、その後サックリ廃盤となり、入手困難な「幻の名盤」として長らく
HR/HMファンの間で語り継がれ、'96年にBMG JAPANが世界初CD化に成功した際には、世のメロディ愛好派が狂喜の涙に
咽んだ事で良く知られる(?)本作だが、実際、欧州風味の叙情性と大陸的なポップ・センスを併せ持った
(如何にもカナダのバンドらしい)ドラマティックなHRサウンドは、マニア諸氏の高評価に違わぬ素晴しさ。
憂いに満ちたメロディを熱唱するドン・ウィルクの説得力溢れるVo、味わい深い泣きメロを紡ぎ出す
カム・マクレオドのG、単なるバックグラウンドの埋め草に留まらず、時にリード楽器の役割も果たし
楽曲を劇的に盛り上げるKey、全メンバーがコーラスを取れる強みが活かされた、美しく分厚いボーカル・ハーモニー・・・と、
各メンバーの良い仕事っぷりがキラリと光りを放つ楽曲の数々は、当然のように捨て曲の類は一切なし。
特に、重厚なアルバム表題曲①、哀メロを纏って心地良く疾走する②、ミュージック・クリップも作られた
バンドの代表曲③、そして、GとKeyが美しく絡み合い、7分以上に及ぶ壮絶な泣きのドラマが繰り広げられる
大作④という名曲が次々に繰り出される、本編前半の隙のない構成はお見事。勿論、ソロにリフにとKey大活躍の⑤、
ドンの伸びやかでパワフルなVoが映える⑦、ラストをメタリックに締め括る疾走チューン⑧といった、
比較的ハードなナンバーが並ぶ本編後半の聴き応えも十分。
「狼っつーより鼠?」といった感じのジャケット・アートワークこそB級チックなれど、中身は超A級な1枚かと。


WHITE WOLF - Standing Alone - Headlines ★★ (2009-05-18 23:00:08)

ハードロッキンなGリフ、軽快な疾走感にキャッチーなサビ・・・
良い曲だな~。
適度な哀愁を帯びたメロディを、伸びやかに歌いこなすVoも素晴しい。


WHITE WOLF - Standing Alone - Night Rider ★★★ (2009-05-18 23:13:26)

ハードな疾走ナンバーなれど、楽曲の中心を支えるのはKey。
この攻めの姿勢を持ったKeyが演出するクライマックスの
盛り上がりっぷりはガッツポーズ物のカッコ良さ。
ツボを押さえたメロディアスなG、憂いに満ちたメロディを
パワフルに歌い上げるVoの良い仕事も見逃せない。


WHITE WOLF - Standing Alone - Shadows in the Night ★★ (2009-05-18 23:07:59)

キビキビとした曲調の上に、欧州風味の湿り気を帯びた
メロディが乗るミドル・チューン。
全編を華麗に彩る、美しく分厚いボーカル・ハーモニーが印象的。
PVが作られたのも納得の名曲。


WHITE WOLF - Standing Alone - Standing Alone ★★ (2009-05-18 23:21:33)

本編のOPを飾る、重厚且つドラマティックなアルバム表題曲。
思わず胸締め付けられる、泣きの入ったメロディを歌う
Voがとにかく秀逸。
また、スペーシーな雰囲気を盛り上げるKeyも良い仕事をしていますね。


WHITE WOLF - Standing Alone - Trust Me ★★ (2009-05-18 23:16:54)

アルバムをハードに締め括る疾走チューン。
本編中、最もヘヴィ・メタリックな仕上がりな1曲だが、
メロディに大味さは皆無。良い曲です。


WHITE WOLF - Standing Alone - What the War Will Bring ★★★ (2009-05-18 22:54:42)

7分以上に渡って泣きのドラマが繰り広げられる
アルバムのハイライト的存在の名曲。
Gと美しく絡み合いながら後半の盛り上がりを演出する、
攻めの姿勢を持ったKeyが素敵。


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight ★★ (2009-05-20 22:59:00)

ESCAPE RECORDSの後押しと、北欧ミュージシャン達のヘルプを受けて、中心メンバーだったドン・ウィルク改めドン・ウルフと、
カム・マクレオドが再びタッグを組み奇跡の復活を遂げたWHITE WOLFが、実に21年ぶりに発表した3rdアルバム。
太くマイルドな声質でパワフルに歌い上げるVoに、緩急自在に泣きのメロディを奏でるG、効果的にKeyを取り入れ、ドラマティックに
紡ぎ出される曲展開、ダブル・ボーカルが生み出す美しいハーモニーetc・・・と、本作で聴く事が出来るのは、Keyがやや奥に
引っ込んでメタリックな感触が増したこと以外は、まさに全盛期のWHITE WOLFをそのまま現代に蘇らせたかのようなサウンド。
収録曲のほぼ全てが80年代に書かれていたらしく、美しく劇的なイントロで幕を開ける、彼らならではの
哀愁のHRサウンドの侘び寂びが詰まったOPナンバー①を聴いただけで、完成度の高さは確信出来るというもの。
全13曲収録とあっては流石に中盤でダレを感じなくもないが、前述の①に始まり、ドン・ウルフとカム・マクレオドの
ツイン・ボーカルが楽曲を盛り上げる②、リードVoにGにとカム大活躍の、本編ハイライトを飾る哀メロ・チューン③、
後期RAINBOW風に疾走する④、メロウな叙情ナンバー⑤と、「この1曲を聴くために作品を買う価値あり」級の
名曲が連打されるアルバム前半、そしてバンドのテーマソングと言えなくもない勇壮な⑩、憂いに満ちた⑪、
ハードなアルバム表題曲⑫といった、アルバム終盤の畳み掛けが非常に強力な為、それも大きな傷にはなっていない。
2nd『ENDANGERS SPIECEIS』を大きく上回り、名盤『STANDING ALONE』のクオリティに肉薄する力作。
WHITE WOLFファンは勿論のこと、そうでない一般のHR/HMリスナーにも強力にアピールする1枚かと。


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight - America (Hello Again) ★★★ (2009-05-20 23:07:33)

WHITE WOLFならではの泣き/哀メロが「これでもか!」と
堪能できる、3rdアルバムのハイライト的存在の名曲。
感情のひだを刺激するエモーショナルなGプレイのみならず、
Voとしての才能も発揮するカム・マクレオドの実力
(ドン・ウルフに匹敵する歌の上手さ!)に、ただただ平伏。


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight - Don't Turn Away ★★ (2009-05-20 23:13:35)

ドン・ウルフとカム・マクレオドのダブル・ボーカルが
堪能できる哀愁のHRチューン。
派手さはないが、こういうミドル・チューンをじっくりと聴かせきる
彼らの卓越したメロディ・センスはやはり傑出している。


WHITE WOLF - Victim of the Spotlight - The Eyes of the World ★★ (2009-05-20 23:11:10)

ドラマティックに泣きまくるイントロを聴いただけで
「うむ、名曲」と予感させ、実際、その期待が裏切られることはない。
のみならずアルバムの完成度の高さすら確信させるに十分な1曲。


WHITECROSS - In the Kingdom ★★ (2017-06-11 21:31:44)

名前が「WHITE」で「CROSS」なことからもお察しの通り、クリスチャン・メタル・バンドであるカリフォルニア出身の4人組が’91年に発表した4thアルバム。(日本盤はテイチクからリリースされました)
勿論、彼らが聴かせてくれるのはSTRYPER直系の正統派HM…と思いきや。既に時代は90年代ということもあり、そうしたありがちな固定イメージから脱するべく(?)、本作では豪快なロックンロールあり、哀愁のブルーズあり、抒情バラードあり、ネオクラシカルなインスト・ナンバーあり…と、よく言えばバラエティに富む、悪く言うと少々まとまりに欠ける作風を志向。「何でもあり」なのはいいのですが、ボートラを含めると全14曲収録という超過ボリュームが本編の散漫な印象に拍車を掛けている感は無きにしも非ず。
一方で、重厚な正統派HMナンバー③、土の匂い薫るアコギ・バラード④、テクニカルなGが縦横無尽に駆け巡る⑦から、泣きまくりのブルーズ・ソング⑧へと繋ぐ構成の妙、美しいハーモニーに聞き惚れる⑨…といった具合に、収録楽曲はどういったタイプの楽曲にせよ、キャッチーなメロディが適宜に盛り込まれ、どれも卒のない仕上がりっぷり。まとまりにこそ欠けるものの、聴き始めるとスルスル最後まで楽しめてしまう辺り、バンドの地力の高さを感じさせます。ラップVoを取り込む⑪なんて半端な連中が演ったなら噴飯モノなところを、印象的なコーラス・ワークを駆使して結構聴かせてくれるのだから大したものですよ。
一聴しただけで掴まれるようなインパクトはないのですが、繰り返し聴き込むことで味わいが増して来る、ベテラン・バンドの経験値の高さが反映された1枚という。


WHITECROSS - In the Kingdom - You Will Find It There ★★★ (2017-06-11 21:46:32)

80年代後半に勃発したブルーズ・ブームに乗っかったとも取れる楽曲ですが、
タメを効かせたシンガーの堂の入った歌いっぷりといい、
泣きのメロディをエモーショナルに奏でるGといい
付け焼刃な印象は殆ど感じられない仕上がり。
本編から少々浮いている感はありますけども
前奏曲たるインスト“THE ETERNAL FLAME”と併せて
楽しみたい名曲です。


WHITECROSS - Triumphant Return ★★ (2019-09-01 00:13:22)

レックス・キャロルのバカテク・ギタリストぶりが一部マニアの間で注目を集めた、イリノイ州出身のクリスチャン・メタル・バンド、'89年発表の3rdアルバム(ついでにリアル・タイムでの日本デビュー作じゃなかったか)。本国アメリカよりもヨーロッパでの人気の方が高かったようで、ドイツのGAMMA RECORDSと契約を交わし、日本盤はテイチクのMETAL MANIAからのリリースでした。
尤も、メロディに欧州風味の翳りやドラマ性の類は希薄であり、ついでに言うとSTRYPERっぽくもない。初期はRATT、DOKKENを思わせるポップ・メタルを、90年代以降はそこにブルージーなテイストをブッ込んだりと、その時々のHR/HMシーンの流行に目端を利かせた、節操のない…もとい、機を見るに敏なサウンドを披露していた彼らですが、本作においてはカラッと明るいアメリカンHMを溌剌とプレイ。このバンドに終始付き纏う「決め手に欠ける」という弱点は相変わらずながら、重厚なプロダクションを得て(プロデュースはバンド自身が担当)、安定感を増したスコット・ウェンゼルの歌唱と、テクニカル且つアグレッシブに咲き誇るレックスのGプレイにも支えられて、ビルボード・チャート上位を騒がせたって不思議じゃないヒット・ポテンシャルを感じさせるバラード⑤、あるいは仄かな哀愁が薫るミッド・チューン④等、曲作りの腕前は益々洗練されて来ています。
前2作に比べ、音作りも楽曲もグッとヘヴィ・メタリックに引き締まった本作が、個人的にはWHITECROSSのカタログの中でもベストな1枚に挙げたくなるぐらいお気に入りだったりします。


WHITECROSS - Triumphant Return - Behold ★★★ (2019-09-03 00:07:15)

哀愁を帯びつつも、希望に満ちた曲調が感動を呼ぶバラード。
粗い声質のVoが若干不似合いな感が無きにしも非ずですが
この辺は好みの問題じゃないかと。
直球勝負のキリスト賛歌の歌詞をさておけば、結婚式にだって使えそうですよ。


WHITECROSS - Whitecross ★★ (2021-06-03 00:39:44)

イリノイ州出身のクリスチャン・メタル・バンドで、一時は袂を別ったものの、「バンド・メイトと和解せよ」との啓示を受け(たかどうかは定かじゃありませんが)、再結成を遂げた現在は両名ともバンドに健在という、スコット・ウェンゼル(Vo)とレックス・キャロル(G)により結成されたWHITECROSSが、'87年に発表したデビュー作。
ブルージーだったりヘヴィだったりと、90年代以降はその時々の音楽的流行に敏感に反応し、そのエッセンスをサウンドに取り入れていった彼らですが、本1stアルバムで聴けるのは80年代の王道というべき、乾いた音色でザクザク刻まれるリフ、ライブ映えを踏まえたミドル・テンポ中心のリズム、クセの強い声質にシャウト主体のVo、そして曲中を華やか且つテクニカルに駆け巡るGプレイをフィーチュアした、RATT辺りを彷彿とさせるLAメタルど真ん中のサウンドを実践。
先輩バンドたるSTRYPERなんかと比べるとメロディのフックはやや物足りなく、「悪くはないんだけど決定打に欠く」弱点もデビュー作にして早くも顕在化。それでも緊迫感を湛えた曲調と合唱を誘うキャッチーなコーラスがカッコイイ③、ほんのりQUEEN風味の美しいバラード⑤、音楽の博士号を持つというレックスのセンスが発揮されたインスト・ナンバー⑨(タイトルが“NAGASAKI”ですよ)、最もヘヴィ・メタリックな仕上がりの⑩といった楽曲を始め、本編は要所要所で「おっ」と思わされるホーリーなオーラを放っていて、気が付くとまたCDを手に取って再生してしまっているという。
音作り含めまだまだ粗削りな仕上がりれど、そこがまた魅力にもなっているように思える1枚ではないかなと。


WHITECROSS - Whitecross - He is the Rock ★★★ (2021-06-04 00:00:42)

ズンズン刻まれるリフ&リズム、合唱を誘発するコーラス、
フラッシーに駆け巡るG、ライブ映え間違いなしの曲調etcと、
無条件にロックせずにはいられない
「アメリカン・メタルここにあり!」な1曲。


WHITECROSS - Whitecross - Signs of the End ★★★ (2021-06-04 00:41:37)

アルバムのラストを締め括るアップテンポのHMナンバー。
この曲のみちょっと他の楽曲とは毛色が異なり正統派テイストが色濃い。
ついでに音質もちょっと違うような?


WICCA (2012-09-12 07:35:28)

'85年、スイス、オーストリアと接するドイツ国境の街、バーデン=ヴュルテンベルク州コンスタンツにて誕生。
結成から3年の間に2本のデモテープを制作し、またDARKNESS、ACCUSER、RAGE、RISK、DESPAIR、CHROMING ROSE、POLTERGEISTといった連中とドイツ国内、及びスイス・ツアーを重ねて経験を積む。
'88年にドイツのインディー・レーベルSTEPS RECORDSと契約を交わし、同年、1st『SPLENDED DEED』を発表してアルバム・デビューを飾った彼らでしたが、結局、大きな成功は掴めないまま'90年に解散。
どっこい、'06年に実現した『SPLENDED~』リマスター再発を契機にオリジナル・メンバーが再結集。'09年には、デビュー作と同じ顔触れでレコーディングされた2ndアルバム『BLOOD RUSH』をリリース。その往時と全く変わる事のないジャーマン・スラッシュ・メタル・サウンドがマニアを喜ばせた。


WICCA - Bloodrush ★★★ (2012-09-13 23:22:24)

アルバム1枚きりで解散したジャーマン・スラッシャーが、パトリック“オリンプ”スカラ(Vo)、マーティン・シーゲル(G)、ピーター“アンガス”モーア(B)、ロベルト(G)とマリオ(Ds)のシュミッド兄弟というオリジナル・ラインナップで再結成を果たし、'08年に発表した2ndアルバム。
デビュー作では、独産ならではの尖がり具合と、米産風味のノリの良さとが同居した、キャッチーなスラッシュ・メタルを聴かせてくれた彼らですが、21年ぶりとなる本作でもそのサウンドはブレることなく健在。
子供の歌声をフィーチュアした民謡風の①から一転、いきなりフルスロットルで爆走を開始する②(極初期に書かれた名曲)で幕が開く本編は、モダンさなんぞには目もくれず、最初から最後まで徹底的にオールドスクールの流儀が貫かれています。それでいてそのサウンドは単なる懐古趣味に堕することなく、Voの歌いっぷり、Gリフの破壊力、しなやかなリズムの切れ味、曲展開のダイナミズム、何れの要素もデビュー作以上にパワフル。
タテノリのリズムが猛然と突っ走る③、緊迫感を伴って畳み掛ける⑥といった荒ぶるスピード・ナンバーのカッコ良さや、ベテランらしい曲作りの上手さが光るメドレー④⑤、6分以上に及ぶ⑧等、そこはかとなくドラマティックで欧州風味漂う楽曲の出来栄えは出色ですよ。
シンガーが多才振りを発揮したアートワークもインパクト大な、WICCAの入門編としても最適な1枚です。


WICCA - Bloodrush - Generations Talk ★★★ (2012-09-16 00:45:00)

6分オーバーと(このバンドにしては)長尺曲。
ツインGを活かしたインスト・パートや
緩急を持ち込んだ曲展開等、そこはかとなく
ヨーロピアン正統派HMテイストが薫る逸品です。


WICCA - Bloodrush - Mega City ★★★ (2012-09-16 00:39:36)

若かりし日のパワーを全く失っていないことを
2ndアルバム収録曲の充実っぷりで証明して見せた
WICCAですが、逆にこの曲では、イントロに
メロウな“OPPRESSION”をくっ付ける等
ベテランの余裕を感じさせる曲作りの技を
披露してくれています。


WICCA - Bloodrush - Sadsong ★★★ (2012-09-16 00:30:37)

無垢な子供の歌声による序曲“HELLCOME”を
濁声Voがブチ破って豪快にスタート。
'87年には既に存在していた楽曲らしく、
聴いているだけでアガッてくる、
小細工無用の高速スラッシュ・ソングとなっております。


WICCA - Bloodrush - Tongue of Confusion ★★★ (2012-09-16 00:36:05)

2ndアルバムのハイライト・ソングの1つ。
嵐のように刻まれるGリフ、
激烈且つキャッチーなタテノリのリズム、
逞しさを増したVoに、印象的なメロディを挿入するGソロ等
1st発表から20年を経て復活を果たしたバンドが
衰えるどころかデビュー当時より遥かにパワーアップを
遂げていることを如実に物語る名曲ですよ。


WICCA - Splended Deed ★★ (2012-09-12 22:31:40)

ドイツはコンスタンツ出身の5人組スラッシュ・メタル・バンドが'87年に発表した1stアルバム。
この時期のジャーマン・スラッシャーと言えば、例え演りたいことに技術やセンス、プロダクションの質が追いついていなくとも、「でも演るんだよ!」とばかりに初期衝動を剥き出しにして、一転突破を目論む猛者揃いだったイメージが強いですが、それら歪な(そこが魅力でもある)バンド群に比べ、このWICCAはスピーディだが破れかぶれではなく、尖がっているけど触れれば切れる程ではなく、アグレッシブだけど程々にキャッチーでもある・・・といった具合に、かなり抑制の効いた(聴き易い)スラッシュ・サウンドを志向している。
デビュー作にして早くも安定感すら漂わす内容は、卒なく平均点以上にまとめられているものの、それゆえ無難過ぎて引っ掛かりに乏しく、物足りなくも感じられてしまう・・・というのがこのジャンルの難しいところ。
一方で、頭抜けた名曲こそ見当たらないまでも、B主導で突っ走る様がクールな⑤を手始めにイカした楽曲はきちんと収録されていますし、何より、80年代が遠くへと過ぎ去った現在に改めて聴き直すと、本作に詰め込まれたオーセンティックなスラッシュ・メタル・サウンドには、無性に郷愁をそそられてしまいますよ。
ちなみに、バックコーラスでRAGE(当時)のマンニ・シュミットが参加している(筈)。


WICCA - Splended Deed - Mirror Never Lies ★★ (2012-09-14 22:48:38)

何遍聴いても「ニラレバライス、食いまくろう」に
聴こえるサビメロはともかく、
豪快にのうたつB主導で突っ走る楽曲は
なかなかにクールです。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets ★★★ (2018-03-20 00:10:10)

「LAメタル・シーンのご意見番」ことディー・スナイダー(Vo)。TWISTED SISTER解散後はバーニー・トーメやクライヴ・バーらとDESPERADOを結成し、デビューを画策するも頓挫してしまった彼が、今度はASIAやMEGADETH、SAVATAGE等での活動で知られるアル・ピトレリ(G)を相棒に迎えて結成したのがこのWIDOWMAKERです。本作は’92年に発表された彼らの1stアルバムに当たる作品。
バンドが実践している音楽性は、TWISTED SISTERをソリッドにビルドアップしたような硬派なパワー・メタル/ロックンロール。クレジットを見ると半数の楽曲がディー/バーニーの共作名義になっているので、お蔵入りの憂き目にあったDESPERADOのデビュー作の楽曲が流用されているのかな?と。アクセルを床まで踏み込んで爆走するパワー・チューンから、いかにもアメリカンなグルーヴが豪快にうねる70年代風HR、キャッチーに弾むポップ・ナンバー、更にはブルージーな哀愁全開で迫り来るバラッドまで、本編には様々なタイプの楽曲が取り揃えられ、それらをパワフルに歌いこなし、且つ強烈な個性で一本の芯を通すディーのVoも絶好調。ド派手なメイクとオサラバしようとも、汗とツバキと男の色気が飛び散る唯一無二の歌声は健在で、怒涛の如く突進する①、秀逸なポップ・センスが垣間見える④、土煙蹴立ててブッ飛ばす⑦、ディーの熱唱に胸打たれずにはいられないブルージーな⑨といった秀逸な楽曲を、更に一段も二段も高い位置へ蹴り上げてくれています。
90年代の作品ゆえ感じた不安も、聴き終えた後には完膚なきまでに雲散霧消する快盤。ただバンド自体は次作で流行に寄って大コケしてしまうのですが…。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets - Blue for You ★★★ (2018-03-21 10:05:52)

胸にズドンと来るディーの熱唱とアル・ピトレリのGが
互いに負けじと咽び泣くブルージーなバラッド。
タメの効いた曲調をぐっと盛り上げるリズム隊の仕事振りも見事。
そこいらのロックンロール・バンドにゃ真似できない
濃厚なエモーション渦巻く名曲に仕上がっています。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets - Emaheevul ★★★ (2018-03-21 10:02:32)

ディー・スナイダーとバーニー・トーメの共作曲。
速射砲のように繰り出されるディーのハイテンションの
Voを乗せてエネルギッシュに突っ走る
汗とツバキが飛び散るOPナンバー。
意味不明なタイトルは、“AM I EVIL”の口語体風表記とのこと。


WIDOWMAKER - Blood and Bullets - The Lonely Ones ★★★ (2018-03-21 09:56:12)

ディー曰く「社会から見捨てられた人たちに
ついて歌っている曲」らしいのですが、
歌詞はシリアスでも曲調自体はカラッと明るく
特にキャッチーなコーラスはライブで一緒に
歌いたくなる魅力を秘めています。


WILD DOGS - Reign of Terror ★★ (2007-02-12 17:00:00)

名手ディーン・カストロノヴォ(DS)が在籍していた事で知られる、LA出身の4人組パワー・メタル・バンド、'87年発表の3rdアルバム。
JUDAS PRIESTを彷彿とさせる劇的なリフが荒々しく疾走する楽曲の数々は、「これぞメタル!」と
思わずガッツポーズ取りたくなる程のカッコ良さに満ち溢れていて最高なのだが、そうした楽曲にキビキビとした
タイトさを付与しているのが、ディーン・カストロノヴォのダイナミックなドラム・プレイ。
手数足数の多さだけでなく、重さとキレをも兼ね備えた彼のドラミングは非常に強力で、しかも、こうしたパワー・プレイを
楽々とこなす一方、現在ではJOURNEYみたいな産業ロック・バンドで、押しと引きを心得た味わい深さを感じさせる
ドラミングを披露しているのだから、この人は本当に凄いドラマーだよなぁ、と。(ついでに歌もメチャ上手いと来たもんだ)
特に、冒頭から炸裂する疾走チューン三連打は、JUDAS PRIEST直系の楽曲のカッコ良さと、ディーンのDsの威力がガップリと
四つに組み合う、パワー、スピード、メロディの三拍子が揃った名曲達。本編最大の聴き所と言っても過言ではない。
雄々しいリフ・ワークだけでなく、聴き応えのあるソロも披露するGや、暑苦しいシャウト型の歌唱はかなり好き嫌いが分かれるが、
作り出す歌メロはフックに富むVoの仕事振りも素晴しく、本作は間違いなくWILD DOGSの最高傑作だろう。
最近、オリジナル・シンガーによってリマスターが施され、ボーナス・トラックも追加収録された
再発盤が出回り始めたようなのだが、これが何とCD-R仕様で、しかも歌詞カードや解説もなしという
海賊盤みたいな代物。出来ればちゃんとしたモノが欲しいんだけどなぁ・・・。


WILD HORSES - The First Album ★★★ (2021-06-08 00:03:16)

NWOBHMの盛り上がりは新人の台頭とベテランの奮起によって支えられており、そのベテラン側に属していたバンドの一つとして知られるのが、このWILD HORSES。THIN LIZZYから脱退したブライアン・ロバートソン(G)と、元RAINBOWのジミー・ベイン(Vo、B)を中心に、後にUFOに参加するニール・カーター(G)、PAT TRAVERS BANDやLIONHEART等での活動で知られるクライヴ・エドワーズ(Ds)という布陣で結成された彼らが、トレヴァー・ラビンをプロデューサーに起用して'79年に発表したデビュー作がこちら。
日本ではIRON MAIDEN、DEF LEPPARD、GIRLと共に「NWOBHM四天王」として紹介されたバンドなれど、実際のところは他の3バンドから「フフフ、奴は四天王中でも最弱…」とか言われてしまいそうなNWOBHM度数の低さ。そもそもバンド自身にNWOBHMの一員との認識はなかったでしょうし、フィル・ライノットやスコット・ゴーハムとの共作曲も収録する本作で聴かれるのは、THIN LIZZYに通じる快活なロックンロール・サウンド。ジミーのVoに強烈な個性が欠けるのと、これといったキメ曲も見当たらないため初めて聴いた当時の感想は「なんか地味じゃね?」と冴えないものでしたが、今となっては「そこが良いんじゃない!」と。クライヴのドラミングがもっさりと頑張る本編中最もハードロッキンな①、2本のGが奏でる懐っこいメロディがTHIN LIZZY風味を醸し出す②、しんみりと哀愁薫るバラード④等、英国産らしい明るくなりきれないポップ・センスが活かさたHRサウンドを彩るブライアンのGプレイも、全編に亘って実によく歌ってくれています。
一発で掴まれるというよりは、じわじわと浸透してくる、聴くほどに好きなる1枚ですよ。


WILD HORSES - The First Album - Face Down ★★★ (2021-06-09 00:21:05)

キャッチーに弾むロック・チューンで、
2本のGがハモリながら奏でる人懐っこいメロディは
やはりTHIN LIZZYを彷彿とさせます。


WILD HORSES - The First Album - Reservation ★★★ (2021-06-09 00:28:24)

アルバムのOPナンバー。オカズ多めで奮戦する
クライヴ・エドワーズのドラミングの効果もあって
収録曲の中では最もHRテイストを色濃く纏う。
その中でハッと耳を奪われるブライアンの
情感迸るGソロにグッときます。


WILDESTARR - A Tell Tale Heart ★★ (2014-11-19 23:30:52)

女性シンガーのロンドン・ワイルド(Vo)と、元VICIOUS RUMORSのデイヴ・スター(B)の2人で立ち上げたから「ワイルドスター」・・・という、今いくよ・くるよ的な名を名乗る(違うか)HMプロジェクトが'12年に発表した、日本デビュー作でもある2ndアルバム。
JUDAS PRIESTからの影響も露わに、男勝りのハイトーンVoと、重厚且つ劇的に迫り出してくるツインGを武器に、肉食パワー全開で突進するOPナンバー①が如実に物語る通り、そのサウンドは初期VICIOUS RUMORS・・・というよりもUS産パワー・メタルの醍醐味をぎゅぎゅっと凝縮。聴いてると段々疲労感を覚えというか、聴き手に体力勝負を強いる作風もそれっぽい。
惜しむらくは、ドラム・マシンでも使ってるのか?と思わせられるリズム・パートの味気なさ。せっかくのサウンドの迫力をスポイルしているように感じられ非常に歯痒いのですが、それでも、Keyによる薄化粧の施されたドラマティックな曲展開と、ワイルド姐さんの大仰で堂々たる歌唱がリスナーのメタルハートに火を点す④⑥⑪のような、じっくりと聴かせるタイプの楽曲で本編にメリハリを演出する手腕には、ベテランらしい抜かりのなさがギラリ。
USパワー・メタル好きのツボを押さえた1枚であることは間違いありません。


WILDFIRE - Brute Force and Ignorance ★★ (2012-01-12 21:49:36)

MORE、WEAPON、DUMPY'S RUSTY NUTSの元メンバーらによって結成されたご当地スーパーバンド(?)が、'83年に発表したデビュー作。
適度な疾走感を湛えたリズムに乗って、ツイン・リード・ギターが伸びやかなメロディを紡ぎ出しながら生き生きと動き回り、くぐもった声質が如何にもこの時期の英国人シンガー然とした味わいを醸し出すポール・マリオ・デイ(Vo)が、上手いのか下手なのか、明るいのか暗いのかイマイチ分からない歌メロを拾っていくという「嗚呼、NWOBHM」なサウンドが全編に亘って展開。
“PRELUDE IN F FLAT MINOR”から“THE KEY”へと至るような決定的な山場が見当たらないため、一聴してのインパクトは次作『SUMMER LIGHTNING』に及ばないものの、収録曲の粒は十分に揃っており、特にザックリとしたリフ&リズムの刻みが確かにTANKを思わせる②(もっとナイーブな感触ですが)や、2本のGがシャープに踊りアルバムのハイライトを飾る演出するハード・ナンバー③⑥、それに何故かイントロ部分でサイモン&ガーファンクルの“SCARBOLO FAIR”が引用されている⑨等、印象に残る楽曲には事欠かない。
ブリティッシュHM好きなら、2nd『SUMMER~』と併せて外せない1枚ですね。


WILDFIRE - Summer Lightning ★★ (2010-04-15 23:05:00)

IRON MAIDENの初代フロントマンとして知られ、またMOREのシンガーとして第2回MONSTERS OF ROCKにも
出演したポール・マリオ・デイ(Vo)や、元WEAPONのジェフ・サマーズ(G)、ブルース・ビスランド(Ds)といった
中堅ミュージシャン連中によって結成された5人組HRバンドが、'84年にMAUSOLEUM RECORDSから発表した2ndアルバム。
如何にも英国的な雰囲気漂う、煮え切らないメロディを熱唱するVoに、伸びやかに絡み合うメロディアスな
ツイン・リードGが疾走する、「これぞNWOBHM!」なサウンドが詰め込まれた本作は、マニア筋からの評価も
非常に高く(雑誌等でNWOBHMの特集が組まれると「必聴の名盤」として選出される機会多し)、取り分け、
分厚いGハーモニーに導かれてスタートする、起承転結がバッチリ決まった劇的な疾走チューン②は、
NWOBHMを語る上で欠かす事の出来ない名曲の一つ。それ以外にも、勇ましくアグレッシブな④、2本のGが
鋭利且つ軽快に動き回る正統派へヴィ・メタリックな⑪を手始めに、本編は秀曲揃いで捨て曲の類は一切なし。
またこのバンドの場合、NWOBHMと聞いて想起される暗さや湿気っぽさが薄く、ポップに弾む⑥のような楽曲を
収録する等、抜けのいいノリの良さを備えている点もポイントか。尤も、こうした楽曲においても
どこか明るくなりきれない曇天模様の雰囲気が漂ってくる辺りが、やはり英国のバンドだなぁ、と。
尚、本作発表後にバンドは解散。Voを除くメンバーはゲイリー・バーデンが立ち上げたSTATETROOPERに合流する事となる。


WILDFIRE - Summer Lightning - Screaming in the Night ★★ (2010-04-17 01:10:08)

鋭角的且つメロディアスに絡み合う
ドラマティックなツイン・リードGが美味しい名曲。
確かな実力を備えたシンガーながら、
いかにもNWOBHMチックな垢抜けない哀愁を漂わせた
ポール・マリオ・デイの歌いっぷりも見事。


WILDFIRE - Summer Lightning - The Key ★★★ (2010-04-17 01:05:35)

2本のGが劇的にハモるインスト曲
“PRELUDE IN F FLAT MINOR"を経て疾走を開始。
英国然とした煮え切らない歌メロ、伸びやかに絡み合う
メロディアスなツイン・リードG、そして起承転結を兼ね備えた
ドラマティックな曲展開・・・と、「これぞNWOBHM!」と
思わずガッツポーズ決めたくなる名曲。
よりハードになったPRAYING MANTIS的な感触もあり。


WILDSIDE - Under the Influence ★★★ (2018-11-11 09:25:15)

ランディ・ローズとジョージ・リンチに師事し、後にヴィンス・ニールの2ndソロ『CARVED IN STONE』(’95年)のギタリストに抜擢されたことでも知られるブレント・ウッズ(G)が在籍していたLA出身の5人組、’92年発表のデビュー作。
本作はワイルドに炸裂するOPナンバー①からして、「本当に90年代の作品?」とばかりに明るく溌剌としたLAメタル感全開。アクの強い声質でパワフルに歌いまくるVoを始め、バックを固めるメンバーの演奏も実にタイトでエネルギッシュ。何よりテクニックを駆使して弾きまる一方、逆に聴かせるべき所ではしっかりとメロディを聴かせるブレントの華やかなGプレイからは、世が世ならギター・ヒーローの座だって夢ではなかったであろう豊かな才能が迸っていて、ヴィンスのお眼鏡に適ったのも納得ですよ。尤も、当時流行りのグランジ/オルタナ・ロック要素を大胆に取り入れた作風だった『CARVED~』でこの人のセンスが十全に発揮できたかどうかは甚だ疑問が残るところではありますが…。
曲によってはKISSのポール・スタンレーやジム・ヴァランスの名前が共作者としてクレジットされている本編は、仄かな哀愁を湛えたミッド・チューン②、王道パワー・バラード④⑪、LAのそよ風が爽やかに吹き抜けるかの如き⑤、緩急を活かしたドラマティックな曲展開で6分近い長尺を綴る⑥、ブルージーな⑧、エネルギッシュな疾走ナンバー⑨…と、聴けば聴くほど好きになる楽曲が目白押し。
リリース当時鼻も引っ掛けなかった自分が言えた義理じゃありませんが、あと数年早く発表されていればバカ売れしてたんじゃないかと思わずにはいられない1枚。


WILDSIDE - Under the Influence - Lad in Sin ★★★ (2018-11-12 23:39:53)

お、こんなタイプの楽曲も演ってくれるのか!と
Keyをアクセントに用いたドラマティックな曲展開に
予想外のボーナスを貰った気分になれる
お得なハード・ナンバー。
ここでもGが良い演奏を聴かせてくれていますよ。


WILDSIDE - Under the Influence - Looks Like Love ★★★ (2018-11-12 23:32:09)

LAのバンドらしく、明るく溌剌とハジける
ハードポップ・ナンバー。リフにリードに、
ブレント・ウッズのセンスフルなGプレイが
全編に亘って冴え渡っています。


WINTERHAWK - Revival ★★ (2010-01-15 23:11:00)

イリノイ州にて、ギタリストのジョーダン・マカラスによって結成された、
BがVoも兼ねるトリオ編成のHRバンドが残した唯一のフル・アルバム。('82年発表)
プログレ方面(と70年代HR)からの影響を伺わせる、起伏に富んだ曲展開や、前面に押し出された大作主義から
RUSHなんかと比較される事の多いバンドなれど、個人的には、高音域で濃いめの哀愁を醸し出すVoの歌唱スタイルや、
徹底的に泣きに拘ったGがリック・エメットを彷彿とさせることから、TRIUMPHっぽさを強く感じたり。
あのバンドから大衆性を差っ引いた代わりに、NWOBHM由来のマイナーな荒々しさを振りかけて料理した感じ?
一音入魂のエメット師匠に比べると随分軽やかな印象だが、劇的に構築され、猛烈な憂いを発散しながら
収録各曲のハイライトを飾るジョーダン・マカラスのGプレイはとにかく凄まじく、特に、次々に畳み掛けるように
展開しながら濃厚に咽び泣く③⑦のGソロなんて、何度聴いても涙の海で溺死しかねないクオリティ。曲単体としては、
ソリッド且つダイナミックにアルバムのOPを飾るインスト曲①、静と動、メリとハリの効いた曲展開が素晴しく
ドラマティックな②、泣きの入ったハイトーンVoの熱唱に胸を掻き毟られる⑤も名曲だ。
かつて伊藤政則氏が音楽生活誌上で「80年代HR/HMアルバムBEST100」に選出してたのにも納得が行く1枚。


WINTERS BANE - Heart of a Killer ★★★ (2018-02-18 22:05:26)

オハイオ州出身で、「冬将軍」を意味するバンド名を名乗る5人組が、'93年にドイツのMASSACRE RECORDSから発表したデビュー作。
まさに《POWER/SPEED/THRASH FROM OHIO, USA》の謳い文句を地で行くサウンドを全編に亘って炸裂させつつ、スピード以上に展開を重視し、パワフルに歌いまくるハイトーンVoとテクニカルなGの存在を軸に、リフ/リズム・チェンジを繰り返しながらクライマックスへ向けて畳み掛けていく曲作りのスタイルはプログレ・メタル的でもあるという。当時はストレートに「QUEENSRYCHEフォロワー」と思ったものですが、改めて聴き直すと、殺人鬼の心臓を移植され破滅していく判事の恐怖を描いたホラー風味のコンセプトとか、高低差の激しいメロディ・ラインを自在に歌いこなすVoの存在とか、なるほど確かにKING DIAMONDっぽいかもと。彼らをもっとHM寄りにしたような感じ?
それにしても、ロブ・ハルフォードも真っ青のスクリームを炸裂させるここのシンガーの歌唱力は実に見事。全く以てUSパワーメタル・シーンの層の厚さには驚かされるばかりですが、後に彼…ティム“リッパー”オーウェンズが本当にJUDAS PRIESTに加入してしまった時にゃ更に吃驚でしたよ。尤もJP時代に残した2枚のスタジオ・アルバムでは、作風的にその力量をフルに発揮できたとは言い難かったのは残念でありましたが。
押しと引きが劇的に決まったアルバム表題曲③を始め、優れた楽曲が並ぶ一方、通して聴くと少々キャッチーさの乏しさが気になったりもする本作ですが、リッパーのシンガーとしての実力を堪能したいのならば、JP時代の諸作よりも本作をどうぞ。


WINTERS BANE - Heart of a Killer - Heart of a Killer ★★★ (2018-02-18 22:13:19)

角張ったリフ&リズムが緊張感を湛えて降り注ぐ一方、
ちゃんと歌メロがキャッチーなのが良いですね。
押しまくったかと思えば、中間部でスッと引いて
「静」の美しさを演出する曲展開も技あり。
何よりこの曲におけるティム・オーウェンズの
ロブ・ハルフォードばりの熱唱は圧巻で、
そりゃJUDAS PRIESTにスカウトされますわなと。


WITCH CROSS - Fit for Fight ★★★ (2014-12-13 00:06:47)

女声の珍妙な日本語イントロからスタートする迷・・・名曲“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”の衝撃が未だマニアの間で語り継がれる、デンマーク出身の5人組が'84年に残した唯一のフル・アルバム。(邦題は『新世紀への挑戦』)
活動末期にはアンドレ・アンダーセン(Key)が加入し、後にROYAL HUNTへと発展していく母体となったことでも知られるバンドですが、本作で聴かれるサウンドに「華麗さ」「哀愁」といった北欧メタル的エッセンスは薄め。むしろ前述の名曲①や、本編をアグレッシブに締め括る⑧といったスピード・ナンバーに強く表れている通り、霞がかった音像の下、武骨なGリフと、疾走感溢れるリズム主体に荒々しく押し出してくるダークな作風は、NWOBHMムーブメントの空気を胸一杯に呼吸している感バリバリ。
それでも、アレックス・サヴェージ(Vo)の甘い響きを宿したハイトーンや、時折噴出するヒンヤリと冷気を帯びたメロディからは、隠しようのない彼らの出自が垣間見え、例えばツインGが奏でる劇的なメロディで畳み掛ける⑤や、火花散るスリリングなインスト曲⑥等はその代表格かなと。
小学生の悪夢を顕在化させたかの如きアートワークは頭抱えたくなる酷さですが、でも本作は“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”一発に頼らずとも十分戦えるクオリティを備えたB級メタルの名盤ですよ!


WITCH CROSS - Fit for Fight - Alien Savage ★★★ (2014-12-15 21:55:40)

やっぱりこの手のアルバムは最後は
疾走ナンバーで締め括らないとな!と。
攻撃的ハイトーンVoと劇的に絡むにツインGを乗せて
スピーディに突っ走る楽曲は、イモな音質さえも
「それがどうした?!」と笑い飛ばせるぐらい
ガッツポーズ級のカッコ良さ。
単純に疾走ナンバーとしての魅力なら
代表曲“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”を凌ぐ勢い。


WITCH CROSS - Fit for Fight - Axe Dance ★★ (2014-12-15 22:03:19)

IRON MAIDEN型のインスト・ナンバー。
2本のGが奏でる、氷がキラキラと弾けるような
美旋律から疾走へと転じる曲展開が
素晴らしくカッコイイ。


WITCH CROSS - Fit for Fight - Fight the Fire ★★ (2014-12-15 22:16:49)

憂愁を帯びて伸びやかに展開されるサビメロと
そこ被さる勇壮なツインGのフレーズが胸熱。
クライマックスに向けて熱量を高めていく
Gソロも大変ドラマティック。


WITCH CROSS - Fit for Fight - Night Flight to Tokyo ★★★ (2014-12-14 08:33:12)

冒頭から「もしもし、あたしヨ」と語りかける日本語台詞のみならず
トーキョー・ローズ、ゲイシャ、サムライの娘まで登場する
OH!エキゾチック・ジャパ~ン感溢れるアルバムOPナンバー。
しかしながら珍曲と侮ることなかれ。ゴツゴツと刻まれる角ばったGリフや
疾走するリズムはNWOBHM風でなかなかのカッコ良さ。
後にROYAL HUNTで人気を博し、本当に「もし良かったら日本に来ない?」
とお呼ばれすることになるアンドレ・アンダーセンの将来を
予見したかのような(?)名曲です。
もっとも、アルバム自体にはアンドレは未参加なんですけどね。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems ★★ (2021-05-13 00:18:23)

アフロ頭にコワモテの顔面力で睨みを効かせてくるオッサンのジャケット(ひっくり返しても別の顔に見えるトリックアートかと思ったら違った)が目印の、WITCHFYNDEが'84年に発表した4thアルバム。なおLP発売当時は、ヨーロッパ・ツアーのライブ音源4曲も収録された2枚組仕様でのリリースだったという。
不気味なイントロに導かれて幕が上がる本編ですが、オドロオドロしいアートワークや「NWOBHM」「オカルト」「サタニック」といったWITCHFYNDEについて回るキーワードに惹かれて手を出したリスナーに肩透かしを食らわせる、軽くはないが特段ヘヴィというわけではなく、スローじゃないけどかと言ってスピーディでもないという、シンプルで飾り気のない中庸なHRサウンドは今作でも健在。曲調は重厚ながら新Voの声質もメロディの響きも妙に明るいOPナンバー①が早速物語る通り、ドゥーミーなダークネスを求める向きには不完全燃焼感が半端ない本作なれど、例えポップなノリの楽曲を演っても明るくはなりきれない、精一杯陽キャを気取ってはみたけれど、ふと我に返って溜息をついてしまう感じにこそ、個人的には「ああ、英国メタルっぺー」と妙に惹かれてしまうわけでして。
Gソロ含め正調NWOBHMといった趣きで駆け抜ける②、ライブではコール&レスポンスが盛り上がりそうな③、タイトルと裏腹なアゲアゲ疾走チューン⑦辺りは特にお気に入り度高し。ラストは憂いを湛えた重厚なメドレー⑧⑨(さりげなくOPナンバーと対になるアレンジが施されている)で劇的に締め括ってくれるのも嬉しいじゃありませんか。
先入観を抜きにすれば十分「NWOBHMの良盤」として楽しめる1枚です。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems - Conspiracy ★★★ (2021-05-14 00:02:44)

重々しいリズムに重厚な曲調、シームレスで
次曲“RED GARTERS”に繋がっていく曲展開といい。
WITCHFYNDEにつきまとう「オカルト」「サタニック」な
イメージにアルバム中最も忠実と言えそうなラスト・ナンバー。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems - Stab in the Back ★★★ (2021-05-13 23:56:21)

BLACK SABBATHの面影は皆無ですが、歯切れの良いGリフと
シャウトVo、メロディックなGソロをフィーチュアした
正統派HMナンバーとして十分にカッコイイ出来栄え。


WITCHFYNDE - Stagefright ★★★ (2021-02-08 23:29:37)

ANGEL WITCH、WITCHFINDER GENERALと共に「NWOBHMの3大WITCHバンド」なんて言われてたバーミンガム出身のWITCHFYNDEが、'80年にレコード店のオーナーが立ち上げたインディーズのRONDELET RECORDSから発表した2ndアルバム。
彼らの代表作といえば、雑誌等におけるNWOBHM特集の常連たる1st『GIVE 'EM THEM』(’80年)がつとに有名ですが、個人的には良さを理解するまでに随分と時間を要した『GIVE~』よりも、収録曲の間口が広がり、再生1回目にして「これ最高でしょ!」となった本作の方がWITCHFYNDE作品としては愛着度が高めという。
オカルティック/サタニックなイメージを前面に打ち出している割に、アルバム全体としてはオドロオドロしさの薄い、シンプルで飾り気のない70年代HR路線を志向している点はデビュー作同様ながら、OPナンバー①はBLACK SABBATHからの強烈な影響を伺わせる暗鬱に沈み込んでいくヘヴィ・チューンですし、続くブリティッシュHRならではのいぶし銀のGが泣かせる②、更にTHIN LIZZYの名曲“奴らは街へ”を彷彿とさせるロケンロール③へと繋がっていく冒頭3曲で、こちとら完全にハート鷲掴み。しかも中盤には抒情メロディがキャッチーに弾む⑥という絶品の名曲まで用意されているという隙のなさ。どこかエキゾチックな風情漂う2ndシングル曲の⑦やバラードに挑戦した⑨等も良い曲です。
名作との評判に誘われて1stを聴いてみたけどあんましピンと来なかったという方は、WITCHFYNDEに見切りをつける前に、是非とも本作もお試しい頂きたいなと。


WITCHFYNDE - Stagefright - Doing the Right Thing ★★★ (2021-02-10 00:29:40)

リフとリズムはヘヴィだが、サビメロはポップな
明快さを感じさせるというミスマッチ感がクセになる1曲。
曲が進むにつれて徐々に哀愁度を高めていき、3分半辺りから
一気に主役の座へ躍り出るGの滋味深い活躍も聴きモノです。


WITCHFYNDE - Stagefright - Moon Magic ★★★ (2021-02-10 00:32:47)

時計の針が時を刻むようなGリフと、
キャッチーとさえ言える哀愁のメロディの
組み合わせが秀逸なメロディック・ロック・チューン。
本編の中では異彩を放っているのですが、良い曲ですよ。


WOLF - Roll over ★★★ (2008-03-02 21:14:00)

WOLF最期の作品となった、'91年リリースの過去音源集。
①~④が、'90年制作の2ndデモ『LIMITED EDITION.1』、⑤⑥がデビューEP『WOLF』、⑦~⑪が'87年制作の1stデモ・テープからの再録となっていて、⑦は確かTERRA ROSAやSABER TIGERなんかが参加したオムニバス・アルバム『METAL WARNING』にも収録されていた筈だが、あのアルバムに一緒に提供していた“LAST WORD"は、本作には未収録。残念。
幻の名盤(現在では復刻済み)『WOLF』収録の名曲⑤⑥が聴ける作品として、リリース当時、かなり重宝した覚えがあるが、勿論、その他の収録曲も文句なしのクオリティを誇る。1stフル『SOME ASPECTS OF THE MOMENT』では曲調を広げに掛かっていた彼らだが、ここに収められた楽曲はそれ以前に作られたモノばかりゆえ、徹頭徹尾、直球ド真ん中の様式美HMサウンドが展開。
イントロから、黒木政彦の華麗にしてスリリングなGプレイが炸裂する、バンドの代表曲⑦を筆頭とした、
所謂「第1期WOLF」による楽曲の数々も良いが、個人的なイチオシは、①~④の第2期WOLFの手による楽曲の方。黒木の劇的なG(④のソロには号泣&失禁)、松本龍以のパワフルな歌唱の素晴しさについては今更言及するまでもないが、その陰に隠れて、アクティヴに動き回る西川健のベースのカッコ良さも特筆もの。特に、①③といったスピード・チューンにおける印象的なBラインは、楽曲の魅力を数倍にも引き上げている。
WOLF入門編に持ってこいの1枚・・・なんだけど、今でも入手可能かどうかは不明。


WOLF - Roll over - Standing with Shout ★★★ (2008-03-02 21:19:14)

イントロでドカンと炸裂する、
劇的極まりないGリフで掴みはOK。
松本龍以のシャウトと共に曲が走り始める頃には、
ガンガン頭を振りまくっているという様式美HMチューン。
黒木政彦のドラマティックなGソロの
素晴しさは相変わらずだが、
この曲では、アクティブに動き回る
西川健のBのカッコ良さも際立っている。


WOLF - Roll over - Stay Close Tonight ★★★ (2008-03-02 21:20:12)

松本龍以の歌の上手さが際立つミドル・ナンバー。
哀愁を帯びた曲調もいいが、本曲のクライマックスは
猛烈に泣きまくる黒木政彦の壮絶なGソロ。
聴く度に心筋が痙攣しそうになりますよ。